悪に、堕ちる。復讐のために。
概要
コナミデジタルエンタテインメントから発売されたタクティカルステルスアクションゲーム。
プロローグである『GROUND ZEROES』(以下:GZ)と本編である『THE PHANTOM PAIN』(以下:TPP)の二部構成となっており、GZが2014年3月20日、TPPが2015年9月2日に別々に販売された。
物語のテーマは『人種(RACE)』と『報復』。そして裏テーマとして『言葉(VOICE)』であることが明かされ、東西冷戦末期を舞台とした、MGSPWの後から『メタルギア』(アウターヘブン蜂起)直前までのビッグ・ボスの歩みが描かれていく。今作のテーマから察する通り、シリーズの中でも非常に重くシリアスな内容となっている。
小島秀夫監督曰く「スネークが堕ちるところまで堕ちる物語」とのこと。
尚、本作をもって長年メタルギアシリーズを開発して来た小島プロダクションは解散となり、「A HIDEO KOJIMA GAME(小島秀夫作品)」を冠したメタルギア作品は、本作が最終作となる。
作品解説
新エンジンである「FOX Engine」採用や体力ゲージの削除など、様々な新要素を導入してそれまでから大きく進化した作品となっている。
UIや装備の開発など、ゲームシステム自体は前作MGSPWを拡張・発展させたものだが、プレイヤー自身が自由に潜入ルートや装備品を選択して攻略する「自由潜入」を最大のコンセプトとしたゲームデザインがなされ、オープンワールドの概念を取り入れているのが最大の特徴である。
そのため、同じミッションであっても攻略手段は幾通りもあり、さらにプレイヤーの行動や時間経過によっても状況は刻々と変化していく。
PS3/PS4/Xbox360/XboxOne/WindowsPC(Steam)と複数のプラットホームで展開がなされており、AndroidとiOS用のアプリケーションもスマートフォンやタブレットといった端末をサブモニタとして使用する事も出来る。
メニューを開くことなく地図やミッション情報の閲覧、支援の要請を行うことが出来る。
GZ用にはゲームの補助以外の機能として、ゲームの戦績、ゲーム中で手に入れた情報などの閲覧、MSFの規模を拡張していくミニゲームも搭載されている。(Xbox360版のみSmartGlassを介する必要がある)
TPP用はゲームの補助機能に絞った構成となっており、ミニゲームは搭載されていない。(Xbox360版は非対応)
グラフィックについては『フォトリアル』が目指されており、キャラ・背景共に「FOX Engine」によって緻密かつリアルに描画され、また、キャラクター達のCGモデルは英語版の声優を務めた俳優たちの実際の顔の動きを専用の3Dモーションキャプチャーによって取り込んで作成するという、シリーズ初の『フェイシャルキャプチャー』が行われている。
主人公スネークのフェイスモーションと英語版音声は海外ドラマ『24』でお馴染みキーファー・サザーランドが行っている他、クワイエットに至ってはフェイスモーションだけでなく全身モデルやモーションも含めて総て彼女の声を担当したステファニー・ヨーステンのものが取り込まれている。
また、コジプロスタッフもエキストラとして参加しており、TPPのトレイラーにて病院でスネークに心臓マッサージしている救命士もコジプロスタッフの顔からキャプチャーされたものである。
さらにソフトバンクのCMでお馴染みのダンテ・カーヴァーも3Dキャプチャーされている為、何処かで出会うかも?しれない。
ストーリー
ピースウォーカー事件から数ヶ月後の1975年3月16日、コスタリカの一件で核を手に入れたMSFだが、情報のリークにより、IAEA(国際原子力機関)の核査察団がマザーベースに訪れることになる。
NPT(核拡散防止条約)に加盟しておらず、国家ですらないMSFに対する査察に訝しむが、時を同じくしてキューバの米軍租借地にある基地で尋問を受けているパスを救助すべく単独で向かったチコから救援要請があり、ビッグ・ボスは査察団が向かいつつあるマザーベースを出てチコとパスの救出に向かう。
一方、そのマザーベースには、スカルフェイス率いる謎の戦闘部隊XOFの魔の手が差し掛かろうとしていた…。
XOFの奇襲によってMSFが崩壊してから9年後の1984年。ソ連のアフガン侵攻によって東西冷戦は最終局面を迎えつつあった。
3月11日、ある病院で9年間の昏睡状態から目覚めたビッグボスだったが、謎の部隊がその病棟を襲撃。逃れるビッグボスを救ったのは、かつて「バーチャスミッション」および「スネークイーター作戦」を通して知り合った、ソ連に潜入していた工作員オセロットだった。
アフガンに囚われた相棒カズヒラ・ミラーを単独潜入で救い、伝説の復活を世界に示せとオセロットに指示されたビッグボスはヴェノム・スネークとして行動を開始する。
それは、9年前に自分たちから全てを奪い取っていった者達に対する凄惨な復讐戦の始まりでもあった。
ゲーム内容
GZ
小規模ソフトとして先行発売された、MGSVの序章にあたるソフト。
オープニング&エンディングテーマ曲は、1971年に公開された映画『死刑台のメロディ』のテーマ曲であり、MGS4のED曲でもあった「Here's To You」。
物語の主となるメインミッションに加え、ありえたかもしれない世界において『帰還兵排除』『機密情報回収』『対空機関砲破壊』『諜報員奪還』の四種類のサブミッションが用意されている。
更に特別ミッションとしてXbox360/XboxOneとPS3/PS4では、それぞれ異なるミッションが用意されている。(2014年5月1日に配信されたパッチにて、ハードの種類を問わずプレイ可能となった)
Xbox版では強化外骨格に身を包む雷電が主人公となり、兵士に紛れたスナッチャー(ボディスナッチャー)の排除を行う未視感(ジャメヴ)ミッション、PS版では初代MGSの場面を再現したシーンを探して追体験を行う既視感(デジャヴ)ミッションとなる。
ただし、XboxOne版のみ日本国内ではダウンロード専売となる。(発売当初は国内でXboxOneが売られていなかったため、発売時期もずれている)
これまでとは違い潜入ルートを強制されない仕様になっており、プレイヤーの行動次第で現地の兵士達の行動も変わる。
「自由なルートで目的を探索・発見していく」という、MGSVにおける基本的なゲームの流れはGZの時点で完成されている。
GZではまだマップの広さはオープンワールドというほどではなく(「キャンプ・オメガ」一つのみ)、また時間の経過による変化もない。
敵に見つかったり、ミッションの進行具合によって敵の配置の変化が起きる程度で、基本的にはTPPの『自由潜入』に向けた演習ソフトの側面が大きい。
今作に限り壁叩きなど、能動的に相手を誘き出すアクションが無くなったが、代わりに無限所有となった空弾倉を投擲することで音を出して誘き出すようになっている。この空弾倉にはリフレックスモード(未発見時に敵に見つかるとスローモードになる)中に敵兵の頭部にぶつけることで気絶させるという救済処置もある。壁叩きより汎用性は高くなったが、代わりとしていちいち持ち替えなければならないという欠点がある。
TPP
GZから9年後の1984年が舞台となる本編作。
ボリュームは監督曰く「GZの200倍から300倍。」
Xbox360版のみ、国内ではダウンロード専売となる。
アフガニスタンなどを含めた各地が舞台の広大なオープンワールド風ステージが用意されており、さらに時間の概念や天候の変化等の要素がある。
ファントムシガーによって時間を早送りにする事が出来、環境変化、天候変化(晴れ、雨、曇り、砂嵐)など自分の合った潜入スタイルに合わせる事も可能になっている。
TPPでは相手を誘き出すアクションが空弾倉に加えて義手を鳴らすものが追加されたことで、空弾倉を所持していなくとも音による誘導を行えるようになった。
また、ミッション中に支援要請により上空から様々なアイテムを投下させることが可能。消耗品の補給以外にスニーキングスーツなどの装備も手配する事が可能になり、一応はヘリ・拠点に戻らずとも現地で装備一式を整えることは可能になった。
更に支援要請で手配させたアイテムは空から降って来るダンボールに入っている。これをぶつけることで敵兵を気絶させる小ネタも存在する。
MGSPW同様、装備品はマザーベースの研究班を発展させていくことで開発レシピがアンロックされ、軍資金である『GMP』や必要な資源アイテムを消費して開発していく方式をとっている。GMPは出撃や支援要請、フルトン回収、マザーベース拡張などあらゆる場面で必要となるため無駄遣いは禁物である。
さらにフィールド上を探索すればダイヤモンドなどの換金アイテムや各種資源、設計資料、動植物を収穫することができ、マザーベースの育成や装備の開発にも繋がっていく。
開発した装備と地の利を生かし、環境を逆手に取った対敵兵の戦略の組み合わせが今作のカギとなる。
オンラインが前提となっており、オフライン状態ではオンライン分のGMPや資源が使えない、開発終盤の高性能アイテムの開発・使用が不可能となる、リワードの入手が出来ないといった不利を抱えることになる。
一部機種ではFOB時における対人戦は有料オンライン会員となっていなければ不可能だが、オンラインサービス自体を受けることは可能。
ちなみにGMPや資源はオンライン分を使用する高ランク装備以外はオフライン分から消費されていくが、オフライン分を使い切るとオンライン分の1割が自動的にオフライン分へと補充されるようになっており、回線切断による赤字への転落という事はまず起きないようになっている。
フルトン回収システム
GZにはなかったフルトン回収システムも追加されているが、今作は回収失敗の可能性が現れた。
これは悪天候である・対象が何らかの要因で衰弱しているなどで成功率が減少するようになる。
また室内やテント等の遮るものがある場所では当然ながら遮られるために成功率は強制的に0%になるように変更され、MGSPWによる室内でのフルトン回収という謎の現象は解消されている。代替として、対象の上空にワームホールを出現させて回収するタイプの回収方式があり、これを解禁すれば大きな音がするという欠点はあるものの、MGSPWと同様に屋内での回収が可能となる。
標的は人だけではなく動物…回収装置の開発を進めると車両、資源コンテナ、兵器なども回収する事も可能になり、実用性が大幅に上がっている。
もちろん標的をフルトン回収することで、プレイヤーのマザーベースに逐次反映されて行き、基地発展に役立つことになるだろう。
また、資源コンテナ回収の際に上に乗ったまま回収されることでヘリを呼ぶことなく領域離脱が可能となる。
また、バディの装備次第でフルトン回収させる事も可能となる。
敵兵士に回収気球を発見されると銃撃によって気球が破壊されてしまうこともある。
回収するものにC4を取り付け、空中に飛び立つ際にタイミングを合わせて起爆することでヘリなどの空中に居る目標の破壊に使うことも出来る。
動物の回収
途中、動物保護の依頼を受けて動物を回収することになる。
回収方法は上記のフルトン回収に加え、捕獲ゲージの設置、眠らせて捕まえるの3通りとなる。
捕獲ゲージは帰還時に回収されて結果がわかるが、設置数には上限があり、補給等で補充した場合は注意する必要がある。
回収により新たに開発可能となる装備もある。
なお、回収した動物は専用の保護プラットフォームへと移動することで見ることが出来る。
マザーベース育成
MGSPWと同じく、敵兵を無力化してフルトン回収することで、マザーベースのレベルを上げることができ、各班のレベルに応じて様々な恩恵を得られる。さらに資源とGMPを消費することでマザーベースは拡張され、収容可能人数が増加していく。
今回のマザーベースは歩き回ることが可能で、アイテムが落ちている、ミッションの舞台となっている、隊員に近づくことで士気が上がるなどが起きる。
なお、ゲーム進行において、マザーベースの育成の方針はプレイヤーによってすこし変わる。(例.戦車を排除するミッションをクリアすれば戦闘班が、動物を一定以上回収すると動物保護プラントが出来るという具合に、ある程度順不同に達成できる解禁条件がある)
また、MGOとは別のオンライン対戦ステージ兼マザーベース発展のサポーターとして「前線基地(FOB)」の要素が存在し、そこではガンカメラ、赤外線センサーなど様々な防衛設備の開発・マザーベースの警備設定などが可能となっている。これもあるミッションのクリアにより前線基地の作成が解禁される。
たさのオンラインステージではなくFOBのベースを作成する事でスタッフの上限も増えるため、高ランク装備の作成等にはある程度の育成や強化は必須でもある。
オンライン時には他のプレイヤーのFOBに潜入可能で、資源や隊員、核等を奪うことが出来る。
核兵器を作成する事で他のプレイヤーからの侵入を防げるが、英雄度が一定数を超えた相手には効果がなく、簡単に奪われてしまう事もえありえるので設備の強化は必須である。
なお、奪われたくない高ランク隊員は専属とすることでFOBで奪われる事はなくなる。
マザーベースにおいては、オセロットなどのユニークキャラクター達もおり、キャラクター達の様々な展開も用意されている。
バディシステム
今作において追加されたパートナーシステム。特定のキャラは「タクティカル・バディ」としてミッションに連れていく事が可能になっている。そして途中で呼び出す・あるいは一切呼ばない事もプレイヤー自身で決める事が出来、強制ではない。まさに自由潜入である。
しかし、バディとして連れていくには条件があり、バディとプレイヤーが触れ合い、バディがプレイヤーを信用されるまで関わりを持たないと同行できない。得意分野もそれぞれ個性がある。
・D-Horse
随一の機動性を持つ以外では、時間経過により自然と糞をするのだが、プレイヤーへの信用が高いと、バディ指示により意図的に糞をさせることができる。あまり嬉しくはないが、この糞を使用し敵兵の車両をスリップさせ一時的に相手の動きを封じる事も可能。
・DD
戦闘には不向きなものの、優れた嗅覚と気配といった索敵能力で潜入を手助けしてくれる。
親密度が上がれば装備開発ができるようになり、装備次第で「敵を殺害」「敵を気絶」「回収」の指示を出せれるようになる。
・クワイエット
遠距離からのスナイパーライフルで攻撃し、人並み外れた移動能力と動体視力でサポートする。
その気になれば敵拠点を一掃することすら可能だが、接近戦は行わず屋内の敵はやや苦手。偵察の指示を出せば、拠点内にいる敵の位置を知らせてくれる。
・D-Walker
エメリッヒ博士が開発した搭乗型ロボットで様々な武装が搭載可能で火力も十分、装備の変更により様々な状況に対応可能だが、装備開発費や派遣費が高価、自衛可能な装備でも最低限しか行わないので待機中に発見されるとすぐに破壊されてしまう、他のバディと違い索敵は指示を出さないと行なわない、と言った欠点がある。唯一、親密度は存在しない。
これらバディシステムは、戦場などにおける信頼関係が肝心となってくる。また行動をしくじるとバディが瀕死になったり 破壊されることもある。
英雄度が下がったり、高いGMPを払わなければならないので要注意。
チキンキャップ
オプションでチキンキャップをONにしておくと、プレイヤーが何度もミッションでゲームオーバーを繰り返した際、リトライ時に「チキンキャップを被りますか?」と表示されるようになる。
文字通り鶏の被り物で、目がぬいぐるみの様に揺れたり、夜になると居場所を見失わないようにトサカが光ったり(これで敵兵に見つかる事はない)、尻尾部分の羽がゆさゆさ揺れたりする、結構ユニークな被り物である。
この状態では敵兵に見つかっても3回くらいは免除してくれるようである。何故見逃すかと言うと理由はかなり変わっているようだ。お察し下さい。
また尻尾部分の羽にはギミックが存在するようである。
ちなみにチキンキャップは砲撃支援や一部所持品を使用した時と同様の扱いで、クリアランクがAランク以下に制限される。
そのチキンキャップを被った状態で更にゲームオーバーを繰り返すと、今度は「ひよこキャップを被りますか?」と聞いてくる。
文字通りヒヨコのキャップで、これをかぶると「敵に一切発見されなくなる」。殴っても触れても発見されないチートモードとなるが、ミッションのスコアは強制的に0になる。
また、最初から発見状態であるなど条件の異なる一部ミッションではひよこキャップの効果はない。
そしてチキンキャップ等を被ったまま最終場面にまでいけるが、MGSシリーズは基本的に殆どのカットシーンをリアルタイム描写する事が徹底されているため、チキン/ひよこキャップをかぶっていることはムービー中に容赦なく反映される。
MGSGZの引き継ぎ
MGSGZのプレイデータをTPPに引き継ぐ事で、特典を得る事が出来る。
パスやチコといったユニークキャラクターを含めた捕虜などを回収することで、
TPP側の特典としてマザーベースのスタッフを入手できる。
登場キャラクター
国境なき軍隊/ダイアモンド・ドッグズ
「国境なき軍隊(MSF)」とは、ビッグボスであるネイキッド・スネークが率いる傭兵派遣会社。副司令官であるカズヒラ・ミラーが軍隊の資金源となるビジネスの窓口を行い、兵士の安住の地としてマザーベースを確立。そして謎の非政府諜報組織『サイファー』が介入してきたことを切掛に、ビッグボスはMSFの際限なき戦力拡大へと傾倒、遂には核兵器の保有にまで至る。
しかし、GZにてヒューイが核査察の申し込みを独断で受け入れたことをきっかけに襲撃に遭い、マザーベースは崩壊する。
生き延びたビッグボスとミラー、そして国境なき軍隊の残党たちの幾つかは、仲間達の無念と個々に奪われた”何か”を取り戻すために、「ダイアモンド・ドッグズ」として新たな家/マザーベースの元に再び立ち上がることになった。
全ては復讐の為に…
「伝説を消された英雄」。
かつては数々の陰謀と核攻撃を阻止し、幾度と無く世界を未然に救った英雄だった。
MSF崩壊後、表舞台での活躍の記録を抹消され、公的にはいないものとされていたが、9年後に突如姿を表し、ミラー救出後に彼の建てたダイヤモンド・ドッグズを率いるリーダーとなる。
TPPでは頭に”黒い破片”が突き刺さっており、首の後ろ部分にも同じ突起物が出ている。
失った左手はソ連製のバイオニックアーム(筋電義手)で補っているが、これはMGSPWに登場したガルベス教授の義手と同様の物。
また、TPPでは何故かあれほど拘りが強かった葉巻の代わりに「ファントムシガー」という電子タバコを吸っている。
ちなみにこの鬼の角のような”黒い破片”は、ゲーム中で兵士を殺す、核兵器の作成等の残酷行為を行うたびに少しずつ伸びていき、最終的には真っ赤な鬼のような姿になってしまう。
逆に「動物の保護」や「捕虜の救出」をすることで、”黒い破片”は少しずつ縮んでいく。
「未来を謀られた策士」。
ビッグ・ボスの相棒であり、その副官として手腕を振るってMSFを一大組織に育て上げた男。
MSFマザーベース崩壊後、MSFを襲撃したXOF、及びその背後にあるであろうサイファーに対抗する為、スネークが昏睡していた9年の間に自分についてきたMSF残党をまとめて「ダイアモンド・ドッグズ」として組織を再建。正義も大義も捨て、かつての力を取り戻すことに邁進して、再び合流したスネークと共にサイファーへの復讐を誓う。
スネークが目覚める少し前にアフガニスタンにて拷問に遭い、その時までに右腕と左足を失っていたことで、失った足と腕が未だあるかのような幻肢痛(ファントムペイン)に苦しんでいる。
しかし死んでいった仲間達の無念さとそれらの痛みを忘れぬよう、マザーベースに復帰してからも敢えて義肢はつけていない。
その後、視力も弱まっている。
MGSPWのパスの一件や襲撃以来の復讐への執着心やかつて自身もサイファーを利用していた自責の念などから、かつてプレイヤーを和ませた陽気な性格は見られず、次第に修羅と化していく。
そしてこの厳格な性格は、後のFOXHOUND教官としてのマスター・ミラーへと繋がっていくことになる。
一方で完全に変貌したわけではなく要所要所でかつての陽気さを見せる上にカズヒラバーガーなどのネタもちゃんとある。 また銃を扱おうとする少年兵達をワザと杖で叩くなどしてあしらい、険悪な空気になるが、その本心は...
「偽りを生きる好敵手」。
TPPではアフガニスタンへのソ連侵攻などの戦いでの暗躍を経ており、シャラシャーシカの二つ名で恐れられていた時期となる。
負傷したビッグボスの救出を行い、その参謀として共にダイヤモンド・ドッグズの活動に関わるようになる。ある意味に於いて、本作における最大のパートナーであり、語り部的存在。
心酔するビッグボスであるスネークが再び伝説の英雄として返り咲くように活動する。
しかし、復讐に身をやつしたカズヒラとは意見が食い違い、クワイエットの生死を握るスネークに対し表情を顰めるなど、彼の目的はあくまで"復讐"とは離れた位置に存在する模様。
また本作のオセロットは今までの作品のような芝居がかった大仰な言動は見られず、基本的に冷静沈着である。
「言葉を持たない狙撃手」。
TPPにて登場する謎の女スナイパー。
回避行動中で激しく揺れるヘリ機上から亜音速でカッ飛ぶジェット戦闘機のパイロットをヘッドショットで仕留めるほどの超人級の狙撃能力を持つ他、不可視化を含めた透過、超高速移動などの様々な特殊能力を持つ。
裸(Naked)同然の露出の激しい格好をしているが、それにはれっきとした理由がある。
あるイベントを経ることでスネークに同行して、ダイヤモンド・ドッグズのマザーベースに居座るようになり、ミッション中行動をともにするタクティカル・バディにすることができる。
- ダイヤモンド・ドッグ / DD
親犬を何者かに殺されており、自身も隻眼である仔犬。TPPにて登場。
スネークにフルトン回収された後は、マザーベースにて飼われることになり、成犬となってからはタクティカル・バディとして同行させることができる。
ちなみに犬種(RACE)はわからなかったようだが、後に狼・もしくはウルフドッグである可能性が浮上する。
MGSGZのメインミッションにて、脱出用ヘリコプターの機内に同乗しているMSFの衛生兵。
他の兵士とは違いマスクは付けておらず素顔を明かしてるようだが、モブキャラ故か或いは何かしらの事情があってか、顔は見えない。
ヘリ墜落の直前、爆風の影響を正面からまともに受けたのは彼であり、その生死が危ぶまれているが…。
関連人物
- パス・オルテガ・アンドラーデ / パシフィカ・オーシャン
「組織に背いた二重スパイ」。
前作MGSPWのヒロイン。ピースウォーカー事件収束後、サイファー工作員としての正体を顕し、メタルギアZEKEを奪取しようとするもスネークに敗北。海へと落下し消息を絶っていた。
彼女がサイファーによって確保され、キューバ内にある米軍の捕虜収容所「キャンプ・オメガ」で尋問を受けているという情報が齎されるところから、GROUND ZEROESの物語が幕を開けることになる。
GZの最終盤、スネークによってチコと共に救出されるが…。
- リカルド”チコ”バレンシアノ・リブレ
「スネークの部隊に志願した幼き兵士」。
前作MGSPWから引き続き登場するサンディニスタ民族解放戦線 (FSLN) の少年兵。
パスに好意を寄せており、GZにて彼女が捕らえられたことを聞き、スネーク達が核査察への準備に追われてすぐに動けなかったため単身救出に向かうが、逆に収容所に捕らえられてしまう。
キャンプ・オメガの兵士やスカルフェイス達の過酷な尋問に耐えられず、スネークが辿り着いた時にはMSFマザーベースの位置を喋ってしまっており、仲間を二回も裏切ってしまった事に悔いて、スネークに生まれ変わりたいと嘆いていた。
胸にイヤホンジャックのような物が付いているが、どのような経緯があったかは不明である。
「素顔を消し去った亡者」。
XOFを指揮して、かつてMSFを壊滅させた謎の男。白く焼けただれた顔面はその名の通り骸骨を思わせる。
過去の戦争中、幼少期に工場で母親と共に働いていたが、工場は爆撃を受けて家族や友人を一度に失い、自身も炎上した菜種油を浴びて皮膚は焼け爛れた。現在も失った世界への幻肢痛を感じており、母国語を含め、自身のあらゆる存在証明を喪った現在では、それが自分にとって唯一の現実であると嘯く。
「自我を手に入れたギーク」。
前作MGSPWで平和歩行計画に関与していた科学者『ヒューイ』。
ピースウォーカー事件の後はMSFのマザーベースで過ごしていたがGZにて、何故かIAEAの核査察を独断で受け入れてしまったことでMSFの崩壊を招いた。さらにその後はスカルフェイスの元でメタルギア・サヘラントロプスの開発を行っていた。
そのためミラーや生き残ったMSF兵達からは裏切りの容疑が掛けられている(本人はそれを否定している)。
9年後のTPPでは歩行補助のための脚部外骨格の開発に成功しており、念願の二足歩行を達成した模様。また、この時代では息子であるハル・エメリッヒが生まれているが、想い人であったストレンジラブ博士とは果たして…?
「運命を呪われた少年兵」。
大人の兵士顔負けの戦闘能力を持つ謎の少年兵。TPPにて登場。
太々しく生意気な性格で、戦場では『ホワイトマンバ(白蛇)』と呼ばれていた。
行き場を失った少年兵達を束ねてアンゴラの村々を荒らし回っていたところ、撃退を依頼されたスネークによる「授業」の末、ヘリに乗せられダイアモンド・ドッグズのマザーベースに保護された。
…が、マザーベースでも様々なトラブルを起こしまくり、オセロットの手を焼かせる事になる。取っ組み合いでスネークに負けて以来、スネークに異様に執着しているが、どうやら動機はそれだけではないらしくスネークに対して激しい憎悪すら燃やしている模様。
「液体人間」の文字が書かれたダスターコートを着ている。
- 少年兵士達
戦災孤児の少年兵達。
現地の兵士達から銃やナイフなどの戦闘術を叩き込まれ、使い捨ての手駒として酷使されている。
彼らの抹殺の依頼を受けたスネークは放って置くことができず、マザーベースに保護することになる。
彼らもマザーベースには馴染んでいくが、一方で戦場や故郷や殺された家族のことを完全に振り切れたわけではなく...
「故郷を奪われた賢人」。
TPPにて登場する100歳を超えた老科学者。その佇まいはインディアンの長老を思わせる。
ヒデラジによるとメタルギアソリッドシリーズの何処かに登場していたらしいのだが…現段階では詳細は不明。
スカルフェイスによって『何か』の研究を強制されていたようだが…。
- イシュメール/包帯男
顔に包帯が巻かれ素顔が隠されている為、彼が何者かは定かではない。
TPPのゲーム開始時、病室でスネークをサポートしながら謎の襲撃部隊や燃える男、謎のガスマスクの少年などから脱走を手助けしてくれた人物。脱出中に車が横転して以降は忽然と姿を消す。
イシュメールの名は、恐らくヴェノム・スネークの偽名として用意された「エイハブ」に呼応して、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』から引用したものと思われる。
存在を否定された異形達
奇妙な力を操る、ガスマスクを着けた赤髪の少年。TPPにて登場。
物語冒頭、謎の襲撃者達による殺戮が繰り広げられる病院に「燃える男」と共に出現して以来、度々スネーク達の前に現れるようになる。
スネークに攻撃しようとしていたかと思えば、逆に彼を助けるような行動をとるなど、一貫性の無い謎の行動をとる。
- 燃える男
圧倒的な熱量の炎で全身が燃え盛っている謎の巨漢。TPPにて登場。
物語冒頭の病院で第三の子供と共に出現して以来、度々スネーク達の前に現れては破壊と殺戮を繰り広げる。スネークに固執している模様。
歩き方や、全身に食い込んでいるライフル弾、さらには特徴的な絶縁スーツなど、かつてMGS3に登場し、スネークに敗れて最後は落雷によって燃えながら死んだはずのあのサンダーボルトでは無いかと思われていたが…
- スカルズ(髑髏部隊)
霧と共に現れる謎の強化兵士達。
ゾンビのような動きや異常なまでに白い肌が、亡霊の様な不気味さを醸し出している。
人間離れした運動能力もさることながら、全身の重装甲化や不可視化、銃器や巨大な爆発性の金属塊の生成など奇妙な特殊能力を持ち、撃破するには相応の装備が必要となる。
その他
MGSGZのありえたかもしれない世界のサブミッションの一つ、『 帰還兵排除 』にて登場。
コードネームの由来は「獲物を見る”目”と引き金を切る”指”」から。
サブミッションの内容はこの米海兵隊員2名の排除。ただし、いかにして基地から消し去るはプレイヤー次第。
ラオスの拙攻任務で暗殺者として名を馳せ、兵士を引退しても未だに二人の存在は和平交渉の材料として扱われる程。
依頼人にとっては彼らの死が終戦に繋がると言い、同僚の会話などからも「 お偉いさん 」「獲物を狙う非道な人物で、人間じゃない」とかなり悪名高いが、生きたまま二人とも回収すると真実が明かされる。
二人は兵士を引退したが、戦地の事が忘れられず、罪悪感に押し潰され薬漬けの生活を送る事になり、コードネームに反し指は人差し指を切り落とし、目は片目を潰したという。だが戦場で名前を断ち切る事は出来ず、国もこれを許さなかった。ミラーはこの事を知り自分達と同じ待遇を受けていた事を悟る。
二人の会話では、ラオスの斥候任務で” 何者 ”かに待ち伏せされていたが目の指示により指を助けており、戦友の仲として演出されている。ちなみに、指は目に対し敬語で話している為、目が先輩で指が後輩とされているようだ。
二人を尋問すると”ファントム”に怯えているようで、”本編への伏線”になるような台詞を言っている。
GZで生きたまま回収すると、TPPにおいてBIGBOSSの復活を聞きつけて志願し仲間になってくれる。いわゆる引き継ぎ特典である。
- キャンプ・オメガの兵士達
MGSGZにてキューバ難民キャンプ(収容場)やキャンプ・オメガに所属する米海兵隊員達である。
彼らはここに連れて来られる”敵性戦闘員”に対し、尋問や拷問を行っているが、彼ら会話からここは元々は収容場ではなかったという話を伺う事が出来、「監獄みたいだ」と愚痴をこぼしている。
また、メインミッションでは脱走した捕虜に処刑を行うシーンが確認できるが、彼ら兵士は好き好んで殺傷を行っている訳ではなく、管制塔から送られる指示に嫌々ながら従っており、最近まではこの様な出来事はなかったと語っている。
オメガ・キャンプは様々な国が裏で不正を行う拠点となっており、国にとって邪魔者でしかない民間人をテロリストと偽り、汚名を被せ”敵性戦闘員”という名目で連れて来ているなどブラックサイト化しているが、ここに所属する海兵隊員達には殆ど知らされてはおらず、認識も曖昧である。
『帰投兵排除』で聞ける会話の中には、テロリストとして連れて来られた捕虜に対して、『どう見ても民間人だ』とキャンプ・オメガの施設に対して疑念を抱く者もいる。
『対空機関砲破壊』においては、上層部の人間達からは見放されており、真実を知らない彼らは捨て駒扱いでしかなかった事がわかる。
- 調査員
MGSGZありえたかもしれない世界のサブミッションの一つ『機密情報回収』にて登場。
アメリカが送り込んだ調査員で、キャンプ・オメガの実態についての資料をスネーク達に渡す為に潜伏していたのだが、サイファーに目をつけられ、家族を人質に取られてしまい、家族を救う為にスネークを罠にハメるよう脅迫されていたが、任務終了後どうなったかは不明である。
しかし、TPPではXOFの襲撃から逃げ延び、TPPにて志願を希望する為仲間になってくれる
。
3Dキャプチャーモデルの人は、LAスタジオスタッフのブライアン氏。
- スキンヘッドの兵士
MGSGZのありえたかもしれない世界サブミッションの一つ『機密情報回収』にて登場。
サイファーの手先で計画の内容も知っており、本当の機密情報のカセットテープもこの兵士が所持している。尋問するスネークに対し、「 俺たちは国家を超える 」と言い放った。
スネークの特徴である右目に眼帯をしている兵士だと知っていた。
スネークを罠にハメるのが目的で、調査員の家族を人質に取り揺さぶりを入れていたが、任務終了後はどうなったかは不明でだったが、回収するとTPPで引き継ぎ特典として志願を希望し仲間になってくれる。
件の調査員と共に志願してくる為、調査員の家族の人質の件はどうやら丸く収まったと思われる。
ゲスト出演
MGSGZのありえたかもしれない世界サイドミッションの一つ『諜報員奪還』やMGSTPPでのあるサイドミッションに登場。
声だけでなく、小島監督本人によるモーションとフェイスモーションをキャプチャーしてキャラモデルが作成されている。
前者ではマザーベース諜報班スタッフという扱いで、米軍収容施設に潜入していた。無事救出してクリアするとMGSTPPへの引き継ぎ特典として先行加入する。
PS版のMGSGZのデジャヴ・ミッションにて登場。
様々な記憶(デジャヴ)を思い出しながら、任務を遂行する。
PS版のGZのデジャヴ・ミッションに登場。
ブラックアウト!で有名なお馴染みの彼である。
PS版GZのデジャヴ・ミッションにて登場。牢屋の中に閉じ込められている。彼はシギントなのかデコイ・オクトパスなのかは不明。しかし、出会った直後に…?
- ケネス・ベイカー
PS版GZのジャメヴ・ミッションにて登場。管制塔の奥の部屋に幽閉されていたが…出会った直後に彼の身に何が…?
Xbox版GZのジャメヴ・ミッションにて登場。
MGRと同じ強化外骨格に身を包む雷電が主人公であるが、刀は使えずスネークと同じ武器を使用する。キャンプ・オメガがスナッチャー(ボディ・スナチャー)により支配されており、スネークの代わりに雷電がスナッチャーを殲滅する事になる。
シークレットシアターの件との関係は不明だが、何故か報酬としてXOFの部隊章(デジャヴ/ジャメヴ・ミッションの出現条件となるアイテム)を要求している。
関連動画
2015 E3トレーラー
2013 E3トレーラー(RED BAND版)
余談
核廃絶エンド
オンライン要素の1つFOBミッションでは他のプレイヤーが作成した核を奪取して、それの廃棄が出来る。そして全世界の同一プラットフォーム内に核兵器の数が0になると、核廃絶エンドと呼ばれるここでしか見れないエンディングが流れる。
余りにも規模が大きい為、発売から数年、解析以外の方法で確認された事は無かったが2018年PC版でついに発現した。しかしこれもまた正式なものでは無く、何者かの手によって核の数が21億4748万3647(32ビットで使用できる符号付き整数の最大値)以上まで増やされオーバーフローし結果、0として処理され廃絶エンドが流れるという作中でスカルフェイスが目指した核の飽和による相互核抑止の無効化が実現してしまうという何とも皮肉な結果となってしまった。
また、解析した者によると、まだ他プレイヤーが侵入のできない段階で核を作成、あるいは逆に核を作成した後進入できない段階までマザーベースの開発状況がリセットされてしまうバグが存在し、その影響で侵入可能FODの存在するマザーベースの核は0にもかかわらず「侵入して奪えず、所持プレイヤーがもうプレイしていない為に破棄できない核(現実において検品の際行き先が確認できず、行方不明になった核物質になぞらえて、MUF(核物質不明瞭)と呼ばれる)」が存在していて、理論上絶対に見ることが出来ないプラットフォームも存在するらしい。
核廃絶エンドに関して起きた様々な出来事はそれぞれ「核廃絶等という出来事は何かの間違い(オーバーフローによる不具合)が起こらなければ決して起きない」「環境によっては最早どんな奇跡が起きても実現不能(FODがないのにチートやセーブデータの初期化によるフラグの誤立等のバグ)」「万が一奇跡に頼らず起きうるとすれば人間が世界から誰一人居なくなるしかない(過疎化したPS3版に置ける正規核廃絶エンド達成)」という皮肉を叩きつけられているとしか思えないような出来事ばかり起きており、色々と考えさせられる。
なお、PS3版に置ける核廃絶エンドは結局正規のものではなく不正行為によるものだったと判明した為、核廃絶の完了した世界は文字通りファントム(夢幻)でしか無かった事が発表された。
ちなみにメタルギア2(MG2)の設定では、核兵器は90年代後半には全て廃棄され、貯蔵施設で廃棄待ちをしている等、事実上核廃絶エンドに近い状態だった。それに加えて戦争や紛争も沈静化し、世界は安定を迎えようとしていた。
ところがその貯蔵施設を、蜂起したザンジバーランドが襲撃し核兵器を強奪、世界唯一の核武装国となってしまう。そしてそのザンジバーランドを率いていたのは、他ならぬビッグ・ボスだった…。
ある意味ではヴェノム(MGでのアウターヘブン蜂起で死亡)が成し遂げた、「核兵器の無い世界」を破壊した張本人が、ビッグ・ボスという皮肉…とも解釈できる(MGシリーズとMGSシリーズはパラレル設定である上に、ビッグ・ボスはこの時点ではザ・ボスの意志に気がついていないため)。
未完成説
実はこのゲーム、ストーリーが中途半端なところで終わってしまう。
本作の実質的最終章である第二章「種(RACE)」はスカルフェイス亡き後も暗躍を続けるサイファーを追ううちにマザーベースに数々の悲劇が起きるという内容なのだが、その途中で話として繋がりのない最終ミッションが急に始まり、そのまま終わってしまうのだ。
作中ではまだ回収していない伏線もいくつかあり、その中の1つは初回限定盤のスペシャルディスクに収録されている製作途中のラフ絵や未完成のCGグラフィックなどをまとめた映像特典・幻のエピソード「蠅の王国」で回収される形となってしまっている。
ゲームとしても完全新規のミッションが31個あった第一章と比べ第二章は19個しかなく、更にその内12個が第1章のミッションの高難易度版という水増し感溢れる中途半端なものだった。
このような状況から未完成作の噂が流れているが、制作した小島プロダクションは解散してしまった為、真実は不明である。
熱心なファンの中には、その真相を調べるべくデータ解析を行うものもおり(法に触れる可能性もあるので推奨はしない)、第3章「共生(PEACE)」のロゴや通常プレイでは行けないマップの端にある小さな村、「サヘラントロプスの行先」というカセットテープ、サイファーの現状について語るカズの無線、その他にも本編で使用されていないいくつかの要素が確認されている。
また発売から数年経って何処からか本作のテキストファイルが流失してしまい、その中には序盤で1人あっさり死んでしまったチコに関する本編には出てきていない情報が載っている。チコは実は死んでおらず、アフリカのザイールに流れ着いており、(経緯は不明だが)それを知ったアマンダからダイヤモンドドックズにチコの暗殺依頼が届くという内容で、実際に公式で発売された設定画集でもunused(未使用)と記載された口が裂けたような傷があり、全身が火傷の痕に覆われ、ピースサインの入った赤いフードを着た恐ろしい形相の大人の姿のチコの画像を確認出来る。また、その隣にはグレイ・フォックスを想起させる案も存在しており、フォックス=チコに繋げる案もあったことが分かる。
更に同じファイルの中には「チコ(ウォーカーギア)」という謎のワードが出てきている。前述の解析でも海外版のスネークのウォーカーギアへの呼びかけをまとめたボイスファイルの中に何故か「チコ!」と呼びかけるスネークの声が一緒に入っており、これらの事からチコが何らかの形でウォーカーギアと一体化する展開があったのではないか?と予想される。
この様に解析や流失したデータなどから様々な情報が判明しているが、本来これらは表に出る筈が無かった情報であり、正史は正式な形でゲーム内で見られるものだけな為、そこを意識して分けて考える事が重要である。
没案
没設定の中にはスネークが山羊の被り物をする案(山羊は悪魔のデザインの象徴としてよく用いられる。)や、幻覚案と呼ばれるスネークがひどくやせ細って窶れ、看護師が点滴ではなく内臓を吊るしていたり、失った左手が骨に肉がこびりついたように見える幻覚を見るホラーゲームとしか思えない案もあった。(当時小島監督はP.T.も制作していた為その関連なのかもしれない。)
関連タグ
メタルギアサヴァイヴ:GZから分岐するありえたかもしれないもうひとつの擬史
1984年(小説):本作のモチーフになったと思われる箇所が多数登場する小説。