概要
「幕末機関説いろはにほへと」とは、2006年から2007年にかけて動画配信サイト・GyaOでWeb配信されたオリジナルアニメである。全26話。
総監督は高橋良輔。キャラクターデザインはコザキユースケ 。制作はサンライズ。
「本格時代劇」をコンセプトとして作られ、本作では剣戟のアクションをリアルに描くためアニメ作品としては異例の殺陣指導が入っている。
当初は戦国時代を舞台とし、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康らによる天下統一と江戸幕府開府に至る過程に「覇者の首」が絡んでいるという構想だったらしいが、「幕末物の方が視聴者に受ける」というスタッフの進言を受けて幕末の混乱期を舞台とした作品になった(その名残は設定上生きており、劇中でもそういった描写がある)。
2011年には初めてテレビ放送(アニマックス)された。DVD-BOXも発売中。
物語
人知れず、世に騒乱と混沌を巻き起こす「覇者の首」とよばれる存在があった。
歴史の変革期に目覚めたその「首」には、手にした者に「天下」を約束する強大な魔力があるという。
時代は幕末。鳥羽・伏見の戦いを経た後も尚、佐幕派と勤皇倒幕派の勢力は均衡を保っていた。
時代の先端を行く国際都市・横濱の地に、一人の剣士の姿があった。
彼の名は秋月耀次郎。霊剣「月涙刀」を有し、彼の首の封印を天命とする「永遠の刺客」と呼ばれる者である。
彼は喧嘩に巻き込まれそうになった子供を助けた事で、「仇討ち」を本懐とする旅芝居一座と出会う。一座の仇敵・中居屋重兵衛、彼が手にする「覇者の首」。そして首を追う耀次郎。
「覇者の首」を巡り、さまざまな人々の思いが交錯する。その思いは、まるで複雑な歯車のように噛み合い、やがて時代を動かし始める。
主要人物
主人公。世に騒乱と混乱を巻き起こす「覇者の首」の封印を宿命づけられた「永遠の刺客」。かつては坂本龍馬の用心棒を務めていたが、暗殺の阻止出来なかったことが、今も心に深い傷を抱えている。
ヒロイン。赫乃丈一座の座長で、女性であることを隠し、舞台の外では男装して女形として活躍する一座の人気役者。元は長崎の裕福な商家の一人娘だったが、中居屋の謀略により両親と財産も失う。復讐にすべてを捧げ、旅芝居を続けながら仇敵の行方を追っている。
赫乃丈一座の座付き戯作者。事実を交えた復讐劇などの新作芝居で一座の名を広める。
一座の中居屋への復讐にも手を貸す一方で、幕府軍と新政府軍の戦いに関与したり、「覇者の首」を狙うなど謎の多い人物。
英国人の父と日本人の母を持つ隻眼の拳銃使いの青年。
英国公使パークスの命令を受けて「覇者の首」を奪取するべく暗躍し、同じく首を追う耀次郎としばしば相対する。
主題歌
オープニングテーマ「荒野流転」
歌・演奏 - FictionJunction YUUKA / 作詞・作曲・編曲 - 梶浦由記
エンディングテーマ「愛の剣」
歌・演奏・編曲 - TAKAKO & THE CRAZY BOYS / 作詞・作曲 - 白井貴子
挿入歌「涙」
歌 - 石川智晶 / 作詞・作曲 - 石川智晶 / 編曲 - 西田マサラ