解説
ムーンレィスの軍隊。月面都市ゲンガナムを築いた月の名門であるギンガナム家が率いており、当代の総大将はギム・ギンガナム。
月の民と女王の守護を主な任務とするムーンレィスの正規軍的な存在であり、地球帰還作戦のために組織された市民軍であるディアナ・カウンターとは別の軍隊である。
地球の人類がかつての宇宙世紀などのように発達した文明を持って月に侵略してくる事態に備えて2500年間以上に渡って訓練をしていた。
戦術用語には「車懸りの陣」、部隊長を「大名」、当主ギムを「御大将(おんたいしょう)」と呼ぶ習わしがあるなど、日本の古い時代の封建武家制度を彷彿とさせる文化や体制が色濃く根付いている。
有事の際には率先して命がけで戦う使命と義務を負っているため、所属する将兵達にはかつての貴族や武士階級のような様々な特権が与えられているが、現在では月を守護する武門としての誇りが長い年月を経て特権意識に凝り固まった傲慢さへと変質し、戦えない者や身分の低い者を見下して横暴に振る舞う者たちが非常に多く、月の平民たちからは強い反感を抱かれている。
一方、月では2500年以上の間に特に有事も差し迫った脅威も無く、普段やってることといえば伝統的な戦術演習を延々と繰り返してきただけであるため、平民達の間で「威張ってるだけの役立たず」と陰口を叩かれるなどして鬱屈が溜まり、さらに横暴さが増すという悪循環に陥っていたようである。
そんなわけでギムを始めとして将兵たちは士気が高いのを通り越して気性の荒い者が多く、自分達の力を知らしめることができる「本物の戦争」を心待ちにしていた。
ギムは地球帰還作戦に際して武力による侵略を主張したが、なるべく穏便に入植を進めようとしていたディアナ・ソレルはそれに反対。ギム達を連れていく危険性を鑑みて、新たに志願制の市民軍であるディアナ・カウンターを組織し、交渉による平和的入植の方針での地球帰還作戦の実施を決定する。
しかし、この決定はギムらにしてみれば先祖代々2500年以上待ちわびた実戦の機会を、そして自分達の存在意義を証明する千載一遇の好機を奪い去られたも同義であった。「自分たちの面目を潰し、武門の誇りを穢した」として腹を立てたギムは、かねてから地球帰還に反対していたアグリッパ・メンテナーと密かに結託し、ディアナを排除しようと画策した。
また秘密裏に月のマウンテンサイクルでモビルスーツを発掘したりして、戦力を整えていく。
そしてミリシャが和平交渉の為にウィルゲムで宇宙にやってきた際にその姿を現してミリシャを攻撃した。
月においてアグリッパが討たれた後、黒歴史を知ってかつてのテクノロジーを手に入れようと企むグエン・サード・ラインフォードらのイングレッサの一部メンバーと結託し、∀ガンダムを奪取、邪魔なディアナやロランたちを月に足止めした上で地球侵攻を開始、ルジャーナ・ミリシャやディアナ追放後のディアナ・カウンターに牙を向いたが、ディアナ達が地球に帰還し結託したミリシャとディアナ・カウンターの共同戦線の前に艦隊は壊滅、そしてギムも2機のターンタイプ共々封印された。
結果的にギンガナム艦隊とグエン達の悪行がそれまで対立していた地球と月の和平のきっかけとなった。
所属者
- ギム・ギンガナム(総大将)
- メリーベル・ガジット(ギンガナムの側近)
- スエッソン・ステロ(マヒロー隊隊長)
- ヤン・シッキネン(マヒロー隊隊員)
保有戦力
関連タグ
ソレスタルビーイング:後のガンダム作品に登場する組織。主人公側の組織だがこちらは自分たちが世界共通の敵になる事で意図的にバラバラで対立状態だった世界を統一に向かうように仕向けた。