概要
付喪神の一種とされる存在であり、一説によれば使われずに忘れられてしまった様々なお金の「使って欲しい」という思いが形を成したとも。
福の神のように訪れた家を栄えさせる精霊であるといわれ、金玉と呼ばれる火の玉も同一視されたり、または自分が見込んだり通りがかりの人にちょっとした試練を仕掛け、見事成し遂げた人には大金を置いて去るともいわれる。
この様に基本的には善良な存在として描かれるが、あまりにも欲深い相手に対しては痛い目を見せる逸話もあったりすると、金銭への執着への戒めも含まれる事もある。
江戸時代に鳥山石燕によって描かれた『今昔画図続百鬼』では、蔵の窓から大判小判があふれている、もしくは入っているような絵が掲載されている。
解説文には唐詩の「不貪夜識金銀気」、論語の「富貴在天」が引用されており、富を得ることは天命によるもので、無欲で善行を行っている者のところに福が訪れることを象徴しているという。
創作での扱い
妖怪図鑑などでは福の神的な存在として解説されるが、高度経済成長やバブル景気を経て、特撮ヒーロー番組などでは、金の欲望を象徴した魔物として描かれる場合もある。
- 水木しげる作品
石燕の絵を元にした妖怪画が描かれており、水木氏自身が大きな十円玉のような金霊が飛んでいくのを幼少期に見たとして、そちらのバージョンの妖怪画も描いている。解説では、訪れた家は栄え、去ってしまうと没落するという座敷童子のような存在であると解説されている。
また、自伝漫画には仕事が軌道に乗ったときにも見えたと書かれていた。
『3期鬼太郎』第65話「妖怪百目・地獄流し」にも登場。鬼太郎に呼び出され、光って百目の目をくらませ助けた。
第18話「古銭から煙が?ヒネクレ少年の初恋」に妖怪・カネダマとして登場。学校の宿題の古銭を持ってこれなかったひねくれ者のテルオ少年に憑依し、彼の吐いた暴言を実行していく。
第13話「ブッとばせ不幸」に妖怪軍団のカネダマとして登場。ブリキのロボットとスロットマシンがモチーフで、ユガミ博士と組んで造った呪いのカネダマコインをばら撒いて人々を不幸にした後、妖怪払いエクソシストの福王大吉に化けて呪いを解き金を巻き上げる。
「悦楽の領域」のボスで金の玉が周囲に飛ぶ少女。
「妖怪・金霊の巻」に登場。小柄で不気味な怪僧のような姿。
出合った者に幾ら欲しいかと問い掛けた後に「これから通る奴を倒せ」と試し、一番強い相手を倒せたら望んだ額を、そうで無いなら望みより少ない額を与えて去っていく。
まことが遭遇した事を切っ掛けに広のうっかりミスから全壊させてしまったラーメン屋の屋台の弁償をすべくぬ~べ~が金霊の出没する所へ赴き、美樹が予め弁償に必要な分より遥かに多い金額を提示し、敢えて倒しやすいが金額が少なくなる相手を選んで倒した事(それでも弁償に十分な額)によって、どうにか丸く収まった。
しかしここでぬ~べ~が要らん欲を出して一儲けを企むも、金霊もそれを見抜いており、試練に見せ掛けて痛烈な戒めを用意した事で、哀れぬ~べ~は全治1ヶ月の重傷を負うハメに…。
尚、金霊に遭遇したまことの前に現れた試練の相手は一番強そうな猛犬から普通の犬で、最後に現れた老犬を倒しており、ぬ~べ~はパチンコに負けて不機嫌な力士から某有名ボクサーにそっくりなボクサー軍団にボロ負けし、最後に現れたリツコ先生に思わず躊躇ってしまうが、「超怖がりのリツコ先生が妖怪の話題を出したり、夜中に出歩くはずがない」とすぐに偽者だと見破り、鬼の手で倒している。勝負の相手はいずれも金霊が操る低級霊であるが、ぬ~べ~に対する試練と見せかけた戒めでは、金霊が出したまやかしの看板に引っかかった本物の大型トラックを使っている。
- あやかし百鬼夜行
着物の端が大判小判になっている少女。
- 幻獣物語2
「僕の考えた最強の幻獣」で「使い魔賞」に輝いた作品。
- 魔界統一カオスブレイド