概要
- mushroom:英語できのこを指す言葉。
- きのこの一種。
- マッシュルームカットという髪型。
マッシュルーム(種名)
ハラタケ科のきのこの一種。和名ツクリタケ。
一般的な食用きのこのひとつで、多く栽培・販売されている。日本で単に「マッシュルーム」といえば多くの場合これを指す。
売られているものは大抵は傘が開く前で、饅頭型をしている。
傘の直径は数cmのものが多いが、10cmを超えるものも販売される。
馬とマッシュルームの歴史
実はマッシュルーム、馬と切っても切れない関係にある。
古代ギリシャ・古代ローマの時代にはもう食べられていたが、そのころは馬糞と敷き藁などで作った堆肥(馬厩肥)に自然発生していた。
17世紀のフランスでは、小屋掛けや鍾乳洞の利用など、現在に近い人工栽培方法が確立。「パリのキノコ」と呼ばれた。
19世紀には無菌状態の純粋種菌が開発さる。
20世紀にはアメリカで栽培床を箱の中で行う「箱栽培」が確立され、栽培工程全般が機械化。それをうけて1950年代に「袋栽培」が誕生し、小規模生産者に好まれた。
伝統的には馬厩肥をメインに鶏糞堆肥・麦のわら・石灰を混ぜて菌床が作られるが、
相対的に馬糞の生産量が減った今は、さまざまな植物性材料で培地が生産されている。
(具体的には…牛糞・トウモロコシの軸の粉・大豆の搾りかす・ビールかす・米糠・小麦のフスマ・醤油の搾りかす・コーヒー豆のかす・ほかのキノコを栽培した後の菌床など)
それでも馬厩肥メインの伝統的なマッシュルームにこだわる生産者は根強いうえ、マッシュルーム栽培所は競馬場やトレーニングセンター、厩舎の近くに多い。
さらに競争・常用馬の落第生や引退馬が安心してのんびりと過ごせるように馬厩肥作りとマッシュルーム栽培を始めた業者もある。
何で馬?
別に牛糞に生えてもいいのに…と思ってはいないだろうか。
マッシュルームが自然に生える最大の理由は、牛と馬の体の違いにある。
馬は牛と違って反芻をしないため、草はザクザクと荒く噛み砕かれる。
そのためフンの中には草の繊維質や栄養素が程よく残っているので、風通しや菌の根張りがよくなる。
さらに馬糞は水分量が少なく、善玉菌が行う好気発酵が起こりやすい。もとより嫌な臭いのもとになる悪玉菌に不利な環境であるが、さらに発酵熱で悪玉菌は死滅してしまう。
しかも馬は太らせるための穀類を食べさせる必要がないため、馬糞は牛・豚・鶏の糞よりも臭いが少ない。
マッシュルームは馬糞ではなく馬が作った極上の土で育つといっても過言ではないので、洗うならさっと洗う程度で大丈夫であろう。