概要
ウィリアム・シェイクスピアによって書かれた政治劇で、原題は『The Tragedy of Julius Caesar』。ローマの独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルに対する陰謀・暗殺とその死の余波が描かれている。
シェイクスピア作品としては『アントニーとクレオパトラ』や『コリオレイナス』などと同じく古代ローマを舞台とした「ローマ劇」の一つ。「ブルータス、お前もか」の出典としてもよく知られている。
あらすじ
古代ギリシャ語で書かれたプルタルコスの『英雄伝』(『対比列伝』)、のアミヨによる仏訳、のノースによる英訳、が種本となっている。
物語の主人公はシーザーではなくマーカス・ブルータスであり、シーザーに対する恩義と独裁を強めるシーザーから共和制を護ろうとする愛国心との間で葛藤が描かれる。
シーザー暗殺後、民衆の動揺を抑える為にブルータスは自分は私利私欲ではなくローマを護る為にシーザーを暗殺したことを訴えるが、マーク・アントニーの雄弁で巧みな演説により亡きシーザーは英雄と讃えられブルータス達暗殺者は弾劾されてしまった。
逃亡を余儀なくされたブルータス達はアントニーおよびシーザーの養子オクタヴィアヌスの連合軍と戦うが敗れ、ブルータスは自害した。