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ハムレット

はむれっと

『ハムレット』 とは ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)作の戯曲で、『リア王』、『マクベス』、『オセロー』と並ぶ四大悲劇の1つである。またそのタイトルロールである主人公のデンマーク王子を指す。
目次 [非表示]

「人生は選択の連続である」


概要編集

シェークスピアの戯曲の一つであり、シェークスピア四大悲劇の一作に数え上げられる名作。

シェークスピアの台詞の中でも特に有名な、「to be or not to be(生きるべきか、死ぬべきか)」という台詞でも知られる。

簡単なあらすじをまとめると、亡き父の亡霊から復讐してくれと頼まれた息子のハムレット王子が迷ったり悩んだり逡巡したりうっかりしながらようやく復讐できたものの、ハムレット自身も死んでしまうという悲劇物語。


作品解説編集

舞台編集

デンマークの王都エルノシア城とその周辺を舞台としている。

時代設定については諸説あるが、一説には9世紀ごろの時代設定であるとされる。


登場人物のモデル編集

北欧伝説のアムレート(Amleth)の物語が元ネタといわれる。Amlet h → h amlet


登場人物編集

ハムレット(Hamlet)

Hamlet

デンマークの王子。

亡き父の亡霊に「自分を殺した弟(ハムレット王子の叔父)クローディアスに復讐せよ」と衝撃告白され、「恋する翼より速く飛んで行って仇を討つぜ!!」と大言たたいたはいいが、父が死んでまもなく叔父と再婚した母ガートルード王妃のせいで女性不信になったり、亡霊がホンモノなのか疑うためはっきりした証拠がないからもやもやしたりしていたところ、たまたま城にやってきた旅役者たちに暗殺をほのめかす劇を演じさせ、クローディアスをうろたえさせることに成功するもその直後、後ろからグサッと仇討ちするチャンスをまたもや考えすぎ症候群のせいで逃す。

「気が狂ったフリをして仇討ちの機会をうかがう」という一見頭良さそうな作戦をとるも、それが裏目にでて余計な死人を出した。親友のホレイショーしか信用できない。

マザコン、ファザコン、と踏んだり蹴ったりのレッテルを貼られさぞかし若い王子なのだろうと思わせておきながら、墓掘りとの会話で、アラサーであることが判明する。


オフィーリア(Ophelia)

オフィーリア

ハムレット王子の恋人。

次期国王である王子に愛を告白され、甘い夢をみていたが

父にも兄にも待ったをかけられるばかりか、(この娘のおかげで、ポローニアス一家はわりと恋愛事や性に関してオープン。)女性不信に陥ったハムレットに「結婚などするな。尼寺へ行け!」(当時の尼寺は売春宿も兼ねていた。つまり要約すると「売春婦になれ」)と冷たくあたられたあげく、父親であるポローニアスをハムレットがうっかりクローディアと間違えて殺してしまったため、オフィーリアは狂乱のはて、水死する。

溺れたオフィーリアを名だたる画伯達が描いている(ミレーのオフィーリアなど)が、戯曲中にはそういう場面はなく、王妃ガートルードの報告の台詞しかない。


父王ハムレットの亡霊(Ghost)

ハムレットの父、クローディアスの兄、ガートルードの元夫。

息子に無茶ぶりするも、心配で1度だけ様子を見に来るがあとは放置。


クローディアス(Claudius)

現デンマーク国王。

兄嫁であったガートルードと結婚。大いなる野心とガートルードへの愛で国王の座を奪った。

対外的政治的手腕も見事であり、王としては優れているようだ…。

甥であるハムレットには公の場では優しい態度をとるが、裏では「だめだこいつムカつく!はやくなんとかしないと…」と画策。


ポローニアス(Polonius)

国王側近の宰相。

クローディアスの忠臣であり、様々に助言を行う。

おしゃべりでおせっかいで出過ぎた所がある老いぼれ(ハムレット談)。

本人は王家を心配して至って真面目なのだが、道化扱い。

出過ぎたせいでほんとに痛い目にあう。


レアティーズ(Laertes)

ポローニアスの息子。

フランスへ留学していたが新国王クローディアス戴冠式のため

一時帰国していたがすぐまたフランスへ旅立ってしまうので、

後半再び出て来るまでみんな忘れないでね!

ハムレットとはいい友人だったはずが、最愛の妹オフィーリアを軸にギクシャクしだす。

ハムレットと違って、即行動するタイプ。

彼も父を殺され、妹も狂った末に亡くしてしまった、悲劇のヒーローとして

ハムレットへの復讐を誓う。ただしやりかたが容赦ない。


ホレイショー(Horatio)

ハムレットの唯一無二の親友。ウィッテンバーグの大学での学友でもある。

王子の腹心かつ、物語の冒頭から最終場面までのナビゲーター役というおいしいポジションである。

冒頭で頭の固い学者っぷりを見せつけ観客をイラッとさせるが、後半ではそんなことは忘れられがち。

相手が王子様だからといってこびへつらうでもなく、ずけずけ思った通りのツッコミをするのでハムレットからは誠実な奴と誉められ、

ハムレット的理想の男性像No.1という地位を獲得している。

『ハムレット』というお芝居に携わる役者さんからも人気が高い。

(それなりに台詞も出番もあり、休憩もあり、最後死なない、良い性格の役だから)


ガートルード(Gertrude)

デンマーク王妃。

ハムレット王が急死し、2ヶ月もたたないうちにその弟クローディアスと再婚。

この悲劇の全ての元凶 かもしれない。

息子のハムレットをこの上なく愛し心配しているが、

息子の苦悩は本人に言われるまで理解してあげられなかった。

ハムレットの有名な台詞Frailty, thy name is woman!における「弱き女」その人。

(この第一独白は半分くらいお母さんの悪口)


ローゼンクランツとギルデンスターン(Rosencrantz and Guildenstern)

ハムレットの友人。

王と王妃から呼び出しを受け「気が狂った」王子のご気鬱の原因を探るよう命じられるが、ハムレットはこの二人を「まむしのようにイヤな奴」と信頼してないのでのらりくらりと適当なあしらいでかわされる。

でもかくれんぼして遊んでもらえたのでよかったね。

うっかりハムレット英国行きのお供についていったらとんでもないことに…。

スピンオフ作品『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』まで作られてしまうほどの人気。


旅役者たち(players)

たまたま城へやってきた所、王子から頼まれた演目で国王の不興を買ってしまった彼らの行く末が気になる…。


墓掘り(gravediggers)

陽気にオフィーリアの墓を掘っていた二人の墓掘り。

うち1人は酒を買いに行き、もう1人は水夫の服を着ていたハムレットに話しかけられ、王子本人と気付かずにタメ口でやりあう。

難しい言葉を間違えて使っていたりするが、謎掛けやダジャレで王子を言い負かすほど頭の回転が良い。

ホレイショー以外で唯一、ハムレットと対等に話ができた強者である。


オズリック(Osric)

広い土地を持ってるのでお城に仕えることができるようになった。

まだ宮廷の作法を良く分かっていない様子。

蚊トンボみたいなやつ(ハムレット談)

殻をつけたまま走り出したタゲリの雛(ホレイショー談)

とにかくひどい言われよう。

レアティーズ側の味方として剣の試合の審判を務める。


マーセラス(Marcellus)、バーナード(Bernardo)、フランシスコー(Francisco)

エルシノア城の見張りの兵士たち。

マーセラスとバーナードが亡霊を最初に目撃し、自分達ではどうにもならん、と学者のホレイショーに亡霊に話しかけてもらおうと依頼。

ある意味この人たちが元凶とも…


フォーティンブラス(Fortinbras)

ノルウェー国王の甥。

父である先代ノルウェー王フォーティンブラスを、先代ハムレット王との一騎打ちで殺された。

物語の冒頭では、その時失った領土を取り返すため、兵士を集めデンマークに侵攻する計画だったが、クローディアスに先手を打たれ、叔父であるノルウェー国王に叱られる。

兵士集めちゃったし、しょうがないのでポーランドを攻めることになり、デンマークを通過中、挨拶に寄ってみたら、デンマーク王家全滅で自分が王座を継ぐことになってしまった棚ぼたプリンスである。

めでたし。






有名な台詞編集

(福田恆存訳を参照しています)


O, that this too too solid flesh would melt thaw and resolve itself into a dew!

(ああ、この穢らわしい体、どろどろに溶けて露になってしまえばよいのに。)


Frailty, thy name is woman!

(たわいのない、それが女というものか!)


The time is out of joint: O cursed spite,That ever I was born to set it right!

(この世の関節がはずれてしまったのだ。なんの因果か、それを直す役目を押しつけられるとは!)


To be, or not to be: that is the question:(以下略)

(生か、死か、それが疑問だ、...)


Get thee to a nunnery.

(尼寺へ行け)


余談編集

シェークスピアの戯曲の台詞は、中学生でも理解しやすい初歩的な英文で構成されている反面、それ故に解釈の幅が多く、翻訳の際には数多くの表現が考えられる為、翻訳者の英訳のセンスが問われる翻訳者泣かせの文章が多い。

上記の台詞の中でも、 Frailty, thy name is woman!(たわいのない、それが女というものか!)は、この他にも弱き者よ、汝の名は女や、脆き者よ、汝の名は女という訳文でも知られる。

特に、to be or not beは、有名な生きるべきか、死ぬべきか意外にも、(復讐を)するべきか、せざるべきかや、世にある、世にあらぬなど、複数の解釈で訳される。


関連作品編集

ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ 新ハムレット ハムレット日記

マビノギ mabinogi エアミュ 絶園のテンペスト 魔法少女まどか☆マギカポータブル ライオンキング


別名・表記ゆれ編集

Hamlet 哈姆雷特


関連タグ編集

シェイクスピア ミレーのオフィーリア

Ophelia


外部リンク編集

「ハムレット」を解く(1) ガートルードとは誰か?

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