概要
読んで字の如く宇宙の暴走族。
地球の車によく似た飛行車両を駆って宇宙空間を暴走しまくり、さらに他所の星とそこの文明に対して破壊活動や略奪行為を繰り返す族は族でも盗賊に近い傍迷惑な奴ら。
拠点は「バリバリアン」という無数のハイウェイが絡まりあったような外観の人工惑星で、団員はもっぱらその内部にある酒場風の空間に屯している。
その実態は
単刀直入に言えば、歴代戦隊に登場する悪役の中では最も異質な敵キャラ集団である。
物語の開始当初、ダップの故郷であるハザード星をはじめ数々の星を面白半分で荒らし、最後は花火にして破壊するという歴代悪の組織の中でもかなりの外道な一面を見せ、如何に凶悪な軍団なのかと視聴者の緊張感や恐怖感を大きく煽る様な悪行ぶりをみせた。
しかし、次の標的として定めた地球に来てからというもの、徐々にその威圧感・凶悪性・邪悪性は回を重ねる毎に著しく低下。
中盤になってくると知性、カリスマ性もかなり欠如している(カリスマ性だけならもっと下回っている首領は居るのだが)事実が露見し、稀に真面目な理由で部下をけしかける事はあっても、中には弁当を買いに行かせる、祭り用のスイカを手に入れに行かせる、キムチを買いに行かせる等、明らかに雑用としかいいようがない理由で部下を地球に派遣する事が多くなるなど、次第にバカバカしさ溢れるどこか憎めない悪の組織へと成り果ててしまった。
そのせいか、作中後半になってくると地球人達からも『宇宙一弱い暴走族』と認識されて、新聞記事でネタにされるなど、半ば笑い者にされていた。
また、暴走族なのに何故か月給制。しかも「実家を継ぐ」「もうボーゾックをやる歳ではない」と言った妙に世知辛い理由で退職(?)する者もいるらしく、人材不足に悩むシーンもあった。
一応彼らの名誉の為に弁護しておくと、元レーサーを洗脳した挙句に殺害とか、地球人の子供を攫ってボーゾックの構成員に改造しようとしたり、カーレンジャーを料理して食べようとする等、本編ではシャレにならない悪事をやってはいる。
何よりギャグテイストな雰囲気で誤魔化されがちだが、構成員が死んでも何とも思わず平常運転で馬鹿騒ぎしており、死生観も悪の組織らしいドライで殺伐としたそれである。
終盤では真の黒幕(後述参照)が登場した事で、一応は本来の悪役らしい活躍を見せた回もあったが、最終回でなんと、自ら手を差し伸べる形でカーレンジャーと和解してしまい、黒幕の撃破にも思わぬ形で貢献。その後はそのまま地球の住人として溶けこんでしまうという、最後の最後まで悪の組織らしからぬ異端ぶりを見せてくれた。(何気に初めて戦隊たちと和解した組織である。最も和解を持ち掛けた際にはあまりの図々しさ故か流石に恭介もガイナモに一発見舞ったが。)
ちなみにメンバーに地球人は存在しない。それに加えて元々が多種多様な異星人により構成された組織である事も手伝って、何とカーレンジャーの姿が彼らの素顔だと考えており、終盤まで地球の一般市民が強化スーツを着たものだとは夢にも思っていなかった。
その為に一般市民を襲ってカーレンジャー達をおびき出そうとして、襲った相手がカーレンジャーの変身前だったなんて事もちらほら(故に敵の目の前で変身する事も多かったものの、ほとんどの相手はそのまま倒されてしまう為、ガイナモ達に話が行く事はなかった)。最後には彼らの正体を知ってショックを受ける者まで出る始末であった。
幹部4人の名前(ゾンネット、ガイナモ、ゼルモダ、グラッチ)の最後の文字を合わせると「トモダチ」になる。カーレンジャーを含めた戦隊サイドでは多く見られる手法だが、敵サイドでこのような手法が取られるのは珍しい。
メンバー
総長ガイナモ(CV:大竹宏)
ボーゾック総長
副長ゼルモダ(CV:津久井教生)
ボーゾックのNo.2で戦闘隊長。
発明家グラッチ(CV:長嶝高士)
ボーゾックの発明家。
ゾンネット(演:七瀬理香)
ボーゾックのアイドル。
宇宙ゴキブリ・ゴキちゃん(CV:桜井敏治)
元々はボーゾック基地の内にいた宇宙ゴキブリだったが、グラッチに芋長の芋羊羹を食べさせられ巨大化。
ボーゾックの荒くれ者
暴走戦隊ゾクレンジャー
戦隊史上最低視聴率の回に登場したいわゆる悪の戦隊。
兵士ワンパー
ボーゾックのカラフルな下級戦闘員。
リッチハイカー教授/リッチリッチハイカー教授(CV:田中信夫 ※31話で人間に変身した姿も本人が顔出し出演)
ボーゾックの悪事を成功させるべく、ガイナモが呼び寄せた犯罪コンサルタント。
暴走皇帝エグゾス(CV:小林修)
終盤から本格的に登場した黒幕で、ハザード星の正義の星座伝説と対を成す悪の星座伝説の力を持つ。
巨大化方法
芋羊羹、それもペガサスの近所の和菓子屋「芋長」製の物に限られ、略奪行為もせずちゃんとお金を払って買っている。しかしコンビニ(本当に余談だがファミリーマート)で売られている物では、逆に手の平サイズまで縮小してしまう。
この芋羊羹をフィーチャーしたエピソードが作られた他、最終決戦において重要な役割を果たすなど、単なる巨大化アイテムの域を越えた存在となっている。
芋長のオヤジはボーゾック構成員が芋羊羹を買いに来た時でも、異形の化け物が目の前に居るにもかかわらず至って普通に対応(初期は「何か今変な奴が芋羊羹買ってった!」と驚いていた)。
ボーゾックの装備
暴走消防車
ガイナモが角から発した不思議な力でポンプ車が巨大化した姿。
フロント部分が凶悪な表情になり、アメリカの消防車のような胴長の車体に変化し、赤色灯の形もパトランプ型から1の字型になっている。武器はライトから放つ稲妻状の赤いビームと伸縮自在の梯子。
上空を高速で飛行しながら暴れ回り、しがみついてきたカーレンジャーを振り落とすが、オートブラスターをシフトアップさせたオートパニッシャーの一斉射撃を食らって撃沈した。
カーレンジャーがボディに捕まるシーンでは別の形の消防車(ぶっちゃけこいつの原型)が映るが、撮影上の…身も蓋もない言い方をすれば大人の事情である。
バリッカー
ボーゾックが使用する巨大な車両。
動物を模したデザインと世紀末感あふれる外観が特徴で、ウシ型の「モーバリッカー」、ネコ型の「ニャーバリッカー」、サソリ型の「ジョキバリッカー」、ゾウ型の「パオバリッカー」、ブタ型の「ブヒバリッカー」の5機が存在する。
カーレンジャーのレンジャービークルと互角に張り合える性能を持つが、向こうが合体したRVロボには敵わない。
他には幹部、怪人、戦闘員用のバイクやバギー、自転車など様々な種類の乗り物を保有している。
外部からの協力で得た装備
ブレーキング / 改造ブレーキング
ボーゾック祭りによって知能が向上したリッチリッチハイカー教授がガイナモの預金をちょろまかして開発した怪獣型メカ。教授自身が頭部に乗り込んで操る。武装は口や目から放つビームおよび尻尾を相手に絡めてからお見舞いする高圧電撃。
RVロボ以上の戦闘能力を誇り、一度は完勝してRVロボを強奪した。VRVマシン戦ではあっけなく撃退されてしまったが、すぐに強化を施し、頭部にカッターブーメラン、胸部にキャノン砲を搭載した改造ブレーキングとして生まれ変わった。しかし、最終的にはVRVファイターおよびVRVロボの性能の前にリッチハイカーもろとも粉砕された。
スカイギギューン / マリンザブーン / ランドズズーン
遅々としてチーキュ爆破が進まないことに業を似やしたエグゾスがボーゾックに特別に貸し与えた「陸海空の覇者」と称される3大ロボット。猛禽類型のスカイギギューンは高速飛翔能力に加え目や口からの破壊光弾を武器とし、サメ型のマリンザブーンは優れた海戦能力と豊富な火器を持ち、そしてライオン型のランドズズーンは格闘戦に長け、さらに取り込んだ対象のエネルギーを取り込んで変換し、それを他の二機に供給する機能を有する。自動制御と有人制御を使い分けられ、それぞれボーゾックの小型乗用車が連結し、そこから操縦が可能となる。
ボーゾック幹部が各機を操り、しかも捕らえたダップをズズーン内部に組み込んでそのエネルギーを利用していることからカーレンジャーのマシン全てを上回る性能を発揮、カーレンジャーを大いに苦しめるが、最後はダップとカーレンジャーの絆の前に形勢を逆転され全滅した。
ノリシロンシリーズ
エグゾスが発行している雑誌「宇宙ランド」の付録という形でボーゾックに提供された鎧騎士風のロボット。12と最終、そして増刊の3機が登場。
関連イラスト
関連タグ
激走戦隊カーレンジャー
マシン帝国バラノイア→宇宙暴走族ボーゾック→邪電王国ネジレジア
宇宙暴走族ヘルメドー…後日談にて登場する暴走族怪人。こちらがいかにも本作品よりも暴走族らしい。但し、地球をチーキュ、地球人を一般市民というところは共通。
憎めない悪役
ギョダーイ、キャンデリラ、ラッキューロ、ワイズルー、クレオン、クランチュラ…光落ちした幹部繋がり。彼らも戦隊側の勝利に貢献した点も共通。
宇宙海賊バルバン…宇宙を荒らして財宝を強奪しては星を破壊する荒くれもの繋がり。しかし凶悪さはこっちが上。
デスガリアン…ギャグ要素を抜き取ったボーゾックと言える外道集団。