重大なネタバレを含む記事です。
概要
1974年に起こった核弾頭発射未遂事件・所謂ピースウォーカー事件が終結した後の国境なき軍隊を襲撃して、壊滅に追いやった謎の部隊である。指揮官の名はスカルフェイス。
サイファーと呼ばれる組織の実働部隊と見做されているが、スカルフェイス本人にはサイファー中枢とも異なる独自の思惑があり、必ずしもサイファーの意思に即して活動している訳ではない。兵士達一人一人の練度も非常に高い上に、装備も最新式の武器で固めたものばかりであり、MSFに集結していた優秀な兵士達を不意打ちなどもあったとはいえ、次々に葬り去っていった。
加えて「スカルズ」や「声帯虫」「メタリックアーキア」といった、切り札級の武器や兵器を複数保有し、開発出来るだけの権力と資金を持つ組織でもあり、スカルフェイスの懐刀と言える部隊である。また、使用するヘリは通常はXOFと所属が書かれているが、特殊なランプを照射する事で文字を消す事が可能である。所属を示す部隊章は縫い付けではなく、70年代当時としては珍しいベルクロ式パッチで任意に外せるようになっているなど、装備は所属を隠す事を前提とした仕様になっている。
創設
XOFは、ゼロ少佐が「FOX」創設にあたって、その裏打ちとなるように組織した隠密部隊に起源を持っており、ビッグ・ボスはおろかザ・ボスさえ与り知らない非正規特殊部隊であった。
それ故に、XOFのシンボルマークが「FOX」のマークを正反対にした物であるのも、「FOXの裏を成す部隊」という意味を持つ。表向きは「CIA管轄下の対テロ特殊部隊」という事だが実際の創設意義は先に述べた通りである。さらに指揮官に任じられたスカルフェイスは、ゼロのSAS時代からの腹心にして副官でもあり、XOFの名称は単にFOXを裏返したというだけではなく、彼自身の“副官(eXective Officer)の部隊”つまり“XOの部隊”という意味も含まれている。
MGSVのオセロットの調査によれば、実戦部隊の人員はベトナム戦争から帰還した米軍兵士が中心だったらしいのだが、スカルフェイスの裁量で動くようになってからは、世界各地の特殊部隊出身者をスカウトして回った事で、ある種の多国籍軍の様相を呈していたようである。
ヴァーチャスミッションの時点で既に設立されており、FOXにおけるビッグ・ボスの活躍の裏でビッグ・ボスを援護する為に長年暗躍していた。またスカルフェイスに拠れば、「スネークイーター作戦」でビッグ・ボス=ネイキッド・スネークが失敗した場合は、スカルフェイスがその後始末を務める手筈になっていたとの事である(その為に、スカルフェイスが本物のEVAだったという説もある)。
MGSVに至るまでの経緯
当初はFOXを援護する為に生まれたXOFであったが、サイファー設立後はその実働部隊として活動するようになり、実質的なサイファーの私設部隊としてゼロの意思の下で暗躍していた。
しかし「世界は一つになるべきだ」というザ・ボスの遺志について、「英語を支配基盤とした情報統制で人々の意思を操作して、人々の意志を統一した世界を創る」という、ゼロの解釈とその手段に反発したスカルフェイスはゼロからの離反を決意し、独断でXOFを動かしてビッグ・ボスを抹殺しようとした。これが記事冒頭で触れたマザーベース襲撃の真相であり、つまるところマザーベース襲撃はスカルフェイスの意志によるもので、ゼロの意志によるものではなかった。
マザーベース襲撃後はこの件がゼロの怒りを買い、南アフリカへ左遷されてしまうが、スカルフェイスはこの状況を逆手にとってXOFを私兵化し、ゼロの私兵部隊だった筈のXOFはスカルフェイスの私兵部隊へと変質する。そしてサイファー(正確にはサイファーと繋がりがあるATGC社に所属するパラメディック)が、遺伝子操作の為の実験材料として開発・利用していた「声帯虫」を、コードトーカーの研究で「民族解放虫」へと品種改良して、彼が発見したメタリックアーキアの研究成果や、ヒューイが開発したメタルギア・サヘラントロプスを独占する事にも成功する。
そして寄生虫による攻撃で、ゼロに脳障害を負わせて彼を再起不能状態にした。
さらに大国からの民族解放と支配言語への報復とその抹殺、そして報復の意思によって世界を一つに纏めるというスカルフェイスの計画の為に、XOFは南アフリカや中東を拠点としながら、ヴェノム・スネークが率いる新たな組織「ダイアモンド・ドッグズ」との死闘を繰り広げる事となる。
その後のXOF
第二章の時点では、スカルフェイスの死に伴い本来の指揮系統に戻ったようで、この時点ではシギントの指揮下に置かれている。
ミッション『知りすぎた男』で特定の条件を満たしてクリアした場合のカズの追加セリフで、その事を不審に思っている。(ゼロは、スカルフェイスの寄生虫によって既に再起不能状態だった為に、この時点で組織の管理・運営はシギントに一部委託されていた)。
作中では、コードトーカーが残した資料の回収の命を受けて行動しており(おそらく直接指示を出していたのは元々声帯虫の研究を行っていたパラメディック)、作中ではコードトーカーの屋敷から資料を回収しようとしたり、未収録ミッションである『蝿の王国』ではイーライが奪取したサヘラントロプスや、英語株の声帯虫のサンプルを確保しようとするなど、スカルフェイスの死後も活動を続けていたものの、作戦はその悉くが失敗しており、部隊は壊滅的な被害を受けている。
その後のXOFがどうなったのかは語られてはいないが、アフガニスタンや『蝿の王国』においてのイーライ達少年兵や、ヴェノム率いるダイヤモンド・ドッグズとの戦いでの甚大なダメージと相次ぐ作戦の失敗、加えて元が隠密部隊である事や、スカルフェイスに従っただけとはいえ一時はサイファーを裏切った反逆者だった事などから、そのまま再編はされずに解散した可能性が高い。
余談
このXOFと非常によく似た組織として、メタルギアゴーストバベルにおける「FOXHOUND」の影の存在である「ブラック・チェンバー」が登場する。
メタルギアサヴァイヴでは、MSFマザーベース襲撃時やキプロスの病院襲撃時などにワームホールの発生に巻き込まれており、兵士達がディーテ世界へと迷い込んでいる。
関連タグ
雷電:GZの特別ミッションにて、スカルフェイスらが捨ててスネークが回収したXOF部隊章を報酬として要求した。
C.A.R.システム:病院での戦闘で近い形で使用されている。