概要
ロック・バンド「キャロル」のリーダーとしてデビューし、解散後はソロで活動している。
来歴
1949年9月14日、広島県広島市に誕生。父は原爆症で仕事に就けず、母は矢沢が3歳の時、夫と息子を捨てて蒸発。
1957年、父が死去。親戚をたらい回しにされた末、祖母に引き取られ極貧の生活を送る。地元の有力者の子に貧乏をネタに苛められたため『将来Bigになって見返す』と心に誓う。
1968年、ロックンロール・スターを夢見て夜行列車で上京するが座席が固く、尻の痛さに耐えかね、横浜駅で途中下車し、弘明寺に住み着く。横浜を拠点にバンド活動を行う。
1972年、結婚し、すみ子夫人と共に川崎市の飲食店「のり江」の2階に転居。
デビューを目指していた「ヤマト」が解散し、イトウ楽器店(川崎市)に「ビートルズとロックンロール好きなヤツ、求ム!」の貼り紙をして「キャロル」を結成。ジョニー大倉のアイデアで、ハンブルグ時代の荒々しいスタイルだったビートルズを真似、革ジャンにリーゼントのロッカーズ・スタイルを採用。矢沢はボーカル兼ベーシストでバンド・リーダー。
10月8日、しつこく出演交渉をした末、「リブ・ヤング!」(フジテレビ)に出演。12月25日、番組を見ていたミッキー・カーチスのレーベルから「ルイジアンナ」でデビュー。それまでロックとは無縁だった不良少年たちに絶大な支持を受ける。
1973年、「ファンキー・モンキー・ベイビー」がヒット。「キャロル」に各界からの注目が集まり社会現象となる。しかしメンバーが度々問題を起こし、バンド内での軋轢が高まる。
1975年4月13日、日比谷野外音楽堂で「キャロル」の解散コンサートを行う。ソロ作のレコーディングのためロサンゼルスへ渡航。
1975年9月21日、シングル「アイ・ラヴ・ユー、OK」、アルバム「I LOVE YOU, OK」でソロデビュー。「キャロル」時代とは大幅に路線変更となり、従来のファンが離れてしまう。「キャロル」時代のライブは全席完売が当たり前だったが、10月に行われた佐世保公演は不入りで、矢沢はこの件について「リメンバー・佐世保」と語っている。
1977年、日本のロック・ソロアーティストとして初の日本武道館単独公演を成功させる。一方でファンの民度の低さから、矢沢への会場貸し出し拒否が増える。
1978年、シングル「時間よ止まれ」が資生堂のCMに採用されヒット。長者番付の歌手部門首位。糸井重里のインタビューによる著書「成りあがり」(小学館)を出版。山中湖畔に豪邸を建てるが押し寄せたファンの迷惑行為で転居。その後も破壊行為や落書きが続いたため、取り壊された。
1980年、シングル「THIS IS A SONG FOR COCA-COLA」がコカコーラのCMに採用されヒット。
1981年、アサイラム・レコードからアルバム「YAZAWA」が全世界発売されるが、成功には程遠かった。
1985年、ライブエイドに出演。
1989年、シングル「SOMEBODY'S NIGHT」がヒット。
1990年、シングル「PURE GOLD」がヒット。
1991年、シングル「夢の彼方」、「ラスト・シーン」がヒット。
1992年、サントリーの新缶コーヒー「BOSS」の初代CMに抜擢。
1994年、テレビドラマ「アリよさらば」(TBS)に主演し、音楽監督を担当。シングル「アリよさらば」がヒット。NHKアニメ「おまかせスクラッパーズ」のOP、EDがタイアップされる(いずれも未シングル曲)。
1997年、「ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」の主題歌「LOVE IS YOU」を担当(未シングル曲)。
1998年、オーストラリアで事務所元側近による34億円の横領が発覚。最初の妻と離婚し、精神的に支えてくれたマリア(現・夫人)と再婚した。
2008年、自らのインディーズレーベル「GARURU RECORDS」を立ち上げる。
2009年、「第60回NHK紅白歌合戦」に出演。「時間よ止まれ」「コバルトの空」を歌う。
2016年、ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)のCMで娘・矢沢洋子と共演。
2019年、アルバム「いつか、その日が来る日まで…」がオリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得。最年長1位獲得アーティスト(70歳)となった。
余談
- 作曲のみで作詞はしない。
- 矢沢以外の「キャロル」のメンバーは口下手で内向的だったため、「お前らは怖い顔して睨んどけ」と言いつけ、インタビューは矢沢の独演会の様相を呈していた。
- Blu-ray - SONYのTVCMに出演し、HD-DVDとの規格競争に勝利をもたらした貢献者であり、Blu-rayの日本でのアクセントを定義した。因みにレーザーディスク(LD)とVHDの規格競争でLDに勝利をもたらしたのは吉幾三。
- ライブでは彼の代表曲の一つ、「止まらないHa~Ha」の「Ha~Ha」の部分で、ファンがタオルを投げ上げるのが定番となっている。
語録
- 「お前がどんだけ良い大学入って、どんだけ良い会社に就職しても お前が、一生かかって稼ぐ額は 矢沢の2秒」
- 「最近勝ち組とか負け組みとか流行っているけど、スタート切っているかどうかが僕は大事だと思うけどね」
- 「俺はいいけど「YAZAWA」が何て言うかな?」
- 「矢沢は、ミュージシャンですから、そこんとこ、ヨロシク。」
- 「ドアの向こうに夢があるなら、ドアがあくまで叩き続けるんだ。」
- 「年とるってのは細胞が老けることであって魂が老けることじゃない。」
- 「てめぇの人生なんだから。てめぇで走れ」