概要
無線機は、互いを結線させず主に電波を用いて音声や電気信号のやり取りを行う通信機である。
一般的に、送信と受信の両方を行う事ができる装置や設備を指す。
広義では、電波を用いて通信に供される機械全般を指す言葉であるが、実際には送信のみを行う機械(設備)は放送局や送信所、或いはトランスエミッター。受信のみ行う機械は広域受信機、ラジオ、テレビなど、それぞれの役割や能力で呼ぶ場合が殆どである。
また、送受信が可能な機械のうち普遍的に使用されるPHSや携帯電話、スマートフォンはそれぞれ商品名やサービス名、愛称で呼ばれる事が呼ばれる事が殆どなので、「無線機」は送受信が可能なトランシーバーを指すときに使用される。
法律や規定では、一般的に使われる語と意味合いが違うこともあるので、国家試験を受けるときなどは要注意。
狭義の無線機
トランシーバーを堅苦しく言い換えた言葉である。
そもそも、「トランシーバー」は送受信の両方が可能な機械全般を表す言葉だが、「トランシーバー」が一般的に片手で扱える携帯機(ハンディ機)や、車載機などの可搬機などを表す言葉として使われているので、専らそれらに該当しない据え置き型の大型のトランシーバーを「無線機」と呼ぶようになった。
旧陸海軍や、自衛隊、警察などの公的機関や交通機関では、大きさに関わらず無線による通信機を「無線機」と呼んでいる。受信専用のものは「受令機」と呼ばれているようである。
法律や用途による区分
日本では、無線による通信や無線機の規格、性能は電波法で厳しく規定されている。
これは、電波による通信は技術面でかなりデリケートであることや、警察、消防や航空機、船舶の通信など人命が関わる通信に供されているために出来る限りトラブルを排除しようという思惑があるためである。
通信は、用途や通信距離、データの量などで周波数別に細かく分けられている。
無線機も用途や法律上の区分に合致して定められた規格に適合しているものでなければ使用してはならない。
殆どの場合は、「仕事やサービスに使われる電波や無線機」だが、アマチュア無線やデジタル簡易局などの「民間人が気軽に利用出来る」「自分で研究したり楽しむことが出来る」ものも存在する。