概要
実物大スコープドッグを制作したことで有名な倉田光吾郎氏が2年の歳月をかけて作り上げた個人制作の有人操縦型ロボットである。
全高約4メートルで、総重量は約5トン。軽油を燃料とするディーゼルエンジンによる油圧式駆動で、上半身のコックピットにて操作する。吉崎航氏が考案したロボット制御用のオペレーティングシステム「V-Sido」(ブシドー)を操作系統に導入した事で直感的かつシンプルな操作が可能となり、オーソドックスなハンドル操作をはじめ、マスタースレイブ方式による操作、更にはスマートフォンの3G回線経路による遠隔操作も行えるようになっている。
四本の脚にて自立し、脚部に装備されたローラータイヤによって時速10km/hで走行。
脚部をリフトアップ・ダウンさせる事で状況に応じて車高を変えながら走行する事も出来る。
オモチャではあるが、アクセサリーとして毎分6000発のBB弾を発射可能なガトリング砲2基(ツインガトリング)を左腕に標準装備。ロックオンした目標を自動追従する機能が実装されており、搭乗者が微笑むことで自動的に射撃を開始するスマイルショット機能もある(女性専用特別装備)。
ロハスランチャーやオーガニックライフル、アイアンクロー等の追加武装を装備することもできる。
「作るからには量産してみたい!」という倉田氏の想いから設立された水道橋重工によって管理運営が成されており、スターターキット(両腕パーツは別売り)はAmazonにて一体につき1億2千万円で販売されている。
既に国内および海外から3000件に達するオファーが届いたらしいが、注文者の殆どが単なるジョークと捉えていた為に、彼らがそれに気づくや否や注文のキャンセルが相次いだという。倉田氏曰く「一体作るのに一年かかるから全部作ろうと思ったら3000年かかる」とのことで、今後は量産に向けた体勢作りおよび協力を申し出てくれた国内企業との連携による機体のブラッシュアップに努めるとのこと。個人制作のロボットなのでまだまだ粗が多いらしく、倉田氏は協力者と一緒に完成度を高めていく方針のようである。ロボットの量産化とは険しい道のりなのである。
言うまでもないことだが、これは男の浪漫を実現するために作られた大きいお友達向けの高価な玩具であり、断じて軍事利用の為に製造されたものではない。
銀幕デビュー
2015年4月5日に公開された押井守監督作品『The Next Generation -パトレイバー-』第1章では、同作に登場する作業用レイバーとして客演しており、特車二課のイングラムと交戦した。
左腕のツインガトリングはカッターに換装されている。
アメリカからの果たし状
2015年6月30日、アメリカのメガボット社が水道橋重工に挑戦状を叩き付けた。
同社はクローラーで走行するガソリン駆動タイプの2人乗りロボット「メガボットMk-Ⅱ」を完成させたが、「世界初の戦う巨大ロボット」の座をクラタスに奪われた形となり、その無念を晴らすべく決闘を申し込むのだという。
Youtubeに投稿されたメガボットの動画チャンネル内では、時速160km/hで撃ち出される1kgのペイント弾で廃車の窓ガラスを粉砕したり、廃車を轢き潰すパフォーマンスを披露。
決闘は1年後の2016年7月とし、その間に双方の準備を整え、戦場を選べとの言葉で動画は締めくくられている。
これに対し、水道橋重工側は当初はコメントを控えていたものの、7月6日にメガボットとの決闘を受諾する旨の動画をYoutube上に公開。
動画内で倉田氏はメガボットを「もうちょっとカッコ良く作れ」、「デカいものに銃付けりゃあいいっていうアメリカ文化」、「アメリカ丸出し」と評しながらも「海外に取られたくない」、「巨大ロボットは日本の文化」との意気込みを示し、格闘戦による対戦方式をメガボット側に提案。
対するメガボット側は格闘戦と射撃戦の折衷案を提唱しており、水道橋重工からの返答を待たれる所である。