概要
『魔法ワールド』の登場人物にして映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのキーパーソン。
1900年生まれ(おそらく)。第一作では25歳前後。
アメリカ、ニューヨーク市街で、魔法使い(とりわけ魔女)や魔法の存在の根絶を謳う非魔法族組織「新セーレム救世軍」の指導者メアリー・ルー・ベアボーンの養子のひとりとして登場。
同じく養子であるチャスティティ・ベアボーンやモデスティ・ベアボーンと共に、教会の跡地を家として共に暮らしていた。
養母であるメアリーは非常に厳格な性格であり、自分が定めたルール(特に魔法が絡んだ事)を守らない場合は虐待的な体罰を加えていた。
歳の近い義妹のチャスティティは養母に従順且つ協力的であり、反対に幼い義妹のモデスティは母親への不服従を隠していた為、必然的にクリーデンスが罰を受ける事が多かった様子。
普段は救世軍のリーダーである母親の活動を手伝い、集会場や広場、路頭でビラを配ったりなどをしていた。
その一方で、自分に接触してきたある魔法使いからの依頼で、進捗は芳しくないものの母親の目を気にしつつ捜索をしていたが……。
プロフィール
人物
自らの全てを抑圧しながらの生活は「養母に反論は許されない」という生き方を彼に敷き、故に普段は表立って感情を表す事を口にもせず非常に大人しい少年として成長していた。
しかし、その内面は非常に傷つきやすい心も抱えていた上に一度吐露すれば激情のままに涙を流す一幕も見られた。
「反論を許さない」というのは、『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公、孤児のハリー・ポッターが伯母家族のもとで平穏無事に過ごす上でのルールの一つとしてあげられている他、親を既に亡くしている、反魔法思想の家庭環境で育ったという点も相まって、クリーデンスとハリーが似ていると示唆する声もある。
動向
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
ニューヨークの銀行前の広場で養母と共に活動に参加。
この時、ニュート・スキャマンダー、ジェイコブ・コワルスキーとニアミスしている。
その段階では主要人物達との関係は見られないように思われていたが、魔法界の騒動と並行して彼と救世軍の一連の様子が展開される。
救世軍の活動を広めるために新聞界の大物であるヘンリー・ショー・シニアへの面会を取り付けたものの、彼からは見向きもされなかったうえに、息子のヘンリー・ショー・ジュニア上院議員から中傷され、傷付く。
その後、夜のビラ配りを一人で行っていた彼の元へMACUSAの闇祓いにして局長であるパーシバル・グレイブスがやってくる。
以前から接触を図ってきたグレイブスから「ある子供を探し出せば、魔法界に入る手助けをして助けてやる」と吹き込まれていた。
救世軍の手伝いをする養母が配給をする浮浪児たちの中から見極めようと捜索をしていたが、その秘密裏の行動は養母メアリーの逆鱗に事あるごとに触れ、虐待の日々は続いた。
この悲惨な境遇の中で、自身に「魔法の素質がある」、「未来に私と共に働く姿を視た」、「一緒に実現しよう」等の言葉をかけて彼に接触してきたグレイブスの存在はクリーデンスにとって出会って間もない赤の他人であろうとも、一番信頼できる人物として認識されていた。
……それが、本当は彼自身を見ていなかったものだとしても。
第一作では彼は魔法を使う立場の役では無かったのだが、願わくば今後の出演で彼の出番に魔法を使う描写があればと願わずにはいられない。
実際、Pixivにおいてはクリーデンスがもしも魔法界に入っていたらというif設定の作品も多々見られる。
余談
キャスト
キャストのエズラ・ミラーは元々ハリー・ポッターシリーズの大ファンであり、スピンオフである今作シリーズにおいてキャスティングされた事を「ホグワーツ魔法魔術学校から入学の手紙が届いたみたいだったよ!」と喜ぶほどの熱愛ぶりをインタビューで見せている。
彼の熱はそれだけに留まらず、キャスティングが決まった時に真っ先に連絡をとったのが嘗てのハーマイオニー役のエマ・ワトソンであり、彼女からも激励の言葉を貰ったと語っている。
セーレム魔女裁判
『新セーレム救世軍』のセーレムとはアメリカの17世紀末頃に実際に起きた清教徒による魔女狩り、セーレム魔女裁判に因んでいる。
この事件は大いなる悲劇として魔法界の歴史に刻まれている他、アメリカの魔法界ではノー・マジ/マグルとの交流を徹底して禁じている。
また上述の事件の要因として、新大陸であるアメリカに魔法政府がまだ存在しなかったこと、スカウラーと呼ばれる魔法族の傭兵集団の横行が挙げられる。
最終的にスカウラーたちは、罪のないノー・マジ/マグルを魔法使いや魔女に仕立て上げ、清教徒に売り渡し、一部は裁きを逃れ、ノー・マジ/マグルと結婚するなどして非魔法族の社会に姿をくらました。
しかし、魔法界への復讐心を持つスカウラーたちは、非魔法族の子孫に魔法の存在を教え込み、魔法族は見つけ次第始末しなければならない存在だと思い込ませた。
クリーデンスの養母の家系、ベアボーン家もそうした一族のひとつである。
余談であるがドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトンはセーレム魔女裁判の犠牲者と遠い血縁関係にあたるらしい。
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真実(ネタバレ注意)
実は物語開始以前にメアリーの虐待に襲われている所を、当時は闇祓いの調査部の一人として救世軍を追っていたティナに助けられていた事が判明する。
ティナが闇祓いを降格された後は、立場が単なる魔女であり、当時のアメリカの魔法界での規則からノー・マジ/マグルと親しくなることが許されなかった事もあり彼女自身が接触を測れなくなり疎遠だった。
しかし、ティナはクリーデンスのことを気に掛け続け、終盤のティナの呼びかけに反応を示した辺りからするとクリーデンスの中では記憶にひっかかるものがあったのかもしれない。
クリーデンス自身が本格的に魔法界に関わるシーンが見られるのは第一作の後半からである。
実はグレイブスが探していたのはこの力を持つオブスキュリアルの「子供」だったのだが、実際は既に成人となっていたクリーデンス自身がその抑圧された力を持つ宿主たる人物だった。
メアリーが「お前の母親は魔女だった」と語っていた事もあり、クリーデンス自身が何処まで自分の血筋や家系を理解していたかは定かでないにしろ、彼自身は魔法族の青年であった。
ニュートは「本来なら十歳以上は生きられないとされているオブスキュラスの宿主が生きているのは一重に彼の力が強かったから」と発言しているが、これが潜在的に魔力が強いという事なのか、街一つを大混乱に陥れて破壊するだけの力を何年も抑え込んできた彼の精神力、生命力が強いという事かは不明。
しかしどちらにせよ、日々母親の虐待や周囲の誹謗中傷の視線や発言、碌に味方のいない環境は彼を追い詰め、抑えきれない力は徐々にニューヨークの街へ無差別に被害を及ぼしていき、さらにはクリーデンスの精神状況とも共鳴する様になって長年自分を虐待してきた養母メアリーや自分を嘲ったショー議員への攻撃、殺害に至った。
そして、漸く救いの手を差し伸べてもらえると思っていた相手が自分を「用済み」だと告げた事が、クリーデンスの怒りや悲しみといった様々な感情を伴い、本格的なオブスキュラスの暴走に至った。
一度はニュートやティナの呼びかけに鎮静化を見せたクリーデンスだったが、魔法界の存在が非魔法界に大々的に知られる事を何よりも恐れるMACUSAの方針で、闇祓い達による一斉攻撃でオブスキュリアルは爆散。当然、宿主として一体化していたクリーデンスも絶叫を迸らせながら消えてしまった。
オブスキュラスと運命を共にしたかと思われた彼だが、散り散りになったオブスキュラスの僅かな欠片が漂い抜け出していくのを、ニュートのみが目撃していた。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
オブスキュラスから元の人間の姿に戻り、自由の身となったクリーデンスは自身の出自を探るため、ニューヨーク興業中だったアルカノス・サーカスに入ってフランス・パリへと渡る。
その最中でサーカスの見世物として虐げられていたナギニというマレディクタスの女性と知り合い、心を通わせた彼女と共にサーカスから逃げ出す。
ナギニと共に自身の出自を探求する中、クリーデンスは自分をニューヨークに養子に出したアーマ・ドゥガードを見つけ出すも彼女は直ぐに殺されてしまう。
養母のメアリーの「お前の母親は魔女だった」発言は、屋敷しもべ妖精の血を引くアーマの容貌に起因すると思われる。
レストレンジ家の使用人だったアーマの発言から、クリーデンスは「リタ・レストレンジの異母弟のコーヴァス」である可能性を知る。
しかし実際は、船の上でリタが行った嬰児取り換えでリタの弟のコーヴァスは死亡しておりクリーデンスは取り換えられた別の家の幼児であったことが判明する。
またゲラート・グリンデルバルドの決起集会に参加し、彼の傘下に下るが、共に行動していたナギニはそれを善しとせず彼女はニュートたちと行動することになる。
パリの戦いの後 オーストリアのヌルメンガード城に移ったクリーデンスはグリンデルバルドから拾った雛鳥が不死鳥であること、不死鳥は危機に陥ると現れるダンブルドア家の一族の前に現れることを教えられ、ダンブルドア家の末子である証であり、本名を「アウレリウス・ダンブルドア」と告げられる。
自身の生まれを知ったクリーデンスはグリンデルバルドから渡された杖で強力な魔力を発動させるのだった。
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
坊ちゃん刈りの第1作、短髪の第2作から大きく変わり、長髪となった。第2作の最後にダンブルドア家の守護獣である不死鳥がつかず離れず彼の周囲を飛び回っている。
グリンデルバルドが国際魔法使い連盟の盟主になるため、「キリンによる選抜」という選挙ではない古来の方法実現を目的に、仲間とともに生まれたばかりのキリンの子を攫う。その際、キリンの出産にニュートが立ち会っていたため、彼にも攻撃を加えた。
また、「血の誓い」という不戦の魔法によってアルバス・ダンブルドアを攻撃できないグリンデルバルドの部下として、彼の暗殺を指示される。
身に宿す膨大な魔力やオブスキュラスの力を振るうもアルバスには敵わず、彼から「君は私の弟ではない。しかし血のつながりを感じる」と告げられる。
クリーデンスの正体は、アルバスの弟アバーフォース・ダンブルドアがホグワーツ在学中にある少女との間に儲けた子だった。しかし少女はアバーフォースの前から去ったため、クリーデンスとアバーフォースはこれまで出会うことがなかった。
そしてアルバスは、クリーデンスの不死鳥から抜け落ちた羽が灰になっていることから、彼の寿命が尽きかけていることに気づく。
終盤、同盟の選挙会場にて、出自に関して偽りを告げられたこと、アルバス暗殺に失敗したことやキリンの子が実は双子だったことに気づかなかったことを理由にグリンデルバルドに処罰されたことから、クリーデンスはグリンデルバルドを見限り、彼に反旗を翻す。
グリンデルバルドはクリーデンスを殺そうとするが、アルバスとアバーフォースの魔法がそれを防いだ。
そしてグリンデルバルドが撤退したあと、クリーデンスは父アバーフォースと初めて顔を合わせ、「自分のことを気にかけたことはあるか」と涙を流しながら尋ね、父は「いつも気にかけていた。家に帰ろう」と答えた。実際、アバフォースは自身の経営する旅籠「ホッグズ・ヘッド」の鏡を通じてクリーデンスにメッセージを送っており、互いの素性は知らないながらもどこにいるともわからない「我が子」に向け「許してくれ」などメッセージを送っていた。ただしクリーデンスからのメッセージに返信していたかは怪しいが。
なお、グリンデルバルドが彼に吹き込んだ「アウレリウス」のファーストネームはダンブルドア曰く「出鱈目」らしいが、それが本当の場合彼の真のファーストネームは最早知りようがない可能性が高い。父親であるアバフォースは生まれてから一度も顔を合わせていないから知っている訳がないし、彼を名付けたと思われる母親も『黒い魔法使いの誕生』を見る限り海難事故で死亡しているからである(件の少女が子供が生まれたことを彼女から聞いていたなら話は別だが)。
能力
上記の様に魔法教育は一切受けていないため、魔法の知識実戦共に全く未開拓の状態である。しかし、それを補って余りある膨大な魔法力の持ち主ではあり、単に杖を振るっただけで巨大な崖を打ち崩すほどの魔力を発揮する。
その秘められた魔力は、ゲラート・グリンデルバルドがアルバス・ダンブルドアを倒せる唯一の魔法使いと見込むほどである。