ナオミ・ハンター
なおみはんたー
CV:鶴ひろみ
ATGC社の社員だったが、遺伝子やナノマシン研究において天才的な能力を持っていたことから、軍の特殊部隊FOXHOUNDのメディカルスタッフも担当していた。
遺伝子治療(ジーンセラピー)により、兵士の戦闘能力を高める技術を確立した人物であり、シャドー・モセス事件の際にはゲノム兵やFOXHOUND隊員に精通していることもあって医療アドバイザーとして作戦に参加した。
シャドーモセス事件以前
ローデシア独立戦争時に戦争孤児となり、戦いに参加していたフランク・イエーガーに助けられビッグ・ボスの手引きによって渡米。
中東で行方不明となっていたアメリカ人女性『ナオミ・ハンター』という人物の戸籍を取得し、彼女に成りすまして生活していた。
渡米後は兄とともに生活を送っていたが、ナオミが大学入学を控えた頃、兄は兵士として戦場に戻ることになり、異国の地で再び独りになったナオミは「自分は何者なのか」ということに疑問を持つようになる。
そして、その謎を解き明かすために遺伝子工学の道を志し、ATGC社に入社。
その研究はナノマシンにまで及び、ベクターとなる転移遺伝子の発見と「遺伝子ターゲット法」の確立など、様々な功績を残すことになる。
その後、ナオミは兄であるフランク・イェーガーと再会するが、兄はザンジバーランド騒乱で重傷を負い、人体実験と薬物の投与によって廃人になっていた。
ナオミは変わり果てた兄の姿を見て、彼を半死人に変えた張本人にしてザンジバーランドを陥落させ、ビッグ・ボスを殺害した伝説の英雄ソリッド・スネークを激しく憎むようになる。
そして兄を解放してシャドー・モセスで匿っていた。(この際にフランク・イェーガーは自身を実験体にしていたクラーク博士を殺害した)
さらにDIA(国防情報局)の依頼で空気感染によって特定の遺伝子コードを持つ者を殺傷する人工レトロウィルス『FOXDIE』を開発。
またFOXHOUND隊員の遺伝子治療を行うメディカルスタッフとして派遣される。
MGS
シャドーモセス島事件では、CIAからソリッド・スネークをFOXDIEのベクターにするよう指示を受け、ナオミはソリッド・スネークの体内に不凍糖ペプチドや身体機能を補助する各種ナノマシンを注入する際に密かにFOXDIEを混入させた。
しかしスネークのことを兄の仇として憎悪していた彼女は、独断でFOXDIEのプログラムを書き換えており、これが作戦中に発覚したことで彼女の改竄内容を突き止めるべく国家反逆罪容疑でCIAによって逮捕される。
その後はアメリカ連邦刑務所へと投獄されたが、シャドーモセス事件終了後にスネークをターゲットに含んでいなかったことが発覚する。
ノベライズ版ではFOXDIEがなんらかの進化を遂げた場合のみに発動するという偶発性に委ねられておりいつ発動するかは分からず、生涯発動しない可能性も高いという形に改竄されていた。(下記する4での変異はあくまでウイルスの機能不全によるむしろウイルス的には退化である為、これには該当しない)
事件を追う中で兄とスネークの関係やスネーク自身の人柄を知ることで、憎悪は薄れていった。
一方でフランクは遺言として
「ナオミの両親を殺害したのはこの俺で、本当の仇はスネークではなく俺だ」
という事をナオミに伝えるように頼んでいたがスネークはそれを、
「俺のことは忘れて自分の人生を精一杯生きろ」 に言い換え嘘の内容を伝えた。
これによりナオミの中でのフランク・イェーガーは良き兄のままで生涯変わらなかった。
また当初は自分の生まれた理由を知る為に遺伝子研究に没頭していたが、スネークと接するうちに次第に考えを改めて、最終的には遺伝子には縛られず、「自分で選択して生きること」、「過去に理由を求めるのではなくより良い未来を作る為に生きること」が大事だと言う結論に達して、それをスネークに伝え、それを見い出させてくれたスネークに感謝した。
FOXDIEについては「どうなるかはあなた次第」、「生きてねスネーク」というメッセージを残している。
一方でバンドデシネではスネークとフォックスが話していた事を何らかの方法で知り、スネークの体内のFOXDIEをナノマシンで活動停止させている。
フォックスからスネークへ伝えて欲しいと頼んだ言葉も、そのまま伝えられている。
余談ではあるが、スネークに着用させてたスニーキングスーツは元々、MGSVでダイヤモンド・ドッグズが開発した物で、この組織とナオミ・ハンターとは何らかの関わりがあったと思われるが詳しい経緯については語られてはおらず、詳細は不明。
MGS4
リキッド・オセロットの手引きで刑務所を脱獄、行方不明となった為、CIAからテロリストとして指名手配されていた。(これも表向きにはスネーク達が手引きしたとして彼らの罪状に加えられている)
ナノマシンによる戦場制御システム『SOP』の掌握計画のため、SOPのシステム解析とシステム侵入の糸口を得ることを目的としたリキッド・オセロットによって軟禁されていたと思われていたが、実際はシャドーモセス島事件の以前からオセロットとは裏で繋がった同志であった。
その身体は放射線障害による癌に蝕まれていたが、ナノマシンで強引に延命処置を行っていた。
南米ではソリッド・スネークと再び接触し、その体内を検査して彼に潜伏しているFOXDIEが急激な老化現象によって変異し、無差別に人を殺傷する大量破壊兵器になろうとしている事実を伝えた。(正確には遺伝子をターゲティングする機能が摩耗して失われつつあった)
その後は一時的にスネーク達と行動を共にし、輸送機内で出会ったサニーにかつての自身と同様の境遇を見い出して気にかけつつも、一方で自身とは違う道を歩んでくれるという希望も感じていた。そしてオタコンとは同じく過去に誤ちを犯した科学者として共感し、次第に互いに惹かれ合うようになる。
また、サニーに目玉焼き(サニーサイドアップ)の正しい調理法を教え、リキッドが愛国者達のAIネットワークに介入するために利用しようとしていたアウター・ヘイブン内のAI『G.W』を無効にするウイルスプログラムを託す。
東欧にてスネークの潜入任務中に輸送機から姿を消し、リキッド・オセロットの部下としてスネークの目の前に現れた。
その後、シャドーモセス島にヴァンプと共に上陸、自らの罪の象徴であるヴァンプ(彼女が開発したナノマシンによる人体改造によりヴァンプは超人的な肉体と高い再生能力を手に入れていた)が雷電との死闘に敗北した事で彼のナノマシンを機能停止させる抑制剤で彼を解放する。 そして「上手に焼けた」という伝言からサニーへと託したプログラムが完成したことを聞いて(サニーはナオミのプログラムをかつてオタコンの義妹のエマが開発したワームクラスターに落とし込んで完成させた)、かつての自らの罪を後世に残さないように延命用のナノマシンを止めるべくナノマシン抑制剤を打ち、その生涯を終える。奇しくも、その死に場所は兄と同じくシャドーモセス島のメタルギア格納庫だった。
死ぬ前に、リキッド・オセロットが回収・修復したAI『G.W』を通じて「愛国者達」の代理A.Iネットワーク全体がサニーが完成させたプログラム「FOXALIVE」(囚われていた狐達を野に解き放つという意味)によって破壊された時に自身の映像が流れるようプログラムし、その映像で自分の本当の目的を明かした上でオタコンへの謝罪やスネークへの感謝の気持ちを打ち明けている。
この際にオタコンへの想いが本心からのものだった事も打ち明けており、彼は映像を受信したノートPCを抱いて慟哭している。