概要
ステルスアクションを主体とする「メタルギアソリッド」シリーズにおいて度々登場する潜入任務向けに開発された特殊戦闘服である。
一口に「スニーキングスーツ」と言っても作品ごとにその性能や外見が大幅に変更されている例がほとんどであるが「潜入任務に際し、敵の目を欺く高性能な戦闘服」という点では共通している。
1964年にソ連が世界で初めて開発に成功したのを皮切りに、その後の時代に合わせたアップデートを行いながら開発が行われており、最も未来の時代である2014年の「MGS4」では周囲の色調を自動的に模倣し、カモフラージュ効果を発揮する上に身体機能向上を目的にしたマッスルスーツの機能も有する一種のパワードスーツの様な代物へ進化している。(MGRの時代ではサイボーグが主流になっている為、似たようなスーツは登場するもののスニーキングスーツは登場していない)
開発計画などは当時のソ連では秘匿事項だった様であり、当時の東西両国の最新鋭兵器に精通しているシギントですらスニーキングスーツを知らなかった。
後にスニーキングスーツの技術は世界中に拡散したようであり、ソ連製だけではなくアメリカ製スニーキングスーツや一介の武装組織でしかない「ダイアモンド・ドッグズ」も独自のスニーキングスーツの開発に成功している。
メタルギアソリッドシリーズの多くの主人公達がこのスニーキングスーツを着用しており、このスニーキングスーツとバンダナを着用しているスネークの姿が印象に残っている人も多い事だろう。
登場作品
MGS1
主人公のソリッド・スネークが着用。「ドライ効果は高いな。だが身動きが取りにくい。」
「MGS1」の時点では「カモフラ率」や「ユニフォームの切り替え」というゲームシステムは未実装であった為、作中ではスニーキングスーツ以外の装備は登場しないと共にスニーキングスーツ自体にも特別な能力やシステムは無い。
だが通常の床で足音がしないのはこのスニーキングスーツのおかげであるらしい。
MGS2
『タンカー編』ではソリッド・スネークが着用し、メタルギアRAYの調査任務を行っている。色や外見の細かい部分が「MGS1」で着用していた物と異なっている。
スネーク達が所属するNGO団体フィランソロピーの武器や装備はメイ・リンを経由して陸軍兵士システムセンターから横流しした物を使用していると示唆されており、スネークのスニーキングスーツもそこから入手した物であると思われる。
光ファイバーを利用した特殊電気紡績技術を応用し作られており、意図的に着用者の体を圧迫し、各臓器の機能促進を図っている。他には最適な体温、湿度を維持する保温保湿機能を有する事で体力やスタミナの消耗を軽減し、そのうえ外部からのダメージをも軽減する機能を持つなど優秀な性能を持つ。
『プラント編』では雷電がスニーキングスーツを着用しているが、劇中では「スカルスーツ」と呼ばれており、軍で研究中のスマートスキン技術を利用した最新式戦闘服となっている。
名前の通り、胴体部には人間の肋骨とも思えるような模様があり、冒頭で着用していたマスクもドクロをモチーフにしていると思われる。
表面の質感はゴムに近いため柔軟性に富むが、様々な有害科学物質を遮断する機能を持ち、被弾した際の出血量や被弾部位をナノマシンやスーツ内部のセンサーが検知し最適化する機能も有する。これらの技術はソリダスの強化服など敵側の装備にも使用されている模様。
MGS3
作中後半の舞台となるソ連が誇る大要塞であるグロズニィグラードにて入手可能になる。1964年当時のソ連製最新式戦闘服という扱いになっている。
特殊な防弾繊維で作られており、それでいて作戦行動にも支障をきたさないよう設計されている。ネイキッド・スネークは「FOXの制式戦闘服にしたいくらいだ。」と称賛。
「MGS3」以降はカムフラージュ変更のシステムが追加されたことで、スニーキングスーツにもゲーム的な特殊能力が与えられている。
本作での効果は、あらゆるダメージを半減させる、スタミナの消耗を軽減する、あらゆる地形に対してカモフラ率の補正が掛かる、と至れり尽くせり。
作中ではスネークが入手する黒のモデルとザ・ボスが着用する白基調のものが登場。最終決戦の舞台は一面がオオアマナの白い花で覆いつくされているため、白いスーツを着たザ・ボスはかなり視認しづらく、プレイヤー側に迷彩の有効性を叩きつけるというシリーズ通しても異色のボス戦となっている。
MGS4
原因不明の老化が始まっているオールド・スネークが着用している。
老化により低下した身体機能を補完するため、パワーアシスト機能を備えたマッスルスーツとしての役割も有している。
更に周囲の色調や物体の色を模倣して迷彩効果を最適化する機能「オクトパス・カモフラージュ」を搭載しており、ステルス迷彩ほどでは無いにせよ高いステルス効果を発揮する。
オクトカムはオタコンとサニーがDARPAの技術を盗用する形で搭載しており、後にラフィング・オクトパスのオクトカムマスクを入手・調整する事で頭部のカモフラージュだけでなく、別人の顔を表示する事での変装も可能となった。
本作でもスニーキングスーツを常に着用するため、これといった特殊能力は設定されていない。
MGSPW
スネークイーター作戦を終え、「BIGBOSS」の称号を得た後のネイキッド・スネークが着用した。「MGS3」のソ連製スニーキングスーツとは違うタイプを使用しているが出自は明かされなかった。
右肩に「FOX」、左肩に「MSF」のマークがある(左肩に現在の所属部隊、右肩に以前の所属部隊のパッチを付けるというアメリカ陸軍の規則に沿っていると思われる)。
あらゆる地形や環境に対し平均以上の迷彩効果を発揮。さらに動いてもカムフラージュ率が下がりにくい特殊能力がある。
防御力は高く無いが、回復速度は高いためリカバリーも行いやすい。
また装備すると足音が敵兵士に全く探知されなくなる。
ただしダメージ半減機能は削除されたほか、スタミナの概念が無くなったため3ほどの万能さは無くなっており、あくまで潜入特化のスーツという色が強くなった。
また本作からスニーキングスーツとは真逆の、戦闘に特化した「バトルドレス」が追加されている。高耐久で携行できる弾薬も多いが、迷彩効果は無いに等しく移動も遅め。
MGSV
「GZ」ではキューバ、キャンプ・オメガに捕らわれているパスとチコの救出作戦時にネイキッド・スネークが「MGSPW」で登場した物と同じ物を着用している。
ゲーム的な特殊能力はなし。近くを走れば普通に気づかれる。
「TPP」ではヴェノム・スネークがダイアモンド・ドッグズ製のスニーキングスーツを着用しており、どういう訳か「MGS1」でソリッド・スネークが着用していたスニーキングスーツと外見が酷似している(相違点は色のみ)。小島監督によると、このスーツはMGSのものと同一であるとの事。
開発を進めてレベルを上げると防御力、ダメージの回復速度の向上が可能であり、そのままでも中腰時の歩行音が探知されなくなる、対人プレイ時には暗視ゴーグルによる熱源感知を回避出来るなどの効果を発揮する。
ただ開発レベルが一定レベルを超えるとミッションクリア時の最高評価が「S」から「A」に引き下げられるペナルティが発生するため注意。
因みに「GZ」引き継ぎ特典で「GZ」で着用していたスニーキングスーツを使用できるようになる。
また、本作のバトルドレスはスニーキングスーツに装備を追加したものらしく、下半身のアーマープレートの隙間から、スニーキングスーツと同じ装備が見える。
外部登場作品
MGSPO
スネークの言葉通りFOXに制式採用されていたようで、新型のスニーキングスーツが登場。耐火性に優れるアロマティック・ポリアミドが使われている。
本作には服装変更のシステムはないため、特殊能力はなし。
MGA・MGA2
MGA1ではスネーク自身がMGS1と似たスーツを着用しているほか、スネークをサポートするどう見ても潜入に向いてなさそうな下画像2人の衣装も「スニーキングスーツ」である。
なお、スネーク(MGA2)は茶色系のデジタル迷彩服の上に青い装備を身につけるといった、他作品とは異なる独特なデザインのスニーキングスーツを装備している。
設定画によると、天狗兵同様の身体強化機能が備わっており、スタンナックル機能が搭載されている。
シリーズでは珍しく背中に荷物らしきものを背負っているが、これはバッテリーパックとのこと。
続・ボクらの太陽
主人公ジャンゴの防具としてスカルスーツが入手可能。
小さなアイテムアイコンでしか確認できないため詳細は不明だが、おそらく雷電が着用していたスーツと同じデザインである。
耐久力(≒防御力)は同ゲーム内では中の下程度の「20」重量はやや軽めの「16」に設定されており、さらに敵に見つかりにくくなる特殊効果を持つ。