概要
「ロックマン9 野望の復活!!」とは、ロックマンシリーズの9作目である。
ダウンロード販売専用ソフトとして発売された。ファミコンの新作という意識で制作されており、グラフィックはファミコン風のドット絵、効果音やBGMもファミコン風になっている。
さらに、「レガシーモード」をONにすると、ファミコン同様の処理落ちによるチラつきが発生するという謎のこだわりがある。
より具体的にはイナフキンいわく2の続編を意識しており、システム面でも2に回帰(※)。ロックマンはチャージショットやスライディングが使えなくなっており、ボスキャラクターの性能もそれに沿って調整されている。
またチャージショットが無い分、特殊武器は歴代でもトップクラスに強力な物ばかりとなっている(平均点は歴代最高で弱い武器でも他の中堅レベルと言える程)。
携帯電話アプリとしても配信されていた事があり、なんとこれだけには「ルーキーモード」と呼ばれる一番難易度が低いモードが用意されていた。
なおストーリーそのものは「8」(とR&F)の後日談となっており、『2』のリメイクではない。
第一弾PVではWiiウェアで配信と発表されたが、後にマルチ展開である事を明かした。ロックマンクラシックスコレクション2にも収録された為、2020年現在の現行ゲーム機でもプレイ可能。
本家ナンバリング作品では今作と次作はロックマンゼロシリーズを手がけた外部スタジオであるインティ・クリエイツが開発を担当している。
※…その割には2以降のアイテムが多く引き継がれている等、中途半端な原点回帰と思える面もある。『4』『5』『6』あたりの基準でやっていれば違和感は無かったと思われる。
ストーリー
平和を取り戻した世界だったが、世界中でロボットが暴れだし、再び混乱が訪れた。
誰もがまたDr.ワイリーの仕業だと思ったが、ライト博士に黒幕の汚名を着せられてしまう。
ロックマンはライト博士の汚名返上のため、ワイリーの野望を阻止するため、再び立ち上がるのだった。
登場キャラクター
主要キャラクター
ブルース(ストーリーではエンディングのみ登場。追加コンテンツでプレイヤーとして操作できる)
ラッシュ(ブルースモードでは登場しない)
ビート(ブルースモードでは登場しない)
エディー(ブルースモードでは登場しない)
ボスキャラクター
いずれもライト製のロボットで、使用期限が過ぎ法律によってスクラップされるはずだったロボット達。
しかし、ワイリーの口車に乗せられて手下として改造され、各地で破壊活動を行う。
なお今作ではライト博士が逮捕されている為、残念ながらロックマンロックマンの様にバスターオンリーで倒しても修理されてプレイアブルにはならない。
DRN.065コンクリートマン
DRN.066トルネードマン
DRN.067スプラッシュウーマン
DRN.068プラグマン
DRN.069ジュエルマン
DRN.070ホーネットマン
DRN.071マグママン
DRN.072ギャラクシーマン
その他のボス
漫画版(ロックマンメガミックス 誰が為に)
ロックマン9アレンジサウンドトラックのブックレットにありがひとし氏により書き下ろした漫画。内容は本作のプロローグとなっている。
注目すべき点は、本作に登場するロボットに使用期限を定める法律(漫画内では「ロボット新法」)に対する解釈。
増えすぎたロボットの数を管理、調整するために工業用ロボットの使用年数を一定期間に定める法律だが、以前より稼働中の特殊な個体は除かれる。
これは『初期生産された自立思考型ロボットは、莫大な費用がかかっているだけではなく、それまでのロボット視点での「経験に基づく情報蓄積」がロボット工学にとっての財産となるため』とされている。
このようにライトナンバーズやコサックナンバーズ等これまで登場した工業用ロボットたちが廃棄処分されない理由づけがされている。
ライトナンバーズ同士の対決もあり特にファンから言われていた
という似た様な能力を持った者同士の対決も描写されている。
また『コサック博士がロックマンのサポートをしていた』という補完もされている。
ロックマンナノミックス When the DUST settles. ACT-3に以下のようなロボット新法の条文の一部が掲載されている。
ロボット新法 第××条
1.すべてのロボットはあらかじめ定められた使用期限を過ぎれば廃棄されるものとする。(長きに渡る使用により性能が劣化し、暴走する危険を未然に防ぐため)。
2.非量産型はこれにあたらない
9のライトナンバーズ達は非量産型であるためこの法律の対象にはあたらない。これは9の騒動が終わった後改正されたロボット新法なのかもしれない。
9のボスロボットにも量産型はいるにはいるが、もし純ワイリー製なら大丈夫だろう。
ワイリーが法律を守るとは考えられないのだから。
また2つの漫画を合わせる事で『この新法の改正こそが9におけるワイリーの目的だった』という描写となっている。
後のロックマン11にて描写されているがワイリーは既に連盟に対して愛想を尽かしており、『自らが新法を利用し、物理的な被害をもたらす事でしか改正はなし得ない』と判断していたのだと思われる。
現に上記の例を考慮すればあの世界の一般的な市民の視点では改正前の新法で1番得をするのはワンオフのロボットや材料をほぼ無償で手に入れられる上に法を守らないワイリーのはずである。
しかし、実際のワイリーからしたら新法は『人々から慕われ認められる存在であるロボット達を道具として使い潰す』という自身の理想を踏み躙る悪法でしかなかったのである。
余談
- 先述の通りロックマン2の続編を意識しているため、メインメニュー・ボス決定BGM・ステージクリアBGM・武器修得デモBGM・ワイリーのデモ・ワイリーキャッスル全体図のBGMは2のそれをそのまま再現(流用)している(ただし効果音は2とそれ以降のものが混在する)。ただ、それだけに「ネットで有名な2のコピペ」と言う評価も少なからず見受けられる。
- 実際本作の開発コンセプトは「2の続編を作る」だった模様
- デザインもイラストレーターが2当時の画風を見事に再現して話題となったが、一部のボスキャラクターは久々にイナフキン自らがデザインしている。中でもスプラッシュウーマンは初の女性ボスとして話題を呼んだ。
- オープニングデモで春麗がカメオ出演している。ロックマンに登場した人間キャラでは珍しい他作品のキャラである。また、ワイリーが資金を募る際に提示したスイス銀行の口座番号は初代ロックマンの発売年月日だったりする。
- 価格までは2(FC版5800円、VC版500円)に回帰しておらず、1000円で販売された。ちなみに携帯電話アプリ版は525円という破格値。
- 携帯アプリ版には「ルーキーモード」が搭載されている。
- 開発時の資料の一部がロックマンクラシックスコレクション2で見る事ができるが、どうやらこれまで定着してきた進行の記録がセーブ方式ではなく、パスワード形式にまで回帰しようとしていたような案があった様子(タイトル画面の案でパスワードの文字がある。また、仮サブタイトルは「Dr.ライトの世界征服!?」だった)。
- 8体目を倒すと記憶装置が手に入り事件の真相の重要な証拠映像が発覚するが、この時最後に倒したボスによって誰の視点でその状況を見ているのか変化するが、携帯アプリ版のみやや異なる。
- 一見気付きにくいが、実は今作と『10』はファミコン実機と画面比率が微妙に違う。ファミコン時代のロックマンシリーズと見比べて見るとわかる。これはブラウン管時代と現在の液晶モニタとドットの仕様が違う為であるからとされている。
- 開発はロックマンゼロ・ゼクスシリーズのインティ・クリエイツだが、ゼクスアドベントの続編の制作中にロックマン9が制作されることになり、ゼクスアドベント続編のゲーム構想を『9』に移行したとのこと。(その為、ゼクスアドベントの続編はお蔵入りとなった。)
- ロックマンゼクスの世界(本作から200+数百年後)では再びロボットに寿命を設ける法律が定められた。ただしその目的は本作のようなロボットの管理のためではなく、人間とロボットをあらゆる点で平等にする政策の一環である(人間側にも一定の年齢に達すると身体の一部、もしくは全身を機械化する法律がある)。それが当たり前という認識の世界観であり、本作でその法律に対する暴動描写などは特にない。
関連タグ
インティ・クリエイツ…開発。