《謨第?・謌ヲ髫》
「緊急事態ダァ〜!緊急事態ダ!大災害ダ!大混乱ダ〜!!」
「僕ノ命ハ、地球ノ未来ダァ〜!」
CV:河西晃司
データ
身長/193cm
体重/234kg
スキン/世紀末のマトイ
むかしむかし/久我はミントのガムを噛んで心を落ち着かせていたそうな…。
概要
気弱そうな男・久我の「自分をレスキューしてくれ」という欲望を叶えるために誕生した、救急モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、防護マスクと防護服を着込むレスキュー隊員の様な外見のスキン・“世紀末のマトイ”を身に纏った姿。炎を彷彿とさせる悪魔の如き怪物の双眸がゴーグル越しに見えるマスクは吸引口の部分に歯が生えている他、オレンジ色のツナギを思わせる胸部には水色のハーネスを連想させる模様が張り巡らされている。
ベニツ鬼の体色とも合わせて、「災害現場の業火で身体を焼かれて生き地獄を味わうレスキュー隊員」にも見えなくもない、禍々しく悲惨な外見になっている。
また、頭部の消防士のヘルメットには江戸時代の火消しが使っていた「纏(まとい)」の意匠が凝らされている。
変貌時には「謨第?・謌ヲ髫」(救急戦隊)の文字化けと、救急戦隊ゴーゴーファイブのクレストが浮かび上がる。
宿主の異常なまでの臆病さ等より来るネガティブな欲望が暴走した結果、起こってすらもいない災害から自らの身を救うべく辰巳の方角から出場し、「緊急事態ダー!」とサイレンの如く叫んであてもなくどんどん走り回る。そして進行方向に立ち塞がる人がいれば、救助者を収容するような感覚で口より吸い込み体内へ吸収する。一方、進行方向上にいた人からすれば唐突に怪物へ追い掛けられた挙句飲み込まれる不条理と恐怖に遭わされるので、傍からすれば災難をもたらす魔物にしか見えない。
基本は逃げる事を優先するも、戦闘では灼熱の「カラミティブレイズ」で発生させた業火で敵を取り囲み、逃げ場を奪った上で炎を乗り越えて奇襲する攻撃を仕掛けて来る。
逆に得意戦法を破られればほぼ丸腰に成り下がるのも、普通のヒトツ鬼として最早お約束である。
活躍
とある大衆食堂で食事を取っていたところ、獣人となった翼が店内へと乱入して肉を貪り食らって好き勝手に暴れ回る。逃亡を図るがすぐに捕まってしまい、翼が調理した料理を怯えながら食べる羽目になった。
何とかやり過ごし、店から出た久我だったが今度は本物の翼の居場所を聞き出そうとするソノニと獣人であるみほの激闘を目撃。
身がすくみそうな経験を二度も味わい、少しずつ恐怖心が膨れ上がっていく。
その後、何処かの工業地帯にて、みほと邂逅する桃井タロウ、乱入すると獣人を追うソノザ。そして彼らの三つ巴の激突を目撃した久我。
「あわわ…緊急事態ダァァ…!緊急事態……緊急ジタ~イ!!」
日常とかけ離れた出来事に三度も遭遇し、とうとう恐怖心や不安感が限界に達して救急鬼にヒトツ鬼化。
人を越えた警報の鬼となって、自分だけが危機感を覚える事態に怯えながら、人間を吸収し回る。
すると、逃走した先ではるか/オニシスターとぶつかり、続けて残りのドンブラザーズの面々が参上(ただし獣人の方の犬塚が呼び出されてしまい、せっかくのTVシリーズ初の戦隊名乗りを披露するも途中で大暴れして結局グダグダで名乗れてない)、さらに復調したドンドラゴクウも参戦し、あれだけ怯えていた戦いに自身も乱入することに。
どうにかして助かりたい救急鬼は「面体着装!ファイヤー!」とカラミティブレイズを発動。彼らを火の海で取り囲んで動きを封じ攻撃、それに加えて彼らは知らないがイヌブラザーの中身は獣人で仲間を攻撃し大混乱となる。
するとタロウ/ドンモモタロウはジュウオウジャーギアとゴールドンモモタロウの合わせ技で金のマントをまとったジュウオウイーグルへとアバターチェンジ。自身の羽で炎を吹き飛ばされ、すぐさま放った銃撃を食らって怯んだ隙に桃型バリアで拘束される。
「レスキューシテクレ!」と混乱していると、最期はゴールドンモモタロウの「抱腹絶桃・フェスティバル縁弩」を食らって「気持チイイ〜♡」と極楽気分に浸りながら爆散した。
しかしすぐさま欲望が暴走したことで救急鬼ングへと変貌してしまい、ドンブラザーズはトラドラオニタイジンとなって迎え撃つ。
事件後、訳もわからず戦いに参加した翼に化けた猫の獣人の目の前に、何故か単独脱出に成功した本物の犬塚翼が姿を現す。それぞれ変身して一騎打ちに発展するも、イヌブラザーの巨大手裏剣を胸に受け撃破された。
久我
非常に気の弱い男。昔からミント味のガムを噛んで心を落ち着かせていたらしい。
元からの気質に加えて、そもそもモラル面に難のあり過ぎる人の多い王苦市に何故か住んでいることも相まって臆病さが拗れていたのが推測され、今回獣人関連の出来事に巻き込まれた上に理解不能な光景を何度も目撃したのが切っ掛けとなって恐怖と不安の念が一気に増大。救急鬼を引き寄せて変貌するも、その結果自分が他人に災害を与える側へなってしまったのは皮肉である。
ドンブラザーズに解放された後は仰向け状態よりゆっくりと立ち上がった後、「状況終了。撤収…」と呟きながら静かに立ち去って行った。
余談
- モデルとして使われた戦隊は救急戦隊ゴーゴーファイブ。スキン名の世紀末のマトイはゴーレッドの変身者とゴーゴーファイブの放送年1999年=世紀末を混成していると思われる。
- 2行目の発言の元ネタは「人の命は地球の未来」という原典の決め台詞。
- タロウはジュウオウイーグルにアバターチェンジしていたが、ジュウオウジャーのレッドはゴーゴーファイブ同様、人命を救助する職業に就いている父親がおり、確執があった。前回同様皮肉の効いたチョイスと言えよう。
- なお、かつてジュウオウジャーアバタロウギアをドロップした動物鬼は救急鬼とは反対に人々を歪な形でレスキューしようとしていた。
- さらに余談だがゴーブルーを演じた谷口賢志氏は、この回が放送された数か月前に同時期のライバル作品に出演していた。
- スーツは後にドン47話に登場する電撃鬼のものに改造された。
- ただ、デザイン時点で電撃鬼に改造される事を見越してデザインされている。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として救急鬼が投稿されていた。
関連タグ
地球鬼、魔法鬼、手裏剣鬼:家族スーパー戦隊モチーフのヒトツ鬼の前例。
電磁鬼、百獣鬼、炎神鬼:原典のメインライター繋がりのヒトツ鬼。
ビッグドーザー:原典に登場したロボットで、敵の所業により暴走してしまい、その際に火炎放射の機能を追加された。恐らく元ネタ。
はぐれハイネス・ラクシャーサ:VSシリーズに登場する敵幹部。ガオレンジャー3人の戦士の魂を抜き取ることで全員が弱気になり、その一人のブルーが偶然にもゴーイエローを訪ねるこになる。
ファイヤーロイド メラン:11年前のゴーゴーファイブのレジェンド回で登場する炎属性の戦隊怪人。