抗え、最後まで。
概要
略称は「DOD」。ドラッグオンドラグーンシリーズの第一作目。
ゲームは、カイムを操作して『真・三國無双』シリーズのように大軍と戦う地上戦、ドラゴンを呼び地上の敵を殲滅する低空戦、高空で飛行戦力と戦う上空戦(パンツァードラグーンに似ている)という3つのモードからなる。
ゲームは基本的に一本道だが、ノベルゲームのシーン選択のようにストーリーの好きな部分に戻る事が可能であり、順次解放されていく分岐を埋めていくことでストーリーの全容が明らかになり、最終的にはエンディングは5つに分岐し、エンディングごとの内容は大幅に異なる。
スクウェア・エニックスからの発売で「剣と魔法」「ドラゴンとの共闘」という要素から「スクウェア・エニックスから完全新作のファンタジー作品が出る」と話題になったが、発売後はその作風から別の意味で話題になり大きな反響を呼んだ。
ストーリー
遠い昔・・・まだドラゴンが空を飛んでいた時代、地上では「連合軍」と「帝国軍」の二大勢力が争いを続けていた。
世界に調和をもたらす「女神」を有する連合軍。その信仰を否定し、「女神」を奪い去ろうとする帝国軍。帝国軍は謎の宗教組織「天使の教会」のもと、短時間に恐るべき強さを身につけ、ついに連合軍が女神を匿う城を襲撃する。
連合軍の一員であるカールレオン王国の王子・カイムは、その襲撃の中、傷付いたレッドドラゴン・アンヘルと出会う。
調和を崩し始めた世界の運命は今、たったひとりの男に託されようとしていた・・・。
登場人物
物語の主人公。ストーリーが進むにつれて本性が明らかに……、そしてアンヘルとの契約をした際にその代償として「声」を失った。
物語序盤にカイムと契約を結ぶレッドドラゴン。資料によって設定があやふやだがファンの間では「雌」とされている。その言動がツンデレ気質で真のヒロインのと声も。
カイムの実妹で「オシルシ」が出現しこの世界の女神に選ばれた。イウヴァルトとは元婚約者だが実兄であるカイムに禁じられた想いを寄せている。
フリアエの婚約者だったが彼女に「オシルシ」が出現した為、婚約は破談になった。しかし、今でも彼女の事を思っており、その思いが次第に暴走し中盤でドラゴンと契約してその代償として「歌」を失う。
妖精フェアリーと契約をし「目」を失い盲目になる。しかし嗅覚が敏感になり相手の「匂い」を感じ取る事が出来る。常識人枠かと思いきやある性癖が明らかに。
ゴーレムと契約をしその代償として「時間」を失い永遠のショタとなる。教祖であるマナとは双子で彼は兄にあたる。母親に愛されて妹の虐待を見てきた事から強い自罰意識がある。
ウンディーネとサラマンダー2体の精霊と契約をしてその代償として「子宮」を失う。美人なエルフの女性で子供を守ろうとしている。食べちゃいたいくらいに。
封印を守る職に就く神官長で過去にドラゴンと契約をしその代償として「ハゲ」になった。このゲームの中では常識人枠だが追い詰められると保身に走り利己的な面が見える。
「天使の教会」を束ねる教祖でセエレの双子の妹。母親に虐待を受けて育ち、その愛を神に求めた少女だが最終的には母の愛を求め「オガーザーン」と叫ぶ。生まれつき赤い目を持つ。
特徴
ゲーム性そのものよりも、重々しいダークな雰囲気で血塗られた世界観、藤坂公彦氏によるキャラクターデザインに狂人ともいえるキャラ設定、グロテスクな敵やムービー、不安感を煽るBGM、電波で狂気的なシナリオ、救いのないストーリーとクセが強く独特で人を選ぶゲームではあるが、しかしこの世界観に惹かれて一部のファンから熱狂的に支持されており、今でも根強いファンは多くインターネット上では現在でも鬱ゲーの代表格として挙げられる。
特に隠しエンディング的位置付けの新宿EDは、直前のボス戦が特殊である事とセットにされてネタにされ続けている。
『かつてこれほど挑戦的なシナリオがあっただろうか』というパッケージのアオリ文は伊達ではないのだ。
ゲームシステムは上述のとおり「三国無双+パンツァードラグーン」と評されることが多い本作だが、ディレクターによると「新世紀エヴァンゲリオン」の影響を大きく受けているとか。同アニメを見て斬新だったと感じた部分を自分なりに再現したとのこと。
SIRENのキャッチコピーにある『どうあがいても絶望』が当てはまるゲームの一つ。
戦闘
戦闘である地上戦や空中戦が人によってはもっさりと感じる部分があり、そして半分以上のミッションがこの地上戦でマップは広大だが敵の数が少ない面が多く、更に隠し武器入手の条件が時間制限だったりとストレスが溜まりやすい。
しかも地上の敵兵は特定の場所から離れると主人公を無視して所定の場所に戻るという光景があったりもする。
動きが硬くもっさり感の一因が武器であり、種類は豊富なのだが固有モーションが乏しかったりある程度の差別化はされているが手に持ったものほぼ全てを両手で振り回しており違和感がある(しかし連続技のバリエーションは豊富であり槍では突き、斧では振り回しとなっている)武器は8個まで装備して戦闘中に持ち替え可能なのだが、その都度MPがゼロになるため、結局1種の武器で固定になりがち。しかし固有モーションが乏しいという点以外では概ね好評。
シチュエーションとしては大軍VS大軍が多いのだが、何故かゲーム中の戦場に味方は一人も居らず、なのに味方兵士による「帝国軍の奴らめ! なんて強さだ!」「カイム様! ここはもう持ちません!」という会話が入り不自然さを感じる。
カメラワークも悪くカメラの任意操作は一時的な効果しか無く、しかも勝手にすぐ操作前の位置に戻されてしまうため不便でカメラをプレイヤーキャラの背後に戻す操作は「操作キャラの状態をニュートラルに戻して一瞬待つ」と他の操作と両立できない上テンポが悪い。
屋外の地上戦ではカメラの位置もいまいち周りを見渡し辛く屋内だと壁に影響されてすぐブレてしまう。
ドラゴンによる低空戦では地上戦よりは爽快感はあるが弓矢による攻撃やドラゴンのブレスを反射する敵の存在から、活躍の機会は限られており、上手く操作すれば回避は可能だが「思っていたように暴れられなくてストレスが溜まる」という声もある。敵の密度の低さやリアクションの薄さもあり、「ドラゴンを駆って敵兵士の大軍を薙ぎ倒す」という痛快なイメージの割りにこぢんまりとしたプレイ感覚になっている。
ストーリー面は評価されているが、戦闘後にブツ切りのストーリーイベントが入る程度なので、話が飛び飛びになっている印象を受ける。だが「この戦闘のもっさり感がDODだ!」や「ブツ切りのストーリーを繋ぎ合わせる事でDODの考察のし甲斐がある!」という意見もある。
続編・関連作
- 『ドラッグオンドラグーン2』(PS2)
- 2005年6月16日に発売。Aエンドの続編。いい意味で救いのある、悪い意味ではありきたりなストーリー展開となったため、ファンの間では評価が割れることも。
- 『ドラッグオンドラグーン3』(PS3)
- 2013年12月19日に発売。シリーズ10周年記念作。『1』より遥か昔の物語。開発元こそ異なるが、『1』と同じスタッフが登用されている。
- 『ドラッグオンドラグーン 死ニ至ル赤』
- ヤングガンガン連載の漫画。物語は映島巡、作画はZETが担当。ストーリーや主人公はオリジナルだが、『1』のキャラや『3』の設定が登場している。
- 『どらっぐ おん どらぐーん ウタヒメファイブ』
- 『ドラッグオンドラグーン1.3』
- DOD3の公式設定資料集に載っている、「DOD3のA分岐から繋がった“契約”の概念がない場合の『ドラッグオンドラグーン』」を描いた小説。色々DODより悪化している。
- 『ニーアゲシュタルト』『ニーアレプリカント』
- Eエンド(新宿ED)から約千年後の世界が舞台という裏設定が存在する。このため本作の続編の一つであると言っても過言ではない。
関連イラスト
平穏
狂気の世界
カイムとアンヘル
最古のイラスト
関連タグ
総合 | ドラッグオンドラグーン/NieRシリーズ DOD/NieRシリーズの登場人物 |
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シリーズ作品 | ドラッグオンドラグーン ドラッグオンドラグーン2 ドラッグオンドラグーン3 NieR(ニーアゲシュタルト/レプリカント) NieR:Automata NieR Reincarnation |
略称 | DOD DOD1 |
発売元・開発元 | スクウェア・エニックス キャビア(企業) |
媒体 | プレイステーション2 |
海外版タイトル | Drakengard |
カップリング | カイアン(カイム×アンヘルのカップリングタグ。ネタではない。) |
users入り | DOD100users入り → DOD500users入り → DOD1000users入り → DOD5000users入り → DOD10000users入り |
コラボ・外部出演 | ロードオブヴァーミリオン |
新世紀エヴァンゲリオン - 影響元。
F-15J - 航空自衛隊制式戦闘機。本作最強の敵。
デビルメイクライ2 - 同年にPS2で発売されたモッサリアクションゲーム繋がり。
時系列
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新宿エンド(Eエンド)
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