概要
ソリッド・スネークの『メタルギアソリッド4』における通称。
彼は伝説の兵士と讃えられたビッグ・ボスの細胞を用いたクローンであるが、他国や敵対組織に利用されることを懸念した愛国者達の手によって遺伝子操作が加えられており、実年齢42歳にもかかわらず70代の老人と見紛うほどに老化してしまっている。
その為に著しく低下した身体能力をパワーアシスト機能も持つ新たなスニーキングスーツで補助しているが、長時間中腰で歩き回っていると腰を痛めるなど確実に体力は衰えてしまっている。
本作では戦争がビジネスとなった世界を宿敵であるリキッド・オセロット抹殺の為に奔走することになる。
眼帯状のARシステムのソリッドアイを左目に付けているため、ビッグ・ボスに容姿がより似ている。
スニーキングスーツの表面には模様や質感、温度等をリアルタイムに再現するオクトパス・カムフラージ(オクトカム)が搭載されている。(ステルス迷彩も積めると言えば積めるのだが無人機が赤外線探知で見破ってくるため、光学的に透明になるだけのステルス迷彩は無用の長物と化してしまっている)
オクトカムはDARPAの技術をオタコンとサニーが盗用したもので、ラフィング・オクトパスのスーツやドレビンの装甲車等にも使用されている。
劇中の活躍
自らが経営する世界最大手PMC5社とマザーカンパニーである『アウターヘブン』を率いて武装蜂起を目論むリキッド・オセロットの抹殺をかつての上官にして戦友であるロイ・キャンベルに依頼され、相棒のオタコンのサポートを受けつつ任務を遂行すべく世界各地の戦場を転戦する。
その最中、再会したナオミの検査によって体内のFOXDIEがスネークの急激な老化現象によって変異を起こしており(正確には遺伝子をターゲティングする機能が劣化して失われようとしていた)、周囲の人間を無差別に殺傷するウイルスに変貌し始めていたことが発覚する。
そしてリキッドの野望がSOPシステムを掌握し、更にメタルギアREXの裸のステルス核によって中枢代理AI『J.D.』を破壊して自分が『愛国者達』に成り代わることであると知ったスネーク達は、計画を阻止すべく再びシャドーモセスの地に戻り、そこでなんとかつて自分が破壊したメタルギアREXをオタコンのサポートを受けて自分の手で操り、リキッドが操る対メタルギア兵器のメタルギアRAYをからくも撃破する。
そしてメイ・リンが操る戦艦ミズーリで、リキッドの潜伏するアーセナルギア級戦艦『アウターヘイブン』へとメリルやジョニー佐々木と共に潜入。
リキッドが利用しようとしている代理AI『G.W.』を破壊すべく、通常の人間なら数秒で死亡、蒸発してしまうほどのマイクロ波の中を進むなど、衰えた老体を極限まで酷使することになった。(小説版によると一応、スーツやMk-Ⅲにも対マイクロ波用の防御コーティングはしていた模様)
アウターヘイブン最深部のサーバールームに到達したスネークはナオミとエマのプログラムを基にサニーが作ったワームクラスター『FOXALIVE』を『G.W.』に注入することによってリキッドの陰謀を阻止しながら、『J.D.』を含む『愛国者達』の中枢A.I.ネットワークをライフライン管理機能だけ残して破壊し、この世界から『愛国者達』を消滅させることに成功。全てを終わらせた。
そしてアウターヘイブンの艦橋上にて、リキッド・オセロットと個人的な決着をつけるべく互いに死力を尽くした最後の肉弾戦を繰り広げ、勝利した。
最後にオセロットからはかつて自分がビッグ・ボスに言われた「いいセンスだ」という賞賛の言葉を贈られた。
事件収束後、いずれは自らが変異型FOXDIEによって無差別殺人兵器になることを防ぐ為に、ビッグ・ボスの墓前で銃口を咥えて自決しようとするが、直前でためらい失敗(小説版では肉体の老化により咥えたまま撃つことがうまくいかず、幾度となく失敗している)。
直後、その場に死んだはずのビッグ・ボスが現れ、彼の口からこれまでの全ての真実と、既に死ぬ必要が無くなった事を告げられる。
皮肉にもビッグ・ボスの蘇生とゼロの暗殺というオセロット達の真の計略を阻止するべく愛国者達がスネークに注入した新型FOXDIEによって、スネークの中の変異型FOXDIEが駆逐されつつあることがナオミの遺したデータの事後経過観察で判明したのである。
その新型FOXDIEもいずれ変異するが、スネークの残りの寿命の間に変異する可能性は低い(その前に宿主のスネークが寿命で死ぬ)という診断結果も出ていた。
さらに「世界を変えようとするのではなくありのままの世界を残す為に最善を尽くす」「他者を尊重しつつ自らの意思を信じる」というスネークの生き様こそがかつてザ・ボスが目指そうとした意志そのものである事を悟ったビッグ・ボスから自分の子供と認めた事は無いが、一人の戦士、そして一人の男としてスネークを尊敬していることを告げられ、蛇(スネーク)としてではなく人(デイビット)として残りの寿命を戦い以外に使って生きることを促される。
そして新型FOXDIEによる発作で死に逝くビッグ・ボスを看取り、彼のために葉巻に火を灯し、ビッグ・ボスに赦しと安らぎを与えた。
全てが終わった後、ビッグ・ボスの遺言通りスネーク…いや、デイビットは残された余命を戦いではなく、オタコンと共に世界の進む道を見届ける事に使うと決意し、まずは健康の為にタバコを止めるのだった。
小説版では、その後は平穏で幸せな余生を送って最後は安らかな眠りについたと語られており、時期は不明だが、MGS4から約4年後のMGRの時代(2018年)までには既に死亡している模様(雷電がケヴィンとの無線にて、ケヴィンは「会いたかった」と過去形を用いて発言していた為)。
サニーの結婚式の時には既に亡く、門出の席に出席することはできなかった。
なおオタコンはモテ期が来ておりアプローチを掛けられまくっているイケオジと化している(過去のトラウマから「僕に関わると不幸になる」と断っているが、それがかえって「陰のある」「天才」で「優しい」「イケメン」の雰囲気を醸し出すことになり余計にモテる悪(?)循環となっている)
余談
- ゲーム中である敵を撃破する事で手に入る覆面によって様々な人物の顔に変える事ができる。勿論、MGS4以前の彼の顔でプレイする事も可能である。
- ちなみに、老いているとはいえまだまだアッチ方面は現役である様子。これは非殺傷アイテムの「PLAYBOY」を彼が読む行動をした際に気力が回復する事からわかるようになっている。
- 当初の小島秀夫監督のエンディング案では、スネークとオタコンは旧制度の法に照らせばテロリスト(実際指名手配の身であり、2の時代の前後ではやっても居ない罪状が次々追加される様を見てオタコンと2人で爆笑していた)であり、最後は自首して処刑されるという案があったが、案の定スタッフからは猛反対され現在の形に落ち着いた。
- MGS4のエンディングテーマが後にMGSVでも使用されることになる映画『死刑台のメロディ』で使用されたHere's to youのカヴァーなのはその名残である。
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同一人物であることや作中での呼び名が「スネーク」統一だった事が原因だと思われるが、検索の利便性の為、『4』での彼を描いたイラストには当タグを付けるよう、お願いします。