概要
『ハリー・ポッター』シリーズに登場する主人公、ハリー・ポッターの名付け親であるシリウス・ブラック三世の出身である純血の魔法一族、ブラック家の家系図に登場する魔法使い。
シリウス、及び弟のレギュラス・ブラック二世の父方の伯母に相当する人物。
血統
ホグワーツ魔法魔術学校の校長を務めたフィニアス・ナイジェラス・ブラックの直系の孫、アークタルス・ブラック三世の長女として生を受ける。
母親は間違いなく純血の聖28一族出身の魔女、メラニア・マクミラン。
最後のブラック家当主、オリオン・ブラックの姉であり、オリオンの二人の息子、シリウス三世とレギュラス二世の伯母に相当する。
ヴァルブルガ・ブラック、アルファード・ブラック、シグナス・ブラック三世ら分家の三姉弟たちとは父方の祖父同士が兄弟の再従姉弟同士であり年も近い。
特にヴァルブルガは同い年の再従姉妹同士であり、ホグワーツ魔法魔術学校でも同級生だった可能性が高い。
本家と分家の違いはあるものの弟を持つ長女同士と似た境遇を持ち、オリオンとヴァルブルガの結婚により義理の姉妹となった。
後にイグネイシャス・プルウェットと結婚し、ギデオン、フェービアン、モリーらのおばとなった。
モリーの息子の一人パーシー・ウィーズリーのミドルネームのイグネイシャスはここから取られていると思われる。
プルウェット家は後に騎士団員を輩出し「血を裏切る一族」の様相を帯びるものの、当時は事情が違ったのかルクレティアは家系図から抹消されていない。
つまりルクレティアとイグネイシャスの婚姻は駆け落ちではなく双方の一族の合意の上で成立した可能性が高い。
そう考えると、イグネイシャスはモリーと異なりグリフィンドールではなかったか、あるいはグリフィンドールでありながらブラック家などスリザリン閥にも認められていたのか、二つの可能性が考えられる。
しかし、ルクレティアは子供には恵まれず、加えて甥のレギュラス、弟夫婦を立て続けに亡くすという憂き目に遭う。
夫の名前をミドルネームにもらった血の繋がらない大甥のパーシー・ウィーズリーが二人の娘、モリーとルーシーを儲けている。
モリーはパーシーの母でありルクレティアの姪であるモリーに因むとすると、もう一人のルーシーはルクレティアに因む可能性がある。
名前の由来
ルクレティアの名前の由来はローマを王政から共和制へ導く契機となった伝承の女性ルクレティアであろう。
貞淑な妻であったが強姦され死亡した悲劇の姫であり、死ぬ前に男たちに王家への復讐を誓わせ共和制樹立に貢献した烈女でもある。
また星に因んだ名前を付けるブラック家の伝統から、小惑星ルクリーシアの可能性もある。
1888年10月31日にウィーンでヨハン・パリサによって発見され、最初の女性天文学者であるカロライン・ハーシェルのミドルネームにちなんで命名された。
カロラインはウィリアム・ハーシェルの妹であり、彼の助手を務める一方で自身もハーシェル・リゴレー彗星を発見している。