「暴走戦隊!」
「「「「「ゾク~~~~~~レンジャー!」」」」」
概要
ボーゾック一のヒーロー研究家「SS(スースー)パマーン」をリーダーとした集団で、本家スーパー戦隊同様5人で構成されている(ちなみに、後の4人はバリバリアンでたむろしているゴロツキ宇宙人たちである)。
『地球戦隊ファイブマン』の銀河戦隊ギンガマンや、次回作『電磁戦隊メガレンジャー』の邪電戦隊ネジレンジャーと同じく悪の戦隊ポジションだが、上記にもある通り一発限りのネタ戦隊である。
しかし、キャラの濃さだけでなくカーレンジャーをタイマンで圧倒した強さも本物である。
メンバー
全員共通の特徴としてそれぞれの色の長いマフラーと胸(レッドは中央、他4人は右胸)に「Z」の文字入りの逆三角形のバッジをつけ、レッド以外の4人はベルトのバックルに「暴走」の文字が書かれている。ギガフォーミュラーを分割したカーレンジャーのフォーミュラーウェポンと対になる形の武器で戦う。
- ゾクレッド/SS(スースー)パマーン(CV:林一夫)
ボーゾック一のヒーロー研究家にしてゾクレンジャーのリーダーであるゾクレッド。
ガイナモたちからは「スーさん」と呼ばれ親しまれており実弾とビームを撃ち分けられるライフルと剣を武器にしている。声と銃の撃ち方はまんまバイオハンター・シルバ。
ゾクレンジャーボールでは最後のシュートを担当する。
設定はスーパー戦隊だが、外見(バイクを正面から見たような感じ)は仮面ライダー、目と口の形はウルトラマン。そして名前の由来はスーパーマンと、ヒーローてんこ盛りなデザインをしている。
- ゾクブルー/ゴリラゴロツキ(CV:細井治)
ブルー担当のゴリラ型のゴロツキ宇宙人。将校のような衣装で同じく将校風の帽子をかぶり、武器は二丁拳銃「ゾクレンガン」と鎖つきの出刃包丁。
ゾクレンジャーボールでは四番目のヘディング担当。
仲間意識は高く、第16話では作戦失敗でJJジェットンを戦死に追いやったリッチハイカー教授に殴りかかっている。
その割にゾクレンジャーとしてリッチハイカーの命令でチーキュに向かった事に関して言われているがそもそも彼からすれば
『ジェットンを追いやったリッチハイカーだけでなく直接倒したカーレンジャーも仇』でありカーレンジャー打倒を優先したのだと思われる。
- ゾクグリーン/カエルゴロツキ(CV:宮田浩徳)
グリーン担当の、モヒカン風の鶏冠がある蛙型のゴロツキ宇宙人。衣装は迷彩服で、武器はビームバズーカ「ゾクレンキャノン」と手斧。
ゾクレンジャーボールでは三番目のトス担当。
普段はバリバリアンの酒場「BB(バリバリアン)サロン」でバーテンダーをしている。
- ゾクイエロー/ニワトリゴロツキ(CV:千田義正)
イエロー担当の鶏型のゴロツキ宇宙人。頭に飛行眼鏡のようなゴーグルをつけ、衣装は自分の色のジャケットに白のズボン。武器は半月型のメリケンサック「ゾクレンナックル」と槍。使い分ける必要はあるのだろうか…?
ゾクレンジャーボールでは二番目のキック担当。「まかせんしゃい!」
シグナルマンにスピード違反のシールを顔に貼られたり、第35話では「名前だけ変えてもやっぱりカーレンジャーには勝てなかったよな」と余計な一言を口走ってゼルモダに殴られたりしていた。
- ゾクピンク/ネコゴロツキ(CV:塩野勝美)
ピンク担当の猫(招き猫?)型のゴロツキ宇宙人。目が遮光器土偶に似ており、衣装は自分の色のジャケットに左側が黒、右側が白のズボン。武器は弓矢「ゾクレンボウ」と熊手。
ゾクレンジャーボールでは最初のパス担当。「いいわね、いくわよ!」
活躍
リッチハイカー教授によって地球に送り込まれると、街に「激走戦隊はもう古い!ニューヒーロー誕生」と書いたビラで作った紙飛行機を挨拶代わりにとジョキバリッカーでばらまく。その後、登場と共に街に現れたのだが…
- レッド…咲いていた花をライフルで撃つ
- ブルー…砂場で子供が作っていた砂の城を壊す
- グリーン…家の窓ガラスを割って不法侵入
- イエロー…子供が食べていたアイスを横取りする
- ピンク…洗濯物に泥をかけて汚す
といった(グリーン以外は子供のイタズラレベルの)悪事を行った後、ジェットマンと全く同じ名乗りポーズを取って(ただしブルー、グリーン、イエロー、ピンクの位置とポーズがそれぞれ逆だが)カーレンジャーと戦った。
最初はカーレンジャーを翻弄し(この時にテーマソングまで流れており、しかもワンパー無しで普通に戦って追い込んでいる)、必殺のゾクレンジャーボールで追い込んだがそこに「カーレンジャーの6人目・ホワイトレーサー」を名乗るラジエッタとラジエッカーが登場。ラジエッタのナゾナゾ爆弾をつい受け取ってしまい、当たり前だがナゾナゾは研究していなかったためナゾナゾが解けずに爆弾が爆発、それを喰らって一時撤退する。
後にグラッチからギガフォーミュラーの5倍の威力を持つゾクレンバズーカなる新兵器とゾンネットからバズーカのエネルギー源である鉱石ファンベルダイヤモンド(これがゾンネットの秘密につながる)を授かり、さらにラジエッタを人質にカーレンジャーを苦戦させる。この時、ピンクレーサーに卑怯呼ばわりされるが…
「暴走戦隊だからいいパマン!大体普段1人のボーゾックに5人でかかってくるお前らに言われたくないパマン!」
と、兵士ワンパーの存在を完全に棚に上げた発言をした(なお、ゾクレンジャーは1戦目も2戦目もワンパーを従えていない)。
2戦目もボコボコにしダメ押しのバズーカで圧倒し、カーレンジャーを窮地に追いやった。
しかしラジエッタが変身したガイナモにまんまと騙され助けてしまったことで解放してしまい、一気に形勢逆転。フォーミュラーノバをゾクレンバズーカで迎え撃ったが、慌てて撃ったためチャージが十分にできず競り負けてしまった。
その後、パマーンのみが芋長の芋羊羹を食べて巨大化。「巨大化戦だってとことん研究したパマン!」とRVロボに挑む。
「最強の必殺剣、受けてみるパマン!」とこれまた『カクレンジャー』の白面郎の用いていたものによく似た剣を取り出し
「大銀河電撃科学暗黒剣!稲妻電撃プラズマサイバーオーロラ遠心重力スーパーサンダー…」
と今までの戦隊ロボの必殺技すべてをごっちゃにした技を繰り出そうとしたが…技の名前を言っている間に
「技の名前が長ぇんだよ!」
と突っ込まれながらRVロボの激走切りで斬り捨てられ、何もできずに「パマ~ン!」の断末魔と共に爆死した。
主題歌
こんなネタ戦隊だが、主題歌が存在する。本編主題歌の替え歌だが、見事に悪者の歌に変えてある。歌っている人まで同一である。本エピソードの脚本を担当した荒川氏自身の作詞と無駄に細かい(2番がお蔵入りになったがYoutubeで聴ける)。
更に、JOYSOUND限定だがカラオケにも収録されているのである(DAMには収録されていないので注意されたし)。
『轟轟戦隊ボウケンジャー』のミニコーナー「30戦隊大全集スペシャルファイル」では「悪の戦隊」の特集でBGMとして使用された。(ちなみに紹介された悪の戦隊はゾクレンジャーの他、花のくノ一組・邪電戦隊ネジレンジャー・銀河戦隊ギンガマンで、最後は大神官ガジャが「ガッジャー電撃隊」を結成するというオチだった。)
曲名 | 暴走戦隊ゾクレンジャー |
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作詞 | 荒川稔久 |
作曲・編曲 | 小西隆 |
歌 | 高山成孝 |
パワーレンジャー・ターボ
クラッシュ&クリープス名義で登場。小森創介と遊佐浩二が吹き替えを担当する。
余談
- この第25話、今までスーパー戦隊シリーズ最低視聴率を叩き出した『地球戦隊ファイブマン』の第26話「九州だョん」の1.8%を下回る1.4%を出してしまいスーパー戦隊シリーズ史上最低視聴率を更新してしまった(なお、『ファイブマン』と『カーレンジャー』はどちらも悪の戦隊ヒーローが登場したことやフジテレビにおける裏番組がアニメだったという共通点がある)。しかもその記録はテレビ離れがずっと進んだ後の2020年の魔進戦隊キラメイジャー23話まで破られなかった。
- 本話の視聴率が平均と比べて著しく低いのは視聴率が下がる夏休み期間であること、男児に不人気な女の子メイン回であることに加え、テレビ東京の台風報道を見た世帯が多かったことが原因とする説がある。
- この最低視聴率をもって、今シーズンを東映特撮または戦隊シリーズ最低のシーズンとみなすファンがいた。1992年に東映ビデオが実施した旧作ビデオ発売打ち切りで東映に反感を持っていた昭和戦隊のファンには本話をネタに東映を非難する者も多く、本作を擁護した者に八つ当たりをする者もいて不愉快だったという声もあった。
- 劇中パマーンが言った「1人の相手に5人でかかってくるのは卑怯」という発言は『カーレンジャー』内だけで計3回も指摘されている。一時的に洗脳されたシグナルマンとのロボット戦(36話)とゼルモダにケチをつけられたロボット戦(46話)がそれ。ほかには『鳥人戦隊ジェットマン』のブラックコンドルや『海賊戦隊ゴーカイジャー』の行動隊長ゾドマス、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のイカーゲンも発言していたりとメタ発言としてシリーズに登場している。もっとも、上記のように相手が戦闘員を連れていたり人質を取ったりして自分たちのことを言える立場じゃない場合も多々あるのだが。
- なお、ゾクレンジャー側もワンパー無しであり少なくとも『1vs1なら負けない』と彼らは思っており実際にその通りに追い込んでいる。
- ゾクグリーンの持つ手斧はバトルフィーバーロボのフィーバーアックスの流用のほか、ゾクレンバズーカはネオジェットマンのフレアーバスター、上述したバードニックセイバーの流用である大銀河電撃科学暗黒剣と、過去の戦隊の武器の流用品が多く見られる。
- SSパマーンを演じた林氏は2年後に敵幹部を演じた。ゾクグリーンを演じた宮田氏は配下の怪人を演じている。
- ゾクブルーを演じた細井氏は第3話に登場したボーゾックの荒くれ者も演じた。ゾクイエロー役の千田氏は第8話の荒くれ者も演じた。
関連タグ
激走戦隊カーレンジャー スーパー戦隊シリーズ 悪役 宇宙暴走族ボーゾック 悪の戦隊
邪命戦隊エヴォレンジャー…主題歌のみならず、タイトルロゴとOP映像まで持つ悪の戦隊だがゾクレンジャー以上の出落ち。ちなみに登場回の脚本は同じく荒川稔久氏。
邪電戦隊ネジレンジャー……次のスーパー戦隊に登場するテーマソングこそないが、見た目もとてもカッコよく、戦闘能力も極めて高く、正統派の『悪の戦隊』ともいえる敵。ただしチームワークに関してはよろしくない。
ドロリンゴ…似たような悪事をやった敵キャラ。
ノワール:21年後の東映作品の敵の首領で、悪事の動機が主題歌のラストにある「君にフラれて泣いて 腹いせに悪さするのさ」と言う歌詞其の物。
デッドマンズ:25年後の東映特撮の敵組織で、そのコンセプトは「陽気な悪」。図らずも主題歌に有る「陽気な悪人目指して」の歌詞を体現した組織と言える。