Hydnellum_peckii
ひどねらむぺきい
「Hydnellum peckii」はきのこの一種。タグ登録では便宜上「_(アンダーバー)」が入れられている。
日本において定められた呼び方は無い。
若い個体からは真っ赤な液体が所々から出ているという非常に特徴的な外見をしており、その姿は「イチゴとクリーム」とメルヘンな呼び方から「出血キノコ」「悪魔の歯」などおどろおどろしい呼ばれ方で表現されている。
この不気味な液体が噴出し続けているのは植物の葉に水滴が付く「溢液」と同じ現象で、加えて非常に変形しやすいという性質の為にこの溢液が発生しやすくなっており、結果としてこのように大量の液体があちこちから滲み出ている。
ちなみにこの液体にはヘパリン(血液の凝固を防ぐ成分)に似た成分が含まれているとの事。
成熟すると特徴のないやや茶色いきのこに落ち着く。
成長後も溢液は起きるが、液体の色が茶色くなっているのでグロさは抑えられている。
実際の姿については「Hydnellum peckii」で検索をかけて調べると見れるが、非常にグロテスクな画像が多く、そうしたものに耐性が無い場合は十分注意したほうが良い。関連イラストでも見れるがそちらにも要注意。
尚、耐性のあるネットユーザーの皆さんからはパナップに喩えられており、「パナップキノコ」などという愛称を付けられている。
なおグロテスクな見かけとは無関係に毒性はないとされている。つまり誤解されやすいが、いわゆる毒きのこではないようである。
ただし、香りこそほのかに甘いが味の方は途轍もなく苦くて不味いらしく、グロテスクな見かけ通り食用に適さないと言われている。
一方で染料としては重宝されており、種類や加工方法によっては青や緑といった色も出せる。
日本語での表記について
日本では「ハイドネリウム・ピッキー」とも呼ばれているが実際の発音は「ヒドネラム・ペキー」「ヒードネラム・ペッキー」「ヒードネラム・パッキー」などに近い。
参考1http://youtu.be/7GcJtUkfcSQ 参考2http://youtu.be/2IL8eUqH7_A
「hyd」部については英語読みのハイド、ラテン語読みのヒドの違いだが、「nellum」部をネラム(英)・ネルム(羅)としてもネリウムとするのはどの言語の読みとしても非常に考えにくい(nel l(エル) umをnel i(アイ) umと誤読したのだろうか?)。また後半「peckii」部も「peck」という単語の発音は「パック」に近く一般的な日本語表記では「ペック」とされており、ピックとすることはほぼ無い(一応参考1ではペとピの中間程度に聞こえるが)。「ii」部は英語読みではイアイになりうる(つまりハイドネラム・ペキアイ)が、このカナ表記は見かけない。
学名発音は人によって個人差があるものだが、それを考慮しても「ハイドネリウム・ピッキー」はかなり不自然な表記である、と言われる。とは言え字面のインパクトもあってかその読み方で広まり定着してしまっているわけだが。