CV:福山潤
人物像
ロラン、フランと共に先遣隊として地球に降り立ったムーンレィス(月面居住民)の青年。
地球ではイングレッサ領の首都ノックスのパン屋『ドンキー』で住み込みで働き、二年の間に順調に腕を上げていき、戦闘開始後はドンキーの親方が怪我をしたときには店主を任された事もあった。
月生まれであるが故郷である月に対する未練はなく、当初より地球で暮らし骨を埋めるつもりでいた。
ロランやフランとは地球に降り立ってからも度々密会しており、その友情が途切れることはなかった。
ディアナ・カウンターの地球帰還による地球との緊張状態が続く中でドンキーの規模拡大の為に資金を得ようと奔走し、その末に地球への降下で使用して以来ずっと秘匿していたフラットを「発見した」と称してミリシャに売却し大金を得たが、その後のノックス陥落によってイングレッサ領の政治が崩壊した事でこの際に得た資金が無価値な物となり、それまでの店を捨ててサンベルト地帯への疎開を余儀なくされてしまう。
しかし、そのようにミリシャとディアナ・カウンターの対立によって先行きが不安になっていく中にあっても、親方の娘ベルレーヌ・ボンドと協力してパン屋を続けていくことを決意。
両陣営関係なしにパンを売ったことから当初はフランから非難を受けることもあったが、『俺は、腹が減っているやつのためにパンを作る』と強い信念を伝えた。
実際に彼の作るパンは味が良かったことから好評を博し、両陣営の客から人気を得ることに成功し、更に沢山のパンを作るために工場を建てて、入植後の働き口が無く困っていたムーンレィスの民間人を従業員に雇用していくなど、食の面だけではなく両陣営の一般人同士の対立を緩和する架け橋的役割も担い、戦争の無い一種の中立地帯を築き上げていった。
ベルレーヌとは苦楽を共にする内に徐々に恋仲になっていき、ついには夫婦同然の間柄となる。
しかし、ギンガナム艦隊の侵攻時に工場を失い、更には妊娠中のベルレーヌが負傷する不幸に襲われる。だが、激しい怒りを胸に自らも戦うとディアナ・ソレルに進言するも、ディアナから自身の戦いは「人々のためにパンを作り続ける」ことにあると諭され、あえて銃を取る選択を捨てパンを作り続けた。
戦後は「ドンキー」の経営を盛り返し、更に店の規模を拡大させていった。また、ベルレーヌも無事子供を出産、復興したノックスの街へ家族一同で帰ることができ、幸福の内に大成功を収めた。
関連項目
フィリップ・ヒューズ、セシリー・フェアチャイルド:パン屋をしている宇宙世紀シリーズのキャラクター。前者は戦後にパン屋を始めており、後者は家がパン屋をしていた。
マリナ・イスマイール:後のガンダム作品のキャラ。彼女もまた銃を取らずに平和を求めた。