概要
2018年7月8日より放送されたオリジナルアニメ。
企画を持ちかけられた漫画家・水上悟志が描き下ろした1074ページのネームを原案とした、正義と復讐と愛と赦しの入り乱れるサイキックロボットアクション。
二転三転する登場人物たちの大義、交錯する人間模様、宇宙規模の壮大な世界観に、綿密な設定を逆手に取った高火力のギャグ、琴線に触れる台詞の数々を織り込んだ、王道を貫く超高密度のスピード展開を指して、「TVシリーズ1クールで1期、2期、劇場版の分までやってのけた」とも評される2018年の名作アニメである。ひずみを含んだ重低音の響く戦闘シーンは目にも耳にも迫力満点。
特撮オマージュが多いのも特徴。
水上氏が手掛ける漫画版もヤングキングアワーズ(少年画報社)で連載。全8巻。
2019年には第50回星雲賞メディア部門にノミネート。巨大ロボットやペンギン、果ては細胞(アニメ版)等と戦うも、最終的には巨大ヒーローに敗北する。
2023年には第54回星雲賞コミック部門に完結したコミカライズ版が再びノミネート。今回の相手は北海道の金塊や科学実験、宇宙人という顔ぶれである。
スタッフ
原作 : 水上悟志・BNA・JC
監督 : 鈴木洋平
シリーズ構成・脚本原案・キャラクター原案 : 水上悟志
キャラクターデザイン : 岩倉和憲
メカデザイン : いづなよしつね、上津康義
プロップデザイン : 磯本つよし
音響監督 : 岩浪美和
音楽 : 田中公平
アニメーション制作 : J.C.STAFF
ストーリー
「 おれは、おれが味方したい人達の味方だ。そんだけだ! 」
過去の記憶を失いながらも、奇妙な家族と共に海辺の町に建つアパートの一室で平穏に暮らしていた高校生・黒井宗矢。だがある日、世界は空からやって来た謎の巨大兵器「ネビュラウェポン」に襲われる。立ち向かうのは国民安全管理局に所属する、念動巨神装光を纏って戦う7人のサイキッカー。
避難中にもかかわらず、猫のような姿をした「先生」と、姉代わりのゴスロリ少女・銀子に呼び出された宗矢は、ネビュラウェポンをめぐる戦いに巻き込まれる――のだが、彼が倒すべき相手は地球人類を護る7人のヒーローの方だった!
先生に言われるがまま戦いを挑み、サイキッカーの力の源となっている砂の入った小瓶を目にした刹那、恐怖と哀惜と憎悪に駆り立てられる宗矢。先生との念力合体を経て、少年の「復讐」が始まる。
登場人物
黒井宗矢 (くろい そうや)
CV:阿部敦
記憶喪失の高校生。現在の学校に転校してくる以前の記憶を失くしている。転校したばかりで友達はいないが、のぞみとはそれなりに親しい。銀子、先生との共同生活を送っていたが、他でもないかれらによって戦いの渦中に引き入れられる。
グランドパラディンとの戦いでは目元を覆う仮面を身に着けており、認識阻害によって対峙した相手の目に映る自身の姿を不鮮明にしている。サイキッカーたちの力の源泉となっている小瓶に復讐心を燃やすものの、各人に対する敵対感情はない。
高天原のぞみ (たかまがはら のぞみ)
CV:原田彩楓
宗矢のクラスの委員長。優しい性格で、自身にも転校の経験があることから宗矢を気にかけ、彼から「のぞさん」と呼ばれるようになる。怪談などのオカルト的なものが大好きで、存続の綱渡りをしているオカルト研究会の一員。なし崩しに宗矢を新入部員にしたりと押しの強いところもあるが、裏表のない温和な性格で、数奇な運命に翻弄される彼の理解者となっていく。
CV:小山力也
宗矢、銀子と同居する黒猫のような姿をした人間大の生物。キャベツを丸のまま貪り、二次元美少女を愛でる、ごく普通(?)の生活を送っている。発話はするものの大抵は渋い声で「うにゃ」としか喋らず、銀子の通訳を介さなければ何を言っているのかわからない。
宗矢を飲み込んで念力合体を行い、戦闘形態に変身することで、念動装光に比肩する戦闘能力を発揮し、体を張ってグランドパラディンとの戦いに臨む。
黒井銀子 (くろい ぎんこ)
CV:井澤詩織
宗矢、先生と暮らすゴスロリ姿のボクっ娘。黒井家の料理を担当しているがなぜか肉類を使わず、宗矢に精進料理ばかり食べさせている。柔和で温厚、礼儀には厳しい。天真爛漫な表情を見せる一方で、先生と共に宗矢を戦いへと導いていく。浮遊したりバリアを張ったりと、当たり前のように謎の力を使っているが……。
竜造寺隆 (りゅうぞうじ たかし)
CV:乃村健次
7人のサイキッカーを束ねる国民安全管理局 特殊防衛課、通称「グランドパラディン」のトップを務める、鋭い目つきの巨漢。自身の武力による地球の管理を最終目標に掲げ、「世界征服」さえ口にする強硬な思想の持ち主。宗矢と、彼が乗り込む戦闘形態の先生をまとめて「ネビュラソルジャー」と呼び、ネビュラウェポンと同類の掃討対象と看做している。
白石こがね (しらいし こがね)
CV:後藤沙緒里
竜造寺隆の秘書的存在。グランドパラディンの能力管理や、戦闘の際の作戦立案、遠隔地からの指揮等も行う。裏方として立ち回る場面の多い序盤とは一転し、ストーリー中盤からは反動のように強烈な存在感を放ち続けるお姉さん。
虎居英雄 (とらい ひでお)
CV:梅原裕一郎
グランドパラディンの中でもトップクラスの戦闘能力を持つ青年。真面目で正義感が強く、以前は消防士として働いていた。得体の知れないネビュラウェポンに最初に突入し、その恐るべき「攻撃手段」を身を以って体験することになる。虎をモチーフとした念動装光を纏う。
因幡美羽 (いなば みう)
CV:大和田仁美
グランドパラディンの小柄な少女。勝ち気なムードメーカーだが、与えられた力で過去のコンプレックスを振り払うように戦っている。晴海とは幼い頃からの親友同士で、彼女のためなら危険を厭わず行動する芯の強さも併せ持っている。念動装光のモチーフは兎。
熊代晴海 (くましろ はるみ)
CV:渕上舞
グランドパラディンの長身の少女。美羽と仲が良く、大人しい性格から美羽の無鉄砲さを心配することもしばしば。控えめな態度とは裏腹に、得意の柔道技を駆使して戦う技巧派であり、闘志に火がつくと我を忘れて奮戦する危うさを抱えている。念動装光のモチーフは熊。
根津屋正義 (ねずや ジャッジメント)
CV:菅原慎介
グランドパラディンの青年。高校を卒業してなお中二病に好んで浸っており、大方の発言が身の丈に合っていない。オカルト研究会のOBで、宗矢とは互いに敵と知らずに出会い、友好的に接する。名前は「正義」と書いて「ジャッジメント」と読む。念動装光のモチーフは鼠。
鷹取紅華 (たかとり べにか)
CV:石上静香
グランドパラディンのクールな女性。元警察官で、戦況を読み解く能力に長け、常に冷静沈着。自らの信念に準じて行動しており、宗矢たちとの戦いを経て自身の立ち位置に疑問を抱き始める。念動装光のモチーフは鷹。
羊谷葉介 (ひつじたに ようすけ)
CV:興津和幸
グランドパラディンの朴訥な青年。インドア派で戦闘は得意ではなく、他のメンバーに振り回されがち。紅華とは旧知の仲で、彼女と行動することが多い。念動装光のモチーフは羊。些かお人好しが過ぎる節があり、その胸の内は謎めいている。
竜造寺岳蔵 (りゅうぞうじ たけぞう)
CV:清川元夢
グランドパラディン最年長。禿頭で痩身の老人だが、フードファイターを負かすほどの大食漢。自身の欲求に素直な手のかかるじいさんで、息子である隆には半ば呆れられている。重ねてきた年月ゆえか、強靭な精神力で土偶を模した念動装光を操る。
CV:若本規夫
先生と対立する白犬のような姿をした人間大の生物。普段は渋い声で「ゥわんッ」としか話さない。宇宙政府ネビュラに属し、地球にネビュラウェポンを送り込んでいる張本人。
主題歌
オープニングテーマ
『 One Unit 』 (12話では未使用)
作詞・作曲・歌:Minami / 編曲:齋藤真也
エンディングテーマ
『 Rainbow Planet 』 (4話では未使用)
作詞:坂井竜二 / 作曲:本多友紀
編曲:酒井拓也 / ストリングスアレンジ:川本 新
歌:渕上舞
関連動画
余談
念動装光のデザインについて、水上先生曰く『干支関係ない』(「言われて初めて気付いた」とのこと)