登場話数:第3話「危機 超力の秘密」、第33話「5大ロボ大暴れ」
概要
マシン帝国バラノイアが開発したマシン獣の一体。バラドリルやバラソーサー等と同様に、言語能力こそ有さないものの自律行動は可能となっている個体の一つである。
扁平な円盤状の胴体、それに緑と赤を基調としたカラーリングが特徴。胴体中央の半球状の部位は記憶解析装置となっており、これによって人間の頭脳から情報を読み取ることができる。
もう一つの特性として、「消える」「突然見えなくなる」という意味の「バニッシュ(vanish)」の名の通り、太陽光によって自身の姿を透明にする能力を持つ。この他にも妨害電波を発生させて通信を遮断したり、戦闘時には破壊光線、それに左腕に備わった鉄球を駆使して戦うこともできる。
作中での動向
地球へ降下後、松本健一少年を拉致しようとこれを襲撃、駆けつけた吾郎に阻まれるも透明化能力を駆使して翻弄する。その後も吾郎の自動車による突撃を喰らいながらもこれをものともせず、さらに車体にしがみついて吾郎と健一を執拗に狙い続けるが、自動車の横転による爆発に巻き込まれ2人を見失ってしまう。
襲われる理由に全く心当たりがないという健一であったが、実のところバラノイアは彼こそが超力の秘密を知っていると睨み、今回の作戦に乗り出していた。
事は物語開始から遡ること3年前、健一がとある山中で石板の欠片を拾ったことに端を発する。営林署の職員であった健一の父親を通して、U.A.に届けられたその石板を三浦参謀長が調査したところ、これが6億年前に存在した超文明の遺跡に由来するものであること、そしてそこに古代文字によって「超力を作り出す方程式」の断片が記されていることが明らかにされた。
ただならぬものを感じた三浦は直ちに付近の大々的な調査を開始し、その結果超文明の遺跡と石版の残りの欠片を発見、そこから得られた方程式によって超力の生成方法の解明にこぎ着けた。つまるところ、「健一の発見こそがオーレンジャーの全ての出発点になった」といっても過言ではなく、彼の記憶から超力の方程式を解明されることは即ち、オーレンジャーにとっての危機に直結するほどの一大事なのである。
その後もバラバニッシュは執拗な捜索を続け、廃工場で吾郎と健一を追い詰めるに至るが、吾郎はオーレッドに超力変身し応戦、さらに残りの4人も現着し、バラバニッシュが率いていたバーロ兵を一掃する。
一転して多勢に無勢な状況に追い込まれたかに見えたバラバニッシュであったが、透明化能力を駆使してオーレンジャーを翻弄し、健一を確保することに成功。記憶解析装置を使い彼から遺跡の欠片にまつわる記憶を引き出そうとする。しかし執拗な追跡に遭いながらも、その間に透明化能力のカラクリを見破っていたレッドの攻撃で透明化能力を失ってしまい、さらに5人全員からの波状攻撃を受けた末に、止めのビッグバンバスターを喰らって爆散。健一と超力の秘密はすんでのところで守られたのであった。
後に物語後半にて、バッカスフンドにより「超マシン獣」の一体として巨大な姿で修復・強化再生された。前述の台詞とは些か矛盾するところのあるこの強化再生だが、バッカスフンド自身この作戦を最終作戦と位置づけていたことからすると、「こうした状況に追い込まれぬ限りはおいそれと使えぬ手である」という解釈もできない訳ではない。
ともあれ、バラミサイラー等一部の超マシン獣とは異なり、特に活躍らしい活躍も出来ぬままブロッカーロボの奇襲による落盤に巻き込まれ、崩壊するアジトと運命を共にした。
備考
デザインは大畑晃一が担当。初期に提出したデザインの中から採用され、後にガワのみを変える形で正式なデザインとして完成したという経緯を持つ。モチーフは特に定められておらず、漠然とメカっぽいものをイメージして描かれている。またデザイン画稿では両腕とも鉄球状となっているが、実際の造形では左腕のみとされた。
撃破後のバッカスフンドの台詞から、マシン獣という存在が基本的にはワンオフ機であり、量産や再開発が極めて困難であることが示唆されている。
関連タグ
地下鉄サリン事件:『オーレンジャー』の基本路線や設定にも極めて深刻な影響を与えた、オウム真理教によるテロ事件。事件が発生した3月20日は、バラバニッシュの登場した第3話の放送から3日後に当たる
和泉史郎:役柄上直接の絡みないものの、バラバニッシュの登場した第3話に健一の父親としてゲスト出演