平賀=キートン・太一
ひらがきーとんたいち
声:井上倫宏、宮田幸季(幼少期)
漫画作品MASTERキートンの主人公。
父が日本人、母がイギリス南部の名家キートン家の令嬢という日英ハーフ。国籍はイギリスで、イギリス軍に在籍していた経験もある。
本業は考古学者で、古代中近東と古代欧州の文明が関連するであろうドナウ川センター文明の遺跡(「REMASTER」では「ククテニ文化」)の発掘に精を出している。
しかし研究や論文が大々的に認められるには至らず、学者としての安定した雇用先にも恵まれないせいで、生活のための副業としてロイズ保険組合の調査員(オプ)や私立探偵として活動する事も。
劇中で描かれる活躍は調査員の仕事上で遭遇するトラブルに関したものが多い。
穏やかな性格で、日本にいるときはのんびりした暮らしをしている。夢見がちでロマンチストなところがある一方で、堅実で冷静な考え方の持ち主でもある。
公私に渡ってスーツ姿でいる事が多く、物腰も穏やか。歴史や文化に関する豊富な知識のおかげで地域性に合わせたコミュニケーションも上手い。
外見は黒髪で中肉中背、これといった特徴の無い男性なのだが、その顔立ちは絶妙に「どの民族にも似ていないし、どの民族にも見えてしまう」らしく、各地の言語に堪能なことも合わさって、欧州からアジア圏まで世界中ほとんどの地域にすんなり溶け込めてしまうという、ある意味、天性のスパイのような人物。
こうした人物像は「副業」の保険調査や探偵業にも大いに役立っている。
既婚者で娘もいるが、いろいろあって数学者の妻とは別居、後に離婚。一人娘の平賀百合子とはそれなりに良好な関係が続いているものの、こうと決めたら突き進む所などが似てしまったためか気苦労が絶えない。
日本に住む父の平賀太平は旧日本軍の動物行動学者という曲者かつ、老いてなお恋多き元気過ぎる爺様なので、キートンも彼が巻き込まれたトラブルの解決に奔走させられたりしている。しかも下半身がだらしないせいで、キートンの元に「あなたのことは『お兄さん』と言わなければならないのでしょうね」という女の人が現れたことも何度かある。
従軍経験・戦闘能力
離婚経験から自身を痛めつけるような目的で軍に入ったが、こちらの方面にも才能があったらしく、努力も合わさってSAS(イギリス陸軍特殊空挺部隊)曹長となり、優れたサバイバル教官としても知られるようになる。
同僚からは「戦死しにくい士官にだってなれたのに、あえて最も命の危険が多いと言われる曹長になった」と評され、常に危険な最前線に身を置こうとし、フォークランド紛争や、在英イラン大使館人質事件も経験しているという。
しかし、何度かの実戦を経験するうちに「徹底した現実主義的」という軍隊に馴染めなかったことで自ら除隊を願い出る。その後、探偵の相棒となるダニエルと出会って保険調査などに携わるようになった。
作品タイトルの「マスター」は、SAS教官時代に生徒から呼ばれた敬称。最高位の『プロフェッサー』と呼ばれていた上官からは「(フェンシングの)腕はいいがあまりにもユニーク過ぎる為、達人(マスター)にはなれても教授(プロフェッサー)にはなれない」と評されていた。
基本的に相手を殺害することは忌避しているが、特殊部隊の教官を務めただけあって肉体的にも精神的にも強靭で戦闘技術も高い。
通常の武器はもちろん、即席武器や周囲の環境を利用した戦法、考古学の知識を合わせた応用、心理戦もこなし、チンピラ程度の悪党はもちろん、マフィアからプロの軍人、暗殺者のような相手とまで堂々と渡り合える。