「殺してくれ!人間として死にたいんだ!」
データ
- 身長:人間大~170m
- 体重:人間サイズ~650t
- 別名:天才怪獣
- 出身地:東西大学
概要
第49話「悲しき天才怪獣ノーマン」に登場。
日頃から「頭がよくなりたい」と思っていた知的障害者の青年・三吉が変異した怪獣。
容貌は人間の脳を思わせる頭部が一際目立ち、長い爪と牙で人間を襲い脳髄を啜る。
また、肩書通り凄まじい知能を持ち、人類を滅ぼす超兵器を自ら作り出すことが出来る。
人間に近い姿故、怪獣Gメンからは「怪獣というより怪人」と評されていた。
ストーリー
知的障害者としてバカにされていた孤児の青年・三吉(演:鶴田忍)は、堂本博士が開発した知能促進剤「IQPS」を投与する人体実験手術への参加を志望。その結果、簡単な足し算もできないほどのバカから、大学の医学部を数か月で卒業するほどの大天才となった。
しかし、同じ薬を投与された天才犬のボビーが怪獣化した事で、自らも怪獣化するのではないかと恐れ始める。また、堂本博士が抹殺されたことで黒幕が宇宙猿人ゴリなのだと気づき、同時に蒲生譲二がスペクトルマンであることを察する。蒲生から激励を受けた三吉は怪獣化を阻止する研究を始め、その成果は順調かに思われていた。
しかし、研究は間に合わず、遂に三吉は怪獣化。ホルマリン漬けの脳標本を食い漁った挙句、夜道で女性を襲撃し、その頭部を貪り食ってしまう(女性は頭を喰いちぎられたうえ、路上に鮮血と白い物体を撒き散らした姿で絶命していた)。
変身は一時的なもので翌朝には元の姿に戻れたが、翌晩には再度怪獣化してしまい、もはや三吉の自我は失われつつあった。
一時的に正気に戻った三吉は蒲生に自らを殺すよう頼んだが、蒲生は諦めないよう説得する。その言葉で勇気を得た三吉は「また怪獣化してしまった時は殺してくれ」と頼みつつ、研究を再開した。だが、彼らの思いも虚しく三吉はノーマンに変身して巨大化。その頭脳で作り出してしまった全人類を廃人にできる高性能爆弾『ゲラニウム爆弾』を片手に暴れ回ってしまう。
蒲生はやむなくスペクトルマンに変身するも、攻撃を躊躇してしまう。しかし、僅かながら人間の心を保持していた三吉がスペクトルマンに「人間として死にたい」と懇願した為、すれ違いざまにネヴィラスライスで斬り裂かれ、断末魔の悲鳴を上げた。
死後、その亡骸はボビーの隣の墓に埋葬された。
関連タグ
ギエン:同じく『アルジャーノンに花束』をモチーフにしている。
グリムロックの新しい頭脳:この話も『アルジャーノンに花束を』が元。グリムロックは自他共に認める部隊一の利口者(それ自体低レベルだが)で「賢くなりたい」願望はなく、天才化は偶然の出来事。理由があって元に戻ったグリムロックは幸せでいた。
ジイシキシェルガ:ある者が人間を利用して自意識に苦しみながら破壊行動を行う、脳がモチーフの巨大怪物等の類似点を持つ。ただしこちらはヒーローが元凶を倒し、素体の人を救出した為ある意味で救われている(はずである)。
BETA:兵士(ソルジャー)級BETAの元ネタがノーマンとされている。実際、外見が似ているうえに女性の頭を噛み砕いて殺害するシーンが存在する。