概要
ゲームボーイカラーで発売されたメタルギアシリーズの外伝作品。
正式タイトルはメタルギアゴーストバベル(METAL GEAR Ghost Babel)
略称はMGGB。Ghost Babelの頭文字を取るとGB=ゲームボーイの略称になる。
発売はMGSの後であるが、プラットフォーム上の制約からシステムはメタルギア2 ソリッドスネークを踏襲した2D画面となっている。
メタルギアシリーズでは初の携帯ゲーム機ソフトである。
MGSシリーズとはストーリー上のつながりはなく、ソリッド・スネークがビッグ・ボスの調整クローンではなく実子であるなど設定に差異がある。(ただし、時系列としては2000年代のいずれかに入ることや『MG』と『MG2』が出来事だけが同じのパラレルであることを考慮すれば、ザンジバーランド騒乱とシャドー・モセス島事件の間の出来事として組み込めることは出来る。)
なおこの本編とはパラレルの時系列はスピンオフシリーズであるメタルギアアシッドにつながることになる。
これまでのものと異なりステージ制になっており、全13ステージ。ステージ制であるものの、感覚的にはさほどこれまでとは変わらない。
メタルギアシリーズでは初の対戦プレイが可能となっている。メタルギアオンラインやMGSPWの対戦プレイの源流のひとつだろうか。
現在に至るまで3DSのバーチャルコンソール化やリメイクもされていない。CEROレーティングも不明であるが、おそらくはCERO:Cに相当すると思われる。
ストーリー
21世紀の初頭、伝説の英雄・ソリッド・スネークは3年前にFOXHOUNDを退役して、アラスカでの隠遁生活を送っていた。そこにかつての上官・ロイ・キャンベルが現れ、中央アフリカに存在する小国・ジンドラの内戦が世界を再び核攻撃の恐怖に陥れようとしていることを語り、スネークへの協力を要請する。ジンドラでは政府軍と分離独立を求める少数民族側の武装組織「ジンドラ解放戦線(通称『ジレフ』)」の間で内戦が続いていたのだが、そのジレフによって輸送中だったアメリカ軍の新兵器が強奪され、アメリカ政府はジレフからジンドラからのPKF撤退を内容とする脅迫を受けていた。
一旦は頑なに断るスネークだったが、ジレフの拠点である武装要塞「ガルエード」が7年前にスネーク自身がたった一人で陥落させた武装要塞国家・OUTER HEAVEN(アウターヘブン)と同じ場所であること、そしてジレフが強奪してここに運び込んだ件の新兵器が新型の「メタルギア」であることを聞くに及んで、再び潜入任務に就くことを了承する。
過去に自らが破壊したメタルギアが眠る場所に強奪された新型メタルギア。同じ「毒蛇(ヴァイパー)」のコードネームを持つ男が率いる、ジレフが雇った謎の傭兵集団「ブラック・チェンバー」とロイ・キャンベルの因縁。ジレフとアメリカの政府と陸軍、それぞれの思惑と陰謀。それらが複雑に絡み合う戦場で、スネークは一体何を見出すのか…?
余談
MGS2より前に発売されている為か、一部にMGS2以降の設定の元ネタのようなものが複数ある。
今作に登場する『メタルギアガンダー』はREXとRAYの中間のようなデザインとなっており、二門のレールガンとミサイルポッドがREX、本体のフォルムがRAYに近い。
シリーズでは唯一、スネークがタバコを装備していないが代わりに「発煙筒」が初期装備に存在する。詳しい事情は不明であるが喫煙描写が厳しい海外の基準を考慮したと推測される。ただし、オープニングデモでは紫煙をくゆらせるスネークのギリギリの喫煙描写がある(タバコ自体は描写されていない)。発炎筒のアイコンも見方によってはタバコに見える他に使用するとスネークの顔付近から煙が出る為、実質的にはタバコである可能性が高い。
パラシュート降下であるHALO降下はMGS3に先じてシリーズで登場していたりする。FC版メタルギアで本当は最初に登場したが、オリジナル版メタルギアと違う為あまり正しくない。
終盤で登場する『メタルギアの格納庫』のエリアには『メタルギア』で登場した『TX-55』の格納庫とそっくりな部屋があり、謎の残骸が放置されている。
舞台がアウターヘブン跡地である為、『TX-55』そのものではないかと思われるのだが、実は残骸の中にある武装らしきものにMG2で登場した『メタルギア改D』のミサイルポッドが混じっている為、もしかしたら『TX-55』ではなく『メタルギア改D』である可能性がある。
ゴーストバベルのストーリーからするとザンジバーランド争乱は無かったはずだが・・・なぜそれがそこにあるのかは謎に包まれている(スタッフの勘違いによる設定ミスの可能性もありうる)。
物語に登場する隠密部隊「ブラック・チェンバー」ならびにそのリーダー「ブラックアーツ・ヴァイパー」が彼やあの組織の存在意義に非常に似通っている。
元々ゴーストバベルは海外の販社からの要望から誕生したとのこと。また、海外では『METAL GEAR SOLID』のタイトル表記や日本国内同様の『METAL GEAR Ghost Bavel』のタイトル表記と複数あるらしい。
謎の連続ラジオドラマ『アイデアスパイ ツー・ハン(2.5)』
かつてコジプロのネットラジオにあったラジオドラマ『アイデアスパイ ツー・ハン』が二周目以降の無線でとある周波数に繋げると始まる。と、いうかゴーストバベル収録のこれが原作である。
話はステージが進むにつれ展開していくが、内容は本編と全く関係はない。
関連タグ
MGS2:同じギミックがあったりする。ゲーム内ポスターで登場。
MGS3:12年後に同じく任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」に移植された。
MGSPW:同じく携帯ゲーム機(PSP)で発売された。ミッション制の点が似ている。
ドンキーコング:スペシャルミッションにジグザグ坂道から樽が転がってきたり跳ねてきたりと、それを避けて進むミッションがあり、ドンキーコングをパロディにしたものである。没アイテムにバナナがある事からなんらかの可能性は高い。