前後のストーリー
予告
概要
1990年11月23日に放送された、『ファイブマン』の第39話。
脚本担当の井上敏樹が、本作で最後に手掛けたエピソードであり、敵幹部であるビリオンとゲストキャラクターのソーラとの関わり合いを通して、ビリオンのキャラクター性を掘り下げた一編となっている。
また、ソーラ役の水野美紀のテレビドラマ初出演作としても知られる。
物語
一機の宇宙船が地球にやって来た。乗っていたのはビリオンに会いたいミリア星人ソーラだ。ビリオンとファイブマンの戦いに割って入った彼女はかつて野盗に両親を殺されて自身も危うかった時に救ってくれ、両親に花を手向けたビリオンに力添えがしたくて棒術の技を磨いていた。
ビリオンは自分は正義の剣士と信じるソーラを利用しようと地球の平和のために戦っていると嘯く。ソーラはファイブマンとの戦いで怪物態ダークソーラとなった自分を見たビリオンに次に変身すれば、もう死ぬまで元の姿に戻れないと言う。ビリオンはソーラにどうなっても自分は傍にいると言い、ファイブマンとの決着の前に一日恋人生活を過ごす。
戦いの時が来て、ビリオンは変身したダークソーラごとファイブレッドを斬ろうとし、地球征服を目論んでいる旨も口にする。本性を知ったダークソーラが何故自分を助けたのか尋ねると、ビリオンは「自惚れるな」と吐き捨てるように言い、その頃から血に飢えていたと話す。
怒りに燃えるダークソーラだがビリオンを憎みきれず、その剣を喉に突き立てる。意識が薄れゆく中星川学がビリオンに見え、学はビリオンを演じて元の姿に戻ったソーラは事切れる。
ビリオンが何を思ってか湖面に花を浮かべる頃、ファイブはビリオンへの怒りを新たにしていた。
備考
- 本話数より以前、第3話にてトラルギンが語るところによれば、かつてのビリオンは悪に染まりきっていなかったといい、それを踏まえるに野党を斬った時の心中は解釈の余地がある。
- ソーラとビリオンがデートするシーンでは、挿入歌として矢沢永吉の「哀しみの彼方へ」が選曲されている。これは本話数の演出を手掛けた長石多可男が、矢沢の大ファンであったことによるもので、本話数以外の参加作品でも同様に矢沢の楽曲を使用するケースが散見される。
- ビリオンは前回のエピソードでも偽文矢として素顔を見せており、2週連続で素顔を見せていることになる。