プロフィール
Name | Porpentina Esther Goldstein
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誕生 | 1901年8月19日 |
出身 | イルヴァーモーニー魔法魔術学校 サンダーバード寮 |
演者 | キャサリン・ウォーターストン |
吹替 | 伊藤静 |
概要
『魔法ワールド』の人物であり、『ファンタスティック・ビースト』シリーズに登場する魔女。本作のヒロインの一人。アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)で働く。
北アメリカの魔法学校であるイルヴァーモーニー魔法魔術学校のサンダーバード寮出身。
妹のクイニー・ゴールドスタインとアパートで二人暮らしをしている。
『ハリー・ポッターシリーズ』の時代ではニュート・スキャマンダーと結婚している。
来歴
魔法議会ではかつて闇祓い局の調査部に所属していたが、新セーレム救世軍(表向きは市民団体「新セーレム慈善協会」)を追う調査の最中にノー・マジ(マグルと同じ意味で非魔法族の事を指す)の前で魔法を使い見せてしまう騒動を起こしてしまい、その件で降格処分を受けて魔法の杖認可局に廻されていた。
しかし、救世軍を追う事を諦めきれずにその後も独自に事件の調査をしては上層部から咎めを受けている。そして1926年、アメリカでは禁止されている魔法動物の持ち込みを行っていた主人公のニュート・スキャマンダーを捕まえて連行したことがきっかけとなり、本作の事件に巻き込まれていく。(第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)
1927年、1作目の事件後に闇祓いに復帰した彼女は、とある「誤解」のせいでそれまで文通を交わしていたニュートと連絡を断ち、ジェイコブとの交際の件でクイニーとの亀裂が修復されないままに海外任務の傍ら、クリーデンス・ベアボーンを探す為に単身パリへと向かう。(第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』)
1930年代、アメリカ魔法省闇祓い局の局長に就任。同時期にゲラート・グリンデルバルドの凶行を止めるべくアルバス・ダンブルドアがニュートやジェイコブなどを招集したが、ティナはその多忙さ故にチームに加わることができなかった。(第3作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)
能力
大体の世界中の国の魔法界共通である公的機関におけるエリート職の一つ・闇祓いに所属しているだけあって、闇の魔法使いのような悪に立ち向かう事を恐れずに自ら前線に立って戦うタイプ。
第1作は彼女の戦闘シーンが殆どない中で、自分の元・上官(実際の正体はその当時の最悪の魔法使い)と数秒とはいえ激突する場面がみられる。
明らかに力の差がわかっていても立ち向かう心の強さと、相手の方が一枚上手だったとはいえ一時的な足止めには成功しているのでこれだけでも彼女の戦闘力が普通よりは高い事が窺える。
そして第2作のトレーラーではなんと不意打ちとはいえ当時のイギリスの闇祓い局長の攻撃を冷静に阻止、逆に反撃するという鮮やかな手腕を発揮。やはりキャリアが上の相手でも潔く戦えてしまう辺り彼女には闇祓いという職業は天職なのかもしれない。
尚、彼女は闇祓い局の中でも「調査部」に所属しているため、尾行や監視・追跡術も心得ている。
性格
基本的には生真面目なお堅いキャリアウーマンとして振る舞っており、思考も「地に足が着いた」と評される程に現実的且つ常識的。しかし落ち着いた佇まいや面持ちをしていながらその内心は「非常にナイーブ」であるともされ、闇祓いとして自らの能力を正しい事の為に役立てたいという思いから野心深い、苛烈な面を見せる事もある。
一方で、自身が追いかけている新セーレム救世軍を主催するメアリー・ルー・ベアボーンから酷い虐待を受けている養子の子供達や、その中でも一番仕打ちが酷いという息子のクリーデンス・ベアボーンを気にかけて助けようとするなど元の性格は心優しく母性的であり、『弱者を守る』という点に関して非常に正義感が強い。
但しこの思考は彼女の「弱点」でもあり、現状でその最たるが幼い頃からずっと共に生きてきた妹・クイニーと、自身が助けてからずっと気にかけているクリーデンスである。
上記のように彼女は非常に真面目且つ切実にアメリカ魔法界の為に行使しようと行動しているのだがキャリア的にはまだ若い方であり、他者にその意欲や理論を伝える術が未熟な事からあくまで魔法界とノー・マジ界の断絶による平穏を第一とするMACUSAの方針を脅かしかねない、その思い切った行動が議会内の人間との不和を生じさせる要因となっている。
しかも、基本的には組織に従うもののいざとなれば独断で動くことも辞さない真っ直ぐな性格でもある。自らの正義を信じて突き進むその姿勢は実はニュートと似ており、彼女もMACUSAという組織の中の『問題児』のようなキャラクターである。
二人きりの姉妹の「姉」として
ゴールドスタイン姉妹の両親は、彼女達が幼い頃に龍痘で亡くなっている。以来二人は「お互いに育て合ってきた」との事で、特に「姉」であるティナは子供である内からクイニーを守る為に「姉」は勿論「親」としての役割も担う立場となり、これが後の彼女の人格と信念を形成する要因ともなっている。
姉妹には両親以外の縁者がおらず、身寄りない二人だけの生活を長く続けていく中で大変な苦労をしていたと思われる。それが垣間見れるのがティナの「服装」。1作目の彼女の服装はシンプルなブラウスにロングパンツと、非常にゆったりとしたグレーのコートである。これらの衣服は全て「姉妹は生前の両親のワードローブから服を拝借している」設定からのものであり、ティナが身に着けているのは父親のコートやブーツ。そこからも彼女がゴールドスタイン家の「家長」を担っている事がわかる。
成人を過ぎても支えあってきただけあって、姉妹間の絆は深く互いを一番に大事にしてきた。
特にクイニーは開心術の才に秀でていた事から、その姉であるティナは彼女との接し方や周囲との関係でクイニーが傷つかぬように苦心したと思われる(姉妹の家の本棚には、開心術士に関しての書籍がいくつか見られるのでティナが独学していた際に読んでいた可能性が高い)。
一見すれば深い姉妹愛、しかし裏を返せば互いに依存し合って過ごしてきたゴールドスタイン姉妹の前に、1926年に現れた二人の男性は彼女達の転機となる。
ティナはニュートに、そしてクイニーはジェイコブとそれぞれ惹かれ合い、少しずつ違う道を歩みだす。しかし二人が暮らすアメリカ魔法界の法律とクイニーの心境の変化と行動、そしてティナ自身クリーデンスへの気がかりを優先してしまった事が、二人の繋がりに大きな変動をもたらす事となる。
ニュートとの関係
第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
1926年、ニューヨークで初めて彼と出会い、MACUSA側の人間として厳しい態度で接していた。初めは魔法動物に対して難色を示したり、アメリカの魔法社会の情勢をあまり知らなかったり被疑者としてMACUSAへ連行されているにもかかわらず平然として自らのスタンスを崩さない彼の人間性を理解できていなかったが、物語の展開が進むに連れてその認識を改めるようになり、事件の解決に乗り出すニュートに進んで協力するようになる。(元々、MACUSAや自宅でのやりとりを経ていく内に彼が『悪い人間では無い』事を無意識には受け入れており、故に功を焦って彼やジェイコブ、魔法動物達をMACUSAに差し出した事には後に自ら謝罪している。)
NYでの騒動後、イギリスに戻るニュートを港まで見送りに来た際に、彼から「執筆している本が発売されたら直接届けに行く」と再会の約束を伝えられており、それを笑顔で喜んだ。この時点での彼女の魔法動物やニュートに対する意識は大分軟化しており、会話の中で彼女はニュートにとって非常に重要なキーワードを告げた。
「楽しみにしてる。……『幻の動物とその生息地』」
後にその本のタイトルとなる言葉を口にした彼女に対して、ニュートがどのような心境を抱いたのかは彼のみぞ知る所であり、この「約束」から始まった二人の関係性に心を躍らせるファンも多かったのだが……。
第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
前作での終盤、ニュートがセラフィーナ・ピッカリー議長へ進言した事で闇祓いの調査部に復帰してから忙しない日々を送る中、ニュートとは文通による遠距離の交流を続けていた。しかし、後に発売されたアメリカ魔法界の大衆雑誌による「誤解(誤報)」からショックを受け、一方的に彼との連絡を断つ。
一度失意に落ち込んでからどうやらその後同じMACUSAの闇祓いとデートをしたり、妹とジェイコブとの関係についてもひと悶着、最終的に仕事に打ち込む事を生きがいとすることでニュートへの想いを吹っ切ろうと試み、パリへ潜伏した事とニュートの海外渡航禁止令が解かれないままに月日が経って半年以上ものすれ違いを続けていた。
ティナの思惑は(半ば意地も入っていたとはいえ)半分は成功していた。……まさか、自身を裏切った(と思い込んでいた)相手が自分を目的に追いかけて来るなんて思いもしなかっただろうが…。
尚、今作からティナの服装は闇祓いらしいダークネイビー調のレザーコートに変わっている(その下は相変わらずシンプルに白いブラウスにロングパンツであるが)。
ヘアスタイルも前髪を下ろしたボブカットヘアに変わっており、1と比べればかなり身綺麗になった。
この変化の背景に、演者のキャサリンはインタビューで「ニュートへの想いと闇祓いに復帰したことで自信がつき『自分も魅力的な女性になりたい』という意識が芽生え、それまで碌に手入れもしていなかった髪型を初めて美容院に行って整えてもらったり、衣装も女性らしいものに変えていったと思う」と応えている。
第3作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
前述の理由から本編では行動を共にしない代わりに、ニュートのトランクの蓋の裏には彼女のMACUSAのロゴ付きの証明写真が貼られている。2作目よりさらに容姿が美しくなり、髪も前2作と比較してかなり伸びている。
そして物語の最後、ニュート達がとある用事でジェイコブのパン屋に集まった際には自身も訪れ、ニュートと久方ぶりの再会を果たし、それを笑顔で喜び合った。
その他の交流関係
1作目以前からMACUSAの闇祓い局局長を務めていた魔法使いで、ティナの(元)上司。若手の魔法省職員からは尊敬され、闇祓いの任を解かれた後のティナも彼を信頼している様子を見せていた。
1926年時点のMACUSAのトップ。アメリカ魔法界を守る事を第一に動くため、ノーマジ界で魔法を使用したティナに降格処分を言い渡す。グレイブス以上にティナが頭が上がらない人物である。
1927年にパリで潜伏していたティナの前に現れた魔法使い。クリーデンスに関する情報を得ようとし、彼についていくが……。
イルヴァモーニー校つながりの友人。ラリーが入学時の最初の友達の一人がティナで、所属寮も同じサンダーバード寮だった。
卒業後も仲は続いており、第3作の終盤にジェイコブのパン屋で再会したときは笑顔でハグを交わしていた。
名前・人種
ポーペンティナ
| ハムレットの「Prince of Denmark」の劇中で使用されたPorpentineの転じたもので、英語のPorcupineと同義。意味は「ヤマアラシ」、語源は古期フランス語で「とげだらけの豚」の意味。 |
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エスター
| 英語圏の女性名。旧約聖書に登場するエステルの英語名、または古代ペルシヤ王の后となったユダヤ人の名として知られる。 |
ゴールドスタイン
| ドイツ語に由来するユダヤ人の姓で「金の石」(gold stone)を意味する。 |
このように、ユダヤ人に由来する名前が多い。
また、『ハリー・ポッターシリーズ』の準レギュラーキャラだったアンソニー・ゴールドスタインとは血縁関係にあたる。アンソニーはユダヤ人であることからユダヤ人の家系であるとも考えられる。(ソース:J・K・ローリング氏のツイート)