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涼村暁

すずむらあきら

涼村暁とは、特撮テレビドラマ『超光戦士シャンゼリオン』の登場人物の一人。本作の主人公に当たる。
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「決まった!俺ってひょっとして、キマりすぎだぜ!」

サバじゃねぇ!


演:萩野崇


概要編集

本作の主人公である、私立探偵の青年。「ふんわかいこうよ、ふんわか」を口癖とし、バナナパフェをこよなく愛する。移動の足として、ガタの来ている緑色のシトロエン・2CVを活用することもある。


自称「何代も続く名門探偵事務所」である「涼村探偵事務所」の所長を務めているが、とある失踪事件に関わったのをきっかけに、人間の生命エネルギー「ラーム」を喰らう闇生物ダークザイドの存在を知ってしまい、同時にこれと戦う独立機関「S.A.I.D.O.C」の輸送車の事故に巻き込まれる形でクリスタルパワーを得たことにより、図らずも超光戦士シャンゼリオンへの変身能力を得てしまった。

が、後述する人間性のために、S.A.I.D.O.Cの面々は言うに及ばず、時として敵であるダークザイドでさえも、暁のおよそヒーローらしからぬ「ノーテンキラキラ」な所業に翻弄されていくこととなるのである・・・。


人物編集

有り体に言ってしまえば、「グータラ、女好き、遊び好き」と三拍子揃ったダメ男である。

それゆえに事務所も閑古鳥が鳴く状態で、たまにが入ってもすぐ遊びに使ってしまうため、秘書への給料が数ヶ月未払いというのもザラな上、1,000万飛んで2円という多額の借金までも方々で抱えている。

このように、私生活からしてどうしようもなくいい加減かつやる気ゼロな男なので、偶然手にしたシャンゼリオンの力も「俺って超ラッキー!これで退屈な生活とはおさらばだーい!!」と大喜びで受け入れており、正体を隠す気もなくむしろ他人に自慢したがる。

もちろんヒーローとしての使命感も一切持ち合わせていないため、ダークザイド達はおろか味方である速水達すらも平気でだまくらかすこともあり、時には本来「悪役」としてヒーローに倒されるべき立場にある、ヒーローオタクのダークザイドからも、「あまりにも自身が理想とするヒーロー像からかけ離れている」として失望され、ヒーローの在り方について説教されるほどである。


そしてそれだけに留まらず、作中では以下のような所業にまで及んだこともある。

  • 知人のクレジットカードをだまし取って豪遊。
  • 自分の名を騙り敵を呼び寄せ同士討ちを狙う。
  • 借金を返してくれと泣きついてきた銀行員を探偵事務所に引きずり込み、さらに融資しろと要求。
  • 東京都知事選挙に出馬した黒岩省吾に対抗するため、自らも「消費税0%、都民全員にお小遣い支給」をマニュフェストに掲げて出馬。サポートロボットまでも選挙活動に動員する上、対抗馬のスキャンダルを掴むために知人までも利用。
  • 「変なにおいがする」というダークザイドへの手掛かりを「相手は化け物だから臭かろう」と流す。
  • 速水と一緒に橋から落ちそうになった時に自分のズボンにしがみついている速水をズボンを脱いで蹴落とそうとし自分だけ助かろうとする。「見りゃわかんだろ?ズボンを脱ぐんだ!!」
  • とある事情により、秘書が事務所を去った後は寂しさを紛らわすために女性を集めて遊び倒し、部屋がゴミだらけとなるという自堕落ぶりを発揮。

中でも銀行員からの借金は、作中で裁判沙汰にまでなったほどのレベルである。もっとも、裁判とは言ってもその実態はダークザイド(というより黒岩)による策略という色彩が濃いものであり、当初は公平に審理を進めていた裁判長(神官モードス)も、暁がシャンゼリオンであると知った途端に「同族達を葬った」として死刑を宣告した。


・・・しかしその一方で人当たりはよいらしく、多くの登場人物がなんだかんだで彼を受け入れている。また寂しがりな一面もあり、そんな情けない姿が母性をくすぐるのか数十人ものガールフレンドを持っている。

また、ヒーローらしからぬダメ人間とはいえ、彼なりの良心と正義感は持ち合わせてもおり、作中でも弱者や他人の心、特に女性を傷つけるものには激しい怒りを燃やし、普段の体たらくからはおよそ考えられないほどののパワーを発揮した(※)ことさえある。ある事件では、母を探してほしいと依頼してきた子供が、依頼料として渡してきた千円札を「今の俺には大金だ」と遠慮もせずに喜々として一度は受け取りながらも、事件解決後には「俺の依頼料は高いんだ。大人になってから正規の料金をいただくぜ」と返してあげるという心憎い一面を見せたこともある。

いい加減ながらも、探偵を生業としているだけあって妙なところで勘に優れた面もあり、スマートな立居振舞と高い実力を示して速水やエリの信頼を獲得した黒岩に対し、(半ば嫉妬めいた感情もあったとはいえ)「「ダルマさんがころんだ」も知らないヤツが戦士のはずはない」と看破。結果として偶然に近い形ではあるものの、その正体がダークザイドの暗黒騎士ガウザーであると露見するなど、物語の初期においてはダークザイドに対する嗅覚の鋭さが強調される場面も折に触れて見られた。


そもそも前述したいい加減な性格の裏には、暁自身の社会に対するシビアな見方も潜んでいたりする。それゆえに、自分に甘く楽に人生を過ごそうとすることのみを求めているため、作中での破天荒な行動の数々にも決して邪心があるという訳でもない。確かに問題のある行動や発言は数多いが、いざというときに見せるやる気と行動力、瞬発力は敵からも一目置かれている。


(※ 後に自身の秘書となるるいの思いやりを踏みにじられた際には、相手が4体、それもうち2人は幹部もしくはそれに準ずる実力の持ち主という、明らかに不利な状況ながらもこれを圧倒せしめている)


もうひとつの世界編集

最終回にて描かれた「もうひとつの世界」では、暁は正式にS.A.I.D.O.Cの隊員となっており、そちらの視点を中心に物語が紡がれることとなる。性格の方も、それまで描かれてきた暁のそれとは対照的に生真面目かつ冷静なものとなっている一方、どんな苦境でも諦めないという側面は共通点として持ち合わせてもいる。

ダークザイドによる大攻勢が始まり、次々と仲間を失っていくなど追い詰められるばかりの暁は、その合間合間に夢を見るのだが・・・その夢の内容こそ、それまでに作中で描かれてきた能天気な暁が、普段と変わらぬいい加減な暮らしを送っているというものであり、同時にそちらの暁もまた真面目そのものな「もうひとつの世界」の暁を、夢に見ていることが語られている。


「向こうの世界に行けたらいいな・・・これが俺の見てる夢だったら、どんなにいいだろう」


それまでの暁からは考えられないほどの弱音を吐くまでに追い詰められる中、最後まで共に戦っていた速水までも喪うその裏では、夢の中の「いつもの」暁がいつものように、ノーテンキな様子を見せていた。


「いや、さっきの夢の続きなんだけどさぁ・・・意外とほら、こっちが夢だったりしてな?」

「慌てるなって! どうせ俺が、勝つに決まってるからなぁ!」


そして「もうひとつの世界」にて、ただ一人残された暁にダークザイドの総攻撃が迫る中、これに立ち向かうべく彼が燦然のポーズを取る場面で、『シャンゼリオン』の物語は締めくくられることとなる――。


備考編集

初期の企画段階での名称は「冴木暁(サエキ アキラ)」という、若干ながらも『シティーハンター』からの影響を受けたものとされていたが、当時東映に同音異字の「佐伯明」というプロデューサーが既にいたこともあって没となり、それを受けて「涼しげな名前がいいんじゃないか」ということから「涼村」という名字に落ち着いたという経緯がある。白倉P作品にはスタッフからとったようなネーミングが散見されるため鈴村展弘杉村升大和屋暁から取った可能性もある。


作中でシトロエンを乗り回していた暁であるが、これは制作サイドに「バイクなんて旧態依然だ。探偵といえば車」という考えが念頭にあってのことだったようで、その車種についても脚本の井上敏樹が「ピンクのキャデラック」と提案したところ、監督の長石多可男から「それは下品だ」と異論が出たため、「シャンゼリオンだしフランス車」という理由?からシトロエンがチョイスされたという。劇用車は、元はクラシックカーのコレクターが所有していたものを譲ってもらったものであるといい、エンジンが掛からず自走できないためトレーラーに積んで撮影現場まで運搬したり、そもそも補修部品もないため修理ができないなど、撮影に際しては様々な苦労があったことが後に語られている。


演者の萩野崇は、後年『仮面ライダー龍騎』にて浅倉威/仮面ライダー王蛇を演じているが、こちらは「凶悪犯罪者が変身する悪の仮面ライダー」という、暁とは様々な面で対照的な役柄である。同作の放送期間中には、同時期にリリースされた『シャンゼリオン』DVD-BOXのCMも番組内にて流れているが、そこで萩野が担当したナレーションが放送当時と同様のノーテンキなノリであったことから、ファンの間でもそのキャラクターの落差に戸惑ったという向きも少なからず観測されている(しかも本CMが放映されていた頃の龍騎本編は仮面ライダーインペラーが退場したり神崎優衣の消滅間近だったりとかなりシリアスな空気であった為視聴者の混乱を加速させていた)。同作ではこれ以外にも、浅倉の弟の下の名前が「暁」とされているなど、演者が共通している点を意識したネタも様々に散見される。

本編外でも、当時のハイパーバトルビデオで仮面ライダー王蛇がシャンゼリオンと同じ一回転決めポーズをする(王蛇のスーツアクターはシャンゼリオンと同じく岡元次郎)、「仮面ライダーエグゼイド」のVシネマ「ビーストライダー・スクワッド」に浅倉がゲスト出演した際に「サバじゃねぇ!」ネタを披露するなど、ファンサービスとして何度か本作由来のネタが取り入れられている。

逆にシャンゼリオン側も上記のDVDボックスの広告に「どこかの誰かさんみたいにイライラしながら待ってた皆、お待たせー」というキャッチコピーを使っていた。




関連タグ編集

超光戦士シャンゼリオン

私立探偵 井上キャラ

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