マクドネル・ミラー
ますたー
「スネーク、マクドネル・ミラーだ。なつかしいな」
1947年、米軍将校の父と娼婦の母との間に生まれる。
幼少時は寝たきりとなった母の為に煙草屋の店番を務めていたが、父を探すべく渡米した。
再会した父の支援によって大学を卒業した後は日本に帰国し、病気(娼婦時代に感染した性感染症、おそらくは梅毒)が進行した母の治療費を稼ぐべく1969年、自衛隊に入隊する。
しかし2年後に母が他界すると、ほどなくして除隊した。直接の理由は母の死であるが、「専守防衛が肌に合わなかった」「父のいた米軍と肩を並べられないと思った」「三島由紀夫の死によって生き方を考えさせられた」とも語っている。
その後再びアメリカに飛ぶが、既に父は自殺した後だった。
自衛隊を去り、両親を喪った後、傭兵として世界を放浪する中でビッグボスと出会い、彼と共に「国境なき軍隊」を結成する。
そして国家に帰属せず、ひたすら自分たちの〝兵士としての価値”を売る「傭兵ビジネス」を提唱し実践するが、CIAの「ピースウォーカー計画」と対峙したり、ビッグボスを狙う謎の組織XOFの襲撃を受けたりと壮絶な運命をたどる。
詳しくはカズヒラ・ミラーを参照。
MGSVの物語の後、傭兵時代に結成したMSF(DD)がいかにして、MGに登場したような状態の武装要塞アウターヘブンへと変貌を遂げたのかは正確には不明だが、アウターヘブン蜂起の後にも米軍に招聘されていることを考えると、少なくともミラーは蜂起には参加しておらず、それ以前のいずれかの時点でMSFとは袂を分かったものと推測される。
詳しい時期は不明だがMGSVの後、SAS、グリーンベレーなどに教官として招聘され、最終的にはビッグボスが指揮官を勤めるFOXHOUNDにサバイバル教官として赴任する。
これは傭兵時代にある出来事によって生じたビッグボスに対する確執から、彼を討つ為にFOXHOUNDで恐るべき子供を育てる意図があってのことと思われる。
FOXHOUND教官時代には、ソリッド・スネークをはじめとする多くの兵士達を鍛え上げていった。
当時の彼は鬼教官として有名で、いつしか教え子の間で畏怖と敬意を込めて"マスター”・ミラーの呼び名が定着した。
ノベライズのサブスタンスⅠでは、この頃、かつてビッグボスと戦った際に言われた「死が目前まで迫っても、死を覚悟しても、策略を練ることができるのが真の戦士だ」という教えを、自らが教え子達に伝えている。
メタルギア2においての活躍
ザンジバーランド騒乱に際し、ソリッド・スネークをサポートする。マクドネル・ミラーとして登場したのは今作が初。
その手腕は錆付いてはおらず、豊富な知識と経験に基づく勘により、スネークに的確なアドバイスを与える。特に終盤の硫酸トラップは、彼の助言無しでは通り抜けられない。
本作で遂にMGSVでのオセロットへの宣言通り、自分が育てたソリッド・スネークを導き、本物のビッグ・ボスを討つことに成功している。
ちなみに、この時点で既婚者だが妻とは別居しており、一人娘のキャサリーと二人暮らしと言う設定だった。
また、MSX2版の顔グラフィックは、黒髪で如何にも日本人という顔だった(実在する軍事評論家の柘植久慶氏の顔を基にしたもの)
MGS3サブシスタンスへの移植版以降は、MGSシリーズのものに準じたグラフィックに書き換えられている。
MGSにおいての"活躍"
この時点ではスネークやロイ・キャンベルと同じく既に引退しており、スネークより前からアラスカで暮らしていた。しかし単身武装集団に占拠されたシャドーモセス島に赴くスネークを自宅から作戦に参加して無線でサポートする。
隠遁生活が長いためスネークよりもアラスカの自然に詳しく、潜入任務のノウハウの他にも、寒冷地でのサバイバル技術等を教えてくれる。
しかし……
「俺だよ、兄弟」
実はミラーは本編の3日前に自宅で暗殺されており、無線でサポートを行っていたのは彼に変装して無線を傍受、介入していたリキッド・スネークだった。
つまり本作に登場するミラーは最初からリキッドであり、彼はPALキーによる核発射装置の解除方法を探り、スネーク自身の手でそれをさせるべく誘導していたのだった。
実はマスターの正体がリキッドであることはゲーム中でも伏線が張られており、
- リキッドと同じ台詞を言うことがある
- ベイカー社長の突然死やグレイ・フォックスの基地潜入を伝えられると、少々狼狽えているような反応を見せる
- マスターが知らないはずのスネークに東洋人の血が流れているという事実を知っている(そしてスネークは「マスター、俺に東洋人の血が流れているということ、アンタに言ったことがあったか?」と違和感を覚える)
- リキッドが操縦するMi-24との戦闘の際にマスターに無線をしても応答が無い
- PALキー解除の最後の鍵を手に入れた時やけに喜んでいる
- FOXDIEによる陰謀が明らかになった後の会話では友人スネークの命の危機に心配の言葉も無いうえに血清の入手のことだけを気にかけ「まあいい」と言い捨てて通信を切るという、友情を疑いたくなるような振る舞いを見せる
……等々の不審な動きを見せていた。
そしてこの時のリボルバー・オセロットはリキッド側に付いており、やはりMGSVでの宣言通りにもう1人の子供の側についた彼らによってミラーは抹殺されたのである。
レイモンド・ベンソン著の小説版によるとリキッド一味の襲撃を受けた際、ミラーは日課のトレーニング中だったため非常に軽装の上に、家の外は極寒のアラスカ。戦うことも逃げる事もできず結果、催眠ガスによって昏倒させられそのまま死亡した。
享年58歳。
彼はTPPの時代に右腕と左足、両目の視力を失っており、MGS1での五体満足の彼の容姿は矛盾している為、Vからプレイしたプレイヤーには軽くネタバレになっている。(そんなプレイヤーは少ないだろうし、Vのエンディングの後にシリーズ時系列が載っているが。)
また、そんな状態のミラーがどうやってスネークに教練を行ったかも不明である。
ただし、作品自体がオーバーテクノロジーが大量に出てくる作品である為、ヴェノムの高性能な義手の技術を応用して四肢を取り戻した可能性はある。(Vでそれを行わないのは「仲間を取り戻せないのと同じ」という拘りであり、DDがアウターヘヴンと化した結果、彼に「取り戻すべき仲間や場所」等もうなくなっていたからとも推察できる)
リキッドがマスターに変装している間に聞ける話には、スネークではなくプレイヤーに向けた話も多い。
曰わく…
「戦場や極限状態では見えない物がみえたり、あるはずのない物が見えたりする。錯覚も起こしやすい。バグか?などと疑わず、落ち着いて行動するんだ」
「排便排尿をコントロールする事も大切だ。いつ長いデモが、はじまるかわからん。どうしてもモニターの前から離れられない時にも、対応できるようにしておくことだ」
「戦士としての、ゲーマーとしてのカンを信じろ」
「敵の立場で作戦を考えるんだ。敵の司令官になったつもりで、作戦を検討しろ。マップデザイナーの気持ちになれば、おのずと道はひらける」
「満腹状態では頭の回転も鈍るし、眠くもなる。食後はたっぷり30分は休息をとってからプレイするといい」
…リキッドもゲーム好きだったのだろうか…
コメント
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最初の一文からメタルギアでぶっ飛ばしていけるのは凄く気分がいいですね。メタルギア愛を爆発させられる楽しみを思えば傍点変換作業も苦ではない…かも? ただ、そういうのに比重を置き過ぎると原作キャラが全く仕事しなくなるんですよね。ビツケンヌの悪い癖です。キャラ同士の会話を書いていると文の内容が薄くなるのではないかというのが常にありまして、それで地の文を増やすと文字数も増える増える。だいたい五千から六千文字を目安にはしていますが、これが難しい…5,748文字pixiv小説作品