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ヒューイ(MGS)

ひゅーい

コナミのステルスアクションゲーム『メタルギアソリッド』シリーズの登場人物。MGSPWにて初登場した。
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CV:田中秀幸


本項はメタルギアシリーズのネタバレを含みます。

注意

このキャラは非常にアンチ・ヘイトが多く、まれに編集合戦が起こる可能性があります。

感情的な書き込みはせずに、編集は中立性を持ってお願いします。

人物像

ロボット工学の権威であり二足歩行兵器の開発者。元NASA宇宙工学技術者。

広島に原爆が投下された1945年8月6日生まれ。父親は核時代の口火を切ったともいえるマンハッタン計画の関係者で、原子核の専門家であった。

ヒューイという名はピースウォーカー計画で同僚でありライバルであった「ストレンジラブ」に付けられたあだ名で、彼女の後ろを付いて回る様子から映画「サイレント・ランニング」に登場するドローンの名前から取られている。

本名は不明。ただしファミリーネームは『エメリッヒ』であることが明かされており、初代MGS以降ソリッド・スネークの親友であり相棒であるハル・エメリッヒオタコン)の実父。


脊髄の異常から先天的に足が不自由で、PWの頃は自作の変形・四足歩行できる車椅子で移動していた。

この不自由な足から自立二足歩行ロボットの開発に強い執着を持つようになり、ロボット工学を志し、将来的には自分の足で歩けるようになることを夢見ている。

MGS3に登場していたグラーニンとは文通相手で、二足歩行技術は彼から託されたもの。

自身の脊髄異常についてヒューイ自身は原爆開発で多量の放射線被爆をした父の影響だと頑なに信じており、さらに少年時代のある出来事がトラウマとなっている事もあって、核兵器を嫌悪する気持ちは人一倍強い。


容姿は息子のハルによく似ており、眼鏡をかけて肩辺りまであるボサボサの頭をしているが、一方で顔立ちそのものは意外と似ておらず、端正な外見をしている息子に比べると、身なりもあっていかにも小汚ない科学者といった風貌である(少なくとも美形ではない)。

人格は一見穏やかだが小心者で負けず嫌い。また純朴な夢想家でもあり、よく騙される質。しかし内面では屈折した頑固さ、科学者としての執念のようなものも渦巻いていおり、純粋にアニメのようなロボットに憧れて科学者を志し、MGSの件で己の誤ちを悔いて以降、破壊兵器の開発から完全に手を引いた息子とはあらゆる点で真逆である。

なお、PWでは自作の電子たばこを吸っているが、これはタバコの煙による精密機器の影響を考慮してのこと。

スピンオフという名の技術模倣・盗用をよく行っており、たまに仲間からはその事を皮肉られている(この点も基本的にオリジナリティを大切にする息子のオタコンとは真逆である)。


劇中の動向

NASA以前

幼少の頃から母を含めた周囲の大人達に「お前の父親の開発した原爆によって、戦争が終わり、アメリカの多くの若者たちが死の恐怖から救われたのだ」と言われて育ってきたため、少年時代は純粋に父親を尊敬していた。

しかし、小学5年生の時に転校してきた日本人クラスメイトに見せられた原爆投下直後の広島の惨状を記録した写真集の内容に酷くショックを受け、これがトラウマとなって一転、自分の足の障害の因果は父にあるとも考えるようになり、以後は父と核兵器を憎悪するようになる。そして自らの先天的障害も父のせいだと考えるようになった。


1957年のスプートニク・ショックが刺激となって航空宇宙工学を志し、科学が戦争ではなく世界を良くするために使われることを夢見て16歳の時に飛び級でマサチューセッツ工科大学に入学。在学中にキューバ危機が起こるが、核抑止の概念を正しく理解していない世間が必要以上に騒いでいるのをどこか白けた気分で眺めていたという。

卒業後はNASAに就職し、米ソ宇宙開発競争の流れに乗って月面探査用の歩行システムの研究に従事。

しかし、1969年にアポロ11号計画で月面着陸を達成した後は、デタントの煽りを受けたことで核ミサイル研究へと回された。


そこでホット・コールドマンから歩行システム研究の業績に目をつけられ、CIAにスカウトされることになる。


MGSPW

コールドマンの掲げる「絶対的な核抑止による恒久的世界平和」という核抑止論に賛同し、ピースウォーカー計画に参加する。

機体制御用の「レプタイルポッド」と自立歩行兵器「ピースウォーカー」の躯体、ピースウォーカーのプロトタイプといえる各種AI兵器を開発に従事する。

自ら憎悪する核兵器の研究に敢えて参加したのは、核抑止による世界平和を達成することで、核開発によって狂わされた自分の人生が決して無駄なものではなかったことを示したかったためであった。


しかし、コールドマンがピースウォーカーの抑止力を実証するべく本当に核を撃とうとしたために意見が対立し、階段から突き落とされたところをスネーク(ビッグ・ボス)に保護され、その後CIAを離れMSFに鞍替えする。

その後は対AI兵器戦におけるアドバイザーや装備開発、またメタルギアREXの前身にあたるメタルギアZEKEの開発に携わる。 MSFでも相変わらず抑止論に固執しており、兵器開発やカズヒラ・ミラーがメタルギアZEKEに核を搭載してマザーベースを核武装する事を提案した時はそれを積極的に支持した。


ピースウォーカーのAI開発責任者であるストレンジラブ博士に片思いしていたが、気の強い彼女の雰囲気に気圧されてなかなか気持ちを打ち明けられないでいた。また当のストレンジラブもザ・ボス…引いてはそれを再現したAIにご執心であり、彼を憎からずは思いつつもその優柔不断な態度を嫌っていた。ならばとラブレターを使ってもみたが、その内容もかなり回りくどく、逆に彼女を怒らせることしか出来ていなかった。

しかし事件収束後、二人でMSFのマザーベースでビッグボス達と暮らすようになってからは、ストレンジラブとの会話で「自分1人で歩いてこれるようになったら相手をする」と前に踏み出すよう発破をかけられるなど、少しづつではあるが関係が進展していた様子だった。


MGSV GZ

ブリーフィングファイルに相当するカセットテープにて声のみ登場。

マザーベースが核を保有した事からIAEAの査察対象となってしまい(本来は国でもなく加盟もしていないMSFが査察対象となる事はない)、スネーク達が難色を示していた中、何故か彼等に事前に確認もせずに勝手に独断で査察を承諾した張本人である。これによってスネークやカズは今更断る事もできなくなってしまい、査察の話を前に進めざるを得なくなる。


査察対策で忙しいとはいえ、ストレンジラブがマザーベースを出て行ったのに対して何も反応をしていないなど、この時点で不可解な言動を見せている。


査察団の案内役も務めていたのだが、その査察団の正体は査察団に偽装されたサイファーの実働攻撃部隊XOFであり、こちらも「査察団の警戒を解く」として、ヒューイが予めマザーベースの兵士達に武装解除をさせていた為に、マザーベースは碌な抵抗もできないまま壊滅状態にさせられてしまう。さらにヒューイ自身はXOFを司令室に案内した後に音信不通となる。


そしてマザーベース崩壊後は、そのまま9年の間消息不明となっていた。


MGSV TPP

劇中での経緯

※ここでは劇中で描写された''事実のみ''を記述しています。ユーザーによる批評や解釈に関する記述は「ユーザーからの批評・解釈」の項目を参照してください。


【序盤~中盤】

MSF壊滅後はXOFの指揮官「スカルフェイス」の指示により、ソ連軍の拠点でサヘラントロプスウォーカーギアの研究開発をしていた。さらにスカルフェイスの下に渡る前は、サイファーの下でストレンジラブと共に後の『愛国者達』の代理A.Iの研究・開発に携わっていた。

しかし、サヘラントロプスが中々完成しない事で、焦れたスカルフェイスにサヘラントロプスを取り上げられそうになった事で、マザーベースに西側への亡命要請を行い、ミラーから依頼を受けたスネークによって救出される。

しかし、そもそも9年前の核査察に偽装したXOFを自ら独断で受け入れて惨劇を招いた挙句、何故か無傷で生き残り9年間サイファーやスカルフェイスの下にいた彼を、ミラーとMSFの生き残りのメンバー達は「MSF壊滅事件を裏で手引した裏切り者」だと疑っており、さらにスカルフェイスの目的などに関する情報収集の為に、リボルバー・オセロットから拷問同然の厳しい尋問を受ける事になる(しかし、上記のサイファーからスカルフェイスの下を渡り歩き、彼等の有する様々な重要な兵器・計画等に関わっていた事から、実際に彼は「声帯虫」「サヘラントロプス」「メタリックアーキア」と、本作の根幹を成す重要なキーアイテムの詳細を最初から知っていた)。

その後は証拠不十分のまま一先ずダイヤモンド・ドッグズでの預かりの身となり、部下達の勝手なリンチから保護する目的もあって、軟禁状態で兵器開発の任に就かされ、スネーク用ウォーカーギア「Dウォーカー」や多脚歩行戦車「バトルギア」の開発に携わった。


【自立歩行ユニットについて】

PWでは車椅子だったがVでは自立歩行ユニットを脚に外科的に装着、自立している。

自立歩行ユニットは閉鎖空間での活動を前提に開発されたらしく、電源は主に外部に依存しており、野外での活動時間は短いという欠点も持つ。

また、反応速度向上のために足の治療の外科手術を参考に足の骨に直に固定器具を装着しているため、衝撃が直に伝わる構造となっており、足の骨へのダメージが大きく、また骨にボルトを打ち込みすぎているためスポンジのようになっており、耐荷重固定器具がなければ体重が掛かるだけで骨が砕けるほどぼろぼろになっているという欠陥を持つ(万が一露出しているボルトが腐食したり錆びたりして強度が充分でなくなってしまうと、上記の通りちょっとした負荷で足の骨は復元不可能な程にズタズタになる)。

ちなみにこの自立歩行ユニットは関節をロックする事によって椅子代わりにもなり、その姿はさながら空気椅子である。


【スカルフェイスの殺害】

スカルフェイスとの決戦にて、スカルフェイスは瀕死の重傷を負った上、サヘラントロプスの残骸に体を挟まれ身動きが取れない状態となる。

殺してくれと頼むスカルフェイスに対し、スネークとミラーは彼の使っていた散弾銃で四肢を撃ち抜くもとどめは刺さず、死ぬまでその痛みを味わわせる形で復讐を果たし、その場を立ち去ろうとした。

そこへヒューイが急に接近し、散弾銃を拾い上げて発砲。スカルフェイスにトドメを刺して、「仇を討った」と歓喜する。

このようにヒューイもまた、スカルフェイスへの報復心にとらわれていた一人であったかのように描写されている(一方で、ヒューイの言う「仇」が何を指しているのかは不明である)。

ただしその行動は、早く殺して楽にしてくれと頼むスカルフェイスにとってはむしろ救いとも言えるものであり、報復という行為が結局は自己満足である事を体現している。

この場面は、「スカルフェイスに死より辛い痛みを長く味わわせる事で復讐を果たすも、決して浮かばれないスネークとミラー」と「スカルフェイスを一瞬で殺して復讐を果たし、歓喜するヒューイ」という対比になっている。

また同時に、MGS4で結局エマの仇であるヴァンプにトドメを刺す事を最後まで躊躇った、息子のオタコンとも対照的な場面だと言える。


【子供達の脱走とサヘラントロプスの修理、息子への言及】

スカルフェイス打倒後、それまでDDで保護していたイーライをはじめとする元少年兵達が武装蜂起し、過去の戦闘による破損でまともに動かせなかった筈のサヘラントロプスを奪って脱走する事件が発生する。

ヒューイへの尋問により、彼が子供達にサヘラントロプスの修理方法を教えていた事が発覚する。

ヒューイ曰く、「質問に答えただけだ」「直せると思うわけがない」「子供があれを操るのは無理だった」との事だが、オセロット達は「ヒューイが子供達にサヘラントロプスを修理させた(ヒューイはサヘラントロプスへの執着から、今度こそ自分の技術でサヘラントロプスを歩かせたかった)」と考える。


またこの尋問にて、息子のハルを使ってサヘラントロプスの起動実験を行っていたという過去が明らかになる。

オセロットは「ヒューイは自分の子供にサヘラントロプスを操縦させ、実験に使った」と考えたが、一方でヒューイは「自分で乗りたがった」「わずかな時間を一緒に」「幸せだった」などと述懐している。何故ハルがサヘラントロプスの操縦を試みることになったのか、具体的な経緯は作中では明かされていないが、サヘラントロプスは2足歩行を可能とするようにAIを搭載した結果、コックピットが圧迫されて「小さな子供くらいしか搭乗できない」大きさになっており、有人で起動実験を行うとすれば、当時4歳の子供だったハルを使うしかないという事実がある。

そもそもヒューイはそれ以前は、「息子は生まれてすぐにスカルフェイスに取り上げられた」「顔も見た事がないし、男の子だという事をストレンジラブに聞いただけ」と供述しており、証拠の音声記録を突き付けられてから、上記の主張に変えるなど全く主張が安定していなかった。

オセロットは、このような弁明をするヒューイに対して「相手によって嘘を変え 隙間だけで生きている」「都合のいい真実を重ねて それももう気にしなくなっている」「そんな自分にお前自身が気付いていない」「お前は加害者だ 自分がかわいい偽善者だ」といった言葉を投げかけており、ヒューイが嘘を重ねて自分を被害者のように見せようとしている偽善者だと指摘している(なお、これらの言葉のいくつかは、自覚的に・あるいは自己暗示によって嘘を重ねているオセロット自身にも通ずる部分もある)。


声帯虫の突然変異化

マザーベースの隔離プラットフォーム内で、発症を抑える事に成功していたはずの「声帯虫の感染者達」の中から、声帯虫が突然変異を起こして発症し、多くの人員が犠牲になる事件が発生。

スネークが感染者達ごと声帯虫を駆逐したことで、声帯虫の感染拡大、世界中への拡散(感染者が外に出て鳥についばまれる)という最悪の事態は防がれた。

この際、ヒューイは仲間達を殺害していったスネークの所業を非難している。


声帯虫が突然変異を起こした原因は、感染者への検査装置から本来は必要のないβ放射線も照射されていた為であり、その検査機の導入を決め、検品を行ったのはヒューイであった(オセロットは、身勝手にも確証のない声帯虫の治療法を試みた結果が、突然変異を招いたと推測している)。

実際にヒューイはマザーベース内で、サイファーと繋がりのある企業のしかもそこに所属する声帯虫の開発者である人物や、さらにこの時点でサイファーに指揮権が回復したXOFの事実上の指揮官になっていた人物と密かに連絡をとっていた事が、基地内の通信記録や電波傍受や、後にコードトーカーとの会話等の音声テープで明らかになっている。

オセロット達は、ヒューイはマザーベース内で声帯虫を突然変異させる実験を行い、突然変異によって凶暴化した声帯虫、あるいは声帯虫の新たな治療法を見つけ出して、その実験結果や声帯虫のサンプルを交換条件に、サイファー側に自分の身柄を保護させる予定でいたのだと推測した。


【ヒューイの裁判と追放】

声帯虫の突然変異化の事件をきっかけとして、かねてよりDDスタッフ達が抱いていたヒューイへの不満や疑念が限界となり爆発、ダイアモンド・ドッグズ内はヒューイへの恨み(報復心)でリンチの実行寸前まで荒れることになる。

これに対しヒューイは、ダイアモンド・ドッグズの事を「外から見ればただの愚連隊、反政府組織、武装集団、テロリスト、秩序のない危険因子」「君達はただの悪者だ」と強く非難する。

この“君達は”という発言により、ヒューイはDDの仲間ではないという見方が決定的となり、墓穴を掘る形となった。そしてミラーの判断で、ヒューイの罪状について十分な証拠を整えた上で、後日裁判を決行する事となる。

ヒューイはDDの面々を、幻(ファントム)を見ている異常者達だと非難。自分達が野良犬で孤独だからこそ、自分が生きている価値が欲しくてD-Dogやビッグ・ボスなど、何かにすがろうとし、皆一人だからこそ仲間を疑うのだと言う。また、その点については自分もまた同じであり自分も仲間なのだと悟ったようになり、「目を覚ましてくれ」「戦争や暴力からは平和は生まれない」と周囲に訴えるが、今更その言葉は誰にも届く事はなかった。


裁判が決行され、ミラーはヒューイの罪状の証拠として、敵基地より回収したかつてピースウォーカーに使われていた、ハイブリッドAIポッド「レプタイルポッド」に残されていたストレンジラブの音声記録を提示する。

音声記録からは、ヒューイにポッドの中から開けるよう乞い願うストレンジラブの声が再生され、ミラーは「ヒューイは実の息子をサヘラントロプス操縦の実験台にし、母親であるストレンジラブは我が子を匿い、怒ったヒューイはストレンジラブをAIポッドに閉じ込めた」のだと断定。

一方ヒューイは「あいつは自分からポッドに籠った」「あれは自殺だ」と否定した(ただし、それ以前は「ストレンジラブはスカルフェイスに殺されて、遺体を自分がポッドの中に保存した」と主張しており、音声テープが公開されてから上記の主張に変えている)。

ミラーは、AIポッドのヒューイ自身がこれまでのヒューイの罪状を全て喋ってくれた、調査の結果、ヒューイがマザーベースに来てからのことは「全てクロだ」と結論付け、裁判は決定的なものとなる。


最終的な始末のつけ方はスネークに委ねられ、スネークの判断によって処刑こそされなかったものの、ゴムボートに僅かな食料と共に載せられてマザーベースを追放された

追放時の去り際には、最後まで「僕は悪くない」と訴え続けていた。

またこの時、重量でボートが沈みかけたため、慌てて自立歩行ユニットを海に投げ捨てている。

それ以前に作中で、「命より大事」だと言っていた自らの脚すらもあっさりと投げ捨てて去っていったその姿は、「自分の脚で自立した人間になれ」とストレンジラブから発破をかけられた前作のラストに対する、最悪の解答とも言える惨めな最後だった(オセロットからは「既に無くしたファントムすら捨てた」と評された)。


【ストレンジラブとの関係】

ストレンジラブとは恋が実ったらしく、スカルフェイスに協力していた頃には二人の間に息子のハルを授かっている(ただしAIポッドに遺された音声記録によれば、ストレンジラブが子供を出産したのは、自分の血とザ・ボスの意志を継いだ「自分とザ・ボスの子供」が欲しかったためであり、父親は誰であっても関係なかったとしており、これが当初からの考えだったのか、狂っていくヒューイに失望して、そういう考えに逃避するようになったのかは不明である)。


前述の通り、彼は年端もいかないハルを、サヘラントロプスのテストパイロットと称して搭乗実験の実験台にした為にストレンジラブの怒りを買い、何処かへとハルを隠されてしまった(AIポッドに遺された音声記録によれば、狂った父親からあの子を引き離した、との事である)。

小説版では、オタコンはこの実験台にされた時の事を朧げながらに覚えており、狭い場所(おそらくサヘラントロプスのコックピット)に入るよう、恐ろしい形相で自分に強要する父・ヒューイの姿など、幼少時のトラウマとして今もどこかに残っているらしい(実験の様子も朧げに語られており、当時のオタコンは実験後は毎回病院送りになっていたなど、かなり苛烈な実験を行っていた模様)。


その後ストレンジラブは、AIポッド内に何らかの経緯で閉じ込められ、衰弱死する事となる(ただしAIポッドの音声記録によると、ストレンジラブ自身はポッドの中から出ようと思えば出られたのだが、自分がゼロの計画に加担した事によるザ・ボスへの贖罪として自ら死を選んだ模様)。


ストレンジラブがAIポッドに閉じ込められた経緯について、ミラーは「怒ったヒューイがストレンジラブを閉じ込めた」と断定しているが、ヒューイは「彼女はAIに否定的だったスカルフェイスと口論になり、スカルフェイスの怒りを買って殺され、遺体は自分がポッドの中に保存した」、「自分からポットの中に入って自殺した」などと証言しており、真相はプレイヤーの解釈に委ねられている(ポッドの音声記録についても、後半のストレンジラブの独白の記録は間違いなくストレンジラブ本人が自分の想いを残したものだが、そこに至るまでのポッドに入るまでの経緯の部分の音声は安定していない部分も多く、100%真実の内容と言えるかは定かではない)。

一方で、上記のヒューイの証言を見ても分かる通り、このストレンジラブの件に関しては主張が場当たり的にコロコロ変わっていて全く一貫しておらず、何か本人的にはあまり知られたくない事があったのは間違いない(最初にストレンジラブの名前を出された時に、思わず「あんな奴」と口走って、それを突っ込まれると慌てて否定するなど、ストレンジラブに何らかの悪感情を抱いていたのも間違いない)。

また、自分の妻の遺体が入ったAIポッドを、その事を分かった上で自身の研究所に長らくそのまま置いていた辺りに、ヒューイが既に正気を失っている事が窺える。


ユーザーからの批評・解釈

【否定的な解釈】

作中では一貫して全ての容疑を否認しており、「自分は何も知らなかった」「自分は善意でやっただけだ」「悪いのはスネーク達だ」などと口を開けば自己正当化の言い訳や他人への責任転嫁ばかりをしている。しかも「自分は核武装には最初から反対してたのにスネーク達が強行した」などと明らかにPWの頃と矛盾した発言もしている。

その一方で自分が仲間であるとことあるごとに主張し、挙句の果てにはスネーク達によって瀕死状態にされたスカルフェイスを殺害し、仇を討ったと周囲にアピールしながら、空々しくはしゃぎ回る一幕もあった。 上記の変異型の声帯虫が蔓延し、スネークが感染者達を除去して回った時も彼1人だけスネークの事を責めたてていた(マザーベースやひいては世界への声帯虫の拡散を阻止する為に1人で全てを背負って手を汚した彼を責める筋合いは当然ながら誰にもなく、ましてや原因の一端であるヒューイにあるはずもない。実際にヒューイ以外は誰もスネークを責めてなどおらず、むしろカズはスネーク1人に背負わせた事を心から悔いていた)。

またサヘラントロプスの在処やメタリックアーキアの存在、スカルズ等に特殊な寄生虫を用いていることや声帯虫のこと等、様々な情報を意図的に隠しており(おそらくすべて話してしまうとミラーやオセロットにより捨てられると判断して出し惜しみした為か)、スネークらの知った情報に対して補足するように後出しで情報を出すので、とても信用できない印象を強めていた。


上記のようにPWの頃と比べると身勝手で凶悪な面が強くでており、その姿は典型的なマッドサイエンティストのそれである(PWの時点でも、パスの裏切りの最中で皆がパスを思っている中、ヒューイだけジークの心配していて、セシールから突っ込まれたりなど、どこか周りの空気を無視して自分の主張を押し出そうとする傾向はあった)。

また、核保有に関してもPW時にはスネークを信頼した上で保有に賛同していたが、上記の通り本作では核を持つ武装組織は危険であると当初から主張していたと、PWとは矛盾した発言をしている(ヒューイ自身は知らなくとも最初から予定されていたピースウォーカーの核発射と違い、再び抑止力として作ったジークが利用されて核の危険を招いた、そしてボスが時代への規範に挑む中で再び核が使われるのではないかと言う疑念を抱いたことにより意見を変えたという可能性も一応はある)。

かつては平和のための科学の利用を求めていたが、サヘラントロプスは利用目的や核の搭載よりも、まともに動かないはずの自分の開発物が自分抜きで稼動している上に、他人の手にある事に対する憤りの方が強く、Dウォーカーは自身の発明物に勝手に手を加えられてウォーカーギアとなった事に対する怒り、バトルギアは開発の経緯がDD内にて自身の立場を良くするためと、保身と執着のみが強くなっており、サヘラントロプスやメタリックアーキアを用いた核作成キットに対してもほとんど反応を示していなかった(PWの頃はコールドマンに騙された怒りやピースウォーカーを核を発射した兵器にさせない、核の使用による自分のような被害者を出さないと言う面が強かった。 しかし一方で自分が作った兵器への執着、それが自分の意に反した使われ方をする事への反発という傾向もこの頃から確かにあった)。

そしてDDへの亡命も、ビッグボスの元へと戻る為の救助要請ではなく、サヘラントロプスの開発がうまく行かずに扱いが悪くなりつつあるが故の亡命であった。

この自己保身のみしかない姿は当然ながら作中の多くのキャラからも反感を買っており、あのスカルフェイスですら「腐った男」と評して嫌悪しており、「仲間達から罰を受けろ」と吐き捨てていた。



【精神障害説】

一方で、作中では本気で自分は無実だと思い込んでいる節もあり(実際、相当量の自白剤を投与されても供述を覆していない)、オセロットからは「もはや自分でも自分が何をしたのか、何をしているのか正しく把握しきれていないのでは」と指摘されているなど、その言動と行動の乖離から解離性精神障害を患っている可能性も作中で示唆されている。

自分の招いたXOFによるMSF壊滅が自身の予想を遥かに上回る惨状だったために、その罪悪感に押し潰されてしまったことが精神の失調を招いたのではないかという考察もなされている。



【肯定的な解釈】

一方で、ヒューイは本当に無実だった(スネークを裏切るつもりは無かった)のではないかという説も存在する。

というのも、作中でスネーク(プレイヤー)が受け取る「ヒューイの悪事の証拠や証言」はオセロットかミラーを通じて「◯◯はヒューイの仕業だ」という形で情況証拠ばかりが口頭で語られるのみで、彼の犯行であることを決定づけるような具体的な描写が一切存在せず、それどころか明らかに意図的にぼかされているためである


ストレンジラブ殺害の件については、仮にヒューイがストレンジラブをAIポッドに入れたのが事実だとしても、どこまで殺意があったかは不明。

「ストレンジラブはAIに否定的だったスカルフェイスの怒りを買って殺された」というヒューイの証言(ヒューイがストレンジラブを殺すことを強要されたか、あるいはストレンジラブが為す術なく自殺を選んだか)がもしも真実であるならば、彼が瀕死のスカルフェイスをわざわざ自分の手で殺害するほどの報復行為を行ったことや、「仇を取った」という発言の理由としては妥当である。

※ちなみにスカルフェイス殺害および「仇を取った」という発言の理由は他にも、自分の潔白をミラー達にアピールするために「(MSFの仲間達の)仇を取った」という解釈もでき、また前述の「ストレンジラブの仇」という意味も含めて両方の意図があったという解釈もできる。


サヘラントロプス修理と子供達の脱走の件については、子供達に修理方法を教えた事は認めているが、「まさか本当に子供に直せるなんて思わないだろう」「子供があれを操るのは無理」というある意味当然の意見を言っている。

実際、サヘラントロプスを子供であるイーライが操縦できたのは第三の子供の力によるところが大きく、ヒューイが第三の子供のことをどれだけ知っていたかは不明。

ちなみにサヘラントロプスをわざわざ回収してマザーベースに据えたのは「自分達が生きていた象徴にするため」というスネークの独断であり(サヘラントロプスをプラットフォームに固定するためスタッフ達にはかなりの無理をさせており、ミラーからもその必要性に疑問を持たれるほど)、またイーライを含む子供達をDD内で保護・教育することに積極的だったのはミラーであり、結果的に今回の事件の責任はスネークにもミラーにもあったと言える。だがスネークはその絶対的な立場ゆえに責任を追求される描写は特になく、逆に立場の弱いヒューイは責任を強く問われる形となっており、ヒューイが圧倒的に不利な環境下にあることが如実に表れている。


声帯虫の突然変異の件については、搬入時の検査で怪しまれるような、声帯虫を変異させてしまいかねない装置を見逃される等、拷問まがいの尋問を受けるほどに怪しまれている割に暗躍できているが、拷問により放っておいても動く上に、切り捨てても困らない駒としてミラーとオセロットが後述する内部統制の為に見逃しつつも、被害が大きくならないようコントロールしていた、という可能性もある。

声帯中の検査装置の検品という「責任の重い仕事」をなぜヒューイに一任させたのか、ヒューイにその仕事を任せたこと自体に責任は無いのか、といった点については疑問の余地が残る。

ヒューイが「声帯虫の突然変異の実験結果を交換条件としてサイファーに身柄を保護してもらおうとした」のが事実だとしても、何者かが裏で糸を引いていて、ヒューイがそういう行動に出るように工作をしていた可能性もまた否めない。


その他にも

  • 先述の相当量の自白剤を投与されても供述を覆さなかったこと(ただし、オセロットによる命の危険すら伴う拷問の場合は、それまでの自白剤を用いた尋問では「知らない」としていた情報を白状している為、自白剤があまり効いていなかったのは間違いない)
  • 声帯虫の放射線での変異は、危うくヒューイ自身を含め世界中に変異型声帯虫が拡散しかけた事からわかるように、方向性を狙ってできるものではないうえに手土産にできるようなものができない可能性があること(専門外とはいえ、それなりに優秀な科学者であるヒューイがそんな簡単なことに気づかないというのも疑問だが、一方で一刻も早く保護してもらう為にとにかく何がしかの変異を手っ取り早く起こそうとした結果、想像以上の大惨事になってしまったのではという考察もある)
  • 本作が情報統制・扇動政策・洗脳社会の恐怖を描いたディストピア小説『1984年』を裏モチーフにしていること(劇中のマザーベースのポスター等からもDDを「オセアニア」、スネークを「ビッグブラザー」に見立てていることは明らか)
  • 最終エピソード「世界を売った男の真実」に意味深に現れる「 事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである 」というニーチェの言葉

等といった要素から、ヒューイ自身は本当に無実で、オセロットとミラーによって組織の内部統制を図るために仕組まれた陰謀のスケープゴートにされたのではないかという考察もある。つまり、ヒューイを弁護のしようの無いほどの裏切り者に仕立て上げることで、DDの兵士たちの意思を彼に対する敵意や報復感情で一つにし、結束を強めさせるという筋立てである。

その場合、たとえ完全に無実でなかったとしても実際に犯していた行為が全てDDに敵対目的であったかのように虚実織り交ぜて巧みに印象操作されていたということも考えられる。

マザーベースで行われた裁判で、ヒューイが嘘をついている証拠としてAIポッドに残されていたストレンジラブの音声記録をミラーが提示しているが、これもあくまで「ヒューイがストレンジラブをAIポッドに閉じ込めて衰弱死させた証拠」でしかなく、「ヒューイがスネーク達を裏切ろうとしていた証拠」にはなり得ない。即ち、DDの兵士たち(及びプレイヤー)にヒューイへの悪印象を植え付けるための印象操作である。

また、ミラーは「全部 ポッドのお前自身が喋ってくれた」といった発言をしているが、そのような明確な証拠を本当に入手していたのであれば、それを流せば済む話なのにもかかわらず、ミラーが流したのはストレンジラブの音声記録のみであり、本当にヒューイの音声記録を入手していたのか疑問が残る。



【ヒューイ=小島監督のメタネタ説】

MGSVのヒューイが途中から本作の産みの親である小島秀夫監督の愛用しているものと同モデルのメガネ(『J.F REY』)を身に着けることや、小島監督がメタネタを作品に盛り込む演出手法をたびたび用いることも併せて、「制作当時の小島監督がコナミ内部に置かれていた時の心情・状況をヒューイに自己投影したのでは?」という大胆な解釈も存在する。

この解釈においては、最後にボートで追放されようとする彼が呻いた「まともなのは僕だけか?」という台詞や、ヒューイにとって最大の屈辱が「自分の開発物が他人の手によって意図せぬ使われ方をする事」である事が、非常に意味深なものとなる。



その他・総評

たとえヒューイがシロであるとDD内で認められていたとしても、DDに対し自分を外に置いた発言、人を殺すための兵器を抑止論ありきとはいえ、積極的に作ってきた自分自身を無視して人殺しと言う(そもそもこれについては、それ以前に自らの手でスカルフェイスを殺害している為に、本当にブーメランでしかない)、自分はDDの仲間ではないというおそらく本音と思われる発言をしてしまった事などから、隊員と軋轢が生じるのは避けようがなく、遅かれ早かれいつかは出ていく事になっただろうという意見が根強い。

また、仮にヒューイが裏切り者でないとしても、だとしたら作中で結果的にやらかした事は許されるのか?という問題もある(やった事だけを見ても、組織を複数回にも渡って壊滅の危機にまで追いやっており、到底知らなかった、悪意はなかったで済まされる範疇など超えている)。


そもそもシロであるかクロであるかにかかわらず、ヒューイ側にも実際に見過ごせない問題は多い。

  • 上記のサヘラントロプス、メタリックアーキア、寄生虫や声帯虫の情報を隠していた件については、これだけで利敵行為と取られても仕方がないという指摘は少なくない(実際にこのせいで作中でDDはスカルフェイスに対して大きく後手に回ってしまっており、結果的にマザーベースの兵士やスタッフに多大な被害や犠牲を齎している)。
  • どこまでクロかシロかはともかく、少なくとも組織の中において勝手な行いをして、大なり小なりその結果が大惨事や悲劇に繋がったにもかかわらず、自身の罪や責任に対しては一貫して言い訳や他人への責任転嫁ばかりで、反省や後悔をしている様子は全く見られず、自分の責任からは完全に逃げている(少なくともヒューイにも一定以上の責任があった事は言うまでもない)。
  • 印象操作もあったのだとしても、実際にストレンジラブとハルの件や作中での言動など、ヒューイが既に精神的におかしくなっている事は疑いようもなく、人間性に大きな問題があるのも明らかである。たとえ本当にシロだとしてもこのような人間を信用できるのか、一緒に仲間として関係を続けられるのかと言われればそれは不可能としか言いようがない(今後また同じような大惨事を招かない保証はなく、同時に今後本当に裏切らないという保証もない)。

これらの事からヒューイはクロかシロかに関係なく、またスケープゴート等の思惑を別にしても追い出されたこと自体は当然の判断だったという意見は、ヒューイ無実派・擁護派の中でも非常に多く、基本的にヒューイ関連の議論は最終的にはここに落ち着く事が多い。


実際にDD内のスタッフ同士の会話では、スネークがヒューイを追放した件について「ヒューイは殺されて当然の男だった」、「だが、スカルフェイスが死んでも次の矛先を捜しているミラーのようにはなりたくない」、「その点ボスは冷静だった」と評されており、最終的にはこれが全てだとも言える。


またヒューイの経歴に繋がるヒントも散らばれていたりする。


  • スカルフェイスはヒューイを利用してマザーベースを崩壊へと導いた。ストレンジラブは不在。スカルフェイスとストレンジラブはどの様な関係か?
  • ハイブリッドAIで研究をしようとしたストレンジラブとヒューイ、スカルフェイスは何を思ったか?
  • XOFの管轄下で育てられた息子のハル、スカルフェイス達は何を思ったか?
  • ストレンジラブは、ハルを何処に身を預けたか?
  • DARPAから召集されたストレンジラブサイファーから離反したスカルフェイスヒューイと息子の三つ巴の関係は、どの様な環境下であったか?
  • ヒューイはストレンジラブをレプタイルポットへと閉じ込めた、その理由は?
  • ストレンジラブはDARPAに召集されたが、事故により主任を外される。“事故”とは何か?
  • “DARPAのシギント”と、“声帯虫の開発者であり、コードトーカーに託してしたその研究データを欲していたATGC社のパラメディック”は、ヒューイと繋がっていた事が音声テープからも分かる。どういう理由で繋がっていたのか?また、遺伝子技術に関して全くの素人であるヒューイは、パラメディックと何の会話をしていたのか?
  • 世界中で唯一声帯虫が存在する(と思われている)のはマザーベースのみである。そして、声帯虫の研究を行なっていたパラメディックは、そのマザーベースにいるヒューイにコンタクトをとった。パラメディックの目的は何か?ヒューイは何を思って声帯虫に手を出したのか?目論見は何だったか?
  • ヒューイはどうやって息子と再会できたか?

これらのヒントに迫れば、真相に近い答え(解釈)が得られるかもしれない。

シロかクロか、明確な答えを示さぬままMGSVは物語の幕を下ろし、それらはプレイヤーの『解釈』に委ねられる。


しかし、いずれにせよその真相を誰よりも知っているのは他の誰でもないヒューイ自身であり、オセロットは最後に、「どれだけ自分を騙してもいずれは自分がどんな人間か気づく」「自分の生き方は"誰でも"自分自身に返ってくる」という言葉を述べている。

そして自らの罪からも自分自身からも逃げ続けた男はその後、その言葉の通りの悲惨な末路を辿る事になる。


その後

経緯は不明だが息子のハルと再会して再び暮らし、別の女性と再婚し、連れ子のエマを新たな娘として迎えた。

しかし家庭は円満とは程遠く、研究の行き詰まりなどでさらに精神状態を悪化させてしまい、ハルに対しては半ば育児放棄も同然に扱っていた(このせいで他人からの愛情を求めていた当時のオタコンは、同じ境遇だった義妹のエマと擬似的な恋人関係を作って互いを癒していた)。

その末に息子のハルに妻が肉体関係を迫った事で完全におかしくなり、義娘のエマを道連れにして自宅のプールで入水自殺を図り、死亡している。

この件でエマは一命こそとりとめたものの、水に対して重度のトラウマを抱えるようになり、ハルは家を出る事になり家庭は完全に崩壊した。


MGS2の小説版サブスタンスⅡでは、ハルの少年期の家庭環境についてより詳しく掘り下げられているが、その環境はまさに劣悪そのものであり、とりあえず生活環境さえ整えればそれでいいと考えている典型的なネグレクト親そのものである。少年期のハルは父・ヒューイから全く愛情を受けずに非常に孤独な環境で育ち、それ故に他者からの愛情を求めてハッキングやエマとの擬似恋愛の形成、義母との過ちに繋がっていったという経緯がかなり生々しく描かれている。

ちなみにこの時点でも、かつて自身が手掛けたメタルギアの資料などを持っていたようだが、過去の経緯からかその資料に他人が触れる事を極度に嫌っており、子供のハルが見つけた時ですら激怒して、さらに冷たくあたるようになったとの事。


余談

彼のキャラクター像のモチーフはおそらく妻のストレンジラブの名前の由来にもなった、映画「博士の異常な愛情」のストレンジラブ博士だと思われる。

彼は「車椅子に乗った精神に異常をきたした博士」という割とまんまなキャラクター像である。


実はヒューイ以外にもメタルギア建造に関わった人物が後年に現れ、同じくロボット工学の科学者「ドラゴ・ペドロヴィッチ・マッドナー博士」がいる。その人物はヒューイと同じくロボット工学に長けた研究者でビッグ・ボス率いるアウターヘブンに娘と共に拉致されて自分の意図せぬメタルギア開発をさせられていたが、アウターヘブン蜂起事件後に助けられたものの、ロボット工学に狂気的なまでに執着し西側諸国の学会にはその研究が過激ゆえに学会を追放された。そしてザンジバーランド騒乱でも目を付けられたのか再びメタルギア開発をさせられていた…が、実はビッグ・ボスの思想に共鳴していた事・追放した学会への復讐心でメタルギア改Dを建造していたのが判明する。そしてさらに後年にザンジバーランドで死んだと思われていたマッドナー博士は東欧に隠棲していた事が判明する。ヒューイの息子・ハルによれば「アングラに属する科学者」として知られている様子。


ヒューイが途中からかける眼鏡はヒューイに使用される前からデータが存在しており、GZの小島監督救助のミッションで彼自身がかけている。


MGSPWのキャストインタビューにて田中秀幸氏がヒューイを演じる上で、「若い頃のオタコンのつもりで演じて欲しい」「(オタコンが成長していくにつれて大人になっていくのに対して)最初に出て来た頃の情けないオタコンの感じでやっていただければ」と制作側から言われたと述べており、少なくともこの時点のキャラクター造形は、息子の方とあまり変わっていない事が窺える。

その後の顛末が何故分かれてしまったか、と言うのを踏まえて考察してみると面白いのかもしれない。


その後2019年にMGSV:TPPの台本とされるファイルが流出し、その中にあったヒューイの心理描写から「ヒューイはクロで確定」とされることが多くなった。

しかし、この流出ファイルから読み取れる設定がリリースされた完成品にも同じように適用されているとは断定できないため、これを「確たる証拠」と言えるかは微妙なところだろう(もちろん、ヒューイがクロである可能性が大幅に高まったのは間違いないが)。


ちなみにこのようなキャラクターである為か、公式でもぶっちゃけ冷遇されており、大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALでは、息子のオタコンや義娘のエマ、妻のストレンジラブを初めPW~Vで登場した主要キャラも多数スピリッツとして参戦している中で、彼だけが省かれている(彼が作ったメタルギアZEKEやサヘラントロプスすらも、何故かスピリッツ参戦しているのに...)。


関連タグ

MGS MGSPW MGSV

ピューパ クリサリス コクーン

メタルギア ピースウォーカー メタルギアZEKE メタルギア・サヘラントロプス

ハル・エメリッヒ ストレンジラブ ビッグ・ボス


科学者 マッドサイエンティスト 人間のクズ 毒親

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