運命の歯車が、再び回り始める!!
概要
ロックマン生誕30周年を記念して2018年10月4日に発売されたロックマンシリーズの第11作。
2010年以降に『ロックマン10』で途絶えていた無印ロックマンのシリーズであったが、シリーズ生誕30周年を迎えた2017年12月に、海外のロックマン30周年イベントにて製作発表が行われ、2018年に「Nintendo Switch」・「PlayStation 4」・「XboxONE」・「Steam」で8年ぶりに発売される事が発表された。
正式なタイトルは『ロックマン11 運命の歯車!!』。
『9』と『10』では、原点回帰としてファミコン風グラフィックだったが、今作では『ロックマンロックマン』(初代『ロックマン』のリメイク版)以来のフルCGである。グラフィック全体の印象としては『7』や『8』、『ロックマン&フォルテ』の路線に近い。言いかえるなら、ファミコンロックマン初期作への原点回帰が『9』と『10』ならば、『11』はシリーズでも新しい基礎となった節目の『4』~『8』(『ロックマン&フォルテ』)までのシステムの原点回帰と言うべきか。
開発は久しぶりにカプコンの内製であり、大阪のカプコン開発スタジオで行っている。
なお、オプションで言語を日本語以外の本体で対応している言語に切り替える事もできる。ボイスも日本語キャストと英語キャストのどちらかを選ぶ事が可能(セリフ表示も同じく、ボイスは英語だがセリフ表示は日本語という事も可能)。その為、『ロックマンクラシックスコレクション』・『ロックマンクラシックスコレクション2』同様に日本国内でも『MEGAMAN11』として遊ぶ事ができる。『ロックマン11』と『MEGAMAN11』の違いは「キャストが海外のアクターになる」「ボス2名の名称が海外版のものに変わる」とタイトル以外でも変化が出る。
シリーズ作品では単独で初めて日本版と海外版が切り替える事が標準でできるようになったのである。
ただし、Switch版には本体設定の言語を日本語以外にした場合はエラーが出て起動できなくなる不具合がある(メニュー画面では『MEGAMAN11』に変化するが)。その為、使用言語を切り替えるなら『ロックマン11』内のオプションで切り替える事を推奨する。
システム
スライディング・チャージショットの復活
人気作の2を意識してか、『9』と『10』ではスライディングとチャージショットが廃止されてしまったが、『ロックマン&フォルテ』(以下『R&F』)以来の復活を果たした。
ダブルギアシステム
今作の目玉で、ロックマンの新たな能力。
詳しくはこちらを参照。
- スピードギア
- ロックマンも含め、周囲の時間を遅くする。
- ロックマンの機動力があまりにも上昇したために、時間が遅くなったかのような演出になっている。
- パワーギア
- ロックバスターや特殊武器を強化する。
- ロックバスターは弾が大きくなり、チャージショットも含め1トリガーで2連射するようになる。
- 発動中のみ、強力な「ファイナルチャージショット」が使用可能になる。
- 特殊武器は攻撃範囲が広くなり、殲滅力が上がる。かわりにエネルギー消費も増えてしまう。
- ダブルギア
- スピードギア、パワーギアを同時発動する。
- ロックマンのライフが尽きかけた時のみ発動可能な、切り札的システム。
ガードブレイク
シールドを持った敵にチャージショットを当てると、反動で短時間だけシールドを剥がせる。
システム自体はロックマンX8に「クラッキング」という名称で登場しており、逆輸入と思われる。
特殊武器
色だけではなく、ロックマンの容姿自体が少し変化するようになった。
ラッシュ
「コイル」「ジェット」が登場。性能自体は今までと同じ。
ボタンに割り振られているため、武器チェンジの手間をかけずに呼び出せるようになった。
両形態のエネルギーは共有のため、注意する必要がある。
また、メニューから選択すると即座に現れるようになった。
誤って呼び出した場合は、場に出ている形態に対応したボタンを押すとキャンセルできる。
ラッシュジェットは今まで通り、一定数のステージをクリアすると追加される。
アイテム
定番のものに加え、シリーズによっては登場しない「ネジ」や「E缶」「W缶」「M缶」もある。
ただし、初期状態では、残機とM缶を除くストックアイテムの所持上限が過去作と比べて少ない。(後でグレードアップ可能)
Switch版のみamiiboを武器メニューから読み込むと回復アイテムをamiibo一体につき一日一つだけランダムに入手できる。ロックマンのamiiboだとストック系アイテムの出現率が高いらしい。
ネジ交換は要求数が4桁になるアイテムが登場。出現条件付きのアイテムや、特定の曜日でないと出てこないアイテムもある。
ステージ関連
7、8、R&Fにあった「オープニングステージ」「中間ステージ」は前作に引き続き登場しない。
8ステージ全てに中ボスが存在している。
ワイリーステージ
ステージを進める毎に、武器エネルギーが全回復する。
また、進行度合いをセーブに保存可能になった(前作ではEASYのみ)。
一度クリアしたステージなら自由に再入場できる。
難易度
NEW GAMEで最初に選ぶ事のできる難易度。途中で変更はできない。()は一般的な難易度表記として説明する。
難易度『ADVANCED』までは、ミスの度にライフに加えて武器エネルギーゲージも全回復する。
- NEWCOMER(ベリーイージー)
- 最も簡単な難易度で、初めてロックマンをプレイする人向け。
- 残機無限であるほか、穴やトゲでミスにならない。
- 大抵のボスをパワーギア使用の弱点武器で攻撃すると、2発で撃破できる。
- 敵の耐久力とロックマンの被ダメージが低い。
- ゲームオーバーの回数が出現条件になっているパーツを最初からライト研究所で開発できる。
- ADVANCED(イージー)
- 『ORIGINAL SPEC.』よりは難易度が下げてあり、ブランクのあるシリーズ経験者向け。
- 被ダメージが少なめである他、初期残数が5になっている。
- 先述のリトライ全回復がある為『8』に近い難易度。
- ORIGINAL SPEC.(ノーマル)
- 標準難易度で、現役のシリーズ経験者向け。
- リトライポイントがADVANCED以下より減る。
- 過去シリーズと比較して、難易度は高い部類。
- EXPERT(ハード)
- より難易度の高い上級者向け。
- 回復アイテムが出てこないうえに、敵が固くなっている。
- ダブルギアシステムを活用する必要があり、例えばただでさえ強敵のイエローデビルMk-Ⅲは、分裂スピードが上昇しているためスピードギア無しだと厳しい。
- ダブルギアシステムを一切使わない場合、歴代最難関と言われている。
アチーブメント
いわゆる「実績システム」。
やりこみ以外では特に気にする必要はない。ただし、後述の2周目では獲得できないものもあるので注意。
特殊武器習得デモではこれまでは獲得した武器がどんな使い方ができるかは『6』『9』『10』ではデモ形式・『7』では使い方の説明がある程度だったが、今作では実際に操作するタイプの練習ができるようになった為把握しやすくなっている。
『7』『R&F』『8』では一度クリアした8つのステージに限り「EXITパーツ」を使うとステージセレクトに戻れたが、今作ではオプションメニューで全てのステージでクリアしていなくてもステージセレクトに戻れるようになった。戻る前に所持していた・拾得したアイテムはそのままで離脱できる。
また、ステージセレクトでも装備メニューを開く事ができるようになり、現時点での残機・ネジ・アイテムの数を確認できたり、パーツのオンオフの切り替えもステージ開始前でもできるようになった。また、セーブはステージクリアではセーブするか否かの選択が出ず、ステージセレクトでセーブするタイプに変更された。この為、セーブし忘れには注意が必要である。ゲームオーバー時には従来通りセーブの選択肢が出る。ロードも一々タイトルに戻らずともステージセレクトでできるようになっている。
パーツのオンオフは「MANUAL」のカテゴリでは『8』のバスター系パーツと同じで任意に可能。
ストーリー
悪の科学者Dr.ワイリーは、かつて大学時代に研究していた禁断の装置を完成させ、再び平和なロボット社会に襲い掛かる。
彼が完成させたのは「ダブルギアシステム」というあらゆるロボットの性能を飛躍的に強化させる装置だった。だがあまりの高性能ゆえの危険性から研究は凍結状態となり、ライトとワイリーを対立させるきっかけにもなった因縁の装置だった。野望を阻止させるためライト博士は昔ワイリーが作成したダブルギアシステムの試作機をロックマンに組み込む決断をする。
果たしてロックマンはワイリーの野望を食い止められるのか!? 運命の歯車が今、再び回り始る!
登場キャラクター
主要キャラクター
声優は過去作から一新されている。
ライトット(CV:飛田展男)
ボスキャラクター
公式サイトにおいて一体ずつ名前とプロフィール、習得武器が明かされている。
今回のDWNは一の桁が1から8まできちんと連番になっているのが特徴。
純ワイリーナンバーズではなく、年に1度のロボットの定期健診を受けるためにライト博士のもとを訪れていた普通のロボット達だったが、ワイリーに「 ギアシステムの実験に丁度良さそうな活きの良いロボット 」として目をつけられ拉致・改造・洗脳されてしまう。シリーズでも珍しく改造前のロボット達を目にする事ができる。
本作の8ボスたちは一度撃破することでギャラリーにて詳細なプロフィールを見ることができるようになるが、なんと大まかな製造元まで設定されていることがわかる(ただし会社や研究所に留まり、厳密な制作者については不明である→但し、製造元の名前を聴いただけで、誰が造ったかバレバレなキャラも居る)。
ボス達の身長もそれぞれ違いがあり、小さい部類ではブロックマン、最大はラバーマンである。
今作のボスラッシュは一度倒されたボス達をワイリーが修理して居城で復活させていた様子。ただし、破壊されてもパーツ類がほとんど揃っていれば修理自体は難しくは無い模様。
ボスもギアシステムでパワーアップし、中にはワイリーステージに出てくる巨大メカのような変身を遂げる者までいる。
8大ボス
DWN.086 トーチマン(CV:小西克幸)
なお、パイルマンとラバーマンは『MEGAMAN11』ではそれぞれ「Impact Man」「Bounce Man」になっている。
ワイリーステージ(歯車城)
今作では、第二のステージセレクトになっている。ただし、順番に攻略するのは同じであるが再度同じステージに行く事も可能。ここから8ボスステージセレクトに戻る事もできる。
二周目
一度クリアすると全てのステージが選択できる状態かつボスが復活して新パーツが追加される。これは初代ロックマンにあった要素の+α的要素である。
余談
- 無印ナンバリング作品において初めてドット絵を使用していない。番外作品や他シリーズではCGを使っている作品が多いが無印ナンバリング作品においてはこれが初めてとなる。
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでロックマンのアイコンは歯車だったのだが、まさかの本家で歯車がテーマとなった。
- ロックマンのイメージデザインも、7や8の様な頭身がやや高くなった様なものに戻った上に細部がスマブラに参戦した際のロボットを意識したデザインに少し近い。ただし、開発初期とは頭身は異なっている。
- 今作ではブルースとフォルテが全く登場しない。…一体彼等はどこに行ったのやら。特にブルースが一切登場しないのは『3』で初登場して以来、初めての事である。
- なお、ブルースに関してはスナイパージョーの元になっているという説明で名前のみ登場する。
- TGS2017でのカプコンのブースにおいて「ロックマンも忘れてません!」といった発言があったが、実はこの時から密かにロックマン11の開発が始まっていたという。既にロックマンクラシックスコレクション2のミュージアムモードにブロックドロッパーに武器チェンジしたロックマンのイラストを忍ばせてあった。
- シリーズ全体がロックマン10以降8年も停滞していた為、ロックマンの新作を望む声はあったがカプコンの上層部にロックマンの人気が(当然だが企業の利益として今でも通用するかもある)潰えていない事を証明するべく地道にグッズ販売の企画と過去作のオムニバス復刻で実績を積んでいたらしい。過去作復刻だけではもうファンを満足させるには限界があった状況もある様子。
- 本作が発表されるまで、ファンの間では『ロックマンX1』は『ロックマン11』の意味であり本家は『ロックマン10』が最終作だという説があった(もちろん本気でそう思っていた人はいないだろうが)。
- 『11』を開発するにあたって、過去作を現在の技術を使ってどう落とし込むかのテストを行っている。明かされたものによると『ロックマン10』のポンプマンステージを例として試作していた様子。
- 本作が発売された2か月後の12月7日には、ロックマンが登場する『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』が発売されている(なお、11月には同じくスマブラのファイターが登場する新作ゲームが発売される)。
- 珍しく「頭と胴体がほぼ一体化しているエアーマンタイプ」のボスが一人もいない。ラバーマンは近いデザインだが頭部も分裂する為「エアーマンタイプ」ではない。
- アチーブメント(実績)には一周目限定やゲームレベルが一定以上でないと解除されないものがあるので、クリアデータのセーブはやりこみ目的があるならば上書きしないよう別のファイルにセーブするとよい。
- 一度クリアすると全てのステージでボス戦が復活する上に歯車城自体も自由に選択可能になる。
- 今作では敵が落とす事がある「運要素のあるランダムで取ると何かのアイテムとして入手」できるアイテムが登場する。
- 武器装備メニューは『ロックマンX2』等に近いレイアウトになった。武器・ストック消費アイテムは9と同じく一つの項目、パワーアップアイテムは別項目に分けられた。ちなみにメニューの呼び出しSEは『4』に近い。
- 特殊武器のリストは二列から一列になり、「ロックバスターにはゲージが無い」点(ライフエネルギーゲージが別個に表示されている為か)では初代ロックマンと同じである為、ある意味原点回帰である。
- ステージセレクトの仕様が左にライト研究所・右にセーブデータファイルの画面切り替え方式になっており、『ロックマンX5』以降の仕様と似ている。
- 過去の懐かしい敵がリファインされて再登場していたり、仕掛けのオマージュがいくつか見られる。特に敵はロックマン5からの参照が多い。
- また、ロックマンEXEシリーズからブラストマンが逆輸入されており、ネットナビオンリーだったボスの本家登場も期待されるようになった。
- テーマソングではないが、イメージソングとして「RM11」が存在し福原綾香が歌っている。
- ナンバリング作品においてボスやロックマンが喋るのは『ロックマン8』以来となる。
- ファミコン版に合わせているのか7と8、ロックマン&フォルテと異なりボスに弱点武器を当ててもラバーマン以外は反応しなくなっている。
関連イラスト
中の人繋がりでこんなものも・・・
関連動画
ロックマン30周年記念&『ロックマン11』アナウンス映像
『ロックマン11』のアナウンスは3:35過ぎから
第1弾PV
第2弾PV
関連タグ・リンク
ロックマンX8:前作から従来のシステムに戻った点やクラッキングやボスがある程度ダメージ食らったら熾烈な攻撃を繰り出してくる等、元になったシステムが見受けられる。
MightyNo.9:フルCGという事でこれを連想した人も多かった。また、ボスの武器を装備すると容姿が少し変化する点も共通している。
前作←ロックマン10