概要
デボルが姉で、ポポルが妹。
『ニーアレプリカント/ゲシュタルト』に登場するデボル・ポポルと『NieR:Automata』に登場するデボル・ポポルは、性格や容姿が似ているが別人である。
ニーアレプリカント/ゲシュタルト
ニーアの村に住んでいる双子の司祭。
ニーアとその妹(ゲシュタルトでは娘)ヨナのよき理解者であり、身寄りのない彼らのためにニーアに仕事を与えてくれる。
デボル
一人称は「あたし」。
活発な性格で、よく村の噴水や酒場で弦楽器を弾きながらイニシエの歌を歌っている。近寄ると彼女の歌声を聞くことができる。
歌う傍ら人々の悩みを聞いており、村の事情通としての側面も持つ。酒場で話しかけた際にはクエスト依頼者の場所を教えてくれる。
とても酒に弱く、酔うと可愛い言葉遣いになる。作中ではニーアによって「にゃー♪」と言い出すと語られている。酔った彼女が実際どんな風になるのかはドラマCDの学パロ内で描かれている。
ポポル
一人称は「わたし」。
温和な性格で、村の図書館の館長を務めている。また、村の長としての役割も受け持っており、人々からの信頼は厚い。才色兼備で大勢の男性からラブレターを貰っているが、全部断っている。
山ほどある書物の写しを行っているため知識豊富で、咳止め薬の調合から古書の解読まで幅広くこなす。黒文病の治療方法や魔王の居場所などをニーアに教えたのもポポルである。
デボルと同様に美声の持ち主であるが、酔ったときにしか歌ってくれない。加えて酒に強く、中々手に入らない酒(ネズミとトカゲの尻尾を材料に使う)でしか酔えないそう。さらには呑み過ぎると狂暴になるらしく、以前酒場の壁を破壊したことがあるとニーアによって語られている。酔った彼女の恐ろしさはドラマCDの学パロ内で存分に描かれている。
※以下、ネタバレ注意。
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正体
デボルとポポルは大昔の人間によって造られたアンドロイドである。「ゲシュタルト計画」の監視・監督と、「レプリカントシステム」の管理を任されていた。
- ゲシュタルト計画
- 世界浄化機関を中心に推進された様々な計画の総称。
- 一連の流れとしては「全人類をゲシュタルト化して眠りにつかせる→レプリカントにレギオンと白塩化症候群を駆逐させる→世界が浄化されたら目覚めたゲシュタルトがレプリカントの体に戻る」というもの。
- 黒の書計画などもこの中に含まれる。
- レプリカントシステム
- ゲシュタルト化した人間から採取したデータを使ってレプリカント(器)を複製し、魔法で生み出した疑似人格に器を管理させるシステム。
- デボルとポポルは、ゲシュタルトからデータを抽出して新しいレプリカントを作ったり、逆に死んだレプリカントのデータをゲシュタルトに還元する役目も担っていた(小説『ゲシュタルト計画回想録』には実際にレプリカントを生み出す描写がある)。
目的
長らくレプリカントの管理を担当していたデボルとポポルだが、ゲシュタルト計画の要である魔王が暴走を始めたことで、急遽「黒の書計画」(黒の書と白の書を使って強制的にゲシュタルトをレプリカントの体に戻す計画)を実行しようとしていた。
ニーアに封印されし言葉を集めさせたのは、それが黒の書計画に必要だったからに他ならない。白の書が黒文病を治せるという話はニーアを誘導するための嘘であり、デボルとポポルはヨナの病気が治せないことを始めから知っていた。
なお、ニーアと白の書の邂逅自体は双子にとって想定外の出来事だったと小説『ゲシュタルト計画回想録』で語られている。
また、なぜ世界の浄化が完了した数百年前に黒の書計画を実行しなかったのかについては、魔王との約定が履行不可能だった(魔王の妹の崩壊体化を治せないため魔王と黒の書に協力してもらえなかった)のが理由だと説明されている。
ニーアに情を抱いていたのもまた事実であり、計画の進行について「あと100年、次の世代にしたかった」と語っている。
能力
先述のレプリカントの生成以外にも、浮遊やワープ、白の書の能力のコピー、魔法弾での攻撃など、様々な魔術的能力を持っている。
だが、戦闘面はそこまでのようで、小説『ゲシュタルト計画回想録』では青年期序盤のマモノ「グレーテル」を些か手に余る相手と認識している。ゆえに自ら出向くよりも、ニーアやルイーゼなど強い者を誘導し利用することが多い(結果としてそれがニーアの強化に繋がってしまったが)。
なお、終盤暴走したポポルは凄まじい魔法を使ってくる。
感情
当初の双子は感情を持たない存在であったが、互いをはじめ多くの者とふれあう過程の中、いつしか感情が芽生えていた。大きなきっかけは何となく世話をしていた猫が死んでしまったとき。何かが壊れてしまったらしい(「背信の刃」のウェポンストーリー参照)。
しかし、双子が自身の感情をはっきりと自覚したのは死ぬ直前である。そのため、作中では葛藤しながらも度々残酷な選択をとっている。
事実ニーアとヨナには気遣いや同情を示す一方で、その仲間であるカイネやエミールのことは(立場上仕方ないとはいえ)冷遇し、村から追い出している。また、この件に関してデボルはニーアが激高した理由が理解できないと報告書内で語っている。
2体1組として造られた理由
デボルとポポルが2体1組として造られた理由として、ゲシュタルト計画の監視・監督の難しさ、遥か長い年月の任務から1体では精神面の支障をきたす恐れがあり、それを回避するためサポート役としてもう1体必要であったという推測を『レプリカント』と『オートマタ』で本人たちが語っている。
事実、片方が苛立つと、もう片方がなだめる描写がいくつかあり、基本的にデボルが前者でポポルが後者である。しかし、ポポルは感情の起伏が激しく場合によってはデボル以上に激高するため、デボル側が心配させないように気を遣うシーンもある。
黒文病の蔓延、魔王の暴走など、様々な問題や困難が発生しても互いに支え合ってきた2人であるが、片方が消滅すると残されたもう片方のメンタルが崩壊し、暴走する恐れがある(『オートマタ』のデボルとポポルも同様)。
結末
最終的にはニーアたちの手によってデボルは殺され、残ったポポルは悲しみのあまり暴走。エミールを巻き込んで自爆し、その永い生涯を終えた。
NieR:Automata
続編である『NieR:Automata』では、前作とは別人である同型機が登場する。
双子の旧型アンドロイドで、レジスタンスのキャンプに住んでいる。ポッド153からは「デボル・ポポルタイプ」と紹介されている。
人物
『ニーアレプリカント』のデボル・ポポルとほぼ同一であるが、罪の意識をプログラムに刷り込まれていることや迫害を受けていることから、やや暗めの性格をしている。
容姿については髪型や衣装がやや異なるほか、『オートマタ』ではコサージュをつけている(正面から見て右側につけているのがデボル、左側につけているのがポポル)。
酒に関する特徴も『レプリカント』と同様。作中では酔っ払ったデボルが「ニャー♪」と鳴く描写や、「ポポルはお酒を飲んだらいけないニャー♪」とデボルがポポルを止める描写が存在する。
能力
本作のデボルとポポルはアンドロイドに対しての治療・メンテナンス能力を持ち、2Bや9Sをサポートしてくれる。一方で『レプリカント』で使っていたような攻撃魔法は一切使わず、敵との戦闘時も剣を振り回している。
これについては、同じ「デボル・ポポルタイプ」でも使用できる能力が異なるという説や、暴走を起こさないよう記憶消去と一緒に大半の能力が使えなくなったという説、贖罪の意識から本人たちの意志で能力を使わなかったという説など、様々な説がある。
境遇
元々「デボル・ポポルタイプ」は、ゲシュタルト計画を実行するにあたり、ニーアの村以外にも各地に分散してレプリカントたちの管理を行っていた。しかし『レプリカント』のデボル・ポポルが起こした事故によってゲシュタルト計画が破綻。それにより各地にいた同タイプは処分され、サンプルとして残った「デボル・ポポルタイプ」も記憶を抹消されたうえ、贖罪の意識を植え付けられた。彼女らの遍歴や言動を見ると、過剰なまでの罪の意識を刷り込まれていることが窺え、それを原動力として行動している姿はなんとも哀れである。
さらには他のアンドロイドに迫害されており、『オートマタ』の双子は放浪の末、レジスタンスキャンプにたどり着いた。
『レプリカント』ではカイネやエミールを差別する側にいたデボルとポポルが、彼らのせいで今度は差別される側になってしまうとは、なんとも皮肉的である。
ところで件の暴走についてだが、『レプリカント』での行動を見る限り、デボルとポポルはほとんど計画遂行のために尽くしている。違反があったとすれば、最後に巻き添えで自爆を試みたことだけである。
無論、それ一つで白の書が消滅してしまえば計画はおじゃんになるので厳罰は間違いないのだが、そもそも双子が敗北してしまえば計画遂行が不可能という点を考慮すると、いくらなんでも与えられた罰が過酷すぎるのではないだろうか。
結末
自らたちが犯した罪(前述の通り彼女達の罪ではないが)を償うため機械生命体と戦い続け傷を負いそれが元となり死亡。
アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』
『第2話』
初登場回。
レジスタンスが管理している物資の倉庫で、荷物の積み込み作業を手伝っていたが、作業が遅い事に他のアンドロイドから注意されている。その後は敵機械生命体の戦闘で左腕を負傷したレジスタンスのリーダーリリィを治療する。
『第3話』
レジスタンスがキャンプに戻る際に、前衛を担当していたが、同行していた2Bと9Sはメンテナンスモデルが、的にもなりうる前衛を不思議に思っていたが、レジスタンスのマチヤは『あいつらが望んでいる事だ。』と回答する。9Sは気になり、2人の元に向かう。
『第8話』
A2の情報を探している2Bと9Sと再会し、A2の事を聞かれるも面識がなかった為、回答は出来ず、代わりに『ジャッカスさんなら何か知ってるかも。』と答えた。但し、そのやり取りを他のレジスタンスに見られていた為、デポルとポポルは『私達と親しくしない方がいい』と2Bと9Sに忠告する。又、この時は地雷の設置という危険な作業をしており、9Sから心配されていた。
警告、ここから先は重大なネタバレあり。アニメ未視聴な方々はブラウザバックを推奨する。
『第21話』
ジャッカス武器屋、道具屋と共に、機械生命体が作りだした大型構造物『塔』に備えていたが、キャンプに避難していたパスカル村の子供達を媒介にウイルス汚染が蔓延してパンデミックが起きてしまう。リリィからの緊急無線を受けた為、ジャッカスと共に避難していた一室に向かい、汚染深度が浅いレジスタンス達を治療する。その後リリィ達が凶暴化したアンドロイド達をキャンプの外に出さないよう殿をする為、デポルとポポルも残ろうとするが、リリィから『キャンプの外にいるアンドロイド達を治療してほしい』と頼まれる。ジャッカス、武器屋、道具屋、他のレジスタンスから感謝の言葉をもらい、2人はトラックでレジスタンスキャンプが脱出するのだった。
『第22話』
事実上の主役回。
番組冒頭、実写の映像から始まり絵本の形式で『レプリカント』の事が簡潔に描かれている。(※解説しているデポルとポポルの個体は不明。)
はるか昔、空から降って来たドラゴンと巨人の戦い、その後に発生した白塩化症候群の猛威と感染者が変異した怪物『レギオン』、『レッドアイ』との戦い、そして人類の生き残りを賭けた『ゲシュタルト計画』の発動とその管理を任された2人の意気込みが語られていた。しかし、ゲシュタルト体の暴走(※崩壊体)、レプリカント体が発症する黒文病の蔓延、そしてニーア達との戦いで『ゲシュタルト計画』は失敗し、人類は滅亡する。
場面がアニメに戻り、オートマタのデポルとポポルはレジスタンスキャンプに戻るも、リリィを含めた全員が死亡し、レジスタンスは全滅。デポルは罪悪感に苛まれるポポルを慰めるも、『この気持ち、いつまで続くんだろうね』と聞かれるが、うまく答えられなかった。すると『塔』からアナウンスが流れ、2人はそこに向かう。すると入口の前で敵機械生命体と戦おうとするもメンテナンスを怠り、動けなくなった9Sがおり、2人は原作と同様に敵機械生命体群と戦い、殲滅する。戦闘が終わった後、9Sを治療しながらレジスタンスの全滅を伝える。しかし治療が終わった瞬間、敵機械生命体の増援が現れ、9S達は『塔』内部へと向かうもステルストラップに引っかかりポポルは弾き出されてしまう。直後『塔』の入口が閉まり始めた為、ポポルは原作と同様に身を挺してゲートを押さえる。9Sは2人に逃げるよう静止する、ポポルは『自分達の犯した罪を償う』と拒否。デポルに合図を送り、彼を『塔』の内部に投げ込む。デポルは9Sに『後悔するなよ』と彼女なりのエールを送り、ポポルと共に殿を担う。
場面が絵本のシーンに戻り『ゲシュタルト計画』の役目を果たせなかった双子モデルの顛末と原作のノベルシーンに当たる部分でオートマタの個体が現在のレジスタンスキャンプに辿り着くまでの過程が語られる。レプリカントでニーア達にデボルが殺され、ポポルは悲しみのあまり発狂し暴走。ニーア達を道連れに自爆をしようとするが、自己犠牲の選択を取ったエミールに阻まれ消滅。その後、オリジナルゲシュタルトである魔王改め、オリジナル・ニーアが、器であるレプリカント・ニーアに倒された事で『ゲシュタルト計画』が失敗し、人類は滅亡。その後に行われた徹底した情報操作によって人類滅亡の事実は秘匿。管理不届として双子モデルは解体処分となる。しかし、レプリカントの個体が起こした暴走事故を防ぐ為、一部の個体がサンプルとして残される。当然『ゲシュタルト計画』は機密情報である為、『大規模のシステムを管理を任されていたにも関わらず失敗した』とカバーストーリーに書き換えられ、罰として恒常的な罪悪感の生成が義務付けられた。その結果、双子モデルは計画以外で製造されていた多数のアンドロイドから差別、迫害されるのだった。
その後はオートマタの個体が現在のレジスタンスキャンプに辿り着くまでの過程と2人が心境が描かれている。砂漠の中を歩く2人だったが、デポルは左足を負傷していた。時折ポポルはデポルの足を治療しながら、互いに謝り、互いに励まし合っていた。その後、2人は水没都市で休んでいたが、新しいキャンプで自分達を受け入れてくれるのか、不安だった。実はデポルの左足の怪我は前のキャンプにいたレジスタンスに切られたものだった。ポポルは『レプリカント』の個体が起こした暴走事故の罪を責められる事に憤りと理不尽さを感じていたが、デポルはその罪を甘んじて受け入れていた。そして現在のレジスタンスキャンプに辿り着き、2人だからここまで生きてこれたとお互い励ますのだった。
そして場面が『塔』の前に戻り、何とか2人は生き残るも、デポルは左腕を失い、ポポルは右腕と左足を失い、右脇腹を切られる重傷を負ってしまう。そしてポポルは論理ウイルスに汚染されてしまう。
余談だが、解説に使われた絵本は前作『ニーアレプリカント』でエミールの屋敷で登場するキャラクターで『白の書』、『黒の書』と同じ封印の書の一つ、『深紅の書』である。しかし、他の2冊とは違って言葉を発する事はできない。採用された理由は不明だが、おそらく『紅』という共通点があると考えられる。
『第23話』
冒頭ではポポルはウイルスに汚染されながらデポルに『私達は...償えたかし...ら?』と聞き息を引き取る。双子モデルの特性か、デポルは彼女の亡骸に縋り、絶叫するだった。その後駆け付けたA2と042に再会するが、デポルもポポルの亡骸から経由してウイルス汚染されていた。又、放心状態で治療もしなかった為、042の報告で汚染深度が回復不可能な『第4層』まで到達してしまっていた。デポルはまだ意識がある状態でA2に『私達は役に立ったか?』と問う。A2は複雑な思いをしながらも回答し、安堵するデポルを介錯する。
ドラッグオンドラグーンシリーズ
人物ではなく、武器の名前として登場している。
『DOD』及び『DOD2』には「デボルポポル」という名の武器が登場しており、デボとポポという名の双子の姉妹が鍛え上げた剣という設定がある。なお、この武器は「背信の刃」という名前で『レプリカント』にも登場している。
『レプリカント』後に発売された『DOD3』では、紛らわしいということもあってか「デボルポポル」という名の武器はなくなった。
代わりに「千年樹の歌声」と「千年樹の嘆き」という武器のウェポンストーリーにて、『レプリカント』のデボル・ポポルと思しき内容が記されている。
表記ゆれ・誤記
「デボル」と「ポポル」双方のタグが登録されているイラストでは、「デボル&ポポル」のタグを登録していなかったり、「デボルポポル」で登録している場合があるので、目当てのイラストが見つからない場合はこの方法で検索するのもよい。
デボルについて、タグを「デポル」としてしまっているイラストが散見される。
妹がポポルなので姉はデポルだと勘違いしていたり、IMEの学習機能が『ぼ』をカタカナに変換すると濁音の『ボ』より先に半濁音の『ポ』に変換する場合があり、濁音と半濁音に気づかずそのまま登録していたりが理由として挙げられる。
pixiv外でもブログなどで「デポル」と記述してしまっているところがあり、間違いやすい部分と思われるが、大事なことなので再度述べさせてもらうと「デポル」ではなく『デボル』である。
余談だが『オートマタ』や『レプリカントver.1.22...』での英語表記では「Devola&Popola」だが、『レプリカント』スタッフロールでは「Devol&Popol」となっている(『ゲシュタルト』では未確認)。
余談
東京オリンピック(2020年)で流れる音楽に、彼女たちの歌う「イニシエノウタ」が採用された。
関連イラスト
『ニーアレプリカント/ゲシュタルト』のデボル&ポポル
『NieR:Automata』のデボル&ポポル
関連タグ
シリーズ
キャラクター
ニーア(NieR)/父ーア カイネ(NieR) エミール/実験兵器7号