「それを言っちゃ~おしまいよ」
概要
第43話「切り札は七変化」に登場するマシン帝国バラノイアが開発したマシン獣の1体。
黒帽子を被った、歯並びの悪いにやけた顔が特徴で、腹部には白い腹巻のような意匠が付いている。
人間態はフーテンの熊。思いっ切り『男はつらいよ』の寅さんのパロディである。
劇中でもコミカルな描写が目立つネタ怪人だが、終盤に登場するマシン獣だけあって人間態でもオーレンジャーと互角以上に戦える程の実力を持つ。戦闘では額の水晶に相手を幽閉したり、光弾を発射する他、口からも火炎を吐いて攻撃して来る。
おまけに詐欺師ばりに口が達者で、言葉巧みに「意識だけを若い頃に戻す」という催眠効果のある水晶を大勢の大人に買わせ、現実逃避させること家族の絆を引き裂くというタチの悪い作戦を取っていた。
この額の水晶は催眠水晶と連動しており、これが破壊されると催眠水晶はすべて破損してしまう。
活躍
OP前のパートでは、買い物から帰る途中の新田里子に人間態で接触。言葉巧みに「若返りの水晶玉」を500円で売りつける。始めは騙されまいと警戒していた里子も、若さと美貌という言葉に負けて陥落し、まんまと買ってしまう。
水晶玉から「まず、拍手を3回打ちなさい。それから静かに祈りなさい。あなたは必ず若返ることができます」と告げられた里子は、言われるままにアルバムから写真を取り出して実行。
その結果、格好と意識だけが学生の頃に戻り、学校から帰って来た息子の豊のことを忘れてしまった。
Aパートでは神社で大勢の人々を集め、言葉巧みに水晶を売りつけようとしていたが、そこへ豊を連れたオーレンジャーの3人が駆けつけたのを見て「清水の舞台から飛び降りるのはまた今度にしよう!」と言ってそそくさと撤退。
だが、星野が足跡が深すぎることに疑念を抱いたことで追跡され、花壇広場で追い詰められる。
星野「正体を現せ、バラノイア!」
バラペテン「それを言っちゃあおしまいよ!」
言い返すや否や、はいていたサンダルを飛ばして裕司と桃を牽制(命中したブロック塀が崩れるほど重い)、そのまま星野と対峙。格闘戦の中で正体を現して襲い掛かる。
最初はレッド、ブルー、、ピンクを水晶に閉じ込めてピンチに陥れるも、遅れて駆けつけたグリーンとイエローにキングスマッシャーで破壊されて脱出されたため、反撃で相手を怯ませた隙にその場から撤退した。
描写はされていないが、豊がオーレンジャーと出くわして行動を始めるまでの間に新田家にもう一度現れており、水晶玉を置いて去っていた(この時はスイッチを切られたことで元に戻っている)。
ここで回収した水晶玉をオーレンジャーが持ち帰って分析している間に、再び人間態で新田家に現れると、改良した水晶玉(起動前でも精神誘導が可能)で家人である一郎、里子、清美の意識を改変してしまった。
「よっ、一般大衆諸君! 相変わらずバカか? けっこうけっこう!」
その後も順調に大人達に水晶を売りつけては現実逃避させ、子供達を悲しみのどん底に叩き落すバラペテンだったが、作戦が順調なことに気を抜いて、再度新田家にやって来たのが運のつき。
風呂に入ろうとしたところで先回りしていた豊に挑発され、荒れ果てたリビングに戻ってみれば、暴れていた新田家の人々は実は星野達の変装だった。
慌ててその場を逃げ出すが、途中で挟み撃ちにされて追い詰められ、オーレンジャーと交戦することに。
火炎放射で応戦するも、乱入してきたキングレンジャーのキングスティックで打擲されて中断。
レンジャーアイテムを手にした6人と正面から渡り合う底力を見せるが、最後にはオーレバズーカとキングビクトリーフラッシュを同時に喰らって倒される。
直後にアチャの放ったコチャにより、巨大化エネルギーを注入されて巨大化。巨大戦ではオーブロッカーを口からの光弾で攻撃するも、ツインブロッケンサンダーで額の水晶を破壊されて人々を元通りにされてしまう。
そしてタックルボーイによるダイナマイトタックルを止めに喰らって爆散した。
なお、今回一番の被害に遭った新田家は家族こそ無事だったものの、家そのものは意識改変された家人達が暴れ回ったことで崩壊してしまっている。
余談
モチーフはフーテン。
演じた大河内氏は昨年の『忍者戦隊カクレンジャー』でもケウケゲンの人間態と声を演じていた。
関連タグ
寅さん:元ネタ。
笑ゥせぇるすまん:バラペテンの水晶玉によって幼児退行した大人達の有様が、TVアニメ版(89~93年版)の第1話「たのもしい顔」と第82話「点滴症患者」のお客様の末路を彷彿させる。
バンバ、ドーラキルケ:同じく家族の絆を引き裂こうとした先輩怪人達。
ギガノイド第10番「悲劇的」、幻獣ユニコーン拳ハク、ナキナキテ:後のシリーズに於いて家族の絆を引き裂こうとした怪人達。特に「悲劇的」の作戦は大人の心の弱さに付け込んだ卑劣な物である。
フーセンバンキ:『炎神戦隊ゴーオンジャー』に登場した、同じく寅さんモチーフの機械怪人。