概要
本名:俵谷星舟(たわらや せいしゅう)。(1936年5月8日~2019年4月17日)
漫画原作者。
漫画家や漫画原作者・映画原作者の養成塾「劇画村塾」を主宰。
『デンジマンの歌』や『俺はグレートマジンガー』などの作詞も手掛けた。
信条は「漫画はキャラ立てが大事だ」。
創作物においては「キャラクターをいかに立てるかが大事」ということを常に念頭に置いており、「存在感と魅力あるキャラクターを作り上げる事こそが良質な創作物を生み出す秘訣」という持論を基に「キャラクター創作の理論」を提唱しつつその普及に努め、大阪芸術大学に「キャラクター造形学科」という、世界初のキャラクター造形専門の学科を創設し、講師として後進の指導にあたった。
誰もが知る名作を残す一方、パンツで手旗信号を送ったり、「ノーベル殺人賞」、サイボーグ教師が暗殺者を授業で迎え撃つ、主人公がエレクチオンしないため女性キャラが怒るなど、シリアスなようでいて半ばギャグという荒唐無稽な展開が特徴だったが、1980年代以降は世情の変化に合わせて多少マイルドになった。
「魔物語愛しのベティ」や、「BROTHERS」(メカ兄とメカ妹と人間のさン兄弟)など、家庭をテーマにした作品が多い。「子連れ狼」では親の躾が描かれ、大五郎は敵である柳生烈堂から「わが孫よ」と言われる。
多趣味で知られ、手掛けた様々な作品に活かされている。
略歴
1959年、中央大学法学部卒。司法試験に3度失敗し、雀ゴロ、船員、ゴルフ場勤務等、職業を転々とする。
1968年、さいとうプロダクションの原作者募集に応じ、採用される。「無用之介」、「ゴルゴ13」などの原作に携わった。
1970年、さいとうプロから独立し漫画原作者として活動。「子連れ狼」が連載開始。
1972年、スタジオ・シップ(現・小池書院)を設立。叶精作、神江里見、小山ゆう、神田たけ志、伊賀和洋らがさいとうプロを出て参加し、さいとう・たかをを激怒させるが、後に和解した。「修羅雪姫」が連載開始。
1973年、「I・餓男」が連載開始。
1974年、「ムサシ」が連載開始。「電人ザボーガー」(原案。実際は名義貸し)が放映開始。
1977年、「実験人形ダミー・オスカー」が連載開始。「小池一夫劇画村塾」を開設。
1978年、「弐十手物語」が連載開始。
1980年、「魔物語愛しのベティ」、「長男の時代」が連載開始。
1985年、「マッド★ブル34」が連載開始。
1988年、「クライングフリーマン」が連載開始。
1989年、「涙弾」が連載開始。
1990年、「オークション・ハウス」が連載開始。
2000年、大阪芸術大学芸術学部映像学科の教授に招聘された。
2003年、「新・子連れ狼」が連載開始。
2006年、「劇画村塾」を再開。
2007年、「劇画村塾」を株式会社化。
2009年、株式会社「劇画村塾」と決別。
2011年、創作ブランド「小池工房」を設立。
2019年4月17日、肺炎の為逝去(外部リンク)。入院中もTwitterで精力的にツイートを行っていたが、最後のツイートは同月11日に亡くなっていたモンキー・パンチ氏への追悼で、その日に亡くなった。
劇画村塾
1977年より開講し、塾生には錚々たる面子が揃っている。
劇画村塾を参照。
注意
セリフにおいて、「ん」が「ン」で表記されるのが特徴。(例:「なンでよッ!」)これは、「セリフの活字も絵の一部」と捉えており、見た目をよくするため。
小池一夫に関するキャプションやタグはひらがなの「ん」をではなく、カタカナの「ン」を使う事が望ましい。
「PIXIV百科の記事が、ラジオのばンぐみ(番組)でいンよう(引用)されたンだ!」などの他、最晩年に旧作『夢源氏剣祭文』(ちなみにそれは鬼娘が出るということで、弟子で鬼娘絵師の高橋留美子先生がイラストを担当している!)を弟子火浦功と再版した際の、惹句で、「同太貫とハリセン どッちを選ぶ!」といった文章があるなど厳格なものではないが「おまえはッ!アカウンとを取ってないンだな!」(厳密には人称代名詞には傍点が振られる)といったように、カタカナ表記の場合、そのタームの前後はひらがなが(「ハルマゲどン」等)混じる。
不祥事
堀井雄二からアニメ制作の名目で受け取った1000万円を返金しない、内弟子から保証金の返還を求められても応じないなど、晩年には複数の金銭問題を起こしていた。
ついにはこの一件から塾生であった田中圭一にも何かしら圧力がかけられた過去があった事も踏まえて関係者への取材を重ね、師匠・小池を告発する本を出す計画を立てていた。しかし、小池逝去にあたり田中は「死体蹴りは趣味ではない」としてこの計画を白紙に戻した。なお、今後一切この告発本の内容は公表しないとしている。
関連イラスト
関連タグ
ダミー・オスカー クライングフリーマン オークション・ハウス
ゴルゴ13:一部作品のシナリオ。
江風(駆逐艦):小池氏と同い年かつセリフに「ン」が使われている。江風(艦隊これくしょん)がきっかけで艦これを始めた。