概要
CV:桑島法子
マサチューセッツ工科大学出身のアメリカ軍のデータアナリストで、ソリトンレーダーやバースト通信の開発者でもある。中国系アメリカ人(華僑)で、漢字表記は「美玲」。
幼少期から空を飛ぶ事に憧れており、パイロットを志望してMIT在学時に空軍のROTC予備役将校訓練課程)を受けていた。しかし視力が低かった為に、それをコンタクトレンズを使って誤魔化していたのだが、訓練中に事故を起こした事で断念せざるを得なくなる。
その後は、パイロットになれなくとも共に空を飛ぶ事が出来ると、情報分析とデーター処理の専門家となった。そしてそこで才能を開花させ、CIAやDIAから依頼を受けるデータアナリストとなる。
生まれも育ちもアメリカだが国籍は中国であり、その為に故郷の文化や言葉などに興味を持って色々と調べた結果、中国の故事や諺などにもかなり精通している。
劇中での活躍
METAL GEAR SOLID
シャドーモセス事件でソリッド・スネークのサポート役の一人として参加する。
当時はまだ10代の学生であったにもかかわらず、通信データの処理と作戦の記録を担当するオペレーターを務めていた。同作ではセーブ係も担当しており、セーブ時にはスネークに対して様々な中国にまつわる諺を教えてくれる。しかし、逆にセーブの際にひたすら「セーブをしない」を選び続けているとやがて怒りだして、挙句の果てにはスネークに「べ〜ッ!」と悪態をつく。
また海外版や完全版インテグラルでは、セーブの時の諺は、ド・ゴールの格言やシェイクスピアの作品からの引用にローカライズされている。
様々な思惑が錯綜し、何かと殺伐としている本作における数少ない癒しキャラであり、あらゆる登場キャラが信用できない本作において、オタコンやナスターシャと並んで最初から一貫してスネークの味方でいてくれるサポートキャラの一人である。その為に、人間不信になりかけていた多くのプレイヤー達が、最早彼女と話す事を目的に事ある毎に積極的にセーブを行ったという。
事件終息後は、シャドーモセス事件のデータをハードコピーして事件関係者の保険としている。
またシャドーモセス事件での活躍の評価、それに加えてキャンベルのコネもあって、SSCEN(陸軍兵士システムセンター)に配属されるが、そこでデータアナリストとして働く上官であるシュルツ准将とそりが合わずに苦しむ事になる。
自身が集めたデータの正確性を証明する為に、スネークと共に潜入を行うのだが、潜入前の訓練ではROTCの経験こそあっても実戦経験の乏しい知識先行をスネークに注意され、潜入時にも足を引っ張ってしまい、帰還後には潜入時のある出来事で苦しむ事となってしまう。
さらに『メタルギアソリッド インテグラル』では、何とメイ・リンを写真撮影できるモードが存在する。
クリア難易度によって撮影位置が決まっているが、それ故にインテグラルではメイ・リンのポリゴンモデルが存在する。
METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY
本作では直接登場はしないものの、スネークやオタコン(ハル・エメリッヒ)やナスターシャ・ロマネンコらと共に、反メタルギア財団「フィランソロピー」を結成しており、その一員として密かにSSCENにおいて開発された(あるいは自身が開発した)装備品等を、スネークの為に裏で横流しをする事で、彼等の活動を影から支援している(オタコンとは定期的に連絡を取り合っている模様)。
なおスネークからは横流しの件は、いずれバレる前に手を引くよう忠告されていた。
なお序盤のタンカー編においては、オタコンに事前に中国の諺に関する資料を渡していたらしいのだが、セーブを続けると彼の適当な諺解説に業を煮やして、通信に本人が乱入してくる。
登場シーンはここのみである。
スネークテイルズでは、別の次元の彼女が登場する(何とソリダス・スネークと恋人関係のようである)。
ちなみにPS2でのMGS2の開発にあたって人物のポリゴンモデルの試作としてメイ・リンがテストモデルとして作られていた。おそらくはインテグラルのものが元だとされる。
METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS
いよいよ満を持して遂に再登場する。
本作の時点では、シャドーモセス事件に関係した事や、上記の潜入の件もあって他の関係者同様に閑職に追いやられてSSCENの職を追われており、アメリカ海軍で仮想訓練用艦の指揮官として戦艦ミズーリに配属されて、若くして艦長となっている。
左遷とはいえ、年齢に不釣合いな大出世だとスネークからは驚かれていたが、オタコンから海軍の提督に取り入って、彼に気に入られたコネである事が示唆されている。また、何気に空軍→陸軍→海軍とそれぞれにまつわる機関を渡り歩いており、そういう意味でもなかなか異例の経歴となっている。
ミズーリはSOPシステムを導入していない、ただの現役を引退した練習用訓練艦に過ぎなかったのだが、それ故にリキッド・オセロットのSOPシステム掌握の影響を受けなかった為に、米軍が使用できる唯一の戦力となっていた。
作中では、オタコンが送ったデータを元に衛星画像などと照らし合わせて、リキッド達の動きを追い、さらにはアウターヘイブンにスネーク達が突入する際にはミズーリで艦隊戦を挑み、艦上で指揮を執って彼らをサポートする。またこの際には、部下の新兵を鼓舞するなど、艦長らしい立ち振る舞いも見せており、歳若い上に経験も充分とは言えないにもかかわらず、意外にも部下達からは慕われているようである(シャドーモセス事件の関係者という事で、一目置かれているのかもしれない)。
なお、早い老化現象で身体機能の低下に悩まされるスネークを何かと気に掛けており、とあるシーンではスネークの肩に手を置き、無言のまま意味深に見つめる様子がある(余談だが、背後に居たジョニーが思わず尻に手を伸ばそうとしてメリルに叱責された)。
事件収束後は、メリルとジョニー佐々木の結婚式に出席し、ロイ・キャンベルとメリルの親子の和解を見届けて涙ぐんでいた。
そしてその後は、メリルのブーケトスをドレビンのペットの猿の「リトル・グレイ」に横取りされてしまい、それに憤慨する姿も見せていた(その様子からも一応結婚願望はある模様)。
余談
声優の桑島法子氏は、メイ・リンが登場しないMGS3では、医療担当兼同じくセーブ担当のパラメディックを演じている。ただし、パラメディックは3の時点で、既に衛生兵としての経験もかなり積んだベテランかつ大人の女性兵士だった事もあって、声の演技等はメイ・リンの時とはかなり異なる。他にもメイ・リンの本職の方の役割は、3で言えばシギントのポジションである。
また、メイ・リンがシャドーモセスの件を経て、技術者として自らが開発したものを正しい事のみに使うよう常に心掛けるようになり、その後も一度も道を過つ事は無かったのに対して、パラメディックの方は皮肉にも、3の後はその真逆とすら言える道を突き進んでいった。
というか、そもそも大なり小なり何らかの過ちや罪を抱えている者が多い本シリーズの登場キャラクターの中では、彼女のように一切の過ちを犯さずに、真っ直ぐに正しい道を最後まで突き進めたキャラクターは珍しいと言える(そういう意味でも本シリーズ最大の癒しキャラである)。
メイ・リン役は、ときめきメモリアルドラマシリーズの準ヒロインであった秋穂みのりの丹下桜氏も候補にあったとされている。ちなみに実際にメイ・リンを演じる事となった桑島法子氏も、ドラマシリーズのVol.2彩のラブソングの美咲鈴音を演じていた。
メイ・リンの漢字表記はMGSの頃は不明であり、上記の理由から「美咲鈴音」を略した「美鈴」ではないかとも噂されていたが、上記の通りMGS4で判明した漢字表記は「美玲」だった。
大乱闘スマッシュブラザーズ(クロスオーバー)
大乱闘スマッシュブラザーズXでは、無線キャラの1人として参戦する(他にはオタコンとキャンベルも無線キャラとして参戦している)。
スネークでシャドーモセス島が舞台の際に無線要請をすると、一部のキャラについて解説してくれる。スネークがピカチュウと戦っていると、「キャプチャーしてほしい」とねだるなど、他のキャラ同様にネタ要素も豊富である。また技術者でありながら、魔法についても「高度な科学は魔法みたいなもの」と至って寛容であり、魔法の実在そのものも素直に受け入れている。
さらに中国の諺の解説も相変わらず健在であり、加えて本作では格言なども用いる。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALでも、引き続き無線キャラとして登場する(ただし、内容はXの時の流用である)。また本作ではスピリッツとしても参戦している(ビジュアルはMGS4時代のもの)。
関連イラスト
関連タグ
ソリッド・スネーク オタコン(ハル・エメリッヒ) ナスターシャ・ロマネンコ
ピカチュウ…他社作品キャラだが彼女は一目で気に入った様子。
ローズマリー…MGS2のセーブ担当。
パラメディック…MGS3のメディカルスタッフかつセーブ担当。上記の通り声優が同じ。