「アクマロ様の命令で、この地に『餓鬼地獄』を作るのさ！」
「何を食っても飲んでも、飢えは強くなるばかり!! 俺の砂を浴びた奴は、死ぬ程の渇きに苦しむのだ!!」
データ
概要
第四十一幕「贈言葉」に登場。
『餓鬼』という妖怪の伝承のルーツらしいが、その姿は並ぶ歯のような、並ぶ干し柿のような姿とされ、遠目に見ると「舌を出した大きな口」、近くで見るとまるで身体中に干し柿が付いたような「赤く腫れ上がった体」と本編のアヤカシ達の中でも一際おぞましい（しかも大きな歯はそれぞれに小さな口がついている）。
そんな不気味な姿に反して口調はコミカルで、「〇〇と△△！」と喋る独特の口癖を持つ（例：「ペコリと飢えろ！」）。
能力
餓鬼が常に飢餓に苦しんでいるように、スナススリも相手を飢えさせる力を持つ。
舌の先から噴射する砂を浴びてしまうと凄まじい空腹感に襲われ、飲食物を手当たり次第に欲しがる。源太に至ってはメカであるダイゴヨウにまで嚙り付いたほどで、「飢餓」という生物であれば絶対に抗えない欲望故、どれほど精神的に優れていようが理性的な行動はとれなくなってしまう。
だが何をどんなに食べても満腹にならず、それ処か空腹感が増して飢えもますます強くなるため、犠牲者は際限無く飢えと渇きに苦しむ強烈な悪循環に陥ってしまう。
まさしく終わりの無い生き地獄に突き堕とす極悪非道の能力である。
戦闘では「凶砂旱魃刀（きょうさかんばつとう）」という剣の他、干し柿爆弾という手榴弾や、舌から放つ光弾も繰り出す。またたてがみのような頭部の毛も飛び道具になるようで、毛のような針を連射する攻撃も使う。
劇中では筋殻アクマロの6人目の部下として登場し、彼の真の狙いである「裏見がんどう返しの術」を発動するため、人間の苦痛を大地に刻み付ける役割を担い、6つの楔の内の2つを作り出した。
劇中での活躍
アクマロの命を受けて現世に出現すると、砂を浴びせた人々を飢餓で苦しめてゆく。
だがそこに偶然レッド以外のシンケンジャーが居合わせ、ナナシ連中と共に5人を迎え撃つ。ナナシ連中を一掃され、単独で立ち向かうイエローと交戦し、干し柿爆弾でイエローを変身解除に追い込むと、そのまま飢えさせようと砂を浴びせ掛けようとする。
だが、ことはを庇ってブルーとピンクが砂を浴びて飢えと渇きに苦しむ事となり、続け様に残るグリーンとゴールドにも砂を浴びせてその場は撤退する。
その後、黒岩海岸に出現し、前回の戦いで重傷を負ったレッドを苦戦させ、助太刀に駆け付けたイエローも圧倒する。
イエローに止めを刺そうと干し柿爆弾で攻撃するが、レッドからインロウマルを渡されたイエローはスーパーシンケンジャーに強化変身したために失敗してしまう。
舌先からの光弾で攻撃するが、スーパーシンケンイエローの真・猿回しに怯み、外道覆滅を受けて敗北すると同時に人々も飢餓から解放された。
直後、二の目となって巨大化すると、そこへ飢餓の苦しみから解放された他の4人が駆けつけたため、全侍合体したサムライハオーと交戦。干し柿爆弾を投げつけて応戦するも高速回転で弾き返され、素早い動きによる剣撃と強力な頭突きで翻弄するが、分離した猿折神に気を取られた隙を突かれ、最期はダイシンケン大回転斬りを受けて爆散した。
余談
現代の伝承に於ける『餓鬼』という妖怪は、痩せ細った身体で常に空腹を訴えている化け物とされているが、スナススリによって腹ペコにされて苦しむ人々の姿がそのルーツになったと思われる。
声を演じた松野氏はスーパー戦隊シリーズの常連であり、昨年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』でバキュームバンキ、翌年の『天装戦隊ゴセイジャー』では人魚のジョ言役で出演。また1時間後のプリキュアではフェレットの姿をした妖精を演じた。
関連項目
侍戦隊シンケンジャー 外道衆 アヤカシ(シンケンジャー) 餓鬼 過食症
ガキツキ：『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した先輩。大きな口を持つ怪人という姿や、憑依した相手を永遠の飢餓地獄に落とす能力も似ているが、こっちはしまいには戦隊ロボ並に巨大化させる。またガキツキは現代に適応した結果アメリカンでコミカル寄りなフォルム。
デーボ・バティシエ：中の人が4年後に演じた怪人で、こちらも歯がモチーフ。
シーアーチンロード：ラテン語名が「飢えさせるウニ」という意味の、栄養を吸う手裏剣で瞬時に餓死させるという、スナススリより更に凶悪な不可能殺人をおこなったライダー怪人。
スポンジ・ボブ：こちらも日本語版で松野氏が声優を務めているからか、トーンやしゃべり方がかなり似ている。また、彼の友人の声優も先んじて登場している。
カキワルド：モチーフが同じ柿の戦隊怪人。こちらは相手を口渇させて最終的にはミイラ化させる。また、その真の姿はナススリの持つ干し柿の要素の偉大なる後輩と考えられる。
ハングリー・ドーパント：同じく対象を空腹状態に追い込む能力を持つ特撮怪人つながり。効果範囲や発動条件はあちらの方が上。
