概要
『ハリー・ポッター』の主要な舞台であるホグワーツ魔法魔術学校を創設した、四人の偉大な魔法使いと魔女達。
その経緯は組み分け帽子が年度初めに歌う歌(および第2巻で魔法史教授のビンズが語った説明)でおおまかに分かるようになっている。
本編から遡る事約1000年前、当時最も力ある魔法使いであった彼らは、未だ在野でしか教育を受けられなかった魔法使いの卵達を専門的な教育機関にて育成し世に送り出すという夢を抱き、総力を結集してこの学校を築き上げた。
学校が始まって暫くは平和な日々が続いたものの、やがて学校の方針を巡って四人の間に不和が生じる。それは創設者の一人であるスリザリンの、魔法族の優生思想とマグル(非魔法族)生まれへの蔑視に基づく教育論の問題だった。マグルの血が入った子供は排斥し、純粋に魔法族の血だけ引く子供を教えようとするスリザリンと、魔力に血筋は関係ないと主張する三人の意見は平行線を辿る一方で、ついにグリフィンドールとスリザリンが決闘を始める事態にまで関係は悪化してしまう。元々は無二の親友だった二人だが、相容れない信念の元争いを繰り広げ、それでもなお決着は付かず、ある日の朝にスリザリンは学校を去ったと言う。こうして四人の友情は崩壊した。
その後のレイブンクロー除く三人の結末は明らかでないものの、後世にも彼らの血筋は伝わっている。彼らが未来への希望を託した学び舎は現代も存続し、長きに亘って優秀な魔法使いや魔女達を輩出している。最終的に仲違いしてしまった四人だが、組み分け帽子は世が荒れる時に必ず「団結して困難に立ち向かうべし」と学園の人々に呼びかけ、絆の大切さを訴えている。
本編では当然既に故人である彼らだが、物語や魔法界への影響は計り知れず、彼らの子孫は勿論、遺品も作中で重要な役割を果たしている。
メンバー
勇気を持つ者こそが最もすばらしいと考えた、ホグワーツ創設者の一人。
組み分け帽子は元々彼の所有物。
当時最強の決闘者であったとされる。
彼の生まれた村は彼の名にちなんで『ゴドリックの谷』と呼ばれている。
四人の中では唯一子孫の存在が明らかになっていない。
どのような者にも等しく魔法を教えるべきと考えた、ホグワーツ創設者の一人。
彼女はとりわけ勤勉で謙虚な生徒を高く評価した。
また、料理に関する魔法の腕前で名を成したといわれている。
創設者の中では唯一生徒を分け隔て無く教えた人物。
後裔にヘプジバ・スミスがいる。
知恵こそが最も素晴らしいと考えた、ホグワーツ創設者の一人。
彼女は「それをかぶった者に誰よりも深い知識を与える髪飾り」を持っていたが(持っていただけなので実際には使っていない可能性が高い)、
彼女の娘のヘレナ・レイブンクローが母親の知識をうらやみ、髪飾りを持って逃亡。
ヘレナに思いを寄せていた男爵に捜索を依頼するが、結局再会することは叶わなかった。
娘のヘレナは現在“灰色のレディ”と呼ばれ、母の寮のゴーストとなっている。
選ばれし血筋、すなわち魔法使いの血筋の者こそが最もすばらしいと考えた、ホグワーツ創設者の一人。また、野望を抱く生徒を特に高く評価した人物であるといわれている。
開心術の達人であり、歴史に残っている限りでは最初の蛇語使い/パーセルマウスとされる。そのため、「蛇舌」の異名も持っていた。
パーセルマウスとはパーセルタング(蛇の言葉)を話せる能力を持つ魔法使いを指す。今では闇の魔術とされ、パーセルマウスは全員スリザリンの血筋という俗説があるが、実際にはその限りではない。
ホグワーツ創設後、彼は「選ばれし血筋の者、魔法族の者にのみ魔法を教えるべきだ」と主張。
(この考えは後に「純血主義」として広まっていくこととなる。)
そのことで他の3人と意見が分かれ、最後にはグリフィンドールとの激しい決闘の末、スリザリンはホグワーツを去ることとなった。
しかし、彼はホグワーツを去る前に、ホグワーツのどこかにある部屋を残していったという話がある。
その部屋はスリザリンの正当な継承者のみが開けることができ、継承者はその部屋に潜む怪物を解き放ち、魔法を学ぶに値しないものを学校から追放するという。
これがホグワーツに伝わる「秘密の部屋の伝説」である。
後裔には純血の名家・ゴーント家がある。しかし行き過ぎた純血主義の結果、近親婚を重ねて没落。その果てに恐るべき悪魔が産み落とされてしまう。