CV:田中秀幸/クリストファー・ランドルフ
「待たせたね」
「僕には、タバコを吸わない代わりに、まだやるべきことが残っている」
「君もオタクかい?」
人物像
同シリーズの最も代表的な主人公であるソリッド・スネークの相棒であり、無二の親友。
天才的な技術者であり、優れたハッカー。非常に明晰な頭脳を持ち、スネークを主に後方から常にサポートする。性格は温和で誰に対しても優しく人懐っこい。慎重ゆえに若干臆病でヘタレなところもあるが、滅多なことでは激しく取り乱さない冷静さの持ち主である。運動と高い所が苦手(ただし後に、VRでヘリの操縦技術を習得したことで、高所恐怖症については克服できた模様)。
その一方で、芯はとても強く一度決めた事や、自分の信念は決して曲げないという確固たる意思の強さがある。そしてシリーズを通して様々な不幸な目に合うが、それでも折れずに自分の成すべき事を成し遂げるという強いメンタルも持っており、これらの点はスネークからも「あいつは強い男だ」と、高く評価・信頼されている。また、メタルギア開発も含めた自分の過去の誤ちに対する後悔や責任感も非常に強く、生涯をかけてそれらを自ら償おうとしている。
非常に複雑な家庭環境の中で育っており、自身も家族関係に悩まされていたが、上記のメンタルの強さと、スネークを始めとした信頼できる仲間達との出会いで、屈折する事なく現在の人柄を保ち続けている。
眼鏡がトレードマーク。
ちなみにシャドーモセス当時は、島をテロリストに占拠されたという環境のせいもあって身なりを整える余裕もなく、ボサボサ頭に無精髭だったが、この頃からよく見ると非常に端正な顔立ちをしており、その人柄もあって女性に好意を寄せられる事が多いが、悉く悲恋で終わっている。
容姿については、シリーズを経てグラフィックが向上する度に、どんどんイケメン度が上がっている。
好きなものは犬と日本のアニメ(特にロボットアニメが大好きである)。
あだ名は「オタコン」。これはアメリカのアニメファンイベント「オタク・コンベンション」の略称で当人が自称しており、登場時に自らスネークにもそう呼ぶように言っていた。
祖父や父と同じ兵器工学の道を歩んだが、これも「日本のアニメのようなカッコいいロボットを作りたい」という純粋な憧れに端を発しており、同時に「人も兵器も弱みが無ければ可愛くない」という変わった独自の美学も持ち合わせている(これもアニメによって磨かれた美学な模様)。
しかし、三代に渡って核兵器に関わった因果については「呪われた血筋」と考えており(彼は祖父や父とは違って、自分の意思で核に関わった訳ではないが)、その因果を断ち切りたいと願ってもいる。
このようにシリーズが進むにつれて、ソリッド・スネークに並ぶ同シリーズの「もう一人の主人公」と言っても、過言ではない存在になっていったキャラクターである。
実際に、同シリーズの主人公であるスネーク、雷電、ネイキッド・スネーク(ビッグボス)以外で唯一、例の「待たせたな」というシリーズを代表する決め台詞を、作中で複数回に渡って口にしたキャラクターでもある。
その為に、相棒のソリッド・スネークとセットで非常に人気が高くファンも多い。
少なくとも親世代達とは違い、スネークとは無二の親友にして永遠の相棒として固い絆を結び、生涯に渡って彼と共に戦って同じ道を歩み、その生涯を最期まで見届けた。
そして親世代が生み出した機械のバケモノ達にトドメを刺し、全ての因縁に決着をつけた。
来歴
祖父の代から大量破壊兵器に因縁があり、祖父はマンハッタン計画に参加していた。彼の祖父のマンハッタン計画参加が発端となり、MGSシリーズの歴史と現実の歴史は乖離していく。
父親のヒューイは、かつては歩行機械を研究する科学者だったが、CIAにスカウトされて各種無人兵器を、MSFではメタルギアを、XOFでもメタルギアを未完成ながら建造している。母親は父と同じくCIAや、MSFでA.I研究を行っていたストレンジラブ博士であり、後にそのA.I技術を基に『愛国者達』の代理A.Iは開発された。つまりメタルギアと代理A.Iという、本シリーズの世界に暗い影を落とし続けた技術を完成させたのは、彼の両親なのである(勿論その技術を完成まで持って行ったのは、ビッグ・ボスやゼロ達なので彼等だけのせいではないが)。
父親はソ連のグラーニンと友人関係であり、KGBやCIAの思惑があったとはいえ、彼から二足歩行戦車の研究データを受け取っており、以降のメタルギアはそれを基にして完成させたものである。
オタコン本人は独学でマサチューセッツ工科大学に入学。若くして博士号を授与され、プリンストン大学でも学士号、修士号を取得し、FBIにスカウトされた俊才である。FBIではERF(技術開発研究所)に所属していたが、ハッキング行為を行なっていた事が発覚し、FBIを追われてアームズテック社に入社した。
活躍
MGSV TPP
1980年に出生。この頃は4歳の子供である。
父・ヒューイによってメタルギア開発の為の実験台として使われ、それに反発した母・ストレンジラブによって父親から引き離されている。小説版サブスタンスⅡでは、その時の描写が描かれており、当時の彼が実験後には毎回病院送りになっていた程の苛烈な実験が行われていた模様(その時の狭い空間(おそらくメタルギアのコックピット)や、そこに入るように恐ろしい形相で強要する父の姿など、幼少期のトラウマとして微かに覚えているようである)。
その事によりヒューイは逆上し、ストレンジラブはA.Iポッド内に閉じ込められて結果的に衰弱死している。
ストレンジラブは、死の直前に彼の事はザ・ボスとの子供のつもりで産んだ(ザ・ボスとストレンジラブの子供にする為なら、父親は誰でも良かった)というような言葉をA.Iポッド内のデータとして残していた(ただし、最初からそう考えていたのか、ヒューイの姿に失望してそういう考えに逃避していったのかは不明である)。
しかし同時に母親として、息子に殆ど何もしてやれなかった事を心から悔いており、彼が強く生きてくれるように息を引き取る間際まで願い続けていた。(前述のザ・ボスとストレンジラブの子供、という話も「ザ・ボスの意志」を持った「ストレンジラブの息子」になればそれはボスとストレンジラブの子供ということになる、という理論である。)
そして後に、彼は実際に「ありのままの世界を残す為に最善を尽くす」「他者を尊重しつつ自分の意思を信じる」というザ・ボスが最後に目指そうとした遺志を、相棒のスネークと共に体現した生き方をしており(勿論本人にそんな自覚は無いが)、母親の願った通りの強く真っ直ぐな男に成長していく。
少年期
詳しい経緯は不明だが、父のヒューイと再会して彼と共に暮らしていた。
しかし、父は新しい女性と再婚するも精神状態をさらに悪化させ、家庭環境は円満という言葉からは到底程遠い劣悪なものだった。妹のエマ・エメリッヒ・ダンジガー(E.E.)は継母の連れ子であり、血縁のない兄妹である。父親の精神異常からくる疎外と互いの心労を、エマとの擬似的な恋人関係を築く事で互いに慰め合っていたが、やがてエマは本当に彼に好意を寄せるようになる。
しかし後にエマからは、継父のプールでの事故死に巻き込まれた(実際は事故ではなく、ヒューイは彼女を道連れにして無理心中をしようとした)際に、助けを求めたにもかかわらず助けてくれなかった(オタコンの部屋からはプールがよく見える筈だったが、この時に彼は継母に迫られ体を重ねていた)事や、父の死後すぐに家を出た事から、強い憎しみを向けられるようになっていた。
小説版サブスタンスⅡでは、この少年期の家庭環境がより詳細に掘り下げられている。父親のヒューイは一言でいえば典型的なネグレクト親そのものであり、オタコンは父親から愛情を受ける事が出来ずに非常に孤独な少年期を過ごしており、ハッキングなどもその寂しさを紛らわせる為に、始めた事である。しかし、ある時にヒューイがかつて開発したメタルギアの開発資料を見つけてしまい(当時の彼にはそれが何なのかは分からなかったが)、それがヒューイにばれた事で、激怒したヒューイから彼はより迫害されるようになってしまう(しかしこれがきっかけで、二足歩行のロボットアニメに嵌まり込んでいった)。
そしてヒューイの再婚とダンジガー母娘との出会いを経て、同じく親からの愛情を得ていなかった義妹のエマとの擬似恋愛や、継母との過ちなどに繋がっていった経緯が非常に生々しく描かれている。
上記のFBI時代のハッキングの件も、彼に当時接触してきたハッキンググループの中にE.Eの名前があり、それが彼女なのか単に同じH.Nの誰かなのかを確かめようとしてそのグループと関わりを持った結果、抜け出せなくなってしまったという経緯である。しかし結局ハッキングの件がばれた事で、そのグループとも切れてしまい、エマの事を確かめる事はできなかった(この件でエマ自身も、『愛国者達』からその能力に目を付けられ、ハッキングを行った件や義兄の件を交渉材料にされた事で、アーセナルギアに関わる事になったらしいので本人だった模様)。
METAL GEAR SOLID
25歳。
シャドーモセス島にて、戦略核搭載二足歩行戦車メタルギアREXを開発していたが、アームズテック社側からは、移動可能な「ミサイル防衛(TMD=Theater Missile Defense)システム」、つまり下層迎撃用の移動ミサイルユニットと、嘘を教えられ、それを信じ込んで開発させられていた。(ナスターシャ・ロマネンコ曰く「随分とおめでたい人物」)
ソリッド・スネークとは、サイボーグ忍者(グレイ・フォックス)による襲撃を受けてロッカーに逃げ込み、恐怖のあまり失禁している所で鉢合うという、ある意味衝撃的な初対面を果たす(後にMGS2でロッカーの話の際に隠れていた事を懐かしがっていたが、スネークから「おもらし」の件でからかわれていた)。そして、スネークによってサイボーグ忍者から助けられた。
この件は、オタコンにとっては相当恥ずかしい過去のようであり、MGS4でシャドーモセス島の研究室に帰ってきた際には、言葉こそ発さなかったが複雑そうな顔で自身が隠れていたロッカーを見ていた。さらに意味ありげにロッカーを眺めるスネークに対して、「嫌なことを思い出してないだろうね」と釘を刺していた。
その後は、スネークに真相を知らされた事で自身の行いを悔いて、メタルギアREXの破壊の為にスネークを助ける事を決意する。そして光学迷彩を使って、シャドーモセス島内を自由に行動しながら、開発者としての知識と、ハッカーとしての能力でスネークを積極的にサポートした。
しかし同時に、蜂起を起こしてシャドーモセス島を占拠した特殊部隊FOXHOUNDの1人であるスナイパー・ウルフに、淡い恋心を持っていたようである。
スネークからは、ストックホルム症候群かリマ症候群だろうと推測されていたが、実際にはウルフの方もオタコンに好意を抱いていた。また小説版によるとオタコンは、ウルフの生まれた時から呪われた運命に翻弄され続けてきたという、境遇の一致もあって彼女に惹かれていった模様。
本編ではウルフが、スネークに介錯された時にはスネークの事を一切責めなかったが、バンドデシネではウルフが死んだ時に彼の事を責めている(ちなみに死ぬ前にウルフが打ち明ける内容も、本編とバンドデシネで異なり、本編では自分の過去を話しているが、バンドデシネではオタコンへの想いを告白している)。
メタルギアREXの破壊後は、島に空爆が発令されたが「もう過去を悔いる生き方はやめた」「生きる目的ができた」として、最後まで島に留まりスネークとメリルの脱出を援護した(メリル死亡ルートでは意気消沈したスネークを奮い立たせて、彼と共に脱出する)。
その後は空爆命令が撤回された事で助かり、事件収束後は軍に保護されたが、全ての真相を知っていた為に姿を消して、さらに後に再びスネークと合流する。
ちなみにメリル死亡ルートの個別EDでは、スネークが自分の本名を打ち明けた後、続いてオタコンもファーストネームを打ち明けると、スネークは「デイビッドにハルか。これは笑える。木星へも行けそうなコンビだ」と、自分達の事を評していた。
METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY
タンカー編では27歳、プラント編では29歳。
アームズテック社には戻らず、ソリッド・スネークと共に正式なNGO財団組織である反メタルギア財団「フィランソロピー」を結成しており、スネークと共に実働部隊として各地でメタルギアの破壊活動を行っていた。財団にはメイ・リンや、ナスターシャ・ロマネンコも所属しており、この2人とも頻繁に連絡を取り合い、メイ・リンにはSSCENから装備を横流しして貰い、ナスターシャからは武器・兵器に関するアドバイスや資金援助を得ていた(さらにキャンベルとも直接接触はしていなかったものの、メイ・リンなどを通じて支援を受けていた模様)。
その中でとある人物から、アメリカ海兵隊が新型メタルギアを開発したという情報を入手し、大型タンカーにスネークを向かわせる(この際に国防省の極秘ファイルにハッキングして、情報の裏付けを行った)。
VR訓練とはいえ、この時点でヘリの操縦技術を修得している(主には民間のKa-62の操縦技能である)。 また、タンカーからスネークを救出する際には、救命ボートで沈没するタンカーやその残骸の間を掻い潜りながら接近して彼を助けるという、離れ業を披露している(本人曰く、我ながら奇跡に近いとの事)。
そしてプラント編では、義妹のエマの件もあって直接現場に出てきて行動し、スネークや本作の主人公である雷電をサポートする。ちなみに彼は自分をビッグ・シェルのセキュリティ開発技術者と偽装して、SEALsに随行する形でビッグ・シェルに潜入しており、現地でスネークと合流した。
しかし最終的にはエマを助けられず、ヴァンプによって致命傷を負わされた彼女の最期に立ち合う事となり、そこでようやく義妹の本当の想いを知る。そして自身が彼女の前から去った理由を、彼女の亡骸の前で告白しながら慟哭した(人質の救出を優先する為に、彼女の遺体を持ち帰る事もできなかった)。その後はその悲しみを自ら乗り越えて、スネークと雷電がアーセナルギア破壊に向かう裏で、ヘリで人質の救出を試みて無事に成功させている。ちなみにその際のスネークや雷電と並んで歩くシーンと、その後のスネークと互いに腕を組んで抱き合い、別れるシーンは本作屈指の名シーンである。
人質救出後は、マンハッタンの近くにあるフィランソロピーのセーフハウスに直行し、そこから無線で雷電やスネーク達をサポートしている(量産型メタルギアRAYとの戦闘だけでなく、ソリダス・スネーク戦でも彼の戦闘スーツを分析して、様々なアドバイスをくれる)。
本編終了後はスネークと合流し、オルガ・ゴルルコビッチの娘のサニーを救出すべく動き始める。
ちなみにタンカー編では、前作のメイ・リンに変わってセーブ係を担当しており、その際に前作同様に中国の諺を教えてくれるのだが、その内容はデタラメそのもの(一応メイ・リンから諺のメモは受け取っていたのだが、メモを紛失した模様。そのため字面を直感的に解釈して、的外れながらも当たらずも遠からずな無茶苦茶な解説をしてくる)。セーブを繰り返すと、あまりの適当な解説に業を煮やしたメイ・リン本人が乱入してきて、オタコンをどこかに連れ去ってしまう。
さらにタンカー編では、端末からRAYの写真を左右斜め、正面、海兵隊マーキングの4枚転送するというミッションがあるのだが、その時に艦内で撮った心霊写真や恐怖映像を転送すると「呪われそう」とビビり散らし、グラビア写真を転送すると、これじゃないと言いながら「保存しとこっ」と小声で呟く様子が見られる。(マッチョの画像を送ると「君ってそういう…」とあらぬ誤解を受ける)
METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS
34歳。
引き続きフィランソロピーに所属している。ただしこの時期には、活動内容は既に反メタルギアから反愛国者達に変化している。
本作では、スーパーコンピューター・ガウディを搭載した輸送機「ノーマッド」に、オールド・スネーク(ソリッド・スネーク)や、前作の後に雷電が救出したサニーと3人で暮らしており、サニーからは「ハル兄さん」と呼ばれて慕われている(ノーマッドが事実上の彼等の活動拠点になっている)。
今回はメタルギアMk.Ⅱ(Mk.Ⅲ)と呼ばれる、ビデオカメラに足を付けたような小型サポートロボットを使ってスネークに同行し、それを介しての通信や現場での直接支援を行う。さらにMk.Ⅱ及びMk.Ⅲは、スネークがでラジコンのように操作する事も出来る。(わざと敵の前に出すなど乱暴な扱いをすると「君をサポートする為に作ったモノではあるけど、"僕の"Mk-2を君が乱暴に扱っていい訳ではない」と憤慨する」
さらに急速な老化が進むスネークを補助する為に、サニーと共に新型のスニーキングスーツやソリッドアイを初めとした様々な装備を開発した他、ヘリだけでなく輸送機ノーマッドの手動操縦も担当している。
スネークに戦争経済を初めとした様々な解説も行い、また武器洗浄人であるドレビンと接触した際には「苦手なタイプ」としつつも、彼の事を調べた上であくまでビジネス上の関係として付き合う事をスネークに勧める(彼の協力を得なければ、ID銃が使えないからという事情もあった)。
さらに本作では、同じく過去に誤ちを犯してしまった科学者という立場の一致などから、シャドーモセス以来9年ぶりに再会したナオミ・ハンターと互いに惹かれ合うのだが、結局はまたしても悲恋で終わってしまう(奇しくも因縁のシャドーモセスで、またしても愛した女性を喪う事となってしまった)。
そして因縁のシャドーモセスでは、何とかつて自分達が破壊したメタルギアREXをスネーク達を助ける為に再起動し、開発者としての知識と彼自身の技術力で動かしてスネークをサポートする。 さらにリキッド・オセロットが操るメタルギアRAYとの戦闘では、かつて彼がREXに仕込んでいた近接格闘プログラム(REXの巨体そのものも武器になるのでは?というアイデアを上にあげていたが、仕様になかったため却下されていたが無断で搭載していた。)を使い、REXより技術的に進んだ後継機で、しかも対メタルギア兵器であるRAYを撃破する事に成功した(これも彼のロボアニメオタク魂から仕込んだものである、ただし本来の仮想敵は歩兵や戦車で自身と同等の体躯の兵器ではなかったため現地でリアルタイムに調整して使用している)。
ヴァンプとの決着はシャドーモセスで着いたが、スネークによりナノマシンを抑制され、雷電との戦いで傷付き倒れたヴァンプにナオミは罪の象徴であるヴァンプに自身では打てず、楽にさせるようにとナノマシン抑制剤を渡された。
しかし結局父親とは異なり自らの手で仇にとどめを刺すことはできず、ヴァンプ自身が奪い取り打つことでナノマシンは停止、ヴァンプは長い間望んでいた死を得ることになった。
最終決戦では、艦長であるメイ・リンと共に戦艦ミズーリの艦橋からMk.Ⅲを遠隔操作して、アーセナルギア級戦艦「アウター・ヘイブン」内のG.W.のサーバーに向かい、それをスネークが援護する。(ノベライズ版終盤ではオタコンの戦術予測をスネークが信じ、全力ダッシュでサーバーまでノーアラートで到達するというコンビプレーの集大成を見せている)
そして「FOXALIVE」(ナオミが開発したウイルスデータに、エマのワームクラスターに落とし込んで、サニーが作成したもの)を、G.W.のサーバー内に直接流し込む事で、J.D.(ジョン・ドウ)を初めとした『愛国者達』の代理A.Iネットワーク全体を崩壊させて、全てを終わらせた。
その際に、あらかじめ残されていたナオミのビデオメッセージを受信し、そこでようやく彼女の真意と自分への本当の想いを知った事で、タブレットを抱き抱えながら改めて慟哭する。
事件収束後はメリルとジョニー佐々木の結婚式に参加し、そこでドレビンから自身の正体やメリルの「ラットパトロール・チーム01」の真相を聞かされる。それについては流石に憤りを隠せなかったようだが、ドレビン自身とは酒に酔っ払いながら話す彼に穏やかに付き合い、ドレビンの方も彼にだけ自身の秘密や夢を打ち明けるなど、互いに親しい関係を築いたようである。
そして、外の世界での始めての友達を作ったサニーの様子を見て、彼女に外の世界で生きる事を促した(その友達にMk.Ⅲをあげていいかと聞かれた時は、Mk.Ⅲに掛かっているコストが頭をよぎり心底肝が冷えたようだが)。
全てが終わった後は、スネークの命が尽きるまで共に世界の進む道を見届けて、彼の全ての足跡を記録して自分が後世に語り継ぐ事をスネークに約束する(本人は、「僕だけじゃサニーの目玉焼きは辛い」と冗談めかしていた)。
伊藤計劃著のノベライズ版は、それを実際に文章化したものという設定であり、作中では語り手の役割を担っている。
ちなみにナオミにメガネが無い方が素敵だと言われて、一時メガネを外していたが、彼女の最期を見届けてから再びかけ直した(その後もナオミの話をする際にはメガネを外す描写がある)。メガネを外した彼については、本当にイケメン度がさらに上がっており、ナオミの目に狂いは無かったと言える。
METAL GEAR RISING REVENGEANCE
38歳。
直接の登場はしないが、サニーやドクトルとの会話で話題に上がる。
MGS4の事件終息後にサニーを正式に養子として引き取り、後に航空機研究所のソリスを自身のコネで彼女に紹介した(この為、今作の時点でサニーの名前はサニー・エメリッヒになっている)。
フリーのイケメンらしく未だモテ期であるが、過去の出来事から自分と付き合った女性は不幸になるとして、自分から女性を突き放すような態度を取っており、未だに女性との付き合いはなく未婚。
だが、そういう態度が「悲しい過去を背負った、陰のある優しいイケメン」という少女漫画に出てくる様な属性となっていて、それが受けるからか、余計に女性からモテるらしい。
かつて生前のスネークに自分達の本名から、「木星にも行けそうなコンビだ」と言われた事をサニーにも話したのか、サニーの目標はオタコンが生きてる間に、木星旅行を達成する事である事も語られている。 またサニーは、オタ魂(オタコン)のバッジを常に身に着けている。
METAL GEAR SOLID MOBILE
携帯電話端末向けの非正史のスピンオフゲーム。
時系列はMGSとMGS2の間の話であり、フィランソロピーとしてメタルギアを破壊して回っていた頃のエピソードである。
ある日、オタコンの元に「新型メタルギア設計に関わる技術者」を名乗る者から連絡が入り、「この施設や新型メタルギアに関わる情報を提供する代わりに、私がこの施設から逃げ出すのを協力して欲しい」と持ちかけられる。それを送ってきたのはメタルギアプロジェクトの人工知能の専門家であるリード博士であり、スネークを連絡のあったポイントに潜入させてサポートしつつ、彼女とスネークの橋渡し役をする事になる。ただし、素性が不透明なリード博士には彼自身は疑いを持っており、完全に信用している訳ではないらしい。さらに途中で謎の人物が通信が介入してきてスネークにアドバイスを行うのをシャットアウトしようとするが、やがてそのオタコン自身の様子もおかしくなっていく…
実は、スネークが行っていたこのミッションは全てVR訓練であり、現実のスネークは眠った状態でVR訓練を現実だと思い込まされた上で参加させられていた。スネークをサポートしていたオタコンもVR上の偽物であり、通信に介入してきた謎の人物の正体こそ、スネークのVRに介入して彼を助け出そうとしていた本物のオタコンだったのである(ただしその際には、本物である事を証明する為に、MGSでのお漏らしエピソードを自ら語る事になった)。
製作品
- メタルギアREX:核搭載二足歩行戦車。当初本人はあくまで防衛専用の兵器だと言われて制作したのだが、スネークから実態は核搭載・発射が可能な大量破壊兵器であるという真実を知らされた事で彼に協力して破壊した。それでも開発チームの皆で製作したものという事もあってか愛着を抱いているらしく、MGS4ではノーマッド内の自身の机の上にREXの模型が置いてある。
- メタルギアMk.Ⅱ、メタルギアMk.Ⅲ:戦場においてスネークのサポートを直接行う為に製作したサポートロボ。遠隔操作によってアイテムの回収や、ワイヤーアームによる電撃攻撃で兵士を気絶させたり、データのハッキングが可能で、小さい物なら胴体内部に格納もできる(ちなみに前者には、ソリッドアイとSOPシステム施行前に製造されたハンドガンを二丁持って行かせた)。ステルス迷彩が装備されていて、姿を隠して移動する事ができる。メタルギアと名は付いているが、あくまでもサポート専用のロボットであり兵器ではない。
- スニーキングスーツ:急速な老化が進むスネークの身体能力を補助する為に開発した新型スーツ。その役割もあって従来の物とは異なり、マッスルスーツとしての機能もある。他にもタコのように周囲の物に合わせて色を変えて同化・擬態する事ができる。これはサニーがDARPAからハッキングして手に入れた技術である。その為に、BB部隊の一人であるラフィング・オクトパスのオクトカムスーツや、ドレビンの装甲車も同じような機能を持っている。ちなみに『メタルギアモバイル』でもVR訓練上だが、同じような機能を持つスニーキングスーツが登場している。ただし当時の技術的な問題か、適切な色を自分で記録して、手動で変えなければいけない仕様だった。
- ソリッドアイ:スネーク用に製作された眼帯型ツール。暗視モード、赤外線モード、望遠モードの三つの機能が備わっている。マッピング機能や拡張現実ビジョンで周囲を探索する事も可能である。さらに周囲のSOP情報を視覚化する事もでき、それによって相手のこちらに対する警戒度なども測る事ができる。
- M9:ベレッタM92Fをベースに製作したスネーク用の簡易麻酔銃。レーザーポインターとサプレッサーが装備されており、麻酔は打ち込む身体部位によって、効果発動の時間が変わる。スライドロックがされている為に、一発毎に手動でリロードをする必要がある。
- ステルス迷彩:ロングコート型の光学迷彩装置。起動すると、完全に周囲の風景に溶け込む事ができる。衝撃に弱いので、人にぶつかったりすると光学迷彩が解除されてしまう(これについてはMGS2からで、MGSではぶつかっても迷彩は解除されない)。
余談
意外だと思われるが、実はオタコンは初代ときめきメモリアル(※PCE版設定)の登場人物達とほぼ同じ世代である。例を挙げると、藤崎詩織が当初の設定では1979年生まれとされており、1980年生まれのオタコンは彼女と同学年もしくは一つ下の学年となる。
一方で、MGS1時点の設定では、シャドーモセス島事件の頃で30代半ば程とスネーク(1972年生まれ)よりも年上だった(ただし、この時期の登場キャラクターの年齢などはあくまで裏設定的なもので、ゲーム中に出てきた物は殆ど無い)。この設定がいつ頃改変されたのかは不明だが、MGS2発表時スネークのモデリングに対して、「オタコンより老けて見える」という開発スタッフの発言が有るので、少なくともこの辺りまではオタコンの方が年上か、ほぼ同年代という設定だったと思われる。
本名よりもあだ名の「オタコン」の方が圧倒的に有名な為に、pixivではフルネームである「ハル・エメリッヒ」ではなく「オタコン」のタグが付けられる事の方が遥かに多い。その為に、本記事よりもオタク・コンベンションの記事の方が、より多くの投稿作品が閲覧できる(というか、あちらの記事に投稿されている関連作品はほぼ彼のものであり、実質あちらも彼の記事になっている)。
髪色はMGS1のみ灰色(銀色)、以降のシリーズでは茶色となっている。MGS5で登場した幼少期の写真では父と同じく茶髪であり、こちらが地毛と思われるが、若白髪やファッションで染めているのかなどの詳しい設定は不明。またMGS2のデフォルメグラフィックでは灰色のまま(3Dモデルでは茶髪)であるため、上述の年齢も含めて2の開発段階で設定変更された可能性がある。
サルゲッチュシリーズには直接登場はしないものの、ハカセとも親交があるらしく、猿蛇合戦にてロイ・キャンベル(ハカセとはハイスクールの同期とか)は「ハカセの協力があってこそ彼の発明した兵器は完成した」と語っている。
また、MGS1時点では日本のゲームも嗜んでいたらしい。その設定もあってかスマブラXでの無線では対戦相手についても詳しく触れてくれるが、ピンクの悪魔に関しては恐ろしい生物と思い込んでいる様子。
関連項目
メタルギア メタルギアREX メタルギアMk.Ⅱ(Mk.Ⅲ)
メイ・リン ロイ・キャンベル ナスターシャ・ロマネンコ サニー 雷電 ドレビン
スナイパー・ウルフ エマ・エメリッヒ・ダンジガー ナオミ・ハンター
HAL研究所…名前の由来が同じ。