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ザ・ブレイダー

ざぶれいだー

ザ・ブレイダーとは、特撮テレビドラマ『超光戦士シャンゼリオン』に登場するヒーローの一人。
目次 [非表示]

「バージョンアップ!」


CV:相澤一成(32話のみノンクレジット)

スーツアクター:坂本隆


概要編集

物語終盤より突如出現した、シャンゼリオンに次ぐ第2の戦士。

緑色でマッチョな体格と、頭部から鬣のように生えている白い毛が外見上の特徴で、毎回高笑いとともに現れては、その体格に相応しいパワフルかつ俊敏な格闘戦を展開、ダークザイドの闇生物を圧倒する。

必殺技も前方宙返りを決めた後、複数回にわたって飛び蹴りを決める「ザ・ブレイダーキック」と、多彩な武器や装備を駆使するシャンゼリオンとは対照的な戦闘スタイルが貫徹されている。ちなみにザ・ブレイダーにはもう一つの必殺技があるのだが・・・これについては後述するものとする。


初登場回にて、苦戦するシャンゼリオンを後目に闇生物を撃破した後何処ともなく姿を消しており、当初はその正体も謎に包まれていたのだが・・・程なくして思わぬ真実が明らかになるのであった。


真相編集

前述の通り鮮烈な初陣を飾り、その後も車に撥ねられそうになった人の救助から町内のドブ掃除など、度々人助けに勤しむザ・ブレイダーは、いつしか市民をも熱狂させるほどの存在となっていた。

その正体については当初、市民の目撃情報から魚屋を営む田中元三であるとされ、速水克彦も田中に弟子入りを志願するほどであったのだが・・・後に田中は闇生物フォンダーであることが判明。彼がザ・ブレイダーと誤認されたのは、その足元がザ・ブレイダーに似ていただけという些か締まらない理由によるものであった。

ともあれ、正体が露見した田中ことフォンダーは、闇将軍ザンダーとタッグを組んでシャンゼリオンと干戈を交え、対するシャンゼリオンも何故か意識が朦朧とする速水の奇行もあって苦戦を強いられるのだが、シャンゼリオンが追い詰められた正にその時、昏倒状態から突如として覚醒し、記事冒頭にも示した掛け声とともにポーズを取った速水の姿は、見る間にザ・ブレイダーへと変化。鮮やかな動きでフォンダーを難なく撃破してみせたのであった・・・。


「闇の種を食べた速水克彦の肉体は、戦士として生まれ変わった。そして、梅干しを食べることにより戦士としてのパワーが発現するのだ」


実はザ・ブレイダーが登場する少し前、闇次元の調査から命からがら帰還したS.A.I.D.O.Cの宗方猛は、「闇の種」と呼ばれる物体を持ち帰っていた。これはダークザイドの根幹をなすものにして、闇生物の命の元ともいうべき重要なアイテムであり、ここからダークザイドの弱点を知ることもできる・・・はずだったのだが、よりにもよってその事情を知らぬまま、速水が梅干と間違えて闇の種を食べてしまったことが彼の体質変化を促し、ザ・ブレイダー誕生のきっかけとなったのである。


「闇の種に含有されていたダークグレタミン酸は、梅干に含まれる塩分と結合して、速水克彦の血液の中をかけ巡る。そして、血液の中で練られていた血の第一物質が速水克彦の脂肪分によって分解され、タイロミンとデジタミンに分かれるのだ」


ほとんど偶然ともいうべき形で誕生したザ・ブレイダーであるが、実はそんな彼にも2つの弱点・・・というより欠点が存在する。その一つ目は「真面目過ぎる」こと。ザ・ブレイダーへの変身は、真面目で熱血な速水の性格がより助長されるという効果を発揮し、前述した様々な人助けもこれに起因したものとなっている。

しかし、その真面目さが過ぎるあまり、何処からか助けを求める声が聞こえた途端、例えその時点で闇生物と戦っていようとも人助けのために、これを放り出してしまうという挙動に及ぶこともあるのである。ちなみに前述したもう一つの必殺技というのが、この人助けの際に登場した「ザ・ブレイダーアタック」であるが・・・その実態は丸めた新聞紙でゴキブリを叩き潰す攻撃である。


「一方、デターミンとは、リンパ液に結合してカチルダ酸と、ノヴァ粘液と、サルマドンと、マグールトドータミンを作り出す。この際、ノヴァ粘液は体温によって分解され、消滅するが、その残滓がカチルダ酸に結び付いて核カチルダ酸に変化するのだ」


そしてもう一つの欠点は「速水自身にザ・ブレイダーである際の記憶がない」こと。これは即ち、速水が自発的にザ・ブレイダーに変身できないことをも意味しており、変身する際にはその場にいる他の誰かが速水に梅干を食べさせてやる必要がある(※)。

このような事情ゆえに、速水がザ・ブレイダーを自分自身とは知らずに敬愛するというややこしい事態まで発生している。


「・・・そして、核カチルダ酸とサルマドンによって生成されたカッサノ蛋白質により、速水克彦はザ・ブレイダーであった記憶を無くすのであった」


(※ 例外として、最終回「時(いま)を越えて・・・」で描かれた「もう一つの世界」では、変身の際に梅干を必要とせず、また人格面での変化や記憶を失うといった描写も見られなかった)


備考編集

敵味方とも変身の際、その原理を解説する(ように見える)ナレーションが挟まれるのが一つの特徴となっている本作であるが、ザ・ブレイダーについても勿論例外ではない。

彼の場合は、上記の解説の合間に挟まっているカギ括弧内の文章がこれに該当するのだが・・・見て分かる通りとにかく長い。他の面々に比べても明らかに長いのである。

このような長さゆえに、変身プロセスの間にナレーションが終わることはまずなく、戦闘の合間にもナレーションが続きそして戦闘終了と共に終わる、ということすらあった程である。


放送当時行われたテレフォンサービス「シャンゼリオンクラブテレフォン」では、最終回である第5回に登場。こちらでは一人称が「俺」ではなく「私」とされており、変身中は速水であった際の記憶を失っていることがここでも明示されている。


デザインは篠原保が担当。「マッチョなタイツヒーロー」をコンセプトに掲げ、その上で実現には至らなかったものの、身体の筋肉部分などを造形ではなく「縫製」で作ることが、デザインの段階で志向されていた。また、特徴の一つでもある頭部の白い毛については、第21話に登場した闇生物ミミンガの毛の造形が良かったことを受けてデザインに取り入れられたものである。

色については当初「赤」とする構想もあったものの、超光騎士との兼ね合いなどもあり「緑」とされ、そこから少ししか出番がないということも加味して「いっそX1マスク(『光戦隊マスクマン』)にしてしまおう」と、意識的に色分けも近付けているという。


残り話数も10話を切った時点での登場ということもあり、放送当時セガによる商品化は一切行われていない。そもそもデザインを手掛けた篠原も、仮に放送期間が1年間であればザ・ブレイダーではなくシャンゼリオンの2号機が登場する可能性が高かったとも証言しているくらいなので、端から商品化を前提としたキャラクターではなかったことが窺える。

公式な商品化はなされなかったものの、番組終了後の2003年から2004年にかけて篠原も関与の上で、ザ・ブレイダーのキャストキット化が実現、ネット通販が実施された。無可動のディスプレイモデルで、かつ組み立てや塗装を要するものの、放送当時発売されたシャンゼリオンのスタンダードサイズフィギュアや超光騎士と並べられるサイズとなっている。


関連タグ編集

超光戦士シャンゼリオン

シャンゼリオン


2号ライダー:『シャンゼリオン』という作品自体が平成仮面ライダーシリーズの原型であるという見方から、ザ・ブレイダーについても同シリーズにおける2号ライダーの謂わばプロトタイプに当たる存在ではないか、と見る向きも存在する

嶋昇:『仮面ライダー剣』の登場人物の一人。ザ・ブレイダーこと速水とは演者を同じくしており、こちらも(ヒーローではないものの)変身能力を有する他、ザ・ブレイダーとはまた違った形で「人助け」に及んだこともある


愛天使世紀ウェディングアップル:『シャンゼリオン』の前番組『愛天使伝説ウェディングピーチ』の後継作品。同作の登場人物の一人である黒岩優斗も、クローバーとよばれるお助けキャラへと変身、自身の想像以上の力を発揮しており、その点においてザ・ブレイダーとの共通項が見られる

難波フォーティ赤松健原作の漫画『A・Iが止まらない!』の登場人物の一人。男と女の人格を有する二重人格少女で、男の時は女の記憶が、女の時は男の記憶が無いという点で、ザ・ブレイダーと共通項を有する。他方でその設定が災いし、男フォーティは(作者が描き難かったという理由により)後半殆ど出番が無く忘れられていたという逸話も残されている

すごいよ!!マサルさんうすた京介原作の漫画。主人公・花中島マサルの体内にある「ノッホソ」なる物質ができるプロセスの解説が、ザ・ブレイダーのそれを意識しているのではないかと見る向きもある。また同作にはこれ以外にも、「マグロじゃねぇ!3」というサブタイトルのエピソードなど、『シャンゼリオン』のパロディではないかと見られる部分も存在する

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