概要
神話や伝説における、火や技術といった文化・文明の維持と発展に欠かせないものを人類にもたらす存在。
スサノオやマウイのように文化英雄である存在は、人界に智慧の恵みをもたらすだけでなく、世界・社会に混乱を持ち込むトリックスターである事もある。
文化英雄の扱いという点で聖書神話は特異な位置を占める。エデンの園で知恵の実をアダムとイブに食べさせた蛇(サタン)、人間に武器の製法や占星術などを教えたグリゴリは、ただそれだけを見れば人類に知を与えた存在であるが、邪悪な存在(堕天使)として扱われている。
知を与える存在が同時にトリックスターや悪魔である事は、文化、文明、技術、道具が人間や世界に混乱や悪を喚起する別側面も持つ事を意味しているのだろう。
各神話の文化英雄
アナンシ:アシャンティ人の神話
オグン:ヨルバ人の神話
伏羲:中国神話
プロメテウス:ギリシャ神話
パイケア:マオリの神話