――大丈夫。ウルトラマンは負けません!――
演:佐藤康恵
概要
地球解放機構TLTの実働攻撃部隊ナイトレイダーAユニット副隊長。27歳。
幼少期に両親をスペースビーストに惨殺され、人の形をしたビーストに母親の死体を蹂躙された事からビーストに偏執的な憎悪を抱き、「憎しみを力に変える」といった信条から一般人の安全よりもビースト殲滅を優先する。このことから孤門一輝と衝突することも多く、隊長の和倉からも参謀として信頼されているが、苛烈な面を危険視されている。
幼少期の悲劇、そしてかつての上司でありダークメフィストとなった溝呂木眞也の一件から特に人の形をしたビーストを強く憎んでおり、ウルトラマンすらビーストとみなし命令に戸惑うことなく攻撃したり、変身者である姫矢准にも出会い頭に銃口を向け、時には発砲することまであった。その後ではそれを阻んだ孤門に「次飛び出したら本気で撃つからね?」と脅しめいた警告までしている。
このように問題視されてもおかしくない面が多く見られる凪だが、演じた佐藤氏からは「素直に言いたいことを伝えられない」と評されている。度々楽観的ともとれる孤門の言動に言い方こそ苛烈だが警戒心を促そうと釘を刺したり、恋人を失い溝呂木に弄ばれる彼を(憎しみを肯定したものだが)励ますなど、彼女なりに上官として孤門を支えようとしている。自身に対する命令違反を犯してでも孤門が救った子犬と少女の無事を笑顔で喜ぶ姿も見られるため、表面からは分かりにくいが、度重なる過去のトラウマが積み重なったのが原因でそう見えるだけで、決して悪い人間ではない。
以下本編24話〜最終話までのネタバレ注意
だが姫矢が消えたときには強く動揺したり、ジュネッスブルー登場時に「新しいウルトラマンが姫矢のような人間とは限らない」と発言したりと、共に戦うにつれて敵意を持たなくなり、最終的に彼の人間性を高く評価していた。
新たなデュナミストとなった千樹憐が自分の身を顧みない戦いをしていることにいち早く気づいて無謀な特攻を威嚇射撃で止めたり、憐本人に「死ぬ気で戦う事と死んでもいいと思って戦う事は違う」「生きるために戦いなさい。たとえ明日が無くても」と助言を送ったりと徐々に認識を改めて行った。この事から憐に次のデュナミストに選ばれていた。
溝呂木からは恋愛感情を抱かれ「自身の伴侶にする」という目的を持たれていたが、彼女にその気は無く戦士として憧れていた。溝呂木がメフィストだったと知ってからは強い殺意を向けるようになったがウルトラマンや孤門との交流が彼女を変えた事で、ダークメフィスト・ツヴァイに致命傷を負わされた溝呂木に「生きて罪を償え」と諭した。
上述したように孤門とは幾度も衝突し、孤門本人も彼女に撃たれる夢を見たりと苦手意識を抱かれていたが、恋人の斎田リコを失い絶望していた孤門に自分と同じく憎しみを力に変えて戦えと伝えたりと彼女なりに気づかいはしていた。孤門が絶望を振り切ってからはビーストから人々を守ろうとする姿に理解を示したりとよき戦友となっていった。
「貴方だったの?裏切り者は!」
最終回にて本性を現した石堀光彦の口から告げられたのは、凪が少なくとも十八年前から光を手にする運命にあったこと、その時の為に石堀は凪の両親を殺害し、溝呂木を闇の巨人にしたこと。
全てがザギの復活のための計画の内だったことを知ると、凪は怒りと憎しみに駆られるままネクサスに変身する。しかし強すぎる感情がレーテに貯め込んだ恐怖の感情とシンクロし、光の力が闇に変換されたことで、相手の目論見通りダークザギを復活させてしまう。そして暴走したレーテが生み出した闇の中に彼女は捕らえられてしまった。
「副隊長!駄目だ、闇に飲みこまれたら、駄目だ!」
「あなたの厳しさが、僕を今まで支えてくれた。あなたの強さが僕を勇気づけてくれた」
「憎しみは乗り越えられる!副隊長……諦めるな!」
勇敢にも闇に飛び込んだ孤門に助けられ、絆の力でザギの暴れる新宿までワープすると同時に、彼を次のデュナミストに選択。孤門が変身したネクサスとダークザギの戦う様子を見届けた。
1年後もナイトレイダーの副隊長として活躍、人々の避難誘導も積極的に行っていた。
ネクサス本編から3年後の世界を舞台にした小説『再臨-ドリームス-』では副隊長の座を孤門に託し、TLT北米支部に移動。新宿で孤門と再会し二人で飲み交わしていたが、新たな闇の巨人ダークルシフェルの出現に孤門と二人でウルトラマンノアへ変身。ダークルシフェルに立ち向かった。
余談
凪の変身したウルトラマンはジュネッスへの二段変身をするシーンがなかったが、これは本来4話で完結させる予定だった最終章を1話に纏めたことによる尺の都合である。
本来であれば、彼女特有の「ジュネッスルージュ」に加えて、ウルトラマンノアの闇落ち形態という「本来の」ダークザギが彼女の変身するウルトラマンとして登場予定であり、デュナミストとしては孤門に次ぐ破格の優遇がされる筈であった。