「邪電戦隊! ネジレンジャー!!」
概要
『メガレンジャー打倒』のために5人のサイコネジラーで結成された邪電王国ネジレジアの戦隊である。Dr.ヒネラーの開発した強化スーツを装備しており、スーツの下には変異態と呼ばれる異形の怪人としての正体が隠されている。全員明らかにスーツに収まらない体型だが、ある意味では変身前も怪人態である戦隊ヒーロー&ヒロインの先駆けとも評価できなくもない。
この強化スーツは、ヒネラーが鮫島だった頃に考案した「装着者自身を強化する」自らの理論を応用して作られた物であり、メガレンジャーに勝って久保田博士のメガスーツ理論よりも、自分の理論の方が正しさを証明したい願望から生み出したものである。
それらの特徴から、人間であり続けながら力を発揮するメガレンジャーのアンチテーゼともとれる存在である。
その肉体はジャビウス1世の細胞から作られており、ジャビウス1世の生命エネルギーがパワーの源である。
ネジレンジャーが戦えば戦う程にジャビウスの力が弱まり、ジャビウスがエネルギーを使い尽くされて滅びれば、同時にジャビウス細胞から作られたネジレンジャーもまた生命の源を失い、滅びる運命にある。つまり彼等は、メガレンジャー打倒の切り札であると同時に、最初からジャビウスを滅ぼすために作られた捨て駒である(この真実は本人達も当然知らなかった)。
過去作やその後のスーパー戦隊シリーズの作品でも、所謂「怪人によって構成された悪の戦隊」と呼べる存在は登場するが、ネタ要素が一切皆無なガチの強敵枠の悪の戦隊は、このネジレンジャーがシリーズ初であり、シリーズ全体で見ても未だに珍しい存在である(ほとんどがネタ枠か再生怪人枠に過ぎない)。怪人態以外に専用のスーツが用意されている例も珍しい。
能力
基本性能はメガレンジャーより上だが、同じ色のメガレンジャーをライバル視し、倒すようにプログラムされている仕様、互いにチームワークは皆無に等しい。それどころか自分個人のメガレンジャー打倒の目的達成や保身のためなら、平然と味方を背後から攻撃したり見捨てたりと、仲間意識も殆ど無い。また、あくまでメガレンジャーの打倒を目的に動いているために、ネジレジアやヒネラー自身に対する忠誠心なども実際は皆無に近い。
他にも弱点としては、彼等の強化スーツは装着者の攻撃力の増幅に特化しているために、意外にも防御力は低くて特にゴーグルの部分が脆いので、そこに集中攻撃を受けると大ダメージを受けてしまう。
それぞれがメガレンジャーの個人武器に対応した武器(ただし、ネジピンクは例外)を持ち、体内に蓄積されたネジレエネルギーを一斉に放出するエネルギー弾『邪電エネルギーアタック』が必殺技である。
更に同じ色のメガレンジャーの頭に触れると、彼等から記憶や情報を読み取る能力も持つ。
サイコネジラーとしてのそれぞれの能力も、スーツを着た状態でもある程度は使える。
黒い服を着た人間の姿に化ける芸当もできるが、劇中で披露したのはレッド・ブラック・イエローのみ。
メンバー
ネジレンジャーの切り込み隊長。正々堂々とした戦いを好む戦闘狂。
武器はネジセイバー。
CV:安井邦彦 人間態:朝山恭之
作戦立案を担当するリーダー格。冷静な性格。
武器はネジロッド。
CV:山田義晴
子供じみた残忍な性格で、より面白い戦いを好む戦闘狂。
武器はネジトマホーク。
プライドの高い女王様タイプで、狡猾な性格。頭脳戦が得意。
武器はネジスリング。
大人の女性と少女の姿を使い分けられる。少女の方を演じたのは子役時代の大島優子氏である。
CV:山崎依里奈
男口調で話す直情的な性格。ネジイエローとは犬猿の仲。
武器はネジキャッチャー……ではなく何故かネジアロー。
CV:金井茂
第41話に登場した謎の新戦士。その正体は彼等を撹乱するためのメガシルバー=裕作の変装である。
スーツは、その前に倒したネジピンクのものを形だけ修復して、銀色に塗り直して利用した。
- サイコグリーンレンジャー
海外版限定キャラで、日本風ならばネジグリーン。ゲーム作品であるパワーレンジャー・レガシーウォーズに登場する。
変身者はパワーレンジャー・スーパーソニックのグリーンレンジャーことトレック(日本風ならばファイブグリーン)。
活躍
第38話にて偽メガレンジャー(胸部のラインが紫色である点が本物と異なる)の姿で現れたのが始まりである。
本物と交戦する際にはネジレンジャーに戻り、初戦では圧倒的な戦闘力でメガレンジャーを後一歩の所まで追い詰めたが、それ以降は主にチームワークの悪さを突かれて、ピンク(第40話)、ブルー(第41話)、残り3人(第43話)の順に敗退する(同時に、ヒネラーの狙い通りにジャビウスも滅んだ)。
しかし、魂のみで生き残っており(肉体を持たないため、相手に触れはできなかった)、ジャビウスハートを勝手に利用して復活する。そしてヒネラーを襲って負傷させ、ユガンデにも重傷を負わせた。
その後は、メガレンジャーとの決着のために、データカードに封印された5人を自分達同様に復活させて(復活と同時に5人は正体を知られた)勝負を挑むが、メガシルバーこと早川裕作の策略でデータ化の装置にまで誘導されて、データカードに封印されてしまい、そのままジャビウスハートの自爆に巻き込まれて、ヒネラーシティの崩壊と運命を共にした(第47、48話)。
パワーレンジャーでの活躍
海外版『パワーレンジャー・イン・スペース』での名称はサイコレンジャー。本編中での活躍は原作にほぼ忠実だが、生命エネルギー供給源がダークスペクターとなっている。
更に、翌年の作品の海外版『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』のスーパー戦隊Vシネマに相当する共闘エピソードでまさかの再登場。デビオット(闇商人ビズネラ)の持っていたデータカードから復活させられ、ロスト・ギャラクシー・レンジャーとスペース・レンジャーに差し向けられる。その後、戦いの末に二大戦隊との戦闘で敗れるも、サイコピンク(ネジピンク)だけが生き残り、捨て身の作戦を敢行するがケンドリックスに阻止された。この戦いでケンドリックス(ギンガピンク)が戦死し、ピンク戦士の座を前作ラスボスだったカローンが継いだ。
その後『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』において、アーカイブ映像で登場。
宇宙のお尋ね者であったライジャックが倒された後、エヴォックス軍のスクローズルが彼の蘇生装置を回収した際に、復活させる敵の候補としてブレイズからサイコレッドの名前が挙がった。
強力なレンジャーであるアンドロスを圧倒するサイコレッドの姿を見て、スクローズルはブレイズの案に関心を示したが、ロキシーからは「サイコレンジャーは同じ色のレンジャーしか狙わない上、戦いの邪魔をすれば私達を襲ってくる」と反対される。
それに対しブレイズは「ならば5人全員復活させれば良い」と意見するも、スナイドから「復活出来るのは1人まで」と伝えられたため、サイコレンジャーの復活は却下となった。
ちなみに、この時の復活候補にはアストロネマやロード・ゼッドなどの海外オリジナルの悪役の他、コーラッグなど、スーパー戦隊のファンからすれば意外なキャラクターが揃っていた。更にこの三者は全員改心して人間になるか、洗脳が解けて正気に戻っているのだが、後年のロボリタのように悪の部分のみ復活させる予定であったのだろうか?
尚、その後復活した悪役は「ゴルダー・マキシマム」となっている。
日本語吹き替えは藤本隆之(レッド)、三宅健太(ブラック)、遊佐浩二(ブルー)、柳沢真由美(イエロー)、秋葉秋(ピンク)が担当。
立体化
プレミアムバンダイ限定で『SHODO SUPER 邪電戦隊ネジレンジャー』として、2024年6月の発売が発表された。
内容はネジレンジャーの5人+ネジシルバー(ただし、サイコグリーンレンジャーは対象外)、各員の専用武装に各種差し替え用の掌となっている。
関連タグ
似たようなチーム・キャラクター
- 暴走戦隊ゾクレンジャー:前年に登場していた悪の戦隊。こちらは一話限りの登場であり、作風からしてスーパー戦隊のパロディが含まれている。
- ゼツメイツ:こっちも強敵だった悪の戦隊だが、チームワークは遥かに上でメンバー全員の仲も良好。
- 暗黒聖闘士:メガレンジャーより11~12年前に放送された聖闘士星矢序盤に登場する最初の敵。女神にも見捨てられ、聖闘士の称号も剥奪された私利私欲の為に戦う外道共。原作ではブラックセイントと読み、デスクイーン島を根城にしている。グループは比較的統率が取れているが、基本的には単なるゴロツキである。アニメ版はあんこくセイントと読み、教皇アーレスに成り済ました双子座のサガがデスクイーン島を占領し、無罪放免の代わりに教皇アーレスへの忠誠を誓い、世界征服の尖兵として世界各地へ派遣され、世界を混乱に陥れた。
- テラノイド、ゼルガノイド:メガレンジャーと同時期に放送された作品に登場するヒーローを基にして作られた事や人類を守るために作られた点に(少し)共通している部分があるがこちらはネジレンジャーとは違い逆に悪に利用される結末になった。
- ビークラッシャー四鎧将:メガレンジャーより少し前に放送された『ビーファイターカブト』の後半期に登場したメタルヒーロー版の「悪の戦隊」。同じく怪人から変身した点や、事の顛末等共通する部分も多い。
- DDガールズ:メガレンジャーより4~5年前に放送された『美少女戦士セーラームーン』の第45話に登場したダークキングダム最後の切り札にして最強の戦士。ネジレンジャーとは逆にセーラームーンを除く4人を倒した為、当時の視聴者にトラウマを与えた。ただし、こちらは黒ではなく緑と、桃ではなく紫である。
- ダークプリキュア5:『Yes!プリキュア5』劇場版に登場した、初代「悪のプリキュア」チーム。ただし、こちらは黒ではなく緑である。
- バッドエンドプリキュア:『スマイルプリキュア』第46話に登場する悪のプリキュアチーム。黒をベースに、イメージカラーのパーツが入っているのが特徴。ただしこちらも黒ではなく緑である。DDガールズの結果とは逆にスマイルプリキュアチームは全員無事だったのと、奇しくも第46話はセラムン第一期の最終回と同じ回数だった。
- アナザーライダー:『仮面ライダージオウ』に登場する怪人。敵勢力が生み出した戦士であり、各個体がモチーフ元の仮面ライダーに対応した姿をしている。
- 電磁鬼:メガレンジャーを歪めた存在の後輩。