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概要編集

三大魔法学校対抗試合あるいはトライウィザード・トーナメント(Triwizard Tournament)とは、J・K・ローリングによるファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズにて描かれたイベントの一つ。

ヨーロッパで最も大きく由緒正しい三つの魔法学校であるイギリスホグワーツ魔法魔術学校フランスボーバトン魔法アカデミースカンジナビアダームストラング専門学校の生徒たちが技を競う魔法試合である。

三校の内、開催地に選ばれた魔法学校内において各校から一人ずつ選ばれた代表選手が3つの危険な課題をこなすことで競われ、優勝者は優勝カップと1,000ガリオン、そして永遠の名誉を受ける。


歴史編集

参加校について編集

イギリスのホグワーツ魔法魔術学校、フランスのボーバトン魔法アカデミー、スカンジナビアのダームストラング専門学校の三校には下記の通り共通点が幾つかある。

作中の世界において、魔法を学ぶ教育方法や教育機関は数あれど、国際魔法使い連盟に登録済みの由緒正しい魔法学校となると世界的に見ても11校しか存在しない。

三校は全て、この国際魔法使い連盟に登録済みであり、ヨーロッパ地域にあるという共通点があり、ハリーがホグワーツに在校していた時代(1990年代)から遡って少なくとも700年以上の歴史を有している。


過去の開催編集

危険な対抗試合編集

記念すべき第一回の対抗試合は12世紀後半あるいは13世紀のある時期に行われた。

しかし、対抗試合はその常軌を逸した危険性で有名であり、対抗試合中に代表選手たちの死亡事故が相次いでいた。

特に1792年の対抗試合ではコカトリスが大暴れして三校の校長全員が負傷しており、1792年の対抗試合は中止され、生徒たちを護る校長でさえも負傷する危険な試合を若い魔法使いに課すことに対する批判及び安全の観点からこの1792年の対抗試合を最後に長らく試合は行われなくなった。


開催周期編集

少なくとも本編から約200年前に中止されるまでの約500年から550年の間、この大会は定期的に実施されていた。

少なくとも125回は実施されたことが確定しており、その根拠は三校の優勝成績であった。

判明している限り、ホグワーツ63勝、ボーバトン62勝となっており、ダームストラングの成績が不明であるため少なくとも125回以上開催されているということ以外分からない。

仮に他の二校同様に60回程度の勝利経験があるとすれば、500年ないし550年の間に180回程度、約3年に一回の周期でこの試合が実施されていたことになる。

3年に一度であれば、ホグワーツ在校生ならば在校期間中高学年である5年生から7年生の時に参戦機会が与えられることになる。


対抗試合の伝統編集

対抗試合の実施期間中に迎えるクリスマスにはユールボールと呼ばれるプロムのようなダンスパーティーが実施されており。

対抗試合の伝統であり代表選手とそのパートナの組は最初に踊り始めるという決まりがあり、非常に格式高いダンスパーティーとなっている。

長らく対抗試合が中止されていたホグワーツでもこの伝統は伝わっており、対抗試合の復活の際は、ホグワーツでは社交ダンスの授業が設けられたほど。


ゲーム『ホグワーツの謎』における全魔法使いトーナメント編集

1988年から1989年(※)までホグワーツでは三大魔法学校対抗試合の模擬トーナメントとして、シルバヌス・ケトルバーンルビウス・ハグリッドの主催で『全魔法使いトーナメント』が実施された。

魔法省が三大魔法学校対抗試合を再開させようとしていることから、三大魔法学校対抗試合の課題に備えさせる目的で実施され、後述の当時の5年生(※)からダンブルドアの推薦のもと集められた。

開催時期が引き延ばされ1989-90の6年生から、1990-91の7年生から選ばれる可能性もある。

氏名性別所属寮
⬛⚫ジェイコブのきょうだい任意任意
🟥チャーリー・ウィーズリーグリフィンドール二つ目の課題で棄権
🟥ジェイ・キムグリフィンドール
🟡ニンファドーラ・トンクスハッフルパフ二つ目の課題で棄権
🔵チューリップ・カラスレイブンクロー二つ目の課題で棄権
🟦アンドレ・エグウレイブンクロー
🔵バティーア・アリレイブンクロー
🟩バーナビー・リースリザリン二つ目の課題で棄権
🟢リズ・タトルスリザリン
🟢イスメルダ・マークスリザリン二つ目の課題で棄権
🟢メルーラ・スナイドスリザリン

一つ目の課題編集

実施場所魔法史の教室得点100点

魔法史の教室に隠されたキラキラとしたものを制限時間内に誰よりも多く見つけた者が勝者となる。

選手たち同士のみならず、キラキラとしたものが好きなニフラー12匹とも競い合う。


二つ目の課題編集

実施場所訓練場得点300点

課題のヒントとしてピカピカの硬貨を与えられ、変身魔法を解くとドクシーの卵がはいった瓶がでてきた。

この課題はピクシー妖精を捕まえるためにうっちゃりの呪いが掛けられたに乗るというもので、ピクシー妖精一匹に対して複数のドクシーも同時に放たれる。

他の生徒たちも観戦が可能だが、箒からの転倒及びドクシーに噛まれたことで魔法省の命令で何名か途中棄権することとなった。


最後の課題編集

実施場所禁じられた森得点500点

ニフラーがもたらしたヒントのコインの変身魔法を解くと吠えメールが現れ、そこに途中棄権者たちの助けを求める声が収めらていった。

参加者全員で禁じられた森に向かうとマンティコアに襲われている途中棄権者たちがおり、参加者たちが協力してマンティコアを倒した。

勝者は他の者たちとの協力が必要なことを察知して説得をした者としている。


近代の三大魔法学校対対抗試合編集

抗試合の復活の背景編集

200年の時が流れ、闇の魔法使いヴォルデモートを退けた生き残った男の子、ハリー・ポッターがホグワーツに入学し、四年目を迎える1994年頃。

コーネリウス・ファッジを魔法省大臣に据えたイギリスの魔法省は、国際魔法協力部部長のバーテミウス・クラウチ・シニア及び魔法ゲーム・スポーツ部長のルード・バグマンによってクィディッチのワールドカップと三大魔法学校対抗試合のダブル誘致に成功している。


元々クラウチは魔法法執行部長を務め、対死喰い人派の急先鋒として名を馳せ、次期魔法省大臣と称されたエリートであったが、息子のバーテミウス・クラウチ・ジュニアがヴォルデモートの配下、死喰い人であったことが明らかとなると、彼のキャリアは閉ざされた。

息子が死喰い人であった醜聞に加え、『そのきっかけとなったのは家族を顧みず息子の教育を怠ったから』と世間からバッシングを受けたクラウチは有力視されていた魔法大臣への就任の道も閉ざされ、繰り上がり人事で日和見主義のコーネリウス・ファッジが魔法大臣に就任する結果となった。

魔法界との国際親善・外交を管轄する国際魔法協力部へと左遷されたものの、クラウチは勤勉に働き、その敏腕さから200年もの間中止されていた三大魔法学校対抗試合の復活を成功させている。

魔法ゲーム・スポーツ部長のルード・バグマンは共同責任者とされているがいい加減な性格なため実質二つのビッグイベントの招致成功はクラウチ・シニアの采配によるものが大きい。


闇の魔法使いの暗躍編集

実はクラウチ・シニアは病死間近であった妻に懇願され、自身の息子であるバーテミウス・クラウチ・ジュニアの魔法使いの監獄、アズカバンからの脱獄に協力していた。

妻と息子に他人に変身するポリジュース薬を飲ませ、妻を息子として獄中死させ、息子を妻として家に連れ帰えり、息子に服従の呪文をかけて監禁していた。

息子の存在を部下であったバーサ・ジョーキンズが偶然発見したこと、そのバーサとピーター・ペティグリューが接触したことでクラウチ・ジュニアの生存はヴォルデモートの知ることとなる。

クィディッチワールドカップの後にペティグリューと合流したクラウチ・ジュニアは今度は逆に父のクラウチ・シニアに服従の呪文をかける。


仮初の肉体で命を繋いでいたヴォルデモートは自身の完全復活のために『父親の骨』、『僕(しもべ)の肉』、『敵(かたき)の血』が必要となり、かつてヴォルデモートが殺した父親の骨はマグルのリドル家の墓に埋葬されており、当時ヴォルデモートに付き従う僕(しもべ)はペティグリューとクラウチ・ジュニアの二名がいたが、ヴォルデモートを現状まで追い詰めた敵(かたき)としてヴォルデモートはハリー・ポッターを選び、ハリー・ポッターをリドル家の墓地にまで誘い込み、復活の儀式を行う計画を立て、クラウチ・シニアが復活させた三大魔法学校対対抗試合を利用することにした。

まずはホグワーツの闇の魔術に対する防衛術教授に就任予定のアラスター・ムーディをペティグリューと共に襲撃し、彼を魔法のトランクに監禁し、ポリジュース薬でアラスター・ムーディに成りすましてホグワーツ魔法魔術学校に潜伏し、ハリーを代表選手に仕立て上げ、優勝するように導く。

触れた者を決められた場所へ移動させる魔法アイテム、移動(ポート)キーの魔法を優勝カップに施し、優勝者となったハリーがカップに触れた途端に儀式の準備が整ったリドル家の墓地へと連れていくという計画であった。


安全性に配慮したルール編集

過去の教訓から、クラウチ・シニアは安全性の配慮として代表選手のエントリーに制限を課した。

即ち、魔法社会において成人と見なされる17歳以上の生徒に限るとしたのだ。

留年にならなければ、ホグワーツ魔法魔術学校で言うところの7年生とエントリー期間内であるハロウィーンまでに誕生日を迎えた6年生に限るということになる。

この成人以上という条件は、生徒が姿現しの魔法を習得できる条件と一致しており、危険な状況に応じて『逃げる』という選択肢が取れることからと考えられる。

ただし基本的にホグワーツの中では姿現しできない。


1994-95年度優勝賞品編集

三大魔法学校対抗試合の代表選手は各校一名ずつ。

その三名の内、たった一人が優勝者となり、優勝カップ賞金1,000ガリオンを入手する。

ガリオンとはイギリスの魔法社会で流通する金貨であり、マグル界の通貨に換算するとイギリスでは約5ポンド12ペンス。

1ポンドを単純に200円程度と考えると、1ガリオンは1,000円程度、1,000ガリオンは100万円である。

また『幻の動物とその生息地』の記述、および裏表紙の定価の対比にもとづいて考えれば、日本円にして1ガリオンは約870円なので、賞金は87万円となる。

更にホグワーツ校長のアルバス・ダンブルドアによれば「永遠の名誉」を受けるとされている。

対抗試合が途絶えて100年程経った世代であるダンブルドアですら過去の優勝者が「永遠の名誉」と称されるに相応しい賛辞を受けていることを知るのを見るに、次代を経てもその名誉が陰ることがないことが窺える。

学生時代に『ホグワーツ始まって以来の秀才』と称されたダンブルドアだけに、対抗試合がもう100年早く再開されていたら代表選手入りになっていた可能性があるだけに、その「永遠の名誉」という栄光の真価は計り知れない。


エントリー方法編集

エントリーの流れ編集

上述の通りエントリー資格のある17歳以上の魔法使い及び魔女は、所属校および自分の名前を記入した用紙を用意する。

そしてその用紙を炎のゴブレットというその名の通り炎を放つ魔法道具に投じると炎は用紙を燃やして飲み込む。

炎のゴブレットは代表選手にふさわしいと考える生徒をハロウィーンの晩餐までの間に選考する。

ゴブレットは三校から代表選手に相応しい選手を各校一人ずつ選び、炎の中から生徒が投じた用紙を吐き出し、三人の代表選手が揃ってから第一の課題の準備が始まる。


年齢線編集

更に炎のゴブレットの周囲には、アルバス・ダンブルドアが施した年齢線という魔法の線が描かれた。

その名の通り、17歳未満のものが線の中に入ることを阻むという魔法が施されていた。

当時誕生日を迎えていないためエントリー資格を得られなかった6年生のフレッドとジョージ・ウィーズリーは1歳年を取るように調合した老け薬を使い、年齢線を越えて、炎のゴブレットにエントリーを試みたが、年齢線及びゴブレットはエントリー資格がない者が投じたと判断して炎が二人に直撃し、二人はサンタクロースを思わせる長い白髪と白髭を蓄えた老人の姿に変わってしまう。

後日、二人は元の姿に戻っていたためダンブルドアの仕置きの効果時間はさほど長くなかったことが分かる。


抜け穴編集

しかし、1994-95年の代表選手選考において抜け道が無いわけではない。

それは『17歳以上の者(生徒以外も可能)』が『他の生徒』の名前を投じることが可能であるということである。

勿論、炎のゴブレットは投じる者とエントリー上の名前が一致するような魔法が施されている筈だが、ゴブレットに投じる際に投じる者が『他の生徒』と錯乱させる錯乱呪文を施せば、未成年の魔法使いを代表選手とすることが可能である。

大会の主催者であるクラウチ・シニアの準備した炎のゴブレットのシステムを熟知していたクラウチ・ジュニアは、ムーディに成り代わり、錯乱の呪文で当時4年生の14歳であったハリー・ポッターをエントリーさせることに成功した。


代表選手編集

正式な手順によるエントリーによって選ばれた三校の代表選手、並びに陰謀によって追加された者を含め、四名の代表選手が炎のゴブレットに選ばれた。

上述の抜け口の通り、錯乱魔法で投じられたハリーはホグワーツという枠組みでない追加枠という形の代表選手として選ばれてしまった。

所属校ホグワーツボーバトンダームストラング追加枠
名前セドリック・ディゴリーフラー・デラクールビクトール・クラムハリー・ポッター
学年6年生6-7年生7年生4年生
年齢17歳17-8歳18歳14歳
性別
所属校の校長アルバス・ダンブルドアオリンペ・マクシームイゴール・カルカロフアルバス・ダンブルドア
備考ハッフルパフ寮ボーバトン最高学年クィディッチW杯出場者グリフィンドール寮

第四の選手の是非編集

本来あり得ない第四の代表選手の登場に三校の生徒並びに教師陣から不正を働いたと見なされ物議をかもしたが、責任者であるクラウチ・シニアの決定に沿うこととなった。

クラウチ・シニアは実行委員会が実施した規則通りに行ったゴブレットのエントリーで出された結果を遵守し、未成年のハリーを第四の代表選手にすることを認めることとなった。

しかしこの時、ムーディに変装したクラウチ・ジュニアが傍にいたため、この承認も服従の呪文によるものの可能性は否めない。

風評被害編集

クラウチ・シニアの承認の元、望まぬ形で第四の選手に選出されたハリーは不正行為で代表選手に選ばれたという批判をボーバトン、ダームストラングのみならず、ホグワーツの生徒ならびに教員から受けることとなった。

このため元々ハリーの所属しているグリフィンドール寮と因縁のあるスリザリン寮はハリーに当てつけるように、【セドリック・ディゴリーを応援しよう。ホグワーツの真のチャンピオンを!】というバッチを付けるようになった。

原作ではこのバッチを押すと応援文字は消えて、【汚いぞ、ポッター!】とハリーを貶す分が現れる仕様となっており、映画版では自動的に切り替わる仕様となっている他、勤勉な性格故に不正を許さないハッフルパフの生徒たちもこのバッチを付ける描写が描かれた。

ちなみにバッチの作成者ないし立案者は恐らくドラコ・マルフォイであるが、この風評被害はハリーが第一の課題の中で最も難関な試練を最速でクリアして以降は鳴りを潜めている。


課題編集

第一の課題編集

実施日1994年11月24日
課題内容ドラゴンと対決し、巣にある金の卵を奪取する。

代表選手と対峙する四種類のドラゴンはロン・ウィーズリーの兄、チャーリー・ウィーズリーが所属するルーマニアのドラゴンの研究機関が用意したもの。

ルビウス・ハグリッドは運営側の立場からこのドラゴンの面倒を任されており、彼を介してハリーは第一の課題内容を知ることとなるが実はこれもムーディに成りすましたクラウチ・ジュニアの策略の内である。

風評被害を受けていたハリーだがフェアプレーを重んじ、課題内容をセドリックをはじめ他の代表選手にも伝えている。

ただし、ハグリッドはボーバトンの校長オリンペ・マクシームに好意を抱いていたため映画版では二人の感覚的に危険ではなく美しいドラゴンを鑑賞するデートをしていたりしたためボーバトン側はドラゴンのことを知っていたと思われる。

また元死喰い人であったイゴール・カルカロフも何らかの不正行為で情報を入手した可能性が否めない。

ドラゴンたちが護る金の卵は第二の課題のヒントでもあるため、この課題を落とすと第二の課題に大きく後れを取ることとなる。

代表選手セドリックフラービクトールハリー
課題実施順1番2番3番4番
ドラゴンスウェーデン・ショート・スナウト種ウェールズ・グリーン種中国・火の玉種ハンガリー・ホーンテイル
突破手段岩を犬に変えて注意を引き付ける魅惑呪文で陶酔させ眠らせる結膜炎の呪いを弱点の目に放つ呼び寄せ呪文で呼び寄せた箒で翻弄
魔法のジャンル変身術呪文学闇の魔術呪文学、飛行訓練
減点顔に火傷を負ったため鼻息がスカートに引火したため本物の卵を破損したため
順位2位3位1位1位

第二の課題編集

実施日1995年2月24日
課題内容水中人の住むホグワーツ湖へ潜り、一時間の制限時間内に奪われた人質を取り返す。

第二の課題は第一の課題で入手した金の卵が課題内容を告げる、というものであるため、代表選手は実施日までの約3か月間、その謎解きと対抗策の考案に奔走する。

金の卵を開けるとこの世のものと思えない叫び声が聞こえるが、これは水中人(マーピープル)の声であり、水中に付けた状態で課題内容を歌う歌が聞こえるという仕様となっている。

セドリック・ディゴリーはムーディーになりすましたクラウチ・ジュニアの知恵でこの謎解きを終え、ハリー同様にフェアプレイを重んじる性格からドラゴンのことを教えてくれた借りを返すために風呂を使うようにとヒントを与えた。

また第一の課題から第二の課題の間に、実施されたクリスマスのユールベールと呼ばれるダンスパーティーは、第二の課題の人質の選考も兼ねており、このダンスパーティーを含めた実施日までの代表選手の振る舞いから相応しい者たちが選ばれるために利用される形となった。

代表選手セドリックフラービクトールハリー
人質チョウ・チャンガブリエール・デラクールハーマイオニー・グレンジャーロナルド・ウィーズリー
人質との関係恋愛対象恋愛対象親友
突破手段泡頭呪文で潜水泡頭呪文で潜水サメに変身鰓昆布の服用
魔法のジャンル呪文学呪文学変身術薬草学
減点途中棄権術が上半身のみ制限時間に間に合わず
加点他の人質も救出
タイム1着2着3着
得点47点25点40点45点
順位1位3位2位1位

第三の課題編集

実施日1995年6月24日
課題内容罠や魔獣がひしめく巨大な迷路から優勝カップへ辿り着く。

最終の課題ということもあり代表選手の家族又は親しい人たちを招致することが可能で、ハリー以外の選手には家族が、ハリーにはロンを通じて親しいウィーズリー家の面々が訪れることに。

この際、フラーはビル・ウィーズリーに一目惚れをしており、後に夫婦となっている。

ホグワーツ校内に作られた巨大な迷路の中から優勝カップへと辿り着くことが勝利条件だが、危険と判断した際は救難信号を出すことが可能となっている。

第二の課題までの成績順で迷路の中に入るが、迷路の中は魔法で作り出された霧で満たされ、罠や魔獣が用意されている。

判明している限りで爆発スクリュート、巨大蜘蛛などの魔獣が現れた他、罠としてはスフィンクスから出題される問題を解くという知恵を試されるものも含まれる。

しかし、この迷路でもムーディ扮するクラウチ・ジュニアの妨害工作が発生する。

ハリーは今まで助け合ってきたセドリックと一緒に優勝カップを取ことを選ぶが、移動キーに変えられてしまった優勝カップを手に取った瞬間、二人はリドル家の墓地へと送られてしまった。

そしてセドリックは復活の儀式に関わりのない余計な者としてペティグリューに死の呪いによって殺されてしまう。


ヴォルデモート復活編集

復活の儀式編集

この儀式は自らの肉体を失い、現世の内を亡霊のように彷徨っていたヴォルデモートの魂の器となるべき新たな人体の錬成することから人体錬成を髣髴とさせる。

儀式には父の骨、僕(しもべ)の肉、敵(かたき)の血という三素材から造り上げられており、ホムンクルス人造人間)の創造のあり方との類似点がみられる。

「父親の骨、知らぬ間に与えられん。父は息子を甦らせる。」

ヴォルデモートことトム・リドルにかつて殺された父、トム・リドル・シニアの墓地に埋葬された骨を利用。

「僕(しもべ)の肉、喜んで差し出されん。僕は主人を甦らせる。」

儀式を執行するピーター・ペティグリューは自身の右手首から上を切断し、切り落とした右手を肉として差し出す。

「敵(かたき)の血、力ずくで奪われん。汝(なんじ)は敵を甦らせる。」

拘束された状態のハリー・ポッターを無理やり傷つけ、ナイフに着いた血を奪う。

決闘と脱出編集

ハリーはヴォルデモートと決闘するが、互いの呪文がぶつかりあったとき、ハリーの杖とヴォルデモートの杖が共鳴現象を起こす。

これはダンブルドアの愛鳥、不死鳥フォークスの尾羽で作られた謂わば兄弟杖であったために生じた現象であった。

ヴォルデモートの杖で殺された人々が霊体のような姿で杖から現れ、ハリーは現れた両親の助言と他の霊体たちに助けられ、セドリックの亡骸とともにホグワーツに戻る。

『自分の遺体を両親に渡してほしい』というセドリックの最後の願いは果たされた。


優勝者編集

同着優勝を果たしたハリーとセドリック、二位はビクトール、三位はフラーという結果に終わった。

しかし、セドリックの死に伴って優勝賞金はハリーに贈られることとなった。

ハリーはセドリックの両親であるエイモス・ディゴリーとその妻のディゴリー夫人に賞金を贈ろうとするが夫人は息子の亡骸を持ち帰ってくれたことに感謝をするだけで賞金の受け取りを拒んだ。


余談だがハリーは賞金を親友のロンの兄たち、フレッドとジョージに譲っている。

もともとフレッドとジョージが対抗試合にエントリーしようとしたのは悪戯用品専門店「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ(WWW)」の手許金欲しさであったことを知っていたハリーは双子に譲った。

二人はそれを元手にダイアゴン横丁に店舗を構えることになり開業資金を提供したハリーはこの店で優待され、どこで手に入れたか宣伝するという条件付きで、無料で好きな商品を譲ってもらえるようになった。


セドリックの遺産編集

セドリックの死は対抗試合を通じて交流を深めた三校全ての生徒たちの心に多大なるショックを与えるものとなった。

対抗試合を通して終始フェアプレイを重んじたセドリックを通じて三校の生徒たちはその悲しみの共有をし、確かな結束が生まれることとなった。

学期末、最後の晩餐の時にセドリックの喪に服すホグワーツ生ならびに教員たちは全員セドリックに対して献杯をし、ダンブルドアは生徒たちに向けた演説で、正しきことと易きことのどちらかの選択を迫られた時にセドリックのことを思い出すのだと述べた。


運命の分岐点編集

実はセドリックの死を回避しようと2021年にハリーの次男アルバス・セブルス・ポッターとその親友でドラコの息子スコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイが行動を起こす。

切っ掛けはセオドール・ノットが所持していた逆転時計(タイムターナー)が発見され、魔法大臣となったハーマイオニー・グレンジャーが保管管理していることを知ったセドリックの父、エイモス・ディゴリー闇祓い局局長となったハリーにセドリックを救い出して欲しいと懇願してきたことになった。

ハリーはそれは歴史を変えてしまうことになると断るが、父親への反抗心と承認欲求からアルバスはスコーピウスと共にホグワーツ特急から脱走し、エイモスの姪であるデルフィーの協力を得てタイムターナーで二度1994年-95年の三大魔法学校対抗試合に介入をした。


第一の介入編集

アルバスとスコーピウスはダームストラングの生徒に変装し、第一の課題であるドラゴンの卵の奪取に挑戦中のセドリックから武装解除術で杖を奪い取る。

だが、スコーピウスがハーマイオニーを彼女の未来の娘であり意中の存在であるローズ・グレンジャー=ウィーズリーと勘違いして話しかけたことで、時間軸が変化する。

  • ローズが誕生しない世界

アルバスとスコーピウスが元の世界に戻ると、その世界ではロンとハーマイオニーが結婚しない世界になっていたため、二人の子供であるローズとヒューゴの存在が消えてしまった。

ダームストラングの生徒に不信感を抱いたハーマイオニーがビクトール・クロムの誘いに応じなかった。

クロムとのダンスはロンがハーマイオニーがを好きだと自覚する大事な出来事だったので結果的に、ロンはハーマイオニーへの恋心に気づくことなく、ダンスパーティーでパートナーとなったパドマ・パチルと結婚する。

またハーマイオニーは魔法省に就職せず、ホグワーツで闇の魔術に対する防衛術の教師として教鞭をとっていた。

更にアルバスはグリフィンドール生で、父親との確執もセドリックの死は元の世界のままであった。


第二の介入編集

ローズの存在を取り戻し、セドリックを生き帰させるためアルバスとスコーピウスは再び三大魔法学校対抗試合に介入する。

嘆きのマートルから湖への抜け道の水路を教えてもらったアルバスらは鰓昆布で水中でも息ができるようにしたうえで、湖の底から大切な人を救い出す課題に挑戦中のセドリックの体を肥らせ魔法で膨らませ、湖の上まで浮上させる。

  • アルバスが誕生しない世界

元の時代に戻ると、アルバスの姿が消えており、その世界ではハリー・ポッターが殺された世界になっていたため、彼の子供であるジェームズ二世、アルバスとリリー二世が生まれない世界となった。

三大魔法学校対抗試合の最中に肥らせ魔法で妨害され、嘲笑の的にされたセドリックは、その怒りのあまり死喰い人になる。

そしてホグワーツの戦いでセドリックは元の世界でグリフィンドールの剣分霊箱ナギニを倒すネビル・ロングボトムを殺害する。

そのため戦いはヴォルデモート陣営の勝利、ハリーは死亡、魔法界は暗黒時代となっていた。

そしてスコーピウスは魔法法執行部長である英雄ドラコの息子として「スコーピオン・キング」と呼ばれ「穢れた血」を弾圧するなどして、校内で支配的な地位を築いていた。


介入の取り消し編集

元の世界に戻すためにスコーピウスはこの時間軸で生存していたセブルス・スネイプに協力を仰ぎ、そしてスネイプは暴れ柳の隠れ家にいるレジスタント活動中のハーマイオニーとロンの元へと連れて行った。

先ずは第一の介入の妨害を行うが、もとの時間軸に戻った直後にアンブリッジや吸魂鬼による急襲を受け、スネイプ、ロン、ハーマイオニーはスコーピウスをかばって死ぬ。

スコーピウスはふたたび時間を巻き戻し、第二の介入を阻止することに成功する。

こうして世界は元どおりになり、アルバスも復活する。

アルバスとスコーピウスが逆転時計を破壊する算段を立てると、今までのあらましを聞いたデルフィーが態度を豹変させる。


第三の介入編集

実はヴォルデモートと死喰い人の魔女ベラトリックス・レストレンジとの間に生まれたデルフィーニはエイモス・ディゴリーに錯乱の魔法を掛けて姪に成りすましていた。

セドリックを辱めて死喰い人に堕とすことが父親の生存する世界に繋がると考えた彼女はアルバスとスコーピウスごと過去に向かい、第三の課題である迷路に辿り着いた。

アルバスとスコーピウスは、デルフィーニがセドリックを妨害しに向かった隙に逃げ出そうとするものの、あっさりと彼女に捕まる。

デルフィーニは協力を拒否する二人を殺そうとするが、セドリックに武装解除され、縛られていた二人も解かれる。

その際に、アルバスはセドリックに彼の父親がそれだけセドリックを愛していたのかを伝えると、セドリックは「オーケー、ン、ありがとう」と答えた。

デルフィーニはふたたび逆転時計を起動させて二人もろともどこか別の時代に移動してしまうが、この後、ハリーたち保護者も合流してデルフィーニは捕まり、歴史は元通りになりセドリックもやはり死亡したままになった。


余談編集

めちゃくちゃ盛り上がるイベントなのだが、課題の内容を見るに、外から見ていて面白いのは第一の課題ぐらいでは? と思わなくもない。


本大会は万全の対策を行なっていたものの、ヴォルデモート陣営の介入により結局死者が出てしまった。

今後も開催できるかはかなり厳しいと言わざるを得ないだろう。


また、この時期に久方振りの開催となったのは、ホグワーツ1000周年記念もあるのかも知れない。

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