概要
体全身に無数、あるいは百個の眼を有するとされる、古寺や廃寺の夜に出没するとされる妖怪。
百々目鬼の異名として、または類似した存在としても見られる。
水木しげるの著書によると太陽が出ている昼間は眩しいので夜に出歩き、人に出会うと無数の眼のうち1つだけが飛び出し、何処までも後をついてくるとされる。
また、目玉が飛び出た後は何事も無かったかの様に元に戻るが、口に当たる部分も目で構成されているため口らしき器官が見当たらず、それ故に何を食べているのかは不明であるという。
『最新版』及びアニメ版の百目
悪魔くんこと埋れ木真吾の仲間である白悪魔達、通称『12使徒』の第6使徒。体中が目玉だらけの犬のぬいぐるみの様な姿をしている。語尾に「~だモン」と付くのが口癖。
性格は人懐っこく、居候先の埋れ木家にもすぐ順応した。しかし騙されやすいのが玉に瑕であり、それを敵に利用されて真吾が絶体絶命のピンチに陥る要因になった事も少なくない。
能力は目玉を飛ばせる他、目から閃光を放ったり人間を魅了したりも出来る。
アニメ版では彼とは別に大人の百目がいたが、こちらは月人が月へ帰るために必要な力を整えるために死んだ百目一族を蘇らせた百目ゾンビであった(見た目は普通の百目と変わらないが写真に写ると目玉が無く操っていた月人の影が見えていた)。月人の言う通りだとすると、彼がアニメ版の悪魔くんの世界では最後の百目一族である。
令和版では、こうもり猫共々第2話のラストで初登場。本編での出番は少ないが、スタッフロールのミニコーナーの方には真吾やこうもり猫や幽子と共に毎回出演している。
FCで発売されたこの作品を元にしたRPG『悪魔くん魔界の罠』では、光の魔法『レイ』や敵のHPを吸い取るメダマといった技が使え、序盤に活躍する。
そして、ストーリーが進むと中盤に起こる重大なイベントに関わってくる。
山田真吾版『悪魔くん』の百目
山田真吾の友人・情報屋の命を狙い、その為に真吾と戦った妖怪。実は既に殺されており、別の存在がその皮を被って行動していた。事件の解決後、その子供が真吾の家に引き取られる事になる。
子供の百目はビジュアルこそ『最新版』の百目と共通するが性格はかなり異なり、生意気で真吾に対する忠誠心は薄め。
同作を元に製作された実写ドラマ版では子供の百目は登場せず、親の百目が敵キャラクター「ガンマー」として第一話に登場する。
余談
- 『ゲゲゲの鬼太郎』にも登場する。エピソードによっては敵妖怪だったり味方妖怪だったりするので、複数個体が存在するのかも知れない。
- 元ネタとなった図像は心理学者ユングの著書『変容の象徴』に掲載された挿絵で、その正体はお雇い外国人であったネットーとワグネルによって1910年に著された『日本のユーモア』に掲載された、葛飾派の絵師によって描かれた「百々眼鬼」という化け物図であるといわれる。
- ゲーム『ファイナルファンタジー2』には、この妖怪を英訳した「ヘクトアイズ」というモンスターが登場しており、FFモンスターズとして後のシリーズにも登場している。
- 『かいけつゾロリ』にも登場。時代遅れの妖怪の一人。最近視力が落ち、コンタクトレンズをつけている。
水木先生の創作ということもあってか、アニメでは目目連に差し替えとなっている