スカウラー
すかうらー
ウィザーディング・ワールドにおける闇の魔法使いの組織の一つ。
Scourers。
当時アメリカはマグル社会と同様、ヨーロッパからの移民の国であり魔法政府や法律の執行機関が存在しなかった。
そのためスカウラーのような傭兵集団が誕生する。
傭兵といっても彼らは堕落しており、犯罪者を捕らえるだけでなくカネになりそうな獲物なら誰でも標的にした。要は半グレ・ヤクザであり、虐殺や拷問は彼らの日常だった。
果ては、ノー-マジ(マグル)を魔法使いや魔女に仕立て上げ、魔術を異端視する清教徒に売り飛ばすとかいうあの人も苦笑いしそうな畜生行為までしはじめる。
このようにスカウラーはノー-マジと「交流」があったらしく、一部のスクウラーは裁きを恐れノー-マジと結婚するなどして非魔法族の社会へと高跳びしている。
ここで平穏に暮らしとけばいいのに、魔法界への復讐心を持っていたスカウラーは子孫に魔法の存在を教え込み、「魔法族は見つけ次第始末しなければならない」と洗脳した。その結果、スカウラーの子孫は魔法族とノー-マジの関係に数世紀にわたって悪影響を及ぼした……。クッソ迷惑な集団である。
ちなみに、クリーデンス・ベアボーンを育てたベアボーン家/新セーレム救世軍もそうした一族のひとつである。
魔法族の歴史家によれば、1692年から1693年にかけて行われたセーレム魔女裁判(セイラム魔女裁判とも。実在の事件で、集団ヒステリーの例ともされる。多くの罪なき人が魔女とされ、拷問などを加えられた)では、清教徒を名乗る判事のうち2名が、個人的なトラブルの報復を企むスカウラーであったとされている。
スカウラーの活動や清教徒による迫害をニュースを通じて知っていた純血の魔法使いの多くは、アメリカへの移住を避けるようになった。
1693年、セーレム魔女裁判の影響を受け、北アメリカ大陸最初の魔法政府であるアメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)が設立。MACUSAにとって最初の課題となったのが、スカウラーへの対処だった。
アメリカの魔法歴史学者であるテオフィロス・アボットはスカウラーに起源を持つ家庭を複数発見し、そのどれもが魔法の実在を信じ込み、その上で魔法に対して深い憎しみを抱いていることを突き止めた。要はダーズリー家の強化版みたいな家がゴロゴロあるわけである。
18世紀のこと。MACUSAの財・ドラゴット管理官を務めるアリストテレス・トゥエルブツリーズの娘ドーカス・トゥエルブツリーズという名の魔女が、スカウラーの子孫であるノー-マジのバーソロミュー・ベアボーンとピクニックで出会い、恋に落ちた。ドーカスはバーソロミューがスカウラーの血を引いているとは知らず、魔法界の秘密を彼に話してしまった。その後バーソロミューはドーカスから盗んだ杖を新聞記者に見せて回り、魔法族の集会がある地域のビラを作ってばらまいた。これは国際魔法使い機密保持法の最大級の違反として知られ、1790年のラパポート法制定のきっかけになった。(アメリカではマグルとの交友や婚姻が禁止になった。イギリスでは割とマグルと結婚することがあるし、その際に別に魔法界のことを話しても構わない。チョウ・チャンとか。)