「燦然・・・それは涼村暁がクリスタルパワーを発現させ、超光戦士シャンゼリオンとなる現象である――」
CV:萩野崇
スーツアクター:岡元次郎
概要
涼村暁が変身アイテムシャンバイザーを装着し、光の粒子を集めることで強化ボディスーツ「クリスタルスーツ」を装着した姿。「燦然」とはシャンバイザーを装着する際の掛け声であると同時に、記事冒頭に引用したナレーションにもある通り、シャンゼリオンに変身する際の一連の現象を指す呼称でもある。
シャンゼリオンに変身するためには、独立機関「S.A.I.D.O.C」の宗方猛が開発した新技術「クリスタルパワー」を浴びる必要がある。本来は同機関に所属する速水克彦が変身者となるはずだった(※)が、クリスタルパワーを輸送するトラックがダークザイドの襲撃に遭い大破、その煽りでたまたま近くに居合わせた暁がクリスタルパワーを浴びてしまったため、暁が変身者となった。
このような経緯、それに元来のいい加減な性格故に、暁には戦士としての自覚が備わっていないため、変身後は人間の数十倍の運動能力を叩き出しながらも、戦闘においては闇生物相手に苦戦を強いられることも多い。
しかしその分、暁が本気になった際には凄まじいポテンシャルを引き出し、手のつけられない程の強さを発揮する。作中でも1対4、しかもそのうち半数が幹部格という明らかに不利な状況にもかかわらず、とある理由から怒りに燃えるシャンゼリオンはこれらと互角以上に渡り合った末、作中においてもトップクラスの強者である暗黒騎士ガウザーをして「今のお前と戦って勝てる自信がない」とまで云わしめたこともある。
・・・まぁ、大抵の場合は「超ラッキー」の末に勝利をもぎ取るのが常でもあるが。
(※ 後に一度だけ、暁と速水のラームが入れ替わった際に、速水がシャンゼリオンに変身したこともある)
武器・技
- シャンディスク
胸部に装備されている8cmCD型ディスク。各種武器を召喚するときに使う。作中ではレッド、イエロー、ブルーの三色のディスクが登場し、これらを武器に装填することで様々な技を使用する。
- シャイニングクロー
右腕に装着するクロー付きのガントレット。レッドディスク装填で「クローパンチ」、イエローディスク装填で必殺光線「クローバースト」を発動。
- シャイニングブレード
長剣。「一振り!」などの掛け声で相手を切り裂く。刀身には作中で使われている金色のほか、オープニング映像に登場する透明なものがある。
- ガンレイザー
光線銃。銃身内のシリンダーで光エネルギーを充填、圧縮しクリスタルエネルギーとして放出する。シャンディスク装填も可能。
- スクラムブレイザー
ガンレイザーの銃身下部に、シャイニングブレードを合体させた大型光線銃。2つの武器のエネルギーを合わせてより強力な破壊光線を発射する。
- シャイニングアタック
シャンディスク上部に右腕をかざし、「シャイニングアタック!」と叫ぶことで発動する必殺技。胸のシャンディスクに全身のクリスタルパワーを集め、シャンゼリオンの姿を模した光のビームを発射する。ビームは途中で鋭い形状へと変化して敵の胴体を貫き、これを爆散に至らしめる。あまりに強力な技であるがゆえに、初使用時のみ反動で後ろに転んで尻餅をついたこともある。
また、技が決まった際には「俺ってやっぱり、決まりすぎだぜ!」などの台詞とともに、その場で一回転して人差し指を前へ突き出すという決めポーズをとることも多い。
S.A.I.D.O.C.の開発による、シャンゼリオンのサポートを目的とした3体のロボット。戦闘から選挙活動に至るまで、その支援の範囲は多岐に亘る。詳細は当該記事を参照。
余談
デザインは篠原保氏が担当。番組企画への参加からデザインの経緯については、篠原氏の個人サイト(参考リンク)にて詳しく語られており、企画の変遷に応じて作中での立ち位置や細かなディテールの変化こそあれど、「天使の衣を纏った鬼」というイメージで起こされたシャンゼリオンのデザインは、当初からほぼ完成されたものであることが窺えるものとなっている。
そのデザイン、そして内部が透けて見えるクリスタル状のボディを再現するため、実際の造形物も素材・構造に至るまでそれまでのヒーローとは異なる難題・課題が多く、造形は困難を極めたという。
そのあまりの重量故に、スタッフの間では「こんなの動かせるのは岡元次郎さんだけ、他の人だったら首の骨が折れる」とまで言われ、当の岡元氏ですらこのスーツを着用しての撮影に関する苦労を後に語っている。暁役の荻野崇が試しに着てみたところ一歩も動けなかったとか。
重量についてはWikipedia出典で「アクション用ですら40kg超、アップ用に至っては実に100kg近い重量を持つ」などと書かれることが多かったが、レインボー造形の前澤まさる氏・造形師の若狭新一氏からは全面否定され、現在はWikipedia記述も修正されている。
玩具は放送当時に、ライト&サウンドギミックを搭載した1/6サイズ、それに可動や別売りの超光騎士との連動を重視した1/12サイズの、計2種のアクションフィギュアがセガ・エンタープライゼスより発売。いずれもクリアパーツとメッキパーツを多用し、シャンゼリオンのイメージを再現したものとなっている。
放送から四半世紀を迎えた2021年には、千値練からもシャンゼリオンの1/12アクションフィギュアの発売がアナウンスされ、翌2022年10月に発売の運びとなった。こちらも当時品と同様にクリアパーツやホログラム塗装の他、体型などで作中のイメージをより再現した作りとなっており、さらに各種武器だけでなく決めポーズ用の手首や作中でも印象深いサバなど、付属品でも気合の入ったものとなっている。
暁を演じた萩野崇氏は後に『仮面ライダー龍騎』で仮面ライダー王蛇を演じた。また、合体も可能な3体の戦士を従えている点やスーツアクターも同じ。ただし、こちらは凶悪犯が変身する悪の戦士である。
プロデューサーと脚本家が同じ作品『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場するソノロクの怪人態はデザインモチーフとしてシャンゼリオンが採用されているのではないかと指摘する向きもある。また、篠原保氏も参加している。