新宿ED
とうきょうたわーがあかいりゆう
5種類存在する「ドラッグオンドラグーン」のエンディングの一つで正式名称は『E路』『Eエンド』等がある。
出現条件として『A〜Dの全てのエンディングを見る』『全ての武器を集める』が設定されており、事実上コンプリートクリアが条件。
これから先はドラッグオンドラグーンの最大のネタバレが含まれます |
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元の世界に別れを告げ、やっとのことで最終バトルへ突入するが、なぜか舞台は東京・新宿へと移り超高層ビル街の上空から『母体』が現れるシーンはシュール極まりない。
なおドラマCDには、この時の様子が都民視点で描かれており、当然ながら混乱が起きている。時間帯の影響で被害は最小限だったものの、この時点で死傷者が出ている。
これはファンタジーではなかったのか???
戦闘前にアンヘルが発する「何なのだ、これは!どうすればいいのだ!?」という台詞は全プレイヤーの心情を代弁した名言。一応ルールらしき説明文が流れることは流れるのだが、このアンヘルの科白と同時なので非常に気づきにくい。
ここから「母体が放つ白と黒の帯攻撃をこちらも同じ色の帯を出して打ち消す」という謎の音ゲーが始まる。しかし一見簡素に見え、最初こそ良いがラストになるにつれ白と黒の帯密度が濃くなっていく。異なる色の音波をぶつけてしまうとこちらが怯んでしまいしばらく行動不能になるため、正確に同じ色の音波を当てなければならず、敵の攻撃密度が濃くなればたった一度の行動不能からそのまま撃墜へ至るため、難易度が一気に上がる。
特に最後の方はとにかく濃い攻撃密度の連打→暫く間が開いてラストの一発というえげつない攻撃をしてくる。鬼畜難易度な連打でこちらの精神をすり減らし、耐え切ったと油断して安堵したところに静かに叩き込んでくるラストの一発は双方共に来るとわかっていなければ対応は非常に厳しいだろう。
攻略法としては『出てくる帯の順番は完全固定なので「スタートボタンでポーズする」→「ポーズ中に暗記もしくは順番をメモする」→「入力したら即ポーズ」を繰り返しプレイし覚える』というものがあり、暗記をすれば簡単にクリアは可能である。
しかし、次の瞬間、彼らを待っていたのは…
こちらスカーフェイス。目標に命中。
正体は依然不明。霞ヶ関方面に落下した模様。
世界を救った英雄も、強力な力を持った竜も、異なる世界の人々からすればただの異物に過ぎなかった。あっけなく撃墜され、アンヘルが東京タワーに突き刺さりタワーを血で染めていく。そしてその場で幕を閉じる。
全プレイヤーを置き去りにした伝説のエンディングであり、難易度・面倒くささともに苦行と言っても過言ではないコンプリートを達成してへとへとになっているプレイヤーに、およそ最大級の絶望と虚無感を叩きつけた罪深き存在。つまり、みんなのトラウマ。
『母体』との戦闘が新宿で行われた理由がゲーム中では全く語られない上に、『母体』との戦闘はこれまでの戦闘と大幅に異なり、しかも桁違いに難しいことなどがネタに拍車をかけている。
補足すると、戦闘が新宿で行われた理由は『母体』の能力でカイムたちがいた世界と並行世界である現実世界にワープさせられたからである。また、『母体』との戦いは『母体』の紡ぐ『歌』をアンヘルで同じ『歌』を紡ぎ相殺するというスタイルが採られるためこのような戦闘ルールになっている。そして本編シナリオで最後に聴くことになるBGMでもある。
ちなみにこの現実世界はカイム達の世界と、ある関係性が存在したりする。
音ゲーが苦手な人には絶望的な難易度を誇る戦闘をやっと乗り越えたと思ったら、まさかの撃墜……自衛隊も仕事でやっているのだがちょっと許せない。
ちなみにこの撃墜命令は誰が下したのか記録が残っておらず不明、という謎が残されている。捻りなしに考えるのであれば『母体』が干渉したと思われる。
少なくともドラマCDでの描写では、ニュースで自衛隊による迎撃が決定されたと報道されており、政府から自衛隊(及びマスコミ)に伝わる間に、この撃墜命令がねじ込まれた事になる。自衛隊だけでなくマスコミも把握していた事から、当初は政府が出したものと認識されていた模様。
トドメがスタッフロール後の、マナによる朗らかな『本当に、本当にありがとうございました』。
思い出してみよう。本作のキャッチコピーは「抗え、最後まで。」
その名の通り、これまでのエンディングがすべてバッドエンドの要素を多分に含むものであった為、プレイヤーはどうにか状況を覆す道はないものかと模索し、異なるエンディングを切り開いてきた。そして、最後に辿り着いたルートで、この結末となったのである。
最後まで抗った結果がこれか
本作に「マルチバッドエンディング」の通称が名づけられた瞬間であった。
そして2chのスレには八頭身が絶望と鬱で顔を覆うAAと「おらっ!出てこい横尾」とDODのディレクターである横尾氏が入っている(という設定の)ロッカーを八頭身がガンガン蹴っているAAが連投され、祭りになった。
そしてアニメ版ニーアオートマタではバッドエンド紹介コーナーで9Sがロッカーに入ったまま何度も蹴られた。
当然信者(赤目)も参加、スレはAAの炎に包まれた。
実はクレジット表示時の「the End of dragon sphere」という表示、これは「The End of EVANGELION」のパロディ。
なおこのエンディング後、フリーシナリオ「新宿上空」が出現、航空自衛隊第303飛行隊(F-15J5機)(※)と戦闘が可能だが、ドラゴンのブレスよりもF-15Jのほうが速い。
どうやら相手にしているのはエースコンバットの方らしい。
PS3とXbox360用のアクションRPG「ニーアレプリカント」及び「ニーアオートマタ」はあろうことか、この新宿EDから約千年後の世界が舞台という裏設定が存在する。そんな設定をつけて誰が得をするんだ。
なおたまに誤解されるが、世界(人類)の滅亡自体は、母体がこの世界に出現した時点でほぼ確定している(魔素が持ち込まれている)ため、仮にスカーフェイスがアヘンル達を撃墜していなくても、趨勢に影響は無かったと思われる。
ディレクター曰く、エンディングの中でこれを最初に決めていたらしい。
つまりカイムとアンヘルの運命はその時点で決まっていたことになる。
※史実の航空自衛隊第303飛行隊は創隊後一貫して第6航空団隷下・小松基地(石川)所属の日本海空域を担当する部隊であり、首都圏防空に携わるのは本来ならおかしい(ちなみにF-15J/DJ装備なのは実際の第303飛行隊も同じ)。
2003年9月当時であれば、首都圏防空を担うのは第301飛行隊のF-4EJ/改(茨城・百里基地。第302飛行隊は当時那覇基地所属)とするのが正しい。一応、アンヘル達を撃墜した戦闘機のシルエットが、F-4に見えなくもない。
これは単純に「架空のものとして扱うことで自衛隊側へ配慮する(殺人行為を行わせない)」、「単なる考証ミス」も考えられるが、303空の部隊マークや所属機使用コールサインが「ドラゴン(龍)」である(コールサインなら「ドラゴン999」。ただし2019年現在は「イーグル999」に変更)なのも影響していると思われる。